空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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いつも通りの日常を大切にするAfterglowの象徴とも言える夕焼け空を暁人はどう捉えるのか


第40話茜の空といつも通りの景色

その日、学校での一日を終えた俺は商店街にある羽沢珈琲店に向かった。

Afterglowの皆から相談があるから来て欲しいと前もって連絡を貰っていたのだ

そして目的地の羽沢珈琲店に到着した俺は店内に入る

「こんにちは、Afterglowの皆と待ち合わせなんですけど、皆いますか?」

「先輩!こっちこっち〜!」

ひまりが元気いっぱい手を振っていたので店の端の席に向かうと席に座り話を切り出す

「それで、相談って?」

「ちょっと、先輩に曲にして欲しい出来事があって…」

言葉の最後がしりすぼみになりがちだったのが気になった

「なんかあった?」

「ちょっとした事で少し前にケンカしまして、その件は解決したんですけど、どうにもいつも通りって訳にいかなくて、ならこの際第三者に入ってもらっていっそ曲でも作って貰えたらなってあたしとモカとつぐが言ったんです。そしたら蘭とひまりも任せてもいいって言うんで」

「俺に仲直りソングでも作って欲しいの?」

「そういうんじゃないです。ただいつも通りを思い出させて欲しいって言うか…」

「空で私達を繋げて欲しいなって…」

「先輩おねが〜い」

俺は考えた。まずケンカした事を歌詞に入れその上で空を描くならどんなテーマだろうかと

「ます聞かせて、君達にとっていつも通りって言葉で浮かんで来るのは夕焼けで良いの?」

「はい、あたし達にとっては夕焼け空があたしのシンボルっていうか象徴みたいなものなんで」

「まるで『嘘』って曲みたいだ」

「曲名は知ってますけど、どんな曲なんですか?」

「ん〜一言で言うなら優しい嘘に騙されてあげるよっていう感じ?」

「優しい嘘…」

「そりゃさ、故意に嘘ついて騙したりするのは最低だけど、優しい嘘で上手に騙すってのはまた意味が違うでしょ」

「確かにそうかもしれないですけど…なんか違う気も…」

「そりゃね、君達Afterglowは別にバラバラになったりするわけじゃないからね、あくまでも俺個人の観点みたいなものだからさ」

「先輩がそこまで言うならその曲聴かせてくださいよ!アタシ達みたいだって言った理由がわかるかもしれないですし!」

「わかった、演奏するよ!」

俺はギターを弾きながら歌っていく

 

『あの日見た空茜色の空を ねえ君は覚えていますか

約束契り初夏の風が包む2人寄り添った

無理な笑顔の裏伸びた影をかくまう

だから気づかぬふり再生を選ぶ

テーブルの上の震えない知らせ待ち続けて

空白の夜も来るはずのない朝も全部わかってたんだ

 

あの日見た空茜色の空をねえ君は忘れたのでしょう

約束千切り初夏の風に消えた二人戻れない

 

音も色も温度も半分になった

この部屋今日も散らかしては揺れ疲れ眠る』

 

Afterglow視点

 

恋人…だったかもしれないし捉え方によっては引っ越す直前までそれを言い出せない親友同士のようにも感じるこの曲は

確かに先輩が言っていたように優しい嘘が綴られた曲なのだろうと感じた。

 

 

『「上手に騙してね嘘は嫌いで好き」君の言葉

今頃になって気持ちは痛いほどだから僕はさよなら

いつかまたねと手を振り合ったけどもう逢うことは無いのでしょう

最後の嘘は優しい嘘でした忘れない

あの日見た空茜色の空をねえいつか思い出すでしょう

果たせなかった約束を抱いて

二人歩き出す』

 

演奏を終えた俺はギターをしまいつつ話しかける

「何となく伝わった?」

「優しい嘘ってその嘘の中に理由があるんですよね」

「故意に人を騙すんじゃなくて優しい嘘と一緒に思い出す茜色の空か」

「なんかえも〜い」

「わかるな〜」

「大人になってもずっと忘れられないものってあるように優しい嘘だからこそ忘れられないんだな」

「まぁ、そういう事だねもちろん皆に当てはまる曲では無いかもだけど」

「そうでも無いですよ!なんかいいなって思いました」

「まぁ、曲や物語の世界だからこその言葉遊びってあるからさ、自分達とは違うと思っても否定はしないでね」

「もちろんです!」

「じゃあ、俺はこれで!曲作らないと」

「思い付いたんですか?」

「何となくイメージ出来たくらい?」

「楽しみにしてますね」

「あぁ、うん」

俺は少しだけ急ぎ足で自転車を走らせて帰宅した

 

帰宅して早々俺はスリープ状態にしていたパソコンに向かい

曲作りを開始する

 

「一番最初はやっぱり喧嘩した事を思い出される歌詞がいいよな〜だとすると素直に喧嘩したじゃなくてこうなんというか〜ん〜……あ!」

俺は雨の中で立ち尽くす様子が思い浮かびそれを歌詞として始まりをつくる

「降り続く雨の中に立ち尽くすどうしようもなくて感情のはけ口を探すように只々冷たい雨に濡れる中でそっと差し出される傘…とこんな感じかな?」

始まりが出来ればその先はスラスラと続きがかける

そして曲が出来上がると俺はSKYとして曲を投稿する

「この曲を通して友達との絆を感じて欲しな」

俺はそう言いつつ外に視線を向け薄っすら暗くなり始めた空に向けシャッターを切った

 

 

 

Afterglow視点

 

先輩が帰ってからしばらくして私達のスマホが鳴った

「曲出来たっぽいね」

「タイトルは?」

「雨空と夕焼け空だって」

「早速聞こうぜ!」

「うん!」

私達は曲を再生する

 

『降り続く雨の中に立ち尽くす

このやり場のない感情のはけ口を探すように只々冷たい雨に濡れる中でそっと差し出される傘と共に「いつまでそうしてる気?」だと問いかける声振り返ればお互いに傷つけ合った友がいてお互い大切な事が言い出せぬままに立ち尽くし

目を合わせない中で「ごめん」の一言が重なり合うとお互いに顔を見合わせ笑いあったあの日は雨が止んだ後の真っ赤な夕日が僕らの行く末を照らしていた。』

 

「仲直りソングだよね?」

「先輩なりにできないって言ってたのに頑張ってくれたんだ」

「でもさケンカってワード使ってないのにあぁ喧嘩した後なんだなってわかるよな」

「凄いわかる〜」

「ごめんの一言が重なり合うとかその後にお互い笑い合うとかさ、なんか自然と仲直り出来たんだなとか感じるよね」

「本当にそうだね」

私達はこの先もケンカする事もあるだろうけど、お互い自然とごめんって言って笑い合える仲になりたいと思ったのだった。

 

 

 




40話目です投稿遅くなりすみませんでした。
ココ最近の寒暖差で完璧に体調を崩し風邪薬のお世話になっておりますが大分落ち着いたので執筆再開しました。
次回はパスパレとの交流を書いていきますのでお楽しみに

次回「皆で描く空の色」

投稿頻度に着いてのアンケートです

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