舞い戻った理不尽ウマ娘は、元教え子達への対応に頭を悩ませる? 作:レイ1020
「ん・・・・・・んぅ・・・・・・ふわぁ・・・・・・朝か・・・・・・」
翌朝になり、目が覚めた私はベッドからゆっくりと体を起こす。現在の時刻は朝5時。春という事もあって、まだ外は薄暗く、少し肌寒くもあった。
「普段だったらランニングに行ってるとこだけど・・・・・・流石に入学初日にそれはおこがましいし・・・・・・朝食まで勉強でもして時間を潰して・・・・・・って、あれ?」
ふと、私は隣のベッドに視線を向けてみた。そこには、一つのバッグとスーツケースが置いてあった。恐らく、私が寝ている間にこの部屋に来たルームメイトの私物である事は間違いない筈だが、肝心のそのルームメイトの姿が”影も形も無かったんだ”・・・・・・まだこんな朝なのに。
「どこに行ったんだろ?こんな朝早くから・・・・・・」
(ガチャッ)
行方をくらませているそのルームメイトの事を軽く心配しつつ、探しに行ってみようかと着替えをしようとした時・・・・・・誰かがドアを開け、中へと入ってきた。着替えをする手を一旦止めた私は、視線をドアのほうへと向けてみた。
「・・・・・・あれ?随分早起きだな?まだ5時だぜ?」
「いや、それはキミもでしょ?こんな朝早くからどこに行ってきてたの?」
薄暗くて分かりにくかったが、目の前にいたのは栗毛の長い髪を後ろで束ねた顔の整ったウマ娘がいた。見たところ、ジャージを着てるし、少し汗ばんでいる事もあり、大方ランニングにでも行ってきたんだろうと推測を立てた。
「どこって・・・・・・ランニングだ。オレ、実家にいた頃から毎日この時間に起きて走ってたからさ?」
「へ〜?入学初日なのに、よく出来るね〜?」
呑気に、小さく欠伸をしながらそう口にする私。キセキちゃんから聞いたところ、この子は私と同じ新入生で同級生との事らしいから、かなりラフな感じで接していた。
「んなの関係ないだろ?オレは、このトレセン学園でトップの成績を残すためにここまで来たんだしな。初日だろうが何だろうが、トレーニングして問題なんて無いだろ?」
「んー・・・・・・それは一理あるかも」
いい意味で言えば、努力家。悪い意味で言えば無神経・・・・・・とも取れる発言を口にしたこの娘に苦笑いを浮かべる。とは言え、朝からランニングをしているのは私も同じであるので、それを否定すると言う事はしなかった。
「あ、自己紹介してなかったな。オレはオルフェーヴル。オルフって呼んでくれ。お前は?」
「私はサイレントベール。ベールって呼んでくれると嬉しいかな。よろしくね、オルフさん」
「”さん”なんていらねーよ、同い年なんだし。よろしくな、ベール!」
「わかった。よろしく、オルフ!」
自己紹介を果たし、少し打ち解けられた私たちは、軽く握手をした。ルームメイトになった訳だし、彼女とは色々と話をしてみたいな・・・・・・。
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「・・・・・・で?何で、私達
「いや、朝食までまだ時間あったし、まだ走り足りないって思ってな?それに、お前とももっと仲良くなりたいって思ったからさ?」
だったら、普通に部屋の中で談話でもすればいいじゃん・・・・・・とか言いたくなった私だった。今、私とオルフは学園の周りをランニング中だ。あの後、オルフに誘われてこうして来てみた訳だけど、今にして思えば『何で誘いを受けたんだろう?』と自問自答していた。入学初日の朝にこうしてランニングなどおこがましいとさっき自分で言ってたにも関わらず、来てしまってるのだから当然そう思う。乗ってしまったのも日課であるランニングに行ける口実ができて、若干嬉しかったからだろうけど・・・・・・うん、先生とかに怒られないことを祈ろう。
「まぁ、朝食は7時からだし、それまでに戻れば問題ないか・・・・・・」
「だな。じゃあ、腹空かすためにもう少しペース上げるぞ?遅れずに着いてこいよ!」
「うん、わかった!」
オルフがさらにペースを上げて来たので、私もゆっくりとペースを上げる。流石に、さっきまでのペースでは”遅すぎた”ので、丁度よかった。それから1時間はそのペースを維持したままひたすら走る続けていた私達だったが、1時間を過ぎたあたりから、徐々にオルフのペースが落ち始めた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
「オルフ、大丈夫?そろそろ止めにしとく?」
「い、いや、まだ走っておきたい。それに、お前は”てんでバテちゃいない”のにオレだけバテてるってのはちょっと癪なんだ。だから、もう少し付き合ってくれよ」
「うん、いいけど・・・・・・無理はしないでよ?」
朝食まであと1時間を切ってる。着替えのことも考えると、後30分くらいで止めにするべきなのだろうけど・・・・・・この分だと、オルフが気が済むまで走らされそうで怖いんだよね・・・・・・。いや、ランニングは楽しいからやる分には別に良いんだけど、オルフがね・・・・・・。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・ぜぇ・・・・・・」
・・・・・・息も絶え絶えになり、足がふらふらになり始めたオルフ。・・・・・・うん、流石にもう止めよう。
「オルフ、もう戻ろう?そろそろ朝食の時間だし、遅れると寮長さんに叱られちゃうから」
「・・・・・・えほっ・・・・・・ぜぇ・・・・・・。わかったよ・・・・・・遅れるのはまずいし、オレも流石にこれ以上は無理だからな・・・・・・」
オルフも入学初日から寮長に怒られるのは嫌だったらしく、素直に従ってくれた。その後、自販機でスポーツドリンクを買い、それを飲みながら私達は寮へと歩を進めた。
その道中・・・・・・。
「なぁ、ベールはあんだけ走っても全然息が上がってなかったが、普段はもっと走ってたりしてるのか?」
「うん。普段はノンストップで”3時間”走ってるよ。私は、それを朝と夜で合計”2セット”やってるの」
「3時間走を2セットっ!?・・・・・・そんな無茶なトレーニングしてて怪我とかしなかったのか?」
「軽い怪我とかはした事あるけど、すぐに治るような怪我ばかりだったし・・・・・・大きな怪我とかはした事なかったかな」
「おいおいマジか・・・・・・こりゃ、とんでもないライバルとルームメイトになっちまったな・・・・・・」
信じられないと・・・・・・言わんばかりに顔を歪ませたオルフだが・・・・・・何か勘違いを起こしているので、正すとしよう。
「オルフ?私は、レースに出る為にこのトレセン学園に来たんじゃないよ?私は・・・・・・”トレーナー志望”でここに来たんだから」
「・・・・・・・・・・・・はっ?」
それを聞いたオルフは、素っ頓狂な声を漏らすと同時に、顔をさらに歪ませ・・・・・・首を深く傾げた。
ルームメイトは3冠馬のオルフェーヴルです。いつかは、正式にウマ娘に加入してもらいたいところですが。
【デスペルフォース 豆知識②】
基本的にどんなレース(短距離・マイル・中距離・長距離)でも走る事ができ、状況によって作戦を変えることも出来る。
【適性一覧】(デスペルフォース全盛期)
スピード スタミナ パワー 根性 賢さ
1200 1200 1200 1200 1200
バ場適性 芝 S ダート A
距離適性 短距離 A マイル A 中距離 S 長距離 S
脚質適性 逃げ S 先行 S 差し A 追込 A