【第一部完】ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうか   作:れいが

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 ピピッ 

 プシューーッ...

 

 ...蓋が開いた。

 僕は我が主神から受けた説明を思い出しながら外へ出る。

 周囲を見渡し、ゴーグルの探索機能で聖地へ向かうための出入り口を

 探し出す。

 1Kも離れた距離に待機させてはいないと言われていたので、すぐに

 見つけられた。

 そこへ進もうとしたが...僕はバーナーの照準を右斜めに合わせる。

 

 ド ド ド ド ド ド ドッ!

 

 グ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ!!

 

 地中を潜行する巨大な蚯蚓か。僕を喰らおうとしているようだが...

 今は取り込み中だ。

 

 フォシュンッ! フォシュンッ!

 

 ドッ! バ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ンッ!!

 

 出力を上げたプラズマバレットを口内へ撃ち込み、内部から頭部を

 吹き飛ばす。 

 頭部を失った蚯蚓の死骸は砂を巻き上げながら倒れた。

 僕は死骸の横を通り過ぎ、出入口の大穴へと入るとナイトヴィジョンに

 視界を切り替え、レーザーキャノンにより掘り進められた穴を下って

 いく。

 そのまま下っていき、最奥部に辿り着くと聖地が見えると言っていた。

 最奥部に着き、前方に視線を向けると説明通り聖地が見えた。

 母星でも儀式を行うために建造されていて、呼び方自体は聖地だが、

 本来の建造物の呼称はハラム、若しくはピラミッドとしている。

 正方形に整えた岩を特殊な方法で積み上げていき、物理的、熱線による

 砲撃、そして地震などで微動だにしない耐久性を持っている。

 ナイトビジョンは解除せずに聖地へと近付き、階段を登ろうとしたが

 その前に我が主神が見ておいてほしいと伝えらえたメモリーキーを

 ガントレットに入力する。

 

 ジジジジ... ジジジ...

 

 すると、記録映像がゴーグルを通して映し出される。

 これは古代のヤウージャ達が成人の儀を行うために、生贄として捧げる

 原住民を聖地へ連れていく様子を記録したものだとわかった。

 正装を身に纏った原住民は恐怖に震え、抗おうとしたりはせず、寧ろ

 選ばれた事への喜びの笑みを見せている。

 記録映像である古代のヤウージャと原住民の後を追っていく途中、

 壁画に描かれたヤウージャと価値のある獲物との闘争を見つけた。

 その横に刻まれた文字には...

 これより先、選ばれた者のみが入ると許される聖地なり。

 まだ血を見ぬ者、価値ある獲物の血により、血塗られた者へと刻印を

 刻め、と記されていた。

 我が主神に教えられた事があるので、意味は理解している。

 壁画から目を離して記録映像の後に続こうとした際、足元に青白く

 点滅する箇所を見つけた。

 それが仕掛けであると察し、そこを踏み付ける。

 

 ゴゴゴ ゴゴ ゴゴゴ...

 

 床の一部が沈んでいく。これで聖地に備わっている機能が起動する

 はずだ。

 僕は先に進んで行った記録映像を追いかける。

 記録映像を追いかけ続けていた途中、1人が別の通路へ進み始め

 他のヤウージャ達は原住民を引き連れていき、姿が見えなくなった。

 その1人だけとなったヤウージャを追って行くと、下へと降りていき

 ある部屋へと入ってから数秒後に消えた。

 そこは成人の儀を始めるためのスタート地点となる場所であり、

 天井を見上げると、生贄の間を示す紋章が見えた。

 周囲を見渡すと奥の方に、石棺のような物体があるのに気付く。

 我が主神の説明によれば、そこに僕が製作したコンビスティックを

 収めてくださったそうだ。

 

 ガリガリガリ... ガリガリッ ガリガリ...

 

 僕はコンビスティックが収められているその物体に近付き、表面に

 備わっている3つの歯車の形状をしたダイヤルを見つけた。

 説明を思い出しながら、僕の生年月日に合わせてダイヤルを回す。

 

 ガゴンッ...

 ズ ズ ズ ズ ズ ズッ

 

 解錠された事でスライドするように開き、中に収められていた

 コンビスティックが出てくる。

 これを手に取る事で成人の儀は開始されるんだ。

 僕は呼吸を整え、固定されているコンビスティックを両手で掴むと

 意を決して引き抜く。

 その瞬間、固定していた器具が貝の様に合わさって閉じると右側の

 壁にあった階段の中央部が陥没し、奥へと続く別の階段になる。

 さぁ...始めるぞ...!

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 ネフテュスとティオナが居る観戦室が大きく揺れたかと思うと、

 観戦室自体が昇っていくのがわかった。

 揺れが収まっていき、完全に止まるとティオナは見渡して窓の外を

 覗き込むと、そこから見えるのは闘技場であると思った。

 四角い場内には突起する建造物があり、壁には穴がいくつもあるのが

 見える。

 

 「...大昔に造ったとは思えないよ...」

 「ふふっ。現代の発明家も構想は出来ても、造るのは不可能でしょうね」

 

 ティオナの隣に立ち、ネフテュスは捕食者達の現世に生きる人間よりも

 上回る技術力の高さに愉悦を覚えた

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 聖地中央の真下となる地下空間に明かりが灯った。

 巨大な祭壇やそこに続く階段の縁には片膝をついている捕食者の姿を

 象った石像が立ち並んでいる。

 

 ガゴン...  

 

 ギ ギ ギ ギ ギ ギッ...!

 

 ネフテュスが視察した時と同じように祭壇の上面が開いていき、

 吊されている鎖と共にそれが引き上げられていく。

 天井に固定するための器具に拘束具の金具が嵌め込み、鎖同士の擦れる

 金属音が止った。

 解凍装置が作動して氷漬けとなっている全身に稲妻が走り、体温を

 徐々に上げていく。

 

 バキャァアッ!

 

 最初に左手が動き、右手も動き出す。

 次に付着した氷を剥がしながら頭部も動かし始める。

 唇を開き、牙を剥き出しにしながら不気味な奇声を上げた。

 

 ギ シ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ア...!

 

 永くに渡り、冷凍保存されていたエイリアン・クイーンが現世に

 目覚めたのである。 

 数分も経たない内に、完全に解凍されると拘束具からより強力な

 電流が流れ込んで全身を駆け巡り、その刺激によって強制的に

 産卵を促される。

 排出腔から産み落とされたエッグ・チェンバーは運搬装置によって

 生贄の間へと運ばれていく。

 しかし、いくつかのエッグ・チェンバーは取り除かれるように

 運搬装置の端が盛り上がると焼却炉に落された。

 次の女王となる個体、若しくは次期女王候補となる可能性のある

 プレトリアンとなる個体の卵を処分しているのだ。

 その悲しき光景を見て、エイリアン・クイーンの悲鳴がその空間に

 響き渡った。

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