今日は生憎の曇り空だった、でも、時々雲の切れ間から覗く光が幻想的だと感じてその様子を写真に収める
「今日もいい写真が撮れたな」
暁人はその日も空を写真に収める
そして学校に向かう道中も空を歌った曲を聞きながらテンションをあげていく
そして学校に着くと俺は教室に荷物を置いて屋上に向かう
屋上に着くと誰も居ないことを確認し片耳にイヤホンをして
持参したギターを弾いていく
「なるべく原曲に近い演奏したいし、やりますか!」
そうして演奏に集中し時間を忘れ没頭する
それから少しして後1曲だけと思ったタイミングで屋上の扉が開き紗夜さんがやってきた
「こら黒崎君!もうすぐホームルームですよ!」
「後1曲だけ!」
「そんなのは認められ…ってそれはあなたのギターですか?」
「そうだけど?」
「ギターもスカイブルーなんですね」
「うん、空色のギターだよ!なんなら演奏聞く?」
「せっかくですし多めに見ますので聞かせてください」
「じゃあ、1曲だけ、空も飛べるはず」
俺はギターを弾いて歌っていく
『幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕を お退けた歌でなぐさめた
色あせながら ひび割れながら 輝くすべを求めて
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
ずっと傍で笑っていてほしい』
紗夜視点
生きていく上で傷つかないなんて不可能で
傷つきながらどうやったら輝けるかを模索しながら生きていく
この曲は人が生きているということを実感できる曲だと感じた
『切り札にしてた見えすいた嘘は 満月の夜にやぶいた
はかなく揺れる 髪のにおいで 深い眠りから覚めて
君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでも
ずっと傍で笑っていてほしい』
紗夜視点
どことなく私は自分自身にこの曲を重ねてしまった
常に妹の日菜と比較され、それに比べて姉はとまではいかなくてもと常に比較されて劣等感だらけの私自身をそれでも
昔はと思い起こされる曲に聞こえた
『君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
夢を濡らした涙が海原へ流れたら
ずっと傍で笑っていてほしい』
曲が終わり俺は演奏に集中するため閉じてた目を開けると紗夜さんが涙を流していた
「大丈夫!?なんで泣いてるの?」
「え…?」
「私…なんで…」
俺は悩んだ末にホームルームを欠席し紗夜さんを保健室に連れていった
「落ち着いた?」
「はい…あの!先生にはなんて?」
「ホームルームが始まるって俺を呼びに来てくれたけど、なんか顔色が悪いから保健室に連れて来たって」
「ご迷惑をお掛けしました…」
「あのさ…なんかあったの?」
「特別な事はありません…ただ、以前話したように妹がいて、妹はいわゆる天才と言える人種でして、私は常に妹と比べられて劣等感でいっぱいでした、黒崎君の演奏を聞いていたら歌詞に自身を重ねてしまって」
「なるほどねぇ〜、広い空からしたらちっぽけな悩みだね」
「え!?普通ならもっと優しい言葉を掛けるべきでは?」
「それがなんの慰めになるの?」
「それは…」
「なんとも言えないでしょ?俺さ、悩む事自体は悪い事じゃないとは思うよ、でもさ、空にも感情があったらと考えるとさ曇りや雨は憂鬱な感情や悲しみなんじゃないかって」
「憂鬱な感情や悲しみ…」
「そう、これみて!」
俺は今日撮った写真を見せる
「雲の切れ間から覗く晴れ間…」
「今の紗夜さんはこんな感じなんじゃない?」
「そうかもしれませんね」
「ならさ、この空がこれと同じくらいに晴天になるように少しずつ関わり方変えていけばいんじゃない?」
「少しずつ晴れ間を増やして、晴天にって事ですか?」
私は彼が見せてくれた2枚の写真を見比べる
「そういう事、人それぞれの空を描いていけば変わるよ」
「それぞれの空…」
「その写真はあげる、とりあえず俺は戻るね、一限は休みなよ、二限から出ておいで」
「そうさせてもらいます。」
そうして黒崎君が保健室を出ていった後黒崎君がくれた写真を眺める
「変わった人ですね…彼は」
それからしばらくして気分が落ち着いたので私は二限から授業に出るそしてその後3、4限で黒崎君を見かけなかったので
昼休みは彼に風紀委員として軽くお説教しなければならないと思いながら授業を受け迎えたお昼休み
「待ちなさい!黒崎君!」
「先生達なんも言ってこないし言いじゃんか!」
私は黒崎君を追い回していた
「昼休みくらいゆっくりさせてくれよ!」
「なら、大人しく捕まりなさい!」
「絶対ヤダ!」
周りの生徒の大半がまたやってるというような表情を浮かべて苦笑しているし中には黒崎君に逃げ切れと応援してる人までいる
そうこうしているうちに彼を見失った
「全くどこに行ったんですか黒崎君は!」
「騒々しいわね、少し落ち着きなさいな」
そう私に声をかけたのは白鷺千聖さんだった
「騒々しくて申し訳ありません。ですが問題児を風紀委員として指導しなければ行けないので!」
「その彼なら体育館の方へ行ったわよ」
「情報提供感謝します!」
そうして私は体育館の方へと早足で歩みを進めた
千聖視点
「忙しないわね、降りてらっしゃいな、風紀委員さんなら行ったわよ」
そう言うと木の上から噂の彼が姿を見せた
「あなたは忍者かなにかなのかしら?イヴちゃんが知ったら喜びそうだけれど」
「忍者って…一応写真家件演奏家の端くれなんだけどなこれでも…てか初めましてだよね?俺は…」
「知っているわ、黒崎暁人君でしょ?」
「名乗ったっけ?」
「あなた一応学校じゃあちょっとした有名人よ」
「あぁ、2年男子って俺一人だから?」
「それもあるけれど、ほぼ毎日風紀委員の紗夜さんと鬼ごっこしてるじゃない」
「あぁ、それで!」
「わかったかしら?一応聞くけれど私も名乗る必要あるかしら?」
「大丈夫!俺も知ってるから!白鷺千聖さんでしょ!」
「そうよ、よろしくね黒崎君!」
「別に暁人で良いよ!」
「そう、なら私の事も千聖で良いわ!」
「知り合いになれて光栄です。白鷺千聖さん」
「こちらこそ、よろしくね黒崎暁人君!」
そうして握手を交わした後、俺は質問する
「空は好き?」
「そうねぇ〜好きでも嫌いでも無いわ、でも、雨空は少しだけ思い入れがあるわ」
「そうなの?」
「えぇ、私ねPastel*Paletteって言うアイドルバンドに最近所属する事になったのよ、でも、ファーストLIVEは当て振り口パクで酷いものでね」
「あぁ〜なんかネットニュースかなんかで見たかも」
「そうでしょうね、かなり話題にはなったもの」
「でも、その後は皆努力って言うかはしてるんでしょ?」
「えぇ、でも、思わしくないわ」
「なるほどね、それで雨空って訳なんだね」
「伝わったかしら?」
「努力が報われずに皆の心はまるで雨模様って事でしょ?気分的には前向きでも精神面ではって奴」
「その通りよ」
「どうしてもって言うなら空に向かって叫んでみたら?」
「空に叫ぶ?」
「考えてみなよ、空ってさ繋がってるって皆言うでしょ?ならさ、その空に向けて思いっきり叫んでみたらいんだよ!広い空に向けた叫びが届くと信じてさ!」
彼の言葉を聞いて私は何故か真剣に悩んでいたのが馬鹿らしく思えて笑ってしまう
「フフフッフフフ…ごめんなさい…笑う…つもりは…なかったのよ!でも、なんだか馬鹿らしく思えてしまって」
「俺、変な事言った?」
「変よ!だって空に向けて思いっきり叫べなんて誰も言わないわよ!でも、いいかも知れないわね、皆で空に向かって叫んでみたらいい気晴らしにはなるかもしれないわ!」
「なら、良かったよ、後、これあげる!」
そう言って雨空の写真と雨上がりの空を写した写真を渡す
「とても素敵な写真ね、空が好きだという気持ちが伝わってくるわ」
「空は俺にとっては憧れだからね憧れたのは広い空、それを描くのが俺の音楽なんだ」
そうして話していると遠くから紗夜さんが黒崎君を見つけたようで走ってきた
「おっと、鬼の風紀委員様のお出ましだ!またね!」
「えぇ、また教室で」
そうして彼はまた逃げるように去っていった
それから少ししてチャイムが鳴り私も教室に戻ると黒崎君が紗夜さんに叱られていた
「黒崎君は我が校の生徒としての自覚が足りてないのではないですか?」
「そんな事ないよ」
「信用できません!第1あなたは授業をサボり過ぎです!」
その様子を見て周りは苦笑している
私は気になりクラスでも仲のいい花音に話しかける
「花音、ちょっと聞きたいのだけれど、彼はそんなに問題児なのかしら?」
「千聖ちゃん、う〜ん問題児って言うのとはちょっと違う気がするんだよね、なんて言うか、集中し過ぎると周りが見えなくなるタイプって言うか」
「そういう事」
私は話を聞いた上で2人の所に行き声をかける
「ちょっといいかしら?そのくらいにしておいてあげなさいな、彼も悪気は無いようだし、何よりもそろそろ先生が来るわよ、彼自身集中し過ぎると周りが見えなくなるタイプらしいしね」
「それは重々承知しています!あなたはしばらく学校に来ていなかったので知らないでしょうが彼は放っておけば授業に参加すらしません!一生徒としてそれは如何なものかと」
「それを言ってしまえば私だって似たようなものよ、仕事とはいえ学校を欠席する事が多いわよ」
「話が別だと思います!」
「まぁ、良いじゃない!今回は多目に見てあげましょうよ!仏の顔も三度までと言うじゃない!」
「…わかりました、今回は引き下がります。ですが!今後もこのような事が続くのであればプライバシーの侵害と言われようと監視しますからね!」
「だそうよ」
「きっ…気を付けます」
「ハァ…本当に気をつけてくださいね」
そうして紗夜さんは自分の席に戻って行った
「助かったよ、ありがとう」
「どうって事ないわ、でも、あまりサボらないようになさいな」
そう言うと私も自分の席に戻った
暁人視点
千聖も自分の席に戻ってから少しして先生がやってきて午後の授業が始まった
俺は呼ばれませんようにと祈りながら授業を受けているうちに5限が終わり休み時間をぼーっと過ごしそのまま6限を受けてその日は終了となり俺はそそくさと帰り支度をし帰ろうとすると千聖さんが俺を呼び止めた
「暁人!ちょっといいかしら?」
「何?」
「よかったら連絡先を交換しない?」
「いいの?女優さんがホイホイと連絡先教えても」
「プライベートなのだし構わないわ、何より私自身があなたともっと話してみたいのよ」
「そういう事なら良いよ!LINEで良いかな?番号もLINEに送るよ!」
「お願いするわ」
そうして連絡先を交換した後俺は家路に着いた
そして家に着くとさっそくパソコンを起動した
「おっせーよ!早く起動しろし!もう、スマホの方が早いか!」
そうしてスマホの録音機能を使い鼻歌を録音しそれをパソコンに読み込ませ曲を作っていく
そうして作業を終えて曲を動画サイトに投稿しついでに千聖さんにも送っておく
俺がSKYである事は伏せてよかったら聞いてみてとメッセージを送った後俺はもう1つのチャンネルの暁の空の方に歌ってみたの動画もあげておきくたびれたので軽く睡眠をとるため
ベットに潜り込んだ
千聖視点
パスパレの練習に参加中、休憩時間になり私は何気なくスマホを見ると暁人からメッセージが届いていた
「動画サイトのURLのようね」
私はイヤホンをしてからURLをタップして動画を見ると
曲が流れてきた
『人に感情があるように空にも感情があるとしたら?
雨は悲しみだろう悲しみの雨という言葉は空に感情があるからこその言葉なのだろう
誰かが泣いていれば涙を隠すように雨が降り悲しみを覆い隠す泣くだけ泣いたなら今度は空に向かって叫べはいい!
その声が届けばきっと太陽が暖かく照らしてくれるだろう』
曲を聴き終わった私は暁人がくれた写真を見る
「まるでわかっているようね」
私が写真を見ながら呟くとそれが聞こえたのか他のメンバー達が声をかけてきた
「千聖ちゃん、何見てるの?」
「写真よ、今日貰ったのよ」
「千聖ちゃんあたしにも見せて!」
「いいわよ」
私は日菜ちゃんに写真を手渡した
「綺麗な写真」
「ホントっすね」
「誰に貰ったんですか?」
「暁人よ、黒崎暁人 今日仲良くなったの」
「そういえばお姉ちゃんもなんか写真持ってたな〜」
「彼と同じクラスの子達は1枚は必ず持っているわよ」
「へぇ〜、いいな〜こんな綺麗な写真なら私も欲しいな」
「そのうち紹介するわ!皆も彼を気に入るだろうし」
「千聖ちゃんが誰かの事そういう風に言うの初めてかもね」
「そうねぇ、彼と話しているとなんだか悩んでるのが馬鹿らしく思えて笑ってしまうくらい話していて楽しい人よ」
「会ってみたいな〜」
「今度のパスパレのLIVEに呼びましょうよ!楽屋に挨拶に来てもらえば私達も知り合いになれますし」
「聞いてみるわ!」
「会うの楽しみだな〜」
皆が暁人に会うのを楽しみにしながらその日の練習は終了し解散する
外に出ると雨が降っていた、私は傘をさしてから雨が降る空を見上げて暁人の言葉を思い出しながら帰路に着いた
「明日は晴れるといいわね」
そう言って歩き出す私の足取りは自分自身でもわかるくらい軽く思えた。
3話目になりますね!正直メインの方に集中しているため他はあまり進んでいませんがそれでも時間を見つけてもう少し投稿頻度を増やせたらと思いますのでお楽しみに
次回「晴れのち笑顔」
投稿頻度に着いてのアンケートです
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とりあえず現状維持で!
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最低でも月に2回くらいは投稿を!