その曲が示すのは決別か再会か…
-SKYROADメンバー視点-
暁人ともう一度音楽をやりたくて会いに行ったが断られた俺達は途方に暮れていた。
「アイツ、マジで戻る気無さそうだったな」
「無理もないだろうな。俺達はアイツの在り方を否定したようなもんだし」
「アイツの曲ってさ、いつものように当たり前の中に空があったけど俺達は足元しか見てなかったって事だよな」
「アイツは元々あんな風に売れたいと思って無かったんだろうさ」
「でも、私達が今こうしていられるのも本来なら暁人のおかげなのよ!暁人が作った曲がずっと評価されてるからこうして今、表舞台にいられるのよ!私はどんな形であれこのメンバーで音楽がやりたいわ!だからこそもう一度暁人とって…思ってたのに!暁人はソロでやるなら手伝うけどもうお前達の誰とも音楽はやりたくないって言ってたのよ!信じられる?」
「落ち着け桜華、お前の言うことも最もだと思うけどアイツの気持ちを蔑ろには出来ねーよ」
桜華は我慢出来ないと言わんばかりに蓮にくってかかる
「蓮は良いの!?このままだと1周年記念の時の二の舞になるのよ!」
「言いたい事はわかるがな、アイツを地に落とすのは無理だ!俺達SKYROADは暁人と言う象徴を失ったんだよ!」
「そうやっていつまで足元ばかり見てるつもり?もううんざりよ!蓮!あなたはもう一度暁人と音楽をやりたくないの?暁人と肩を並べて歌いたくないの?」
「やりたいよ俺だってな、でも説得できるか?納得させられるか?無理だろ!あんだけキッパリ拒絶されたんだぞ!それにアイツは今ただのSKYとして活動してるんだぜ、それを辞めさせるのは酷だ!」
「もういい!私、もう一度暁人と話してくる!」
「おい待て!」
桜華は止めるのも聞かずに出ていってしまった。
「ッたくよ!暁人の事となると見境無くなるんだから」
「まぁ、俺達はアイツ程感情的になれないからなアイツが俺達個人に最後に残していった曲がある意味決別だったのかもしれないし再会を望むものだったのかもしれないけれど、残していったって事は最後のつもりだったって事だろうしな」
「あぁ、だろうな」
俺達は暁人が残した曲を思い出す。
-桜華視点-
私はいてもたっても居られなくて暁人の家に来ていた。
インターホンを押して暁人を呼ぶ
「暁人!お願い話をさせてちょうだい!」
周りを気にせず声を出していると玄関が開いて暁人が顔を出した。
「近所迷惑考えろよ!それに仮にも有名人なんだから周りの目も気にしろよな!」
「どうしてもあなたとちゃんと話がしたかったのよ!あのままサヨナラは嫌よ!」
「とりあえず入れよ」
暁人の家に入ると真っ先に目に止まるのは暁人が撮った写真だった。
「ずっと写真続けてたのね」
「関係ないだろ」
暁人はこちらを振り向きもせずにぶっきらぼうに告げる
リビングに案内されて暁人が対面に座り私に言った。
「話って何?俺個人は話す事無いけど?」
「そう言わないで聞いてよ!私はもう一度暁人達皆と音楽がやりたいのよ!」
「俺はもうお前達と音楽やるつもりは無い高校卒業したら旅しながら世界中の空を描く旅に出るつもりだし」
「どうして私達から離れようとするのよ!」
「俺はもうお前達と同じ景色は見れないお前達の見てる景色は俺には全部モノクロにしか見えないんだ」
「皆ともう一度やればきっと色付くはずよ!暁人お願い戻ってきて!」
「桜華、帰れ!」
「どうしてよ!?」
「これ以上は時間の無駄だ!俺はもうやらないって何度も言った!これ以上は迷惑だし時間の無駄だ!」
「ならせめてもう一度だけあなたの空を表現させてあの世界を私にも見せて!」
「ソロで俺に依頼するなら考えるってこの間も言った。蓮達はこのままいけば契約切られて終わりだろうけどね」
「だからこそ原点に立ち返ってあなたと再スタートしたいのよ!」
「何度も言わせるな!俺から空を奪おうとしたヤツらに渡す曲もチャンスもない!俺は空が好きで空に憧れてそれをこの手で描いて見たくて曲を作ってきた!それでも勝手に俺の空を…景色を歪めた奴らのために描く空はない!例えそれが事務所側の意向だったとしてもただただ消費されて行くことは我慢ならないんだ!分かったら帰れ…」
「暁人、私は…私の声はいらないの?桜華の声は俺の曲に彩りをくれるって言ってたのに」
「…俺が抜ける前に残していった曲覚えてるか?」
「『サヨナラの夕日といつかの自分』だったわよね」
「あれが桜華に渡せる最後の曲だよ、彩りを添えるのは君だよSKYROAD最後の女性ボーカルソング」
「私にあの世界とサヨナラしろって事なのね…」
「前にも言ったけどソロでなら協力は最低限してあげる
でも、君専属にはならないだからあれが最後」
「そんな…そんな事…残酷すぎるわよ!」
「その言葉そっくり返す。君達がどれだけ俺に残酷な事を言ったか知りなよ」
「わかったわ…今日は帰るわ…今度またゆっくり話をさせてちょうだい、今は頭を冷やす時よね」
「また来たって変わらないけどね」
「それでも…私はあなたとまた音楽がやりたいのよ」
私は自分が伝えたい事を伝えて暁人の家を後にした。
それからしばらく近くの公園で黄昏ていた。
「どうすればもう一度暁人と…」
俯いていると自然と足元が目に入る
そして私の足元に重なる影、顔を上げると綺麗なスカイグリーンの髪の子が心配そうにこちらを見ていた
「大丈夫ですか?どこか具合でも悪いんですか?」
「いえ、大丈夫です。ちょっと頭を冷やしたい気分だったので」
「なにかあったんですか?」
「あなた…私の事知らないの?」
「どこかでお会いしたことが?」
私は首を横に振り答える
「あなた…SKYROADってバンドは知ってる?」
「男女混合ボーカルのバンドでデビューして間もない頃の曲が今でも人気でそのおかげで今でも古い曲が重宝され活動しているここ半年前後の曲は鳴かず飛ばずでファンからもあまり評判は良くない、等々色々知ってますが、それがなにか?」
「私がそのSKYROADの女性ボーカルなのよ」
「では、黒崎君の関係者だったんですね」
「暁人を知ってるの?」
「同じ学校なので、それと色々助けて貰った友人…じゃあないですね、上手く言えませんが大切な存在です。」
「そう、私もね過去は暁人にとっての特別だったのよ…」
「それはお付き合いされていたと言うことですか?」
「違うわ…」
私は首を振って否定し言葉を続ける。
「付き合ってはいなかったわ、あの頃はただ暁人達と音楽をやるのが楽しかったの。でも、私達は暁人にとっての大切なものを踏みにじってしまったの。それ以来暁人は私達の元からいなくなって、別れの曲を書いて行ったわそして今日今日も会ってきたけど言われたのあの曲が最後だって」
「そうですか…あの!その曲を聴かせてもらうことは出来ますか?」
「構わないわよ」
彼女はスマホを操作するとイヤホンを渡して来たのでそれを耳に当てる
私が頷いたのを確認して彼女は曲を再生した。
私の中に曲の世界が広がっていくそれはある意味彼にとっては変わらない景色だったもので彼女にとっての彼を唯一感じられるもの過去に思いを残しつつも道が別れていつかもう一度この空の下道が交わると伝えてるそんな曲だった。
「どうだった?」
「……」
問いかけられ言葉に詰まる
「これが暁人が最後に残したものなのよそして私の宝物」
「宝物…」
「ねぇ、あなた暁人が好き?意味は問わないわ」
「そうですね、好感が持てるとは思ってます。」
「なら暁人を見ててあげて私には出来なかったものだから、今の暁人を知る人達に頼むしかないの…じゃあまたね」
そうして彼女はその場から立ち去った。
私はさっき見た光景を思い出しながら彼…黒崎暁人と彼女の繋がりを感じていた…
36話目です。ラストにちょっと迷いましたがこんな感じに終わらせることにしました。
次回は他のメンバーの視点を書いていきますのでお楽しみに
次回「蓮と暁人〜2人が思い描いた空〜」
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