空に憧れた少年とバンド少女達   作:凌介

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暁人はRoseliaというバンドが目指す場所の空を描く事を決意する


第5話Roseliaと空に手を伸ばして

Roselia視点

私達RoseliaのLIVEが近付く中で私達は今日も練習に勤しんでいた

そして休憩中今井さんが話しかけてきた

「紗夜、例の件どうなってる?」

「例の件?」

「ほら、空の写真の彼、呼んでって言ってたじゃん!」

「そういえばそうでしたね」

「忘れてたの?」

「覚えてはいましたよ、ただ…その…言うタイミングがなかなかなくて」

「って言ってるけど、燐子的には?」

「そうですね…言うタイミングがなかなかないのは確かかもしれません。彼は自由気ままというか自由奔放というかでいつも紗夜さんから逃げ回ってますから、学校じゃあちょっとした名物みたいになってますよ、風を追いかける風紀委員長って」

「なんなんですか?それは」

「彼はいつも空を見上げていますからね、それを知ってる人はたくさんいますし、それになぞらえたのか分かりませんが彼が逃げて紗夜さんが追いかけるのでそう見られているみたいです」

「全く私が彼を常に捕えられないみたいに…確かにいつも逃げられてますが…」

「色々大変なんだね、ならさ、燐子、協力してあげなよ!」

「私がですか?」

「2人でなら捕まえられるでしょ!それにさよは無理でも燐子にならなびくかもよ!」

「どうして私を引き合いに出すんですか!」

「いや、だってね〜」

「紗夜が追いかけて逃げるのなら燐子が普通に話しかけたら案外と言いたいんじゃないかしら?」

「私が彼を追いかけるのは彼が授業をサボったりするからです!」

「でも、小テストはいつも満点みたいですよ?」

「頭良んだね、あこもその人に会ってみたいし、りんりん、紗夜さん、とりあえず声かけてみてよ!」

「まぁ、皆さんがそう言うのであれば、私と白金さんとで声は掛けますが、来るか来ないかは彼次第ですよ」

「そこは来るように説得してもらわないとね」

「そうね、私も会ってみたいもの」

「わかりました、明日にでも私と白金さんとで声は掛けますので」

「何とか説得してみます」

「じゃあ、この話はここまでね!練習再開よ」

そうして私達は時間いっぱい練習し解散した

 

その頃

自分が噂の対象になっているのを知らない暁人はと言うと

「ハ〜くしゅん!あぁ〜風邪ひいたかな?でも喉の痛みとか寒気もないし、単にくしゃみが出ただけかな?」

そんな事を呟きながらも写真を現像する

そして写真の出来栄えを確認しいつも通り保管する

しばらくして現像するための部屋から出ると日傾いていて光が目に痛かった

「さすがに籠りすぎたな…」

そう言って目頭を押さえてから気分転換もかねてカメラを持って家を出る

外に出て沈みつつある夕日が放つ光に目を細めながら夕方と夜のちょうど間の空を写真に収める

 

「今日の空も最高だな」

そう呟きながら歩を進めて行くと買い物帰りの人達や遊びに行っていてこれから帰る子供、部活帰りの学生達とすれ違って行く

「前は日が沈む様子を曲にしたけど、帰り道を曲にして見るのも面白いかも」

そんな事を呟きながら俺はカメラを空に向けシャッターを切る

そうして俺は空をカメラに収めながら帰宅し夕飯を食べた後また写真を現像していく

そうしてその写真を今度はパソコンに読み込ませて写真を繋ぎ合わせ動画としそこに歌詞とメロディーを乗せていく

そして出来上がった曲を動画サイトにアップする

「これで完了!」

そう言って俺はベットにその身を投げ出した

「ちょっと休憩!」

そう言って俺は目を閉じ眠りに着いた

 

Roselia視点

練習が終わって帰ろうとcircleを出た時皆のスマホが同時に振動する

「全員同時って…事は?」

「おそらく」

「でしょうね」

「間違いなく」

「ですね」

全員が顔を見合わせて頷き合いスマホを確認すると

思った通りだった

「Skyの新曲だ!タイトルは帰り道の茜の空だって!」

「聞いてみましょう」

「今回はどんな空なんでしょうね」

「楽しみ〜」

「私もかなり楽しみです」

私達はcircleのカフェテラスの一席に集まり曲を再生し目を閉じて聞いていく

 

『1日の終わりの帰り道歩く人達を夕日が優しく照らす

夕日がゆっくりと沈み空も茜色から群青色へと変わっていきやがて夜が来て道行く人々もまた変わっていき夕日に変わり月が優しく空から見守っている』

曲が終わり私達は目を開けるとスマホの画面は日が沈んですぐの空模様が映し出されていた

「今日のSkyもまた最高だったね!」

「そうね、1日の終わりにいいかもしれないわね」

「あこも同意!」

「確かにそうですね」

「えぇ、私もそう思います」

そうして曲を聞き終えた私達はそれぞれの家路についた

 

 

次の日

朝のホームルームを終えたタイミングで黒崎君が登校してきた

「おはようございます」

「おはよう黒崎君、事情は聞いているわ!授業に間に合ってよかったわね」

「はい」

先生との会話を終えたタイミングで私は声をかけた

「おはようございます黒崎君、今日はどうされたんですか?」

「両親の仕事場に用事があって寄ってから行くから遅れるって連絡入れてたんだ、体調不良とかじゃないから大丈夫だよ」

「そうですか…あの、黒崎、ちょっとお話よろしいでしょうか?」

「授業まで時間あるし、移動する?生徒会室でいい?」

「構いませんが…なぜです?」

「こっちが聞きたいんですけど…俺なんかした?朝から呼び出しされる覚えは無いんだけど…」

「まぁ、行けばわかります」

「まぁ、紗夜さんがそう言うならついて行きますよ!」

俺は降参のポーズをとって紗夜さんの後ろをついて行き

生徒会室に行くと白金さんもいた

「副会長も一緒って…俺なんかしたかな?」

「まぁ、当たらずとも遠からずですね、黒崎君は私と白金さんがバンドをやっているのは知ってますか?」

「いや、初耳だけど?」

「紗夜さんから聞いてませんか?」

「紗夜さんから毎日のようにお叱りは受けてるけど、音楽関係の話を聞いた事は無かったかも」

「それは…なんと言えばいいのか…」

「まぁ、それはともかく!バンドって?」

「Roseliaというかバンドなんですが、ご存知ないですか?」

「Roselia…Roselia…バンド名は聞いた事あるけど…

ごめん…それだけだな」

「そうですか、それで…あの!それで私達2人からの相談というか、お願いなんですけど…今週末のLIVEに良ければ来ませんか?」

「俺が?」

「人物を撮るのは苦手だと言ってましたけど、是非ともRoseliaの写真を撮ってポスター作りとかに協力して貰えたらと」

「あぁ〜そういう事か!確かに人物を撮るのは苦手だけど、そういうのは全然大丈夫!協力させて!ただ…空の写真を使わせて貰えるならもっとやる気は出るんだけど、その辺も含めて他のメンバーと相談させて貰えると助かります」

「わかりました、今日中に他のメンバーの予定を聞いてみますので、予定が決まり次第会って頂けますか?」

「良いよ!出来れば早めにお願いね!動画投稿の日取りもあるからね」

「大丈夫ですよ、そんなに手間取らせないので」

「まぁ、大丈夫なら良いよ」

そうして話しているとチャイムが鳴ったので俺達は教室に戻る

その後俺はほとんどぼーっと授業をやり過ごして迎えた昼休み

「黒崎君、今朝の事で早速なんですが…今日の放課後会ってみませんか?」

「皆の都合はいいの?」

「お話したら今日、早速と皆からメッセージが来まして」

「なるほどね、俺は良いよ!」

「では今日の放課後、私と白金さんと一緒にcircleまで行きましょう」

「了解、2人にメンバー紹介してもらわないとだしね」

「えぇ、約束守ってくださいよ!」

「逃げないから大丈夫だって!」

などと話しながら昼休みを過ごした、今日は教室の窓から空を見上げる事が多いなと思いながら迎えた放課後

生徒会と風紀委員の仕事が終わるのを屋上待っていると屋上の扉が開き紗夜さんが呼びに来た

「やっぱり屋上にいたんですね」

「今日は屋上から空を見てないなって、少しでも空に近いところにいたいから」

「どうして空を見上げるのがそんなに好きなんですか?」

「どうしてって言われると…憧れだから?」

「なぜ疑問形なんですか?」

「俺も上手く言えないんだけどね、空に近いところにいたら俺だけの空が見えるかなって」

「自分だけの空?」

「そう、自分だけの空、まだ見つけられてないんだ」

「見つけられるといいですね自分だけの空」

「うん、さぁて、行きますか!」

「ですね!」

そうして踵を返す紗夜さんを呼び止める

「あ!待って紗夜さん!これあげるよ!この場所で撮った青空の写真」

「いつも空を撮った写真をくれますよね、でもこの場所で撮った写真は初めてですね、撮り方でこうも綺麗に見えるんですね」

「建物を影として写すと空の青さが際立つでしょ」

「素敵ですね」

「俺もこの写真は気に入ってるよ!他にもここで撮った写真はあるんだけど、どれも俺の中で納得行かなくて」

「そうなんですか?」

「見てみる?」

「そうしたいのは山々ですがそろそろ行かないと白金さんを待たせているので」

「あぁ!それもそうか!」

そうして笑い合うと白金さんが待っている昇降口に向かった

「ごめんね白金さん、待たせちゃって」

「いいえ、大丈夫ですよ!それよりも、その…紗夜さんの事は名前で呼んでいるのに私は名字呼びなんですね、クラスメイトなのに私だけ名字呼びは不公平では?」

「そう言われても紗夜さんからは本人の希望もあってそう呼んでるし、白金さんを名前呼びするならさんとかちゃん付けると他人行儀や子供扱いしてるみたいにならない?」

「確かに一理ありますね燐子さんだと名字呼びよりも他人行儀ですし、燐子ちゃんだと子供っぽいですね」

「紗夜さんもそう思うよね!」

「黒崎君が言うのもわかります呼び捨てならともかくさんやちゃん付けとなると難しいですね」

「だから、もう少し仲良くなれたら燐子って呼び捨てにさせてくれる?それまでは白金さんで」

「わかりました、あの!それで話は変わるんですが、写真を見せて貰えませんか?紗夜さんがかなりの枚数貰っているので私も、もっとたくさんの空の写真が欲しいなって」

「別に良いよ!俺の写真で良ければいつでも言ってくれたらあげたのに」

俺はカバンから厚めのアルバムを出して渡す

「好きなの何枚でもあげるよ」

「とりあえず色々見たいので後は、他の皆にもお裾分けして欲しいです」

「大丈夫だよ!アルバムはもう1つ持ってるし、今持って歩いてるのは配る用っていうか、そういう用途のものだから」

そんな話をしながら歩いているとcircleが見えてきて入口に3人の女の子が立っていた

「お〜い!紗夜!燐子!」

「呼んでるよ?」

「そのようですね、2人共行きましょう!」

「うん」

「はい」

俺たちは3人の女の子がいる場所に合流する

「お待たせしました。」

「待たせてすいません」

「大丈夫だよ、アタシ達も今来た所だからね!それで…君が黒崎暁人君?」

「俺を知ってるって事は君達がRoseliaの他のメンバーって事で良いんだよね?」

「そうだよ!アタシは今井リサ、それでこっちが宇田川あこ

そしてアタシ達Roseliaのリーダーの湊友希那」

「よろしくね黒崎暁人です!趣味は写真と音楽で白金さんが持ってるアルバムに写真があるからお近付きの印にどうぞ」

「じゃあ遠慮なく!」

そう今井さんは白金さんが持っているアルバムを一緒に見始める

「ねぇねぇ、暁人さん!」

「あこちゃんだっけ?どうしたの?」

「アキ兄ぃって呼んでもいい?」

「別に良いよ!俺、一人っ子だから妹が出来たみたいで嬉しいしね」

「やった!あこも写真見てくるね」

「行ってらっしゃい」

「私も先に選んで来るわ」

「どうぞ」

そうしてそれぞれが写真を選んだ所で湊さんが話しかけてきた

「黒崎君?いえ、暁人でいいかしら?」

「どっちでも」

俺は苦笑しながら答える

「なら暁人と呼ばせて貰うわね、私の事は友希那と呼び捨てでいいわ」

「いきなり呼び捨てはちょっとなぁ〜友希那さんじゃダメ?」

「出来れば呼び捨ての方がいいのだけれど、まぁいいわ

これと似た写真は無いのかしら?」

そう言って差し出してきたのは野外ステージから空を撮った写真だった

「あるよ!ちょっと待ってね」

俺はもう1つのアルバムからあちこち回って撮った野外ステージの空の写真を見せる

「これと、これとかどうかな?」

「これに近いのがあるといいのだけれど」

「そうだな〜それならこれとか?」

俺は広くて水平線が見えるステージから沈む夕日を撮った写真を見せる

「素敵ね、これを貰っても良いかしら?」

「どうぞ」

そうして全員に写真が行き渡り俺の元にアルバムが戻ってくる

「皆満足した?」

「うん!どの写真も綺麗でさ悩んだよ!」

「気に入って貰えたなら良かったよ!」

「そういえばさ、暁人は音楽も趣味なんでしょ?」

「まぁね、と言っても自己満足でやってるから上手いかどうかは分からないけどね」

「聞いてみたいって言ったら演奏してくれる?」

「楽器がないから無理だよ、自分の楽器じゃないとなんか違うってなるからね」

「そっか…残念!演奏も聞けたら良かったんだけどね」

「黒崎君、私のギターで演奏出来ませんか?」

「どうだろ?わかんないや」

「では、使ってみてください」

そう言って紗夜さんは自分の楽器を差し出して来た

「じゃあちょっと借りるね」

俺は紗夜さんのギターを借りて軽く弾いてみる

「少しだけ弄っても大丈夫?」

「後で調整し直すので大丈夫ですよ」

「なら少しだけ弄るね」

そうして俺はギターをチューニングしてから話し出す

「じゃあ、演奏します。自分の曲は自分のじゃないと無理そうなんで、カバー曲でブルーバード」

 

『飛翔(はばた)いたら戻らないと言って

目指したのは蒼い蒼いあの空』

 

スタートはいい感じなのでこのままのペースでと思い俺は演奏を続ける

 

『''悲しみ''はまだ覚えられず''切なさ''は今つかみはじめた

あなたへと抱くこの感情も 今''言葉''に変わってく

 

未知なる世界の遊迷(ゆめ)から目覚めて

この羽根を広げ飛び立つ

 

飛翔(はばた)いたら戻らないと言って

目指したのは白い白いあの雲突き抜けたら見つかると知って

振り切るほど蒼い蒼いあの空

蒼い蒼いあの空蒼い蒼いあの空』

 

Roselia視点

広く蒼い空に向かって1羽の鳥が飛び立つ瞬間が自然と目に浮かんできた

「これが暁人が見てる景色」

「蒼くて広い空が見えるね」

「何処までも広く果てしない空が浮かびます」

「凄いねアキ兄ぃ」

「そうだね」

皆が黒崎君の見せる空に引き込まれていく

 

『愛想尽きたような音で錆びれた古い窓は壊れた

見飽きたカゴはほら捨ててく振り返ることはもうない

 

高鳴る鼓動に呼吸を共鳴(あず)けてこの窓を蹴って飛び立つ

 

駆け出したら手にできると言って

いざなうのは遠い遠いあの声

眩しすぎたあなたの手も握って

求めるほど蒼い蒼いあの空』

 

Roselia視点

物凄い飛翔のイメージが私達に流れ込んでくる

彼の声がそうさせるのか、曲がそうなのかは分からない

でも空への強い憧れを感じられる

「イメージの翼って彼のための言葉かもしれないわね」

「本当にそうだよね!」

「飛翔のイメージにのまれそうです」

「自分達が鳥になったみたい」

「空への強い憧れがあるからこその演奏なんでしょうね」

そう言いながらも彼の演奏に耳を澄ませる

 

『堕ちていくとわかっていた

それでも光を追い続けていくよ

 

飛翔(はばた)いたら戻らないと言って

探したのは白い白いあの雲

突き抜けたらみつかると知って

振り切るほど蒼い蒼いあの空

蒼い蒼いあの空蒼い蒼いあの空』

 

演奏が終わると俺は深く息を吐き出してから話しかける

「どうだった?」

「すっごいね!飛翔のイメージにのまれそうだったよ!」

「イメージの空とかイメージの翼って言葉がふさわしいと思ったわ」

「本当に空を飛んでるみたいでした」

「あこもあこも!わぁー!ってなった!」

「素敵な演奏でした」

それぞれが思い思いの感想をくれた。

「ありがとう、次は君達の演奏が聞きたいな」

「もちろんよ!負けてられないわ」

「いいね〜やろっか!」

「はい!」

「もちろん!」

「やりましょう!」

そうしてcircleのスタジオでRoseliaの演奏を聞かせてもらった

実力派が揃っていて圧倒される演奏だった

「凄いな本気さが伝わってくる」

「暁人!最初に言っておくわ!私達Roseliaには目指すステージがあるの!そしてその場所から見える景色をこの目に焼き付けるのよ!」

「なるほどねぇ、それなら納得だよ!なら俺はそれに負けないくらいの空を描くよ!それと、Roseliaが見てる空も出来るなら同じ場所で見届けて曲として描きたい!」

「歓迎よ!お互いに高め合いながら同じ空を目指しましょう!」

「あぁ!約束だ!」

そうして空への憧れが更に高まり暁人にもライバル件最高の友人が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです!8月中にこの1話を投稿できて良かったです
投稿頻度を増やして欲しいとアンケートでも票が多かったのでこんな感じで書いて行けたらと思います。
次回はRoseliaのLIVEを見て暁人がどんな空を描くのかを書いて行けたらと思いますのでお楽しみに
次回「RoseliaのLIVEと空の下」

投稿頻度に着いてのアンケートです

  • とりあえず現状維持で!
  • 最低でも月に2回くらいは投稿を!
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