【第一部完】ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうか 作:れいが
通路を抜けると最終目的地である闘技場に辿り着く。
見渡すと壁の上部に観戦室があるのを見つけた。
拡大するとその観戦室に居るのはスカー達だと気付き、別の観戦室には
エルダー様達、ロスト・クランが観てくださっているとわかった。
真正面の壁面に設置された観戦室も見ると、そこに我が主神が...
...あれは誰だ?レックスやルノアより背が高い人間の女性...?
皆が誰も対処していないなら、我が主神が連れてきたんだろうか...
気になるところだが...今は最後の狩りに集中しよう。
僕は高く跳び上がり、建造物へ飛び乗った。
まだ姿は見えない...だが、ここへ来るはずだ。直感でわかる。
...ピロン ピロン ピロン ピロン...
そう思っていると、早速反応があった。
どこかに隠れているんだ。
僕は縁に立つと、雄叫びを上げて虫との戦いに挑む事を示した。
『ヴオ゙ォ゙ォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ッ!』
僕は生体感知センサーで位置を確認し、その方向に試験を向けると
正面の建造物にある四角形の穴から蠢く虫の影を見つける。
ギ シャ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア アッ!
虫が呼応してきた。
その虫は這い上がって建造物の上に登り、立ち上がった。
一瞬、最初に2体を狩ったゼノモーフ・バトルかと思ったが...
どうやら違う個体だとわかった。
何故なら見た目は一致しているが、体色が真っ白で関節部や呼吸器官の
先端部などが淡いピンク色となっている。
これまで狩ってきた虫と同様に変異体だとは思うが、この個体は
どの様な特殊能力を持っているのか予想出来ない。
けれど...奴の首を獲ってやる...!
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『あれがダフネから産まれた虫?』
『そうだと思うけど...どうなの?』
自身の胸を突き破って産まれた所を見た覚えはないので、レックスに
問いかける。
彼女があの白い変異体のゼノモーフとなったチェストバスターを
運んできたので、詳細は知っているはずだからだ。
ダフネはレックスに頷き、話し始めた。
『ええ、そうよ。
名称はアルビノってボーン・グリルとブルは呼んでたわね。
遺伝子情報にヤウージャのDNAを組み込ませてあって、その時に色素の欠損で白くなったそうよ』
『ん?じゃあ、実質プレデリアンって事か?』
『まぁ、組み込んだのは15%だけでダフネから産まれたのもあるし...
どちらかと言えばウォーリアー寄りなのよね』
『そういう事か...それなら身体能力が向上してるだけって事?』
『いいえ、アイツの尻尾の先を見て?』
そう指示され、全員が捕食者と対峙するゼノモーフ・アルビノの
尻尾の先を見た。
じっくり見てみると、何か違和感を感じ始めて数秒後にはルノアが
あっ、と声を上げる。
その直後、全員も気付いたようだ。
『尻尾の先が鋭くないな。厄介な武器を外したのか?』
『外してはないわよ。別の所にくっつけたの』
ダフネはレックスの言う別の所とはどこかのか、自分で見つけようと
するも答えはすぐにわかった。
『...そういう事』
――――――――――――――――――――――――――――――――
ギ シャ ァ ァ ァ ア ア アッ!
シュルッ シュルッ...!
白い虫が口を大きく開くと、インナーマウスではなく先端が尖った
舌の様なものを伸した。
その先端の中央にある穴からは何か透明な液体が零れている。
...なるほど。あれが奴の特殊能力か。
しかし、それだけではないはずだと思っている最中に白い虫は舌を...
プローブマウスと呼ぶか。
それを鞭の様に振るい、液体を僕目掛けて撒き散らしてきたので僕は
咄嗟に回避し、付着した足元を見る。
その液体はどうやら体液ではなく、分泌液だとわかったがどちらにせよ
付着してしまえば厄介になるというのは目に見えた。
フォシュンッ! フォシュンッ!
先程の仕返しにと僕はプラズマバレットを撃ち放つ。
白い虫は回避するや否やその場から僕に向かい飛び掛かってきた。
明らかに通常の虫より身体能力が向上している...
それにこの動きはまるで...ヤウージャだ...!
ギ シャ ァ ァ ァ ァ ア ア アッ!
ガシュッ! ガギィィッ!
3本の指に生えている爪が胸部の鎧に傷を入れた。
更に伸ばしたプローブマウスを器用に僕の腕に巻き付けてきたかと
思えば、舌の力だけで僕は投げ飛ばされる
宙を舞う僕は上下と左右の感覚がかわからなくなりつつも、何とか
着地しようとコンビスティックを手に取って両端が前後になるよう
構えた。
搭載されている機能の1つをグリップにあるボタンで操作しながら
クラシック型スパイクが先端となる方を射出させた事で、繋がっている
ワイヤーを伸しながら天井か壁か地面に刺さらせようとする。
ガシュッ!
スパイクは地面に突き刺さり、僕は遠心力で飛ばされないように
しっかりとコンビスティックを掴んだまま強制的に空中で停止し、
落下していく。
上に振るい上げると、ワイヤーに引っ張られた反動で突き刺さっていた
スパイクは地面から外れて収納されるワイヤーと同じ軌道を描きながら
コンビスティックの先端にカチリと填まり込んだ。
僕は着地すると、死角からの襲撃を受けない内にその場から離れようと
するも頭上から降り注ぐ分泌液に気付くのに遅れた。
ビシャァァッ...!
手足だけは動かせるように背中で浴び、鎧の隙間に入り込んだ分泌液の
生温い感触に不快感を覚える。
上を見上げると、白い虫がプローブマウスは揺らしながら僕を
見下ろしていた。
...どうやら、苛つかせるのが得意みたいだな。
VSゼノモーフ・アルビノ
お馴染みネカ社で発売された白いエイリアン。
実はジェームズ・キャメロン監督が考えたエイリアンの初期デザイン案であったそうです。
ちなみにダフネの呼称していた、ボーン・グリルとブルはAVP2でエイリアンの頭の表面を剥いでいたのと、プレデリアンを発見して速攻でプラズマキャスターぶっ放してウルフに緊急要請を出した執務クルーです。