現在はバタバタしていて投稿不定期ですが、来月からはある程度安定してくると思います。……エイプリルフールではないですよ?
しばらく投稿していなかった別作品の活動とか、「もう匿名投稿はやめようかな~」とか、新しい作品のプロット(かぐや様の逆行系、ワールドトリガー)の作成とかは来月辺りからゆっくりやります。
「という訳で、これからコスプレをしてもらいます!」
「どうしてもしないとダメか?」
フランス校との交流会があると情報を仕入れた生徒会ではコスプレ大会が開催されようとしていた。そこで提案された意見が”コスプレ”だった。提案者の藤原は乗り気であったが、白銀や四宮は気乗りがしなかった。
「コスプレが好きじゃないのは仕方ないが、今回は交流会でもてなすことが必要なんだ」
「そもそもコスプレって言っても最近じゃそこまでガチじゃないのも多いですよ。ナース服とか婦警さんのコスプレとかは普通に仕事で来ている物ですし」
「何故看護服や警察衣装と言わなかったのかは見逃すが、俺達なら学ランやブレザーでもコスプレになるだろ」
「そうですよ!プ〇キュアやア〇カツの恰好をさせるつもりはないですから!」
藤原はかぐやを、石上は女子二人を標的にしながらコスプレの道へ誘い込もうとしている。
しかし、かぐやも本音ではコスプレをしたくない訳ではない。
(会長に私のコスプレを見て貰えば告白してくるはず。でも……)
かぐやのプロポーションは自慢できるレベルである。しかし、その胸部の貧相さは隣にいる藤原と比べることでより一層貧相であると分かる。そのコンプレックスがあるかぐやが白銀の前でコスプレ披露など出来るはずもなかった。
「今回は外部から指導員を呼んだからな」
『『『はぁ!?』』』
「だって、俺らの中にコスプレについて知っている奴いるか?見る方じゃなくて、する方で」
「た、たしかにそうですけど……知らない人の前でコスプレをするのは……」
「安心していいぞ。四宮の知っている人だから」
「あの~。僕も知らない人の前でするのは抵抗が…」
「大丈夫。優しい人だから」
知らない人の前でコスプレをすることに抵抗があるかぐやと石上。着ぐるみのバイトをしたことのある白銀や羞恥心を捨て去った藤原は問題がない。
そんな中に現れた指導員とは……
「3年の子安つばめです。今日はよろしくね♪」
子安つばめ。秀知院学園高等部3年にして新体操部のエース。その性格から困っている生徒を放ってはおけず、多くの生徒を助けてきた聖人。難題女子の1人にも数えられる正真正銘の美少女である。
「つばめさんでしたか。今日はよろしくお願いしますね」
「うん♪かぐやちゃんもよろしくね!」
「二人は知り合いだったのか?」
「会長知らないんですか?二人は”姉妹”ですよ?」
「えっ、マジで!?」
「本当の姉妹じゃないよ。秀君とよく一緒に居た女子のことを”天野姉妹”って呼んでいる人がいたんだよ」
「それも中等部までだ。色々あって皆解散したからな」
中等部までに存在した”天野姉妹”。かぐやが天野に告白したことをきっかけに解散した存在だが、そのメンバーは有名人ばかりであった。かぐやは当然として、子安や龍珠などの”難題女子”、四条や柏木といった人気の高い女子などが所属していた。そのため、天野姉妹は”天野ハーレム””竿姉妹”などという意味でも呼ばれていた(そのような事実はない)。ちなみに、かぐやの交友関係の殆どが天野姉妹関係である。
「でも、本当に私でよかったの?演劇部とかの人の方が良かったんじゃない?」
「いや、演劇部は演劇関係の狭い範囲しか知らないらしくてな。それに一般的な目線で物事を見れるつばめの方が適任だろ」
「そっか~。じゃあ早速やってみようか!」
「でも、どれが良いかなんて正直検討もつかないんだが…」
「コスプレってコミケレベルしか知らないんですが」
「私も詳しくなくて…」
生徒会メンバーの殆どがコスプレについて詳しくないという状況、しかも藤原は子安の存在によって普段の力が発揮できない。
「まぁこれを飲んでから考えようぜ」
そういって天野は生徒会メンバーに飲み物を渡す。それを飲んだ瞬間、生徒会に電撃が走った!
「とにかくやってみないと始まらないよな!」
「そうですね!メイド服なんて良いんじゃないでしょうか!」
「流石です四宮先輩!先輩になら似合いますよ!」
「さぁ、コスプレ大会の始まりですよ~!」
突如としてコスプレに積極的になった生徒会メンバー。原因は1つしか考えられない。
「し、秀君。それには何が入っているの?」
「これは”性格変化薬”、その名の通り性格を変化させる薬だ。”脳の分泌物をコントロールすることで性格を変化させる”研究によって生み出された物。今回使ったのはその中でも効力の弱い薬だ」
「いや、どう考えても違うよね!?そもそもその研究からしてダメだよね!?」
「今回使ったのは”積極的になる薬”と”理性が弱くなる薬”を複合したものだ。これで恥ずかしがらずにコスプレが出来る」
「なら、私は必要ないんじゃないの?見てよ、かぐやちゃんなんてネコ耳メイドになってるよ」
「千花はバニーガール、白銀は犬のおまわりさん、優は羊の着ぐるみ…皆吹っ切れてるな~」
「しかも完成度高いよ。皆本気すぎるよ……」
天野の薬によってコスプレに積極的となった生徒会。だが、この状況において別の問題が発生していた。
(し、四宮の猫耳メイド!なんて可愛さだ。このまま家に持ち帰りたいくらいだ)
(か、会長の犬耳警官姿!い、今の会長になら逮捕されたい!)
白銀とかぐやはお互いのコスプレ姿を見てキマっていた。それでも強靭な精神力により舌を噛み切って堪えていた。
「かぐやさん!こっち見て!カワイイ!!」
「四宮先輩!藤原先輩!こっちに目線下さい!」
精神力の弱い二人は暴走していた。現在は女子組のコスプレ姿を写真に収めていた。
「あの四宮がポーズを取りながら写真撮影してるな」
「ここってコスプレ会場だっけ?カメラ小僧までいるよ」
「これは俺達も混ざった方が良いのか?」
「もはや参加してない方がおかしい状況だね」
~数時間後~
その後、白銀の理性は天野の薬に見事に打ち勝った。最後まで四宮のコスプレ姿を撮ることはなかった。
「見てください、このかぐやさんメチャクチャ可愛いですよ」
「こっちの藤原さんも可愛らしいですよ」
「先輩たちは何着てもお似合いでしたよ」
「かぐやちゃんは勝てなかったね」
「この場合、撮影をしなかった白銀の負けだろ」
(会長のかっこいい所が撮りたかったです。でも、私の写真を撮ってくれた会長も素敵♪)
(くっ、やはりかぐやの写真を撮ったことが悔やまれる。しかし、かぐやのメイド服姿が見れただけでも良しとしよう)
その後、子安の指導によって様々なコスプレをした生徒会メンバー達。その様子を互い(白銀以外)に撮影までして楽しんでいた。当初の目的通り『コスプレ文化を学ぶ』という目的は達成され、生徒会はコスプレを楽しんだ。
後日、交流会の宣伝ポスターに『犬のおまわりさん白銀とバニーガール藤原』が掲載された。そして、コスプレデータはマスメディア部の2年生コンビに送られ、巨勢エリカはかぐやのコスプレを見て倒れ、紀かれんは新たなナマモノ漫画を描き上げた。
~おまけ~
「そういえば、なんで子安先輩は指導員に選ばれたんだ?」
「あ~それは私も思いました」
「実は中等部時代に演劇部の子達が演劇指導してほしいって言ってきたの。だから、たまに演劇部に顔出してアドバイスしてたら、いつの間にか演劇部の顧問みたいになってたの」
(萩野とも関わりがあったのか…)
「演劇部としてはありがたいことだと思うけど、そこまで慕われるようなことをした覚えはないんだけどなぁ」
「それで、演劇部以外にも困っている生徒を助けているうちに聖人と呼ばれるようになったんだよ」
「へぇ~、そうなんですか~」
「つばめは面倒見が良いからな。後輩からも人気があるんだ」
「でも、最近は先生方からの頼み事が多くて大変なんだよ」
(やっぱり子安つばめは正真正銘の聖人だったか……)
白銀は生徒会長として秀知院学園の生徒を把握していた。それでも子安の評判があまりにも聖人過ぎて信じることができなかった。それでも、今回のことで”子安つばめ=聖人”と記憶した。
―――石上は”子安つばめ=巨乳”と最悪な形で記憶した。
生徒会でのコスプレ騒動が終わった後、かぐやは早坂と合流して帰り支度をしていた。
「かぐや様、本日は大変楽しい時間を過ごされたようで」
「楽しい訳ないでしょ!?よく分からないテンションでよく分からない格好をして、それを生徒会どころか、つばめさんにも見られた上で写真に撮られたのよ!?」
「いいじゃないですか。久しぶりに友人に会えて」
「ま、まぁそれは良かったけど…」
「かぐや様が抜け駆けして天野さんに公開告白したせいで、かぐや様は友人グループを崩壊させましたし」
「……それは言わないで」
「ちなみに、他の人達は定期的に会っていたそうですよ」
「……やめて」
「あんなことしなければ『氷のかぐや姫』とか言われず、友人たちに囲まれて青春を送っていたでしょうに……」
あれは酷かった。天野に告白する前に「抜け駆けはしない」と皆の前に言って上で公開告白をして振られたのだ。その後は『恋愛と戦争では手段を選ばない』というように裏工作や派閥争いが生じ、その全てが無意味となった。つまり、全員振られた。
その結果、かぐやは『氷のかぐや姫』と言われ、天野家と四宮家は軋轢は加速度的に広がった。去年など天野自身が攻撃により兆単位の損害が出ているのだ。
「地獄でしたね。あの時は…」
「…当然でしょ。私もしばらく寝込んだわ」
「学園を巻き込んだ派閥争い、親まで出てきた上流階級の本気の工作活動、天野さんに向けたお見合い合戦……私達はある意味部外者になったのでマシでしたが」
なお、かぐやは公開告白で振られた翌週に四宮家本家によって天野との見合いが設けられ、そこでも(天野父によって)振られている。
「私も軽く調べましたが最悪の状況でしたね。眞妃様が参戦しなかたことが唯一の救いでしたが……4大財閥後継者の妻の座を奪い合っている訳ですから、そりゃ本気にもなりますよね」
「本気にならないとダメでしょ。あの時の娘は皆打算で動く人じゃなくて、本当に好きな人だった訳だし」
「何気に一番凄いのは全員振った事ですよね。かぐや様だけなら理解できるのですが」
「何よ、私に魅力がないと言いたいの?」
「いいえ。かぐや様が単純にタイプじゃないという事です。年上好きとか年下好きとか」
「分かってるわよ。そもそも天野さんくらいになると結婚相手も”自由に”選べるからタイプで選んでそうだけど…」
上流階級の結婚、それも財閥の跡取りの結婚相手となれば基本的に家同士で決めることになる。はっきり言えば天皇家が結婚相手の話し合いをしたり、警察官の結婚相手の身辺調査よりも厳しい審査をして許嫁やお見合い(事実上の婚約)をするのだ。
資本力のある家との繋がり、力のある政治家との繋がり、皇族と親戚になる事で拍を付ける……社交界の女子程ではないが、天野クラスになればそういったことに配慮して結婚相手を決め、学生時代に別の女子と付き合う事もない。むしろ、学生時代に婚約しても不思議に思われない。
「誰になると思いますか、天野さんの結婚相手。噂じゃ男性好きとかありますけど」
「流石にないでしょ。あの人は普通に異性愛者ですよ」
「まぁ、他の男子と同じように好きな女性のタイプとか話してましたからね」
「えっ、私それ知らない」
「言っておきますけど、割と最近のことですからね?しかも普通のことしか言ってませんでしたし」
「そ、それで?どんな女性がタイプと?」
かぐや、兄の好きなタイプに興味がわく。
「たしか『誠実で優しくて愛情深い人』とか言ってましたね」
「す、すごく当たり障りのない……」
「かぐや様はないですね。抜け駆けした結果、友人グループ崩壊させた人ですし」
「……そもそも、この学園にそんな人はいないでしょ」
「書記ちゃんも本当にやらないで欲しいことはしませんけど、それ以外はやらかすので誠実ではない」
「つばめさんなら当て嵌まりそうですけど……」
「いや、あの人かなり重い女ですよ?正直微妙じゃないですか?そもそも振られてますし」
「……他には本当に思いつかないわね」
秀知院の生徒は道徳のテストで赤点になりそうな人間が多いようである。
「ま、まぁ天野さんの好きなタイプはどうでも良いです。そんな秀知院七不思議は今更ですから」
「……」
「早坂?」
「……」
「早坂?どうした……って、手紙?」
「あの、今下駄箱を開けたら入っていて……」
(下駄箱に手紙!?現実にそんな……ラブレターを出す人がいたなんて!!)
かぐやはこの手紙をラブレターと決めつけていた。
「それでそれで??一体誰からの手紙なの?(まぁ?早坂は私から見ても美人ですし、メイドとして様々な能力があり、従事者とはいえ早坂家は名門ですからね。そんな早坂を好きになる人がいても当然ですけど!)」
かぐやは自分の姉をべた褒めしていた。実の家族とは疎遠だが、何故か義理の姉や兄とは良好な関係を築いている。
「ちょっと待ってください」
早坂も内心喜んでいた。割と男子からの人気はある早坂だが……実はこのようなラブレターを貰う事は経験がなく、なんなら告白されたことすらないのだ。
―――――あったとしても断っていただろうが。
最近、そのことに少々焦りを覚え「もしかして、魅力ないんじゃ……」と自信がなくなってきたため、この手紙は嬉しい。早坂の自尊心は高まった。
「差出人は……え?」
「う、嘘でしょ……!」
『早坂愛さんへ
今日の放課後、裏百家茶道室へ来てください
天野秀一より』
(えっ、お兄ちゃんがお姉ちゃんを?でも、お兄ちゃんは今まで色々な女性を振っていて……あっ)
そう、天野秀一は多くの女性を振ってきた。しかし、その全員に共通することがある。かぐやを含めて”お嬢様”と言われる人種である。つまり、日本の上流階級の令嬢に相応しい女性であり……間違ってもギャルなどいなかった。早坂が普段演じているギャルのような女性は天野に告白したことが無いのだ。
(ま、マジですか?)
早坂も思考停止状態だった。
「そういえば、お兄ちゃんの好きなものって
―――――”愛”でしたね」
〇天野秀一
◆好きなこと・もの…家族、愛
◆嫌いなこと・もの…裏切り、心を弄ぶこと
感想受付の設定、どちらが良いと思いますか?
-
ログインユーザーからのみ受け付ける
-
非ログインユーザーからも受け付ける