舞い戻った理不尽ウマ娘は、元教え子達への対応に頭を悩ませる? 作:レイ1020
ですが、話は進みます。
視点 サイレントベール
「はぁっ!?お前、それってマジかよっ!?」
朝のカフェテリア内で、オルフの盛大な叫び声が響く。私とオルフは今は着替えを終えて、朝食を摂りに来ていたのだが、食べてる間に今朝の事を軽くオルフに説明したのだが、それを聞いたオルフは口に含んでいた味噌汁を吹き出しながら物凄く驚いていた。
「汚いなぁ・・・・・・もう。うん、ミスターシービーさんに会った。こんな偶然あるものなんだね?」
「ちぇ・・・・・・もったいねぇ事したなぁ〜。オレも会ってみたかったぜ・・・・・・ったく、今日に限って寝坊して朝練に参加出来なかったとかついてないわ・・・・・・」
「昨日、2回もレースで走ったんだし、疲れてたんだと思うよ。ハードワークは体に良く無いし、今日は練習は程々にするべきだと思う」
「へいへい、わかったよ・・・・・・」
シービーちゃんに会い損ねた事を悔やむオルフは、ため息混じりにまた味噌汁を啜った。残念そうにしているオルフだが、シービーちゃんもちょっとの間であればこの学園内にいるとの事だったし、運が良ければ会える可能性だってある。だから、別にそこまで落ち込まなくてもいいように思えた。
「そう言えば、誰かトレーナーと契約を結べたりはしたの?オルフって色んなトレーナーからスカウトされてたよね?」
「いや、誰とも契約してねぇよ。オレはああいう暑苦しい奴らは嫌いなんだ。身勝手で熱心に、自分の願望と理想を押し付けて、オレと契約を結ぼうと企む奴らばかりで気が滅入った・・・・・・あいつらの態度を見てりゃ、オレでも何となくわかったが、あいつらはオレの気持ちなんざまるで考えてやしねーんだよ。・・・・・・そんな奴らにオレの夢を預けるなんざ、出来っかよ」
「そっか・・・・・・オルフも大変なんだね」
疲弊したように再びため息を吐くオルフ。確かに、トレーナーもニンゲンなのだから、色んな思想を持った人もいる。オルフの言うように、自分勝手で他者の気持ちを考えないような人物だって、いたって何も不思議ではない。私の現役時代のトレーナーはとても良い人で、優しい人だったけどそう言った人は現在は中々いないのかも知れない。・・・・・・そう思うと、私はあのトレーナーに出会えて運が良かったね。
「ああ。・・・・・・なぁ、ベール?一つ、オレからの頼みを聞いて貰えねぇか?・・・・・・お前に負けた身分で言うのも何だけどよ?」
「頼み?勿論いいけど、何かな?」
オルフから頼み事など、滅多に無いので少し驚いた私だったが、友達の頼みとあらば断る訳にはいかなかったので、私は快く続きを促した。
「オレのトレーナーになってくれ。お前と一緒に、道を歩んでみたいんだ」
「・・・・・・へ?」
オルフから出たその思わぬ言葉に、私は変な声を出してしまう。
「いきなり過ぎないっ!?私がオルフのトレーナーをっ!?」
「おう。下手なニンゲンのトレーナーを信用するくらいなら、同じウマ娘でもあり友達でもあるお前に見てもらう方がよっぽど信用できるし、オレとしても嬉しいってもんだ。何より・・・・・・”倒すべき存在”が近くにいる方が、燃えるだろ?」
不敵な笑みを浮かべながら、ぎろりと私を睨みつけてきたオルフ。・・・・・・うん、この様子からするに、昨日のレースのことを結構根に持ってると見えるな。
「昨日のレースを見る限り、お前の実力は確かなものだ。そんで持って、ウマ娘の能力を見る観察眼、指摘、トレーニングメニュー、それら全てがオレから見て一級品だった。そんな奴から指導をして貰えれば、オレはもっともっと成長出来る可能性が広がる気がするんだ。シンボリルドルフさんやデスペルフォースさん、そしてお前を超える可能性がな?」
「そこまで言ってくれるのは嬉しいんだけど・・・・・・その倒すべき存在から、教えを乞うって・・・・・・変だし、ダサくない?」
「細けー事はいいんだよ。オレは一度味わった屈辱はぜってーに忘れない主義なんでな?その屈辱を晴らすため・・・・・・お前をぶっ倒すためだったら、オレはどんな事だってする、例えお前から教えを乞う羽目になろうとな!」
私に勝ちたいから私に教えを乞う・・・・・・何、そのパワーワード?何かのアニメで聞いたことのあるセリフだ・・・・・・。とはいえ、オルフの覚悟は本物のようだ。昨日のあのレースを経験したと言うのに、決して心が折れる事はなく、私に勝つことに執着し、闘志をたぎらせて私に向かってこようとするこの姿勢・・・・・・昔の教え子達を彷彿とさせるようだ。
「言うけど、私はまだ半人前のトレーナー。他のベテランのトレーナー・・・・・・例えるならルドルフさんのようなトレーナーには到底及ばない新人トレーナーだ。そんな私だけど、キミは私を選んでくれるの?」
「何度も言わせんなよ?オレはお前がいいんだよ。ベテランだとか、新人だとか、そんなのは関係ない。オレは、サイレントベールって言うウマ娘と一緒に、道を歩もうって決めたんだからな?」
「もう一つ言うよ?私の練習メニューはスパルタ級に厳しいよ?キミが弱音を吐こうと、挫けようと、怒ろうと、泣こうとも私は一切の容赦はしない。・・・・・・それを受ける覚悟が、キミにはある?」
「おう!夢のためなら、どんな練習だろうとこなして見せるぜ!!」
決意の篭った瞳をきらびかせ、堂々たる姿勢でそう胸を叩いたオルフ。・・・・・・うん、そこまでの覚悟があるのであればもう私からは言う事はない。
「・・・・・・わかった。キミの夢のため、私も全力でキミをサポートすると約束する。・・・・・・これからはパートナーとしてよろしくね、オルフ?」
「オレの背中は預けるぜ、
この瞬間を持って、私たちは同じ夢を目指す同志となり、
今の私にどこまで出来るかはわからない。だとしても、今の私の持てる力を全て出し尽くし、必ずやオルフの夢を叶えさせて見せよう!
・・・・・・例え、どんなことがあろうとも。
とんとん拍子で話が進んでしまいましたが、ともかくこれで二人は契約を結び、コンビとなりました。これを機に、オルフが劇的に成長していきますのでどうか彼女の成長を見守って頂けると嬉しいです!
やっぱり、シリアスよりもこっちの方が好きだぁ!!
デスペルフォースの過去編は書くべきか?
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書いて欲しい
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書かなくてもいい