ソルジャーアート・オンライン   作:織姫ミグル

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第6章

 

 

どの世界にも抜け穴がある。

 

人目をかいくぐって汚職に手を染めるものはたくさんいる。こんなところに閉じ込められれば、誰だってまともな思考を失う。

 

故に、あらゆるところでは他のプレイヤーに危害を加えるという事件が多発している。

 

 

「がっ·········!?」

 

「ぐ··················おッ!?」

 

 

深夜のフィールドで、呻き声と何かが壊れる音が炸裂していた。

 

森と森。

どこに目をやっても木だらけ。こんなところにいれば絶対迷うと思うが、そこは勘でなんとかなる。

 

その中で七人くらいのフードをかぶっている連中が息を巻いている。さらに視線を下に向ければ、地面には三人ほどの人間が腕を失くして倒れていた。

 

七人のフードアバターの手にはジャックナイフの短剣やレイピア、どれも殺傷力抜群の得物が握られている。

 

七人はその得物を手にし、たった一人の人間を取り囲んでいた。

 

彼らの目は皆血走っており、それでも取り囲まれているたった一人の人間は動じない。むしろ取り囲んでいる凶器持ちの七人なんて眼中にないかのように、手に持っている大剣を地面に突き刺して杖代わりにしている。

 

 

彼はツンツン、ツンツンといった髪が目立つ印象で、それ以上に第一階層をたった一人で突破した謎のプレイヤーだというイメージを見る者へ凶悪に叩きつける。

 

 

七人の頭上ではオレンジ色のカーソルが浮かんでいる。それが何を意味するのか、ここに来てもう大分経ったクラウドにだってわかっている。だからこそ腹が立つ。こんな空想の世界でも、悪事に手を染める輩がいるということに。

 

 

「おらあっ!!」

 

 

という背後からの絶叫。

クラウドを取り囲む凶人達の一人がレイピアを片手に、彼の背中へと突っ込む。

 

だがクラウドは振り向きもしない。視線すら送らない。

 

その無防備で強靭な肉体に、凶人は体ごと突っ込むような形で全体重を乗せたレイピアの先端を突き入れる。

 

 

あの第一階層での出来事で、彼を見る目は大きく変わった。

 

 

救援者だという肩書きは昔からある、スパイというのも健在。そして、新たに『チーター』やら『ビーター』なる不名誉な肩書きまでもが追加された。

 

 

あの戦いの後、彼の噂はものすごい速度で広がり、『大剣を背負ったツンツン頭のプレイヤーがたった一人で攻略した』という噂が流れてから、彼を勇者のように讃える者、さらに疑心の目を向ける者、そしてイカサマで勝ったチートプレイヤーとして見る者という風に別れた。

 

新たに追加されたチーターという不名誉な肩書きはゲームシステムを超えたからという理由らしい。実際は彼の現実世界での身体能力をここでも扱えたからあのボスに勝てたというだけなのだが、一般的に見ればシステムに何か細工して強くなったと見られるのが普通なのかもしれない。

 

そして、だ。

 

たった一人でボスを倒した。

 

これが一番の原因なのだが、たった一人でボスを倒せるなんてありえないし、そんな奴が初心者な訳がない。だからあいつも元βテスターに違いないと誰かが言ったことでその説が拡大していき、βテスターのチーターだから『ビーター』なんて名前が出回っているんだそうな。

 

別になんて呼ばれようと彼は気にしないし、そいつらの勝手だがこれだけは言いたい············センスがなさすぎる。

 

だが、さっきも言ったが彼はただ現実世界での身体能力をここでも使っただけだ。

 

ボギン!! と骨が折れたような音が聞こえて来た。ここは仮想空間のためアバターの骨が折れただけで現実世界の実際の骨が折れたわけではないが、物理攻撃の痛覚はもちろんプレイヤーに与えられる。

 

 

「ゴフッ!?」

 

 

と、頬を殴られたことで吹き飛ばされたオレンジプレイヤー。

 

そのまま木に激突して気を失った。痛覚は現実よりはまだ抑えられているが、一定以上の痛みを感じれば脳は許容量を超えて一次的にシャットダウンされる。ここで気を失うってどんな感じなんだろうか、寝るときと一緒でアバターが一次的に機能を停止させるだけなのか。吹き飛ばされて背中から強く木に激突した光景はまさに滑稽だった。

 

仲間が倒されたことで誘爆するように、残りの六人が一斉に襲いかかる。しかし、本当に勝てる、『殺せる』と思って挑むものは何人いるのか。

 

彼らの目は確かに血走っていた。だが、それは度を越した緊張や不安、恐怖や焦燥によるものだったのかもしれない。

 

 

あの一戦を境に、クラウドは一躍有名人となった。

 

 

さっきの三つのグループで、褒め称える奴は圧倒的に少ない。よくて二割ほどだ。他三割はスパイ、残りの五割がチートプレイヤーだと思っている。故に、妬むもの、恨むもの、恐れるもの、そして襲撃するものまで出て来た。

 

襲撃者の動機はこの世に残しておくわけにはいかないとか、そんな正義感溢れるような理由じゃない。

 

単なる娯楽。それだけであった。

 

人を殺めることこそがこの世界での唯一の娯楽。ここで死ねば現実でも死ぬなんていう証拠はどこにもない。ならば殺してしまっても構わないと、そう考えているような凶人がよく現れるようになった。

 

こいつらはその一員。腕に棺なのかよくわからないが変な烙印を刻んでいる奴ら。彼らがクラウドを襲う理由もただの娯楽。皆がチーター、チーターばかり言うので、ならば殺してしまっても問題ないと思ったのだろう。

 

しかし、彼らの目の前にいるやつは音速を超えて戦う『ソルジャー』。

 

挑むだけで無謀な戦いになることを知らない。

 

 

「···························」

 

 

クラウドは興味なさそうにして対処した。

 

剣はもう必要ない。脅しのために三人ほどのオレンジプレイヤーのアバターの腕を斬ってみたが、こいつらが怯むことはなかった。それに拳でぶん殴れば相手を沈めるには十分なのだから、わざわざ耐久値を減らしてまで武器を使う必要などない。

 

次々と雄たけびを上げて振るわれるナイフやレイピアに、クラウドは丸腰で挑んでいく。バスターソードは地面へと刺し、まず一番近いやつから順番に沈めていく。

 

仮想空間でいくら鍛えたとしても、所詮は人間の体。ソルジャーの身体能力でいとも簡単に貫ける。脆い体に鋭い一撃を入れ、続いて背後にいるやつには裏拳で横薙ぎに吹き飛ばす。

 

背後から武器で迫ってくるものは、一旦しゃがんで回避し、鋭い蹴りを鳩尾に差し込む。

 

そして、ここで彼らはようやく気づく。

 

 

初撃を放ち、それが失敗した時点でこいつには勝てないということに。

 

 

凶人達の骨が砕ける音が連続していく。

骨は折れていない。いないが気絶はする。一定以上のダメージを受けると意識を停止させるようにプログラムされてるのか、クラウドが一撃を入れるだけで彼らは意識を手放した。

 

本来なら、クラウドは襲われなかった。

 

わざわざ、()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()、こうはならなかった。

 

そうしないといけないからやった。

 

それだけだった。

 

 

 

<><><><><>

 

 

 

小さな家だった。

正確には、繁華街の一部。アパートの一部屋。

 

仕事場としても使っているなら、居住スペースはさらに狭いはずだ。あるいは、『何でも屋』という役職では仕事とプライベートの区別がなく、自分の周りに常に仕事がないと逆に気が休まらない人間なのだろうか。

 

 

「聞いてるのかクラウド?」

 

「·············································ああ」

 

 

と、レジカウンターに肘をついて退屈そうな顔をしていた二十代の男性店主、クラウドはカウンターに広げられた羊皮紙から顔を上げた。アパートなのにレジカウンターがなんであるんだとか、細かいツッコミは無しだ。ネット空間で作られた古い紙は何やら一人でに光が放たれているのだが、クラウドは気にしている様子はない。

 

くっだらなそうな表情のクラウドは、頬杖をついたままこの羊皮紙を持ってきた女性に向かってこう言った。

 

 

「··················それで?」

 

「いやだからこいつらの捕獲をお願いしたいと、そういう依頼が何件もいろんなところに配られてるんだヨ。『犯罪者ギルド』のメンバーをナ」

 

 

犯罪者ギルド。

盗みや傷害、殺人といったシステム上の犯罪を行ったプレイヤーたちのギルド。プレイヤーに危害を加えれば通常緑色のカーソルがオレンジへと変わる。それ故、犯罪者をオレンジプレイヤーと呼び、その集団はオレンジギルドと呼称されている。

 

そんなやつらの捕獲。

 

 

「報酬は?」

 

「····································」

 

 

アルゴは指を二本立てる。

 

 

「他をあたってくれ」

 

「イヤイヤ、ここは『何でも屋』クラウドとしての腕の見せ所だロ? それにこれ受領してくれないとオネーサン困っちゃウ」

 

「···························」

 

「オイラの商売は信用で成り立ってるんだヨ。お前もわかるだロ? この仕事だって縁がないとできないんだからさ、ナ? クラウド?」

 

「···························」

 

「·········誰が依頼を持ってきているのか、そして誰がお前の噂を抑えてやったんだっけナ?」

 

 

アルゴはカウンターに置かれた羊皮紙を人差し指でカツカツと叩く。クラウドはそんなアルゴを睨むが、アルゴはやはり気に留めない。

 

早いもので、あれから大分時が経った。

第一層を乗り越えてからというもの、かなりのスピードで次の階層、次の階層へと登って行っていた。

 

それもこれも、次々と『ギルド』が出来上がったおかげだ。

 

強いプレイヤーが築いた集いはどんどん強いものを引き入れ、あっという間に強い団体がいくつも出来上がった。そのおかげで攻略も楽に進んだ。強いもののレクチャーによって弱かったものも強くなり、強いもののサポートによって攻略はいつもより簡単に進んだ。

 

故に、一年近い期間の間でもう半分も進んだ。今は第五十六層ぐらいか。

 

それと同時にクラウドの噂も次第に収まりつつあったのだが、あくまで収まっただけで忘れ去られたわけではない。一層突破後、クラウドはあらゆる人物から狙われ、クラウドは再び行動を控えるようになった。

 

あれ以降、クラウドは攻略に参加していない。ずっと雑魚を狩り続けていた。

 

攻略は、第一階層でみんなを導こうとしていたディアベルが築き上げたギルドと、『血盟騎士団』というギルドの、二つの大手ギルドが主に攻略のために動いている。

 

たまに、参加しないかと誘われる時もあるが、例外なく断っている。

 

そんなのは依頼の対象外。引き受ける依頼は、『用心棒』や『素材集め』、そして『討伐』といったものに絞っている。

 

自分はただの傭兵。それ以上でもそれ以下でもない。

 

『ボス攻略』はどれほど報酬額を増やされようと引き受けるつもりはない。あんな人から注目されるような真似二度としたくない。ほんっとう、アルゴの忠告を聞いておけばよかったと後で後悔した。

 

ボスを倒してさっさとゲームクリアを目指すというつもりで挑んだが、逆にそれが足枷になってしまった。たった一人で挑んでしまったことでプレイヤー全体から注目対象になり、自由に動けなくなってしまった。表を歩けば声をかけられ、救援者だと讃える者もいれば、詰問してくるものまでいた。そういった奴らは簡単にふりほどけたが、しつこすぎるのでクラウドはしばらく身を潜める事にした。

 

また身を潜める事になろうとは思わなかった。噂が次第に収まり、皆から忘れられるのを待つばかりであったが、意外と長い時間がかかってしまった。二十階層ぐらいから、みんなあんまり噂しなくなった。それまではいつ攻略に現れるんだろうと、迷宮区前やボス部屋前で待ち構えているプレイヤーが続出した。

 

なんならクラウドを探し回る者まで現れた。

 

クラウドができることはただ一つ。隠れること、ただそれだけだった。

 

一応、噂が収まったのはそれだけが理由じゃない。アルゴが裏で手を回してくれたのだ。何をしたのか聞いてみたら多額の金額を要求されたので聞かないでおいた。しかし、その代わりにアルゴが欲しがっている素材や情報の入手の約束をさせられた。

 

忠告を聞かなかった罰、とのことらしい。

 

実際何も言い返せなかったので、クラウドは渋々了承。

 

その代わり、こちらも条件を出した。『何でも屋として店を出す予定なので、もし依頼があったら持ってきてほしい』と。そうしないとここで金は得られない。クエストをやろうにも、他のプレイヤーに見つかりでもすれば面倒だ。だからアルゴには仲介役として動いてもらい、依頼を持ってきてもらっている。もちろん、クラウドの名前は出さずに。情報屋アルゴとしての信頼度は高く、そんな情報屋が勧める何でも屋ならさらに信頼できるという噂が飛び交い、よくクラウドの元へと依頼が来る。

 

だが、誰がその依頼を引き受けてくれるのかについては誰にもわからない。それは、何でも屋が条件を飲み快く引き受けてくれてからの話。クラウドが引き受けるといったら面会ができる。そういうシステムを勝手に作って商売している。ちなみに引き受ける際は、クラウドの名前は出さないのと、誰が引き受けたか口外しないという誓約書を書かせているとのこと。

 

そんなこんなで現在、クラウドはアルゴが持ってきた依頼を確認しているようだが、報酬金額に納得いっていないようである。

 

 

「オイラとしてもこの金額はどうかなとも思ったけどさ、それがあいつの全財産なんだヨ」

 

「全財産?」

 

「依頼をされる時な、そいつ泣きながら頼んできてサ。依頼主には婚約者がいたみたいでナ。本当なら一週間前には結婚式を挙げる予定だったそうダ。なのに、オレンジプレイヤーに殺されてしまっタ。婚約者の男性はオイラに泣きながら訴えたヨ。必ず見つけて捕まえてくれってナ。殺してくれじゃなくて、捕まえてくれっテ」

 

「····································」

 

「それで、全財産を払ってまで捕まえてくれって言ってきたんだが························どうすル?」

 

 

良心に問いかけるようにアルゴは言った。

 

その一言で、クラウドの目は変わった。今まで壁にかけていたバスターソードを手に取り、やれやれといった感じでため息を吐きながら背中におさめた。

 

 

「オ! 引き受けてくれるのカ!?」

 

「····························································」

 

 

クラウドはぷいっと顔を横に向ける。

そのまま外に出ようとするクラウドだったが、アルゴがそれを止める。

 

すると、何かを手渡してきた。

 

『転移結晶』

 

それを受け取った瞬間、クラウドは悟った。なぜ報酬金がそんなに少ないのかを。

 

クラウドはそれをストレージにしまい、アルゴにどんなやつか、どこに行けばいいかという情報だけ聞くと、そのまま店から出ていった。

 

 

 

<><><><><>

 

 

 

そういう経緯でこの森に来たわけだが、あくまでクラウドは報酬目当てだ。

 

もう一度言う、報酬が目当てだ。

 

決して、依頼主に同情したといった理由からここに来たわけではない。断じて。

 

 

さて、と。彼は仕事を終えるために依頼主から預かった転移結晶を取り出す。

 

 

地面に転がった凶人どもを一箇所に集めると、転移結晶を使用する。行き先はどこなのかは聞いてないが、おそらくこのゲームの牢獄だろう。そこに入ればプレイヤーは二度と出てこれない。そこから出てきた奴の話なんて全く聞かない。つまりはこのゲームが終わるまでそこに閉じ込められるということだろう。ある意味辛い。持久戦が求められる拷問に果たして彼らが耐えられるのだろうか。

 

そんなことはクラウドにはどうでもよかった。

 

脱出したという噂も聞かないことから、恐らくはアバターの力ではどうにもならないほど強固にプログラムされているのだろう。

 

そこらへんはしっかりしているようだ。

 

そして、転移結晶によって凶人たちは何処かへと飛ばされた。それを確認すると、クラウドは帰路へとつくために立ち上がる。

 

 

「····································」

 

 

クラウドは自分の腕を見つめる。

 

あれから、結構変わったと自分でも思う。ここに来る前の自分を思い返してみる。

 

まだ自分が元ソルジャーだと思い込んでいたあの頃を。人のために何かをするなんて、あの時は全然思わなかった。報酬が貰えればいいとしか考えていなかった。なのに、今では誰かを思うたびに気持ちが落ち着かなくなっている。黙っていられない、じっとしていられない、そんな感覚。

 

 

(························笑えるな)

 

 

彼は切り取られた夜空を見上げると、遥か後方──────森の奥から少女らしき声が聞こえてきた。

 

 

「?」

 

 

深夜だからか、その声は森の中でよく反響した。

 

甲高い、悲しみに満ちた········叫び。

 

 

「························」

 

 

それを感じ取った瞬間、クラウドは帰路だった道から外れ、その声がする方へと駆け出した。

 

 

 

<><><><><>

 

 

 

「?」

 

 

キリトは木の影に隠れていた。

 

夜間であるため当たり前のことなのだが、光が一切届かない森の中で恐ろしいほどの沈黙が満たされる。

 

絶望的な間。あまりのストレスに脳の構造が崩れるかと思った。

 

しかし、木の陰に隠れて息を殺しているキリトは、そこで異変に気がついた。

 

 

(··················あいつらは?)

 

 

先ほどまで、彼も凶人共に襲われていた。

 

襲われていたというか、引きつけていた。

 

彼も依頼を引き受けた一人············といっても、依頼人は全く別人であるが。

こういった依頼は、何件も出回っている。クエスト中のパーティーが主に狙われ、クエストクリア後に襲うといった手口がよく増えている。クエスト報酬が目当てなのだろう。面倒なクエストを代わりに受けてもらって、達成した瞬間に襲ってアイテムをかっさらう。そういった汚い手口が何件も起きている。

 

中でも最悪なのは、アイテムだけでなく、命まで取るということ。

 

死角を捉え、無防備になったところを狙って襲ってくる。

 

クエストを達成して喜びに満ちた時、人はその達成感から一瞬無気力になる。その一瞬の隙を狙って、完全に油断しきったところで襲撃しアイテムと命を奪う。

 

それが奴らにとっての娯楽、ストレス発散なのだ。

よく、ゲームでNPCに攻撃できるゲームがある。現実世界ではそんなことをすれば犯罪だが、ゲームのような作られた世界ではその行為は許される。なにせ、架空の世界なので現実の法律は通用しないから。

 

しかし、その一線を越えると人はゲームと現実との判断ができなくなる。

 

やりすぎると現実までもゲームだと錯覚してしまい、超えてはならない領域を踏み越えてしまい、判断能力が曖昧になっていく。そして、最終的には歯止めが効かなくなってゲームと同じことを現実でも行ってしまう。

 

この世界でもそれと似たようなことが起きている。何よりここは今やもう一つの現実となっている。それ故に、ゲームと現実の区別がさらにつきにくくなっている。デスゲームと化してから皆まともな思考が持てなくなり、狂人と化す人が続出。

 

これこそがまともな思考、この世界ではなんでもあり、現実世界で人が死んでるとは限らない、それが奴らの思考回路。

 

頭のネジが外れた者たちの結末はまさに世紀末。止めることなどもはや不可能。そういう奴らは現実に戻っても手に負えなくなる。ある意味彼らも被害者ではあるが、同情はできない。

 

ここでの裁き方は様々だ。一番手っ取り早いのはそいつらと同じように対処することだが、それは人道と倫理に反しているが故に実行できるものはいないだろう。だから、『転移結晶』を使って牢獄へと飛ばすことで奴らを裁くというのがこの世界では一番人道的と言える。

 

裁判はいらない。どの世界でも手をかけるというのは犯罪に値する。なので問答無用で牢獄行き。

 

というわけでキリトは何か適当に高難易度のクエストを受けてクリアし、ここで奴らが出てくるのを待っていたのだが、人気が全くないことに気づいた。

 

先ほどまで索敵スキルで人の気配を複数感じ取っていたのだが、今はそれが全くない。

 

いつまで経っても奴らは襲ってこない。

 

確かにキリトの後を尾行してきたはずだ。大雑把とはいえ、位置も確認しているはずだ。ろくな対策もしていないとあいつらは思っているはずなのに、攻撃力にスキルを振って殺傷力で固めた集団が、わざわざ警戒して様子を見ているはずがない。

 

 

(どういう状況だ?)

 

 

安易に動くことは危険だという心と、早く動かないとチャンスを失うかもしれないという心が交錯する。

 

 

「······························」

 

 

さらにそのまま三十秒経過したが、目立った物音はない。

 

 

「······························?」

 

 

標的を見失ったから諦めた?

 

別の獲物を見つけたから変更した?

 

色々可能性は考えられるが、できれば前者であって欲しい。後者であった場合、自分よりも弱いやつに目をつけたということ。それはつまり、そいつは今危険な目に遭っている可能性が高いということ。

 

それだけはまずい。

 

そう思っているのに下手に動けない。来るかもわからない時を待つ。索敵スキルに集中するように目を瞑る。

 

そして、動きがあった。

 

 

「························!?」

 

 

近くで動きがあったわけではない。でも遠くもない。

 

中間地点から、甲高い女の子の声が聞こえてきた。

 

キリトのいる場所からそう遠くないところからで、おそらく場所は森の奥。

 

どこにいるかも分からないが、その女の子が放った声の感情からして··················悲鳴。

 

 

「ッ!!」

 

 

木の陰から飛び出すキリト。

 

依頼については後回しだ、今はその声の主の捜索に当たる。感じ取った声質からして、かなり危険な状態であることは明らかだ。そんな状況に陥っているやつを黙って見捨てるほど冷たい人間ではない。

 

正義感溢れる少年は悲鳴をあげた少女を救助すべく、これより迅速に少女の居場所の特定を開始する。

 

 

 

<><><><><>

 

 

 

「ピナ! ピナァァァァアアアアアッ!!」

 

 

少女は叫んだ。

地面に横たわる自分の大切な友達を呼びかけるも、その友達は反応しない。

 

 

「お願いだよ········私を独りにしないでよ················ピナァ········」

 

 

少女の頬に雫が伝う。

 

訳あってこの森に来たのだが、一緒に組んでいたパーティーとの意見の食い違いから口論へと発展し、場が収まりそうになかったので少女は一方的にそこから抜け出した。それがいけなかった。この森は本当に迷いやすく、どこへいっても同じ景色にしか見えない。どう帰ればわからないまま進んでいたら、このフロアのモンスターとエンカウント。

 

少女ならば対処できた。正確には、少女と一緒にいた『ドラゴン』なら。

 

少女は、ここでは珍しい『ビーストテイマー』だった。システム上でイベントがごく稀に起き、好戦的なモンスターがプレイヤーに友好的な興味を示してくれれば仲間になってくれる。いわば、使い魔のような存在。

 

その使い魔である『ピナ』と呼ばれた小型のドラゴンの命がモンスターからの猛攻によって一気にライフを削られ、少女の手の中で砕け散った。

 

 

「あ··········あ、ああ·························」

 

 

ピナに止めを刺し、一人になった少女を三体で取り囲むのはこの迷いの森では最強クラスの猿人モンスター『ドランクエイプ』。少女はHPゲージが既に危険域に達しているにも関わらず、ピナを失った悲しみと自分を襲う恐怖に怯えたからか、動き出す事が出来ない。

 

ドランクエイプが使用するのは低レベルのメイススキルで、一撃の威力はそこそこ大きいものの攻撃スピードも連続技の段数も大したことはない。

 

だが、今の少女にはそれは致命傷。

 

一回当たれば即死亡。彼女の大切なものが失われた悲しみから来る喪失感は思考を停止させている。何よりこの状況を打破するための打開策がない以上、これ以上の抵抗は無駄。

 

ならばもういいだろうと目をつぶった瞬間、

 

 

ザシュッ!!

 

 

閃光が瞬いた。

 

東洋伝統の居合斬りのように、背中に収められている抜きにくい剣を抜いて直接斬撃を喰らわせた。

 

 

「大丈夫か!?」

 

「························え?」

 

 

目の前に降り立ったのは黒髪の少年。

ロングコートのような防具を身につけ、片手剣を構えて顔だけ少女に向けて話しかける。

 

 

「························え?」

 

 

少女は呆然とする。

 

諦めかけていた自分の前に降り立った少年にどう反応していいのかわからない。だがモンスターの前に立ち塞がった瞬間、彼の全身からは強烈な威圧感が放出されていた。しかし敵意は感じない。瞳は険しくしているものの、穏やかな雰囲気をかすかに宿している。

 

 

グオオオオオオッ!!

 

「退がってろッ!!」

 

「ッ!?」

 

 

残りの奴らが襲い来る。

 

脅威はまだ去っていない。

 

黒髪の少年キリトは少女を一旦下がらせ、これまでと違ってわかりやすい斬撃を喰らわせた。

 

直撃、直撃、直撃の連続。

 

当たり判定がある刃部分で何度も猿人の肉を削ぐ。気合いに満ちた声を放ちながら繰り出す攻撃は一撃一撃が重い。横薙ぎ、振り下ろし、様々な角度から剣を振るう少年の表情には焦りがない。

 

低威力になる体制から高威力になる体制へと連続で構え、剣士としての技術を生かしつつAIの敵の行動パターンを分析して、戦術を組み立てる。ほとんどキリトのターンだった。反撃しようにもそれを超える速度でキリトはダメージを与える。反応の遅れたドランクエイプは次々とHPが削られていき、最終的にはその場でポリゴンとなって砕け散った。

 

勝敗は決した。圧倒的な速度と剣術を振るうその腕で。

 

 

「······························」

 

 

無駄がなく洗煉された剣術で圧倒する少年の姿に言葉を失う少女。

少年は右手に握った片手剣を背中の鞘に収め、後ろで膝をついている少女に声をかける。

 

 

「··················すまなかった」

 

「え?」

 

「··················君の友達、助けられなかった」

 

 

唐突な台詞に困惑するも、少年は視線を少女の手の平辺りまで視線を下ろす。少女も追いかけるように視線を自分の手の平へと持って行くと、それを見た瞬間に少女の全身から力が抜けた。

 

そこにあったのは、『水色の羽根』。

 

それが何を意味するのか、少女は先ほどあった出来事を思い出して顔を深く俯かせる。

 

嗚咽を漏らしながら何度もその羽根に向かって名前を呼ぶ少女。

 

そんな少女にキリトは歩み寄ると、少女の前で跪き、

 

 

「············でも泣くのはまだ早い」

 

「·············································え?」

 

 

一見して意味不明な台詞だが、冗談とかで言っているような雰囲気ではない。

 

 

「その羽根さ、アイテム名とか設定されてるか?」

 

「? はい、確認してみます··················」

 

 

そう言われて少女は恐る恐る手を伸ばし、右手の人差し指で羽根の表面部分をクリックするように押した。すると、羽根の前に小さなウインドウが表示される。

 

そこには、重量と説明、そしてアイテム名が記載されていた。

 

 

[ピナの心]

 

 

それを見た瞬間、少女はまた涙を浮かべる。

溜まりに溜まった悲しみが崩壊しそうなその寸前、それを一緒に見ていたキリトが慌てるように告げる。

 

 

「あーあーあー! ま、待った待った! ソイツが残ってるならまだ蘇生出来るから!」

 

「え!?」

 

 

少年の口から出てきた言葉に、思わず少女は半ば口を開けたまま顔を上げた。

 

少年の目を見る。

 

そこには一切の曇りもなく、一切の偽りもなかった。

 

 

「つい最近判明したことだからまだ全体に知られていないんだけど、四十七階層の南に『思い出の丘』っていうフィールドダンジョンがあるんだ」

 

「··············『思い出の丘』?」

 

「名前の割に難易度が高いんだけど、そこのてっぺんに咲く花が使い魔専用の蘇生アイテムらし───」

 

「ほ、ほんとですかッ!?」

 

 

少年の言葉を遮ると共に、少女は腰を浮かせて叫んでいた。

希望の光が差し込んできた少女にとってその情報は一番価値のあるものだった。

 

 

「でも··········四十七層··········」

 

 

今いるフロアよりもさらに上。

ここは三十五階層。そこで少女は苦戦していた。つまり、この階層が少女にとって攻略可能な範囲の限界値。

 

その事実が、少女を再び悄然とさせる。

 

 

「·····················」

 

 

キリトは腕を組んで何かを考え、困ったように頭を掻いていた。

 

 

「俺が行ってもいいんだけど、使い魔をなくした本人が行かないとその蘇生アイテムは手に入れられないみたいなんだよな」

 

「··············いえ。情報だけでもとってもありがたいです。頑張ってレベルを上げてから、いつか行ってみようと思います」

 

「いや、そうもいかないんだ」

 

「?」

 

「蘇生できるのは倒されてから三日じゃないと駄目なんだ。それを過ぎると、アイテム名が『心』から『形見』に変化して··············」

 

「そんなッ!?」

 

 

どこまで絶望させれば気がすむんだ。

 

このゲームは元からだが基本的にプレイヤーに優しくない。他のRPGゲームと違って適正レベルの基準が測れないのがこのゲームの特徴だ。少女のレベルは現在44。王道でいけば適正レベルは各層と同じという設定だったろう。

 

しかしここではそれ以上のレベルを求められる。

 

デスゲームと化してしまったことで安全マージンの基準を考えると十くらい上回らなければ攻略は難しい。四十七層を攻略する場合は最低でも55ほどのレベルが必要。たった三日でその差を埋められない。

 

その事実が再び少女を絶望のどん底に落とす。

 

あと三日で、この羽は形見へと変化する。自分の愚かさが招いた結果、大切なものを失ってしまった。

 

涙がついに零れる。

 

と、その時だった。

 

 

「だからさ───」

 

「え?」

 

 

と、優しそうな少年の声が少女の鼓膜を震わせる。

付け加えるように告げられた言葉に少女は呆然としていると、少女の目の前に新たなウインドウが表示される。

 

よく見ると、手元で少年が何か操作していた。

 

表示されたウインドウに目を通すと、そこにあったのは二つの装備。

 

アーマーとダガー。

 

一つも見たことがない装備であったが、彼女の戦闘スタイルに当てはまった装備。

 

それが少女の前に表示されて戸惑っていると、キリトがぶっきらぼうに説明する。

 

 

「この装備で大分底上げできる。俺も一緒に同行すれば多分なんとかなると思う」

 

「·····················え?」

 

 

首を傾げる少女は、怪訝そうな表情でキリトのことを見る。

 

当然っちゃ当然だった。今日会ったばかりのやつにそこまでされる筋合いはない。ありがたい申し出だとしても、彼になんのメリットがあるというのか。何を企んでいるのかわからない以上、簡単には信用できない。

 

この世界では、他人を簡単に信用してはいけない。それが常識となっている中での申し出に不可解さを感じた少女は、恐る恐るキリトに尋ねた。

 

 

「どうして·······そこまでしてくれるんですか?」

 

「···································」

 

 

返答に困ったように頭を搔くキリト。

視界が不安定に揺れ、何かを言おうとするとすぐ閉じる。

 

まるで恥ずかしがっているように見えた。

 

わずかに緊張している少年の目には、相変わらず偽りはない。だが眉が不審げに動く。

 

すると少年は片手で自分の目を覆い隠し、少女に視線を合わせないようにしながら言った。一応、念を押しながら。

 

 

「·····················笑わないって約束するなら··············言う」

 

「笑いません」

 

 

即答。

それでも少年は言いづらそうに口をもごもごとさせながら口先だけに届く距離の声音で呟いた。

 

 

「君が·······妹に似ているから」

 

 

沈黙が生まれた。

 

なんとも予想外の回答に間の抜けた表情をしてしまった。だが、少女は次第にわなわなと口を震わせ、耐えられなくなったのか思わず吹き出してしまった。その湧き出てくる衝動を抑えるように慌てて口を塞ぐが、堪えることができない。

 

笑わない約束は? と、うんざりした顔で肩を落とし、いじけるように視線を逸らした。

 

見れば、間近にある彼女の顔は大層笑っていたが、その目だけは安堵のような雰囲気を醸し出していた。

 

ひとしきり笑うと、笑いを呑み込むようにしてぺこりと頭を下げて礼を言う。

 

そして少女は大切な友達の心を抱きしめるようにして少年の顔を見ようと顔をあげた時、

 

 

グオオオオオオッ!!

 

「「!?」」

 

 

今まで全く気づけなかった。

悪寒に襲われ驚きとともにキリトは後ろに首を動かすと、ちょうどキリトの真後ろにドランクエイプが新たにリポップされた。

 

 

「!?」

 

 

キリトが気づいた時にはもう遅く、モンスターはプログラムされた動作を実行していた。プレイヤーを視認した瞬間に振るわれる棍棒は、こちらの動揺や警戒などお構いなしといった調子でキリトに迫る。

 

彼は剣へ手を伸ばす。

この間合いで間に合うかどうか、手が届くかどうかの保証はない。

 

それでも腕を伸ばす。

 

片方は少女へ、片方は剣へと。

 

直後、

 

 

ズバァッ!!

 

 

と、閃光が瞬いた。

 

 

「ッ!? 伏せろッ!!」

 

「!?」

 

 

咄嗟に剣を抜く動作から少女を庇う動作に切り替えて、少女を抱きしめてそのまま身を屈めたキリトの真上を、何かが突き抜けた。

 

その瞬間、

 

 

グオオオオオオッ!!!??

 

 

ドランクエイプは絶叫した。

 

見えない一撃が目の前のドランクエイプを通過したのだ。

死角からの攻撃、攻撃が当たったのはちょうど上半身と下半身の境界面。くの字にへし折れるように斬られたドランクエイプは、そのまま二つになって飛んで行った。あまりの速度に、砲弾のように木に激突してバラバラに散らばる。

 

それだけじゃない。

 

ちょうど二人の真後ろを見ると、切断された木々達が斜めに傾いてそのまま地面へと倒れこんだ。

 

それと同時に理解した。

 

衝撃波が自分たちの真上を通って、そのままドランクエイプだけでなく木々までも切断したのだと。

 

 

「··········最後まで気を抜くな」

 

「「···········ッ!?」」

 

 

血の気が引いた二人の耳に、低い男の声が聞こえた。

 

呟くように聞こえた声。

 

とっさにそちらに視線を向けた二人は、森の奥から歩いて来る一人の男を見つけた。

 

彼は。

 

 

「俺の後ろに隠れてろ」

 

「っ!!」

 

 

抱きかかえたまま倒れていた状態から立ち上がると、キリトは少女を守るように前に立つ。

 

彼女が自分の後ろに隠れるのを確認しつつ、

 

 

(·····················あいつはッ!!)

 

 

キリトは歯噛みしたが、そいつは止まることなく二人に近づく。

 

近づきながら、二度、三度ほど大剣を振り回して背中に収めた。鞘も、それを支えるベルトもないのに背中にぴったりくっついた大剣に違和感を覚えるが、ここはゲームなので仕様だろうと判断する。

 

だが、わからない部分もある。

 

目の前にいる男は、かなり距離があったにも関わらずドランクエイプに斬撃を喰らわせた。ゲームシステム上そんな技はないはずだが、彼はやった。

 

空気を引き裂いて攻撃を当てる技は実装されていないはずだが。

 

 

「っ!!」

 

 

少女は目の前から歩いてくる男から発せられる強烈な威圧感に本能的な恐怖を覚え、思わずキリトの服を掴む。

 

 

「·····················」

 

 

一方でキリトはやや緊張感の欠けた表情でそいつを見つめていた。

 

そして即座に気付く。

 

前方から歩いてくる男は照らしきれぬ闇の向こうから声をかける。

 

 

「どこで話そうと勝手だ。でもここは一応モンスターが常に歩き回っている場所、交戦準備を怠らないよう常に気を配っておけ」

 

 

あくまで光源は淡い月の光のみ。光が届きにくい森の中で夜を払うほど強い光が追加されたわけではない。ただ、その男が薄闇の向こうからこちらに近づいてきただけ。ただそれだけのはずなのに、まるで闇の方から遠ざかるように感じれた。

 

ツンツンとした金髪に、整った顔立ち。衣装は第一層の頃から全く変わっていない。屈強な体つきだが、見ようによっては華奢にも見える。

 

 

「お前は·······」

 

 

知らない顔ではない。

 

かつて一度───一年ほど前、まだこのゲームに閉じ込められたばかりの頃、キリトはこの男と会っている。会ったというよりかは、見たという感じで一方的に知っているだけなのだが。少しの緊張感もなく近づいてくる男の白い肌もツンツンとした金髪も、全てが鋭い刃に見える。

 

皆があれだけ策を練って、力を合わせて挑んで、皆で掴もうとした初勝利をたった一人で手に入れた男。

 

初期装備にしては変わりすぎている装備を使って、第一層のボスをたった一人で打ち倒した男。

 

 

「·····················救援プレイヤー」

 

「出来れば名前で呼んでくれ。他人が勝手につけた肩書きで呼ばれるのは好きじゃない」

 

 

男は言った。

とても流暢な日本語で、自らの名を名乗った。

 

 

 

 

 

「俺はクラウド。ただの傭兵だ」

 

 

 

 

 

ようやく二人の剣士が邂逅した。

 

今度こそ、目と目を合わせて声が互いに届く距離で。

 

 

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