空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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空を飛びたいと願ってもその方法は…


第29話飛び立つとしたら

あいにくの曇り空、今にも雨が降り出しそうな空模様の中で俺は音楽室のピアノで勇気一つを友にしてと翼をくださいを演奏する

曇りの日はいつもここでこの曲を弾いている

「もしも飛べるとしたら俺達はイカロスのようになれるのだろうか?あの勇気を無謀と思うだろうか」

1人呟きながら曇り空を見上げると窓にポツリポツリと雨粒が当たり雨が降り出した。

「雨が降る空が泣く」

俺はもう一度ピアノに向かうと演奏を始める。

 

 

歌はあえて歌わない、あの頃の空を想う度に街の片隅でたった1人空を見あげる自分を想像しながら

しばらく演奏していると演奏につられたのか扉が開き珍しいお客さんがやってきた。

ポピパの有咲と沙綾だった。

「やぁ、2人とも」

「ピアノ音聞こえてたので誰かなと思って来てみたら先輩だったんですね」

「曇りや雨の日はここにいるんだ」

「納得です。曇りや雨の日は必ずと言っていいほどピアノの音が聞こえてました。誰が弾いてるのかなって思ってたんですけど、先輩だったんですね」

「なんでイカロスの物語と翼をくださいなんですか?」

俺は窓に寄りかかりながら告げる

「自分でもわからないんだけどね、なんでかこういう天気だとどうしてもね」

そう言って窓に体を預ける

「先輩って本当に空好きですよね」

「俺の憧れだからね」

「その体制で言われると雨が降ってる事を憂いてるようにしか見えないですよ」

「そう言われてもな〜」

俺はそう言ってもう一度ピアノに向かい演奏する

曲の歌詞はあえて口ずさむことはしない

ただただピアノの音だけを響かせる

 

有咲・沙綾視点

「有咲、この曲知ってる?」

「いや、知らねーけど?沙綾知ってんの?」

「うん、私が小学生の頃にやってたドラマの主題歌だよ母さんが観てた」

「先輩が演奏してるって事は空関連?」

「曲のタイトルが明日晴れるかなって言うの」

演奏の手を止めずに先輩が話に入ってきた

「知ってるんだね、なんなら沙綾歌う?」

「遠慮しておきます」

私は苦笑しながら答える

「有咲は…知らないんだよね?」

「えぇ、知らないです。」

「こっちならどうかな?」

俺は銀色飛行船を演奏するが有咲はピンと来てないようだ。

「先輩、もっと違う曲無いんですか?」

「そう言われてもな〜俺の物語は空にしかないんだ

言われたことがあるんだ、君の物語は空があってこそのもの君から空を奪ってしまえばその物語は俺の物語じゃ無くなるってね」

「その言葉って嫌な言い方すれば縛りにも聞こえますよね」

「縛りか…だとしたら感謝しないとね」

「なんでですか?」

「俺を空に縛り付けたことによって俺は空と言う何処までも果てしなく続く物語を追い続けられる。それが一番だよ俺に必要なのは空という名の物語を描く為の手段だからね」

「まるで籠の中の鳥ですね」

「2人からみたら俺はさしずめカナリヤかなだとしたら空を飛ぶことに憧れたカナリヤが飛び立つ瞬間を心待ちにしている感じかな」

そう言って先輩は窓辺に置かれた鳥籠と窓辺から少しだけ見える青空と陽の光が印象的な写真を残して行った。

「飛び立つとしたら先輩は…」

「沙綾?」

「きっと先輩は空を自由に飛ぶ鳥のような自由な曲を作ってくれるよ!」

そう言って沙綾は写真を手に教室に戻って行った

「まぁ、楽しみにしますか」

そう呟きあたしも後を追った。

 

-放課後・暁人視点-

 

学校での一日を終えた俺は即帰宅し作曲作業に取り掛かる

「外の世界に飛び出したいと思うだろうか?

この檻の中にいれば外の世界を知ることは出来なくても例え飛ぶ事が出来なくても良いのではないだろうか?」

パソコンに向かいつつ時々席を経ちピアノを演奏し音を確かめながら曲を作っていく

そして歌詞を口ずさみつつ編集しながら曲を完成させる

「タイトルはカゴの中で」

俺は曲をアップしてからまた空を見上げるのだった

 

ポピパ視点

Skyの曲がアップされた。

「来た!」

「タイトルはカゴの中でだって」

「どんな曲かな?」

「聴いてみないとわかんないよね」

「とりあえず聴いてみるか」

私達は曲を再生する

『籠の中の鳥は空に憧れていた翼をはためかせ空を飛びたいと願っていた

その願いは叶わないなぜなら空を舞うという事は籠の中から飛び出すということそれを怖いと思ってしまった自分は臆病者だろうか?そうかもしれないでも臆病者でいい!

臆病だからこそ見えるものがある!だからこそこの世界を知りたいと願うこの空を飛びたいと願うことが出来るから』

 

曲を聴き終わった私達は不思議な気持ちになった

「臆病だからこその強い憧れ…」

「飛び立つとしたら臆病者が見える世界がある」

「先輩が伝えたい事は臆病だからこそ見える世界」

「縛り付けた言葉すら憧れ…」

「沙綾ちゃん、有咲ちゃん2人とも何みてるの?」

「先輩がくれた写真」

「鳥籠と窓辺から見る空の写真」

この写真が意味したのは小さな世界すら自分の憧れだと言う先輩の強い気持ちだったのかもしれないと思った私達だった。

 

 

 




29話目です。次が30話になるんですよね、ストーリーの中でなにかしたいと考えてますが何が良いかも浮かんでないんですが各バンドのリーダー達との交流を書いてみようと思いますのでお楽しみにまずはポピパからいきますのでストーリーを楽しみに待っていてください。

次回「キラキラと星空」

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