アイツらに会った次の日学校の屋上でいつものように空を見ているがなんとも言えない空虚な感じがずっと続いていて
世界がモノクロになったような気がずっとしている。
「いっそ雨でも降ってくれたらな〜」
「今日は雨は降りませんよ黒崎君」
「紗夜…それに皆も…」
紗夜と一緒にやって来たのはクラスメイトの千聖と花音そして
後輩のこころと美咲そして香澄達ポピパだった。
「元気ないわね!暁人!こういう時こそ笑顔でいなきゃ!」
「笑えたらどれだけ楽かな…」
「先輩の友達の事ですか?」
「アイツらは友達じゃないよ。元バンド仲間、俺にとっては友達以上の連中だった奴ら」
「あの人達とケンカしたの?」
「してないよ!価値観の違いから袂を分かったんだ」
「昨日の事を聞いても良いかしら?あれからどうなったのかどうして貴方が今そんな状態になってるのか」
「教えてください黒崎君、ここにいるみんな貴方の空が曇りかげるのは嫌なんですよ」
「……そっか、そこまで言われて悪い気はしないけど、話せる事あんまりないよ?本当に価値観の違いから袂を分かっただけだからね」
「それでもよ!どうしてその道を選んだのか、そうせざるを得なかったのかをあなたの言葉で教えて欲しいのよ」
「わかった。」
俺は空を見上げながらあの頃を思い出し話をする
中学3年の春から高一の春の終わり頃までの短い間バンドをやっていたこと
高一の春にデビューが決まってデビューLIVEをして反応がかなり良かったこと
自分の曲が評価されていくのが嬉しかった事
だからこそ事務所側から言われた事に納得出来なくて反発したら事務所側が勝手に曲を作って他のメンバーには俺抜きでと言って俺達に来ていた式典の演奏の場で演奏させた事
までを説明し1度区切りを入れる
「ここまでが高一の春の中盤くらいまでの話」
「それだと仲間の人達悪くないんじゃ…」
俺は首を横に振り答える
「アイツらって言うか蓮の奴がね、わかっててやった事だって言ったんだ。必要とされてるのはもっと地に足つけたしっかりした曲だからお前の空ばかりに向けられた目を覚ますためにって」
「それは…」
「相互の違いとしても酷いですね、一方的な否定とも取れる発言です。」
「それだけじゃなくてその時、もう1人のボーカルの桜華もね悪気は無かったと思うけどもう少し周りの景色にも目を向けましょうって空ばかり見ていたらそれこそイカロスのようにいつか地に落ちてしまうわって」
「いつだったか言ってましたよねイカロスは自らの傲慢や慢心が招いた結果の悲劇だけど空を飛んだと言う事実は評価されるべきだって、やっぱり先輩はその時自分を否定されたような気持ちだったって事ですよね?」
「うん、正直俺は空を見上げながら、周りの景色を含めて空を見上げて欲しかっただけなんだよね」
「そうだよね、暁人君の曲は常に周りの景色の中に必ず空があってそれが1番綺麗に見える瞬間を歌ってた。だからこそ皆に届くんだろうって」
「俺は今もその考えは変わってないんだよ、変に売れ筋なんかを狙うよりもね這いつくばるような小さな歌でいいんだよ、自分が見ている世界の1部を曲を通してでもほんの一瞬の景色でも良いんだ俺が見てる世界を知って欲しいと思ってる
そんな小さな歌をただ歌っていたかっただけなんだ」
「じゃあ、それかきっかけでバンドを抜けたんですか?」
「まぁ、そうだねそれからも意見が衝突する事は幾度となくあって俺は限界だと感じたんだ。
あくまでも注目され評価されたい他の皆と
ただ自分の世界を表現したい俺との間に深い溝が出来てたんだよねいつの間にかさ、それで春の終わり頃に俺はバンドを抜けたんだ。」
「そうだったんだね、それでSKYとして活動を始めたんだね」
「まぁ、そういう事、まぁ、見る人が見たら自分の世界に閉じこもってる視野の狭いやつなのかもしれないけどね」
「それは無いと思うわよ、どんなに小さな世界でもちゃんとあなたの世界は、あなたの曲は…たくさんの人に届いてるわ」
「そうだと良いけどね、とりあえずこんな所かな?話す事は」
そう言って黒崎君はその場を後にした。
その場に残ったメンバーでまた少しの間話をした。
「彼、これからどうするのかしらね」
「SKYとしての活動を続けるとは思うけど…暁人のバンド仲間の方も気がかりだよね…」
「そうよね〜今日は全然笑顔じゃなかったもの暁人」
「私達に何ができるのかな?」
「わかんねぇーよ!アタシらだってあの人に散々勇気付けて貰ったり大事な時に背中押してもらったけど、こればっかりはわかんねぇよ!」
「もしもさ、仮にあの人達とのわだかまりって言うかが解消されたとしてさ…そしたらあの人はまたバンドの方に戻っちゃうのかな」
「皆さんはどうして欲しいですか?わがままを言えるなら」
「もっとたくさんあの人の曲が聞きたい!SKYとしての暁人先輩の空がみたい!」
「正直言うとバンドの方に戻って大勢で演奏している姿をみたい気持ちもあるわ、でも、色んな事への向き合い方を教えてくれたのは今の暁人だし、今の暁人のまま彼の曲を聞いていたいわね」
ほかの皆も概ね彼にはSKYでいて欲しいと言う意見だった
「だとしたら彼にたくさんの空を見せてあげるのがいいと思います。」
「全員が思い思いの空を見せてそして私達の演奏でその空を見せるんです。」
「LIVEをするって事?」
「まぁ、そうです日取りは別々でも構わないですし、曲だってひとつに拘らなくても良いんです。やってみませんか?」
「随分積極的になるのね」
「彼の曲が彼が見せる空が好きなので」
私は明確に答えを口に出した。
話は一旦保留となったけれど、きっといい答えを出してくれるだろうと思った。
-その夜-
彼がSKYとして投稿した曲は自分だけの世界と空というタイトルで今の彼の心情が現れてる曲だと感じた。
わかっていてもケジメを付けたつもりでも、もしかしたら明日はと…もしかしたら未来はと…季節が移り変わるように自分の世界もいつか何かしらの変化があるのではと…
私はこの先の未来で見る空が晴れているようにと願うのだった。
35話目です。引き続き主人公の価値観に関わる話を書きました。
この先の主人公の選択と仲間達との関わりを今後とも見守ってやってください。それではまた次回!
次回「暁人の空と仲間の空〜桜華の見ていた空〜」
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