【第一部完】ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうか   作:れいが

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 起床時間となり、被っていたシーツを剥がして体を起こす。

 カーテンを閉め切っているため、薄明かりを頼りに時計を見なければ

 ならないがその必要はない。

 自身の体内時計が正常に機能しており感覚でわかるからだ。

 周囲を見渡したり手を動かして、視覚や身体に異常がないかを

 確認する。

 

 「むにゃ...」

 

 どこにも異常は無いと確認したと同時に隣から言葉にならない寝言が

 聞こえてきたのに気付き、振り向く。

 自分がシーツを剥がしたので、同じ様に裸体が顕わになり肌寒さで

 身を縮こませていた。

 そっとシーツを掛け直そうとしていると、不意に一瞥した口元が

 目に付く。

 瑞々しく潤った柔らかな唇が薄く開いて、寝息を零している。

 更に下へと視界を映していき、細い首筋と鎖骨、着痩せすると言って

 おきながら普段の制服でも見てわかるほど豊かな胸元。

 沸々と劣情が湧いてくる感覚に自分でも呆れそうになる。

 昨日も夜通し求め合った...というよりも、一方的に求めた結果、

 半分気絶させる様に終えたのだからだ。

 無理はさせてはいけないと良心が訴えるが、本心ではその唇に自分の

 唇を重ねたいと無意識に体が動きそうになる。

 そんな葛藤を続けていたのだが、裸体をより見える様に寝返りを打って

 きたので、プツリと自分の中の何かが物理的に切れたかのような衝撃が

 脳内を駆け巡った。

  

 「...カサンドラ」 

 「ん...ふぁ...?」

 「カサンドラ...」 

 「ぇ...ダ、ダフネ、ちゃ、んんむぅ...!」

 

 寝起きのカサンドラの目に飛び込んできた黄色い瞳。

 その瞳が眼前にまで近付き、更には唇に重なる柔らかな感触で眠気が

 一気に吹き飛んだ。

 昨夜も求められてきて、自分が気を失って眠りについたという記憶は

 曖昧だが覚えており、それから目が覚めると再び求められているという

 状況にカサンドラは困惑した。

 1日の始まりから精力を奪われては本日予定しているダンジョン探索の

 際、足手纏いになってしまうと不安を覚え、ダフネの胸を精一杯押して

 離させようとする。

 ダフネは押されているのに気づき、唇を離した。

 舌を入れる直前だったらしく、2人の唇に透明な糸が引いていた。

 

 「んは...何?」

 「な、何じゃなくてっ...

  ダメだよ、朝からなんて...今日はダンジョンに潜るんだから、我慢してよぉ...」

 「...」

 「...うぅ~...そんなに見つめても、ダメだってば...

  ダフネちゃんは体力あるから大丈夫だけど、私は非力だから...」

 

 無言のまま覆い被さっているダフネにカサンドラは目を泳がせ、

 視線を合わせないようにしている。

 しかし、全く動く気配がないと察すると赤く頬を染めたまま真っすぐに

 ダフネと顔を合わせた。 

 

 「...ちょ、ちょっとだけ、だからね...?」

 「うん」

 「ホ、ホントにちょっとだけだ、よ、んふぅ...!」

 

 ダフネは1秒も躊躇せずカサンドラと口付けを交わす。

 2人が同室をしている部屋の前を取り掛かった女性団員達は、またか、

 と方や呆れ、方や顔を赤くして通り過ぎて行くのだった。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 時を同じくして、アストレアは用意された食事を終えてイシュタルと

 話し合っていた。

 ネフテュスは宿泊していた部屋に残り、誰かと会話をしているため

 そこには居なかった。

 アストレアはそれを好機と思ったのか、イシュタルにこんな質問を

 していた。

 

 「どうすれば...ネフテュス様より優勢になれると思う?」

 「お前では無理だな」

 

 即答されたアストレアはショックの余り項垂れた。

 理由を問いかければ、イシュタルは矢継ぎ早に徹底してダメ出しを

 する。

 

 「つまりだ、受けが攻めに転ずるなど言語道断。

  愛してくれる相手に対して、素直に受け入れる悦びに浸っていればいいんだけの事だ。

  本当に優勢になりたければ、ネフテュスに勝る知識を得る事だな。

  私の部屋に山程、置いてあるからいつでも貸してやるぞ」

 「け、結構よ。正義と秩序を司る女神なのだから...

  そんな卑猥な物に頼る事なんて...」

 「私の予想が正しければ、以前にネフテュスが見せてくれた紙のマスクと言われるサージカルマスクなるものを付けて何かしら、いたしていた様だが?」

 

 真っ赤に染まる顔を手で押さえながらアストレアは声にならない

 悲鳴を上げる。

 惚けていたとはいえ、ネフテュスと堪能していた事がイシュタルには

 バレていると勘付いたからだ。

 

 「試しに子供の3人にあれを顔に付けて男を持て成した所...

  それが蠢く様な動きに不思議な興奮を覚え、外せば今まで見えなかった顔を見る事でより一層萌えると、非常に好評だったので追加してもらう事になった。

  アストレア。正直に言おう...勝てると思うな、諦めろ」

 「そう...」

 

 煙管から煙を吹かしながら率直に答えるイシュタルに、アストレアは

 残念そうに俯く。

 百戦錬磨であるイシュタルが諦めろと言っている以上、打つ手なしと

 決定づけられたからであり、今後もネフテュスにやられっぱなしに

 なると思ったからだ。

 

 「お待たせしたわね。...何か話してたのかしら?」

 「お前がくれたあれのおかげで儲けが増えた話をしていた。

  付けるオプションに外すためのオプションをつけた事で2度美味しくなっている、というな」

 「あぁ、そうなの。ふふっ...

  あの時のアストレア、すごく良かったわね」

 「い、言わなくていいから...!」

 

 ポカポカと全く痛感を与えられないように叩くアストレアに、

 イシュタルは可笑しそうに笑みを零すのだった。




二次作品でもこの2人のカプ無いのが不服。だから好きにしました。

書き忘れてたんですが、ティオナの特訓はここで書きますが白髪の捕食者君は書きません。
別の所で書く予定ではあります。
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