空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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暁人は思わぬ人物と再会し話すことのなかった過去が明かされる


第34話空の道と暁人の空

俺の家は学校から10分くらいの距離だが一応自転車通学も許可してもらってるが基本俺は徒歩である。

そしてその日は珍しく紗夜に会った。

「おはようございます黒崎君」

「おはよう紗夜、今日は遅めだね」

「えぇ、風紀委員と生徒会仕事が一段落したんです。それでたまたま今日はゆっくりでして」

「なるほどね、生徒会とか風紀委員って年間通して忙しいのかと思ってたけどそうでも無いんだね」

「そうですね、いつもではありませんがたまにこう言う時がありますね」

そんな話をしながら校門付近まで来ると校門前にかなり長いリムジンが止まっていた

「なんでしょう?」

「学校の関係者かな?用事でかなり大人数で来たとか?」

「そんな話は聞いてませんが…」

そう2人で話しているとリムジンのドアが開き俺達と同い歳くらいの男子数名が降りてきて俺のいる方に歩いてきた。

「迎えに来たぜ!暁人!」

「蓮…修二…唯斗…大地…」

俺はその男子達の名を呟く

「やっと見つけたぜ!戻ってこい!」

「断る!俺は戻らない!言ったはずだあの時…もう戻らないと」

「いつまでもへそ曲げてんなよ!」

「そうだぜ!」

「俺達以外にも待ってる奴がいる。桜華(おうか)がずっと待ってる」

「関係ないよ!俺はもう…」

俺がその先を言おうとした時、紗夜が会話に割って入る

「会話に割って入ってしまい申し訳ありませんこの学校で風紀委員長を務めています氷川紗夜と申します。黒崎君のお知り合いなのですか?」

蓮は俺と紗夜を交互に見て言った

「お前…話してないのか?」

「わざわざ言うことじゃない」

目を逸らしながら言った俺に対し蓮達は口々に告げる

「そりゃないぜ」

「だよな!」

「同意」

「ホントそれ」

「もう…関係ない!」

俺は叫ぶように言うと校舎に向かって走った。

「あっ…黒崎君!」

「暁人!」

「…ったくいつまで気にしてんのかねぇ〜」

「なんの事でしょうか?」

「あいつに聞いてみなよ!俺達の事、SKYROADってバンドの事をさ今日は一旦帰るね!放課後出直すよ!」

そう言ってまたリムジンに乗り帰って行った

私は黒崎君の後を追い屋上にいた彼に問いかけた

「彼等は黒崎君の知り合いなんですよね?」

「うん」

「バンド…やられてたんですか?」

「中学までは…」

「どうして辞めてしまったんですか?」

「どうしても許せないっていうか、許容できないことがあってそれ伝えたら揉め事になって、俺が…脱退した。それ以上は聞かないで」

いつもなら空を見上げている彼も今日はどこか心ここに在らずといった感じでまるで曇天模様のようだった。

 

-放課後-

朝の1件から黒崎君はずっと心ここに在らずでそのまま放課後を迎えてしまった。

そして放課後に出直すと言っていた彼等が再び黒崎君を尋ねてきた。

「暁人…とりあえず話をしよう」

「……わかった…場所変えようぜ…」

そう言って大勢の生徒が見ている中でリムジンに乗り込み彼は何処かに言ってしまった。

私はモヤモヤとした気分を抱えながらRoseliaの練習に向かった。

練習中はあくまでも演奏に集中していたが気を抜くと彼の事が気になってしまう

私は自分の考えを振り払うように頭を振りまずはSKYRoadについて聞いてみる事にした

「あの!今井さん」

「何?どうかした?」

「ちょっとお聞きしたいのですが、SKYRoadというバンドを知っていますか?」

「紗夜さん…それって…」

「えぇ、まぁ''彼に''関係する事です」

「えっと…よくわかんないけど、そのSKYRoadの事は知ってるよ!元々6人で活動してたバンドなんだけどリーダーが脱退して今はギターボーカルの蓮がバンドの中心になってて

一応もう1人女性ボーカルで桜華って子がいるんだけど、リーダーが脱退してからはデュエットすらしてないあくまでも蓮が歌うか、桜華が歌うかって感じで曲も蓮が歌うのは自分が中心になったような感じの曲で桜華って子は一応季節毎の空模様なんかも歌ってるけどあんまり評判は良くないみたい

リーダーがいた頃の情景が浮かぶような曲がなくなってきたって言われてるけど過去の曲があるからこそ今があるみたいな感じ、長くなったけどこんな感じ」

「リーダーの事はわからないんですか?」

「リーダーはソラって名前くらいしかわかんないな脱退した頃からだしねSKYRoadがテレビとかで観るようになったのも」

「そうなんですか…」

「そのSKYRoadがどうかしたの?」

「実は…黒崎君を尋ねてきたんです。それで、彼に戻ってこいとか、皆待ってるとか言ってて」

「暁人がSKYRoadのリーダーって事じゃないのかしら?」

「やっぱり湊さんもそう思われますか?」

「仮にリーダーじゃ無いとしても関係者なのは間違いないでしょうね」

「そういえば!」

「なにか思い出したの?」

「関係あるかないかわからないけどさ、SKYが活動始めたのはあたし達が高校に入った頃なんだけどさ暁人がSKYな訳じゃん?これってなにか関係あるかなって」

「あるかもしれませんね」

話をすればするほど疑問は増えていく一方だった。

 

-暁人視点-

 

蓮達と話をするために車に乗って移動した先は俺達高校生には場違いとも言える個室のカフェだった。

俺はコーヒーを注文するとさっそく本題に入る

「まずは久しぶりって言っておくよ、そして単刀直入に言うけど戻るつもりは無い。」

「まだ気にしてんのか?お前の空を…別物にしちまった事を」

「それはもういいよ!ただね、価値観の違いを感じたんだ」

「価値観?」

「あぁ、俺はさただ自分が見ている景色を人と共有したいと思った空の広さを果てしなさを自分達だけの空を見つけて欲しくて音楽をやってた」

俺は運ばれてきたコーヒーに口をつけて口の中を湿らせてから言葉を続ける

「でもさ、事務所の人たちは疎か蓮達もさもっと地に足をつけてとかもっと訴えかけるようにとかそんなのばっかでそんな時蓮と桜華で歌って欲しいって曲が用意された時確信したんだ、俺は必要とされてないってね」

「そんな事!」

「無いとは言わせないよ!君と桜華は俺の曲を歌ってるより事務所の作曲家の人達が作った曲を歌ってる方が楽しそうだった」

「それは違うわよ!暁人!」

声のした方を向くと黒い髪に青い目が特徴の少女がいた

彼女が朱久里桜華(すぐりおうか)だ

「桜華…」

「お願い!戻ってきて暁人!あなたの曲をもう一度歌わせてよ!」

「ならソロデビューでもしなよ!その上では俺、SKYに依頼するなら考えてあげる戻るつもりはない!」

俺は話を強制的に打ち切るとその場を後にした。

 

店を出ると空はすっかり暗くなり月が浮かんでいた

「月明かりに星隠れ雲に月が隠れ今宵は真っ暗闇が訪れよう…なんてね」

そう呟きながら家路を辿ったのだった。

 

 

 




34話目です。とりあえずここまでとします。
次回も続きになりますがバンドリメンバー数人が一歩踏み込み主人公の友人達も主人公に対して何らかのアクションを起こしますのでお楽しみに


次回「空と声」

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