ドンモモタロウが童磨をオトモと認めるまでのアレコレ! 略してドン×どま! オンリーワンのハイブリッド鬼退治物語、満員御礼・大好評連載中…ドンドン行くぜぇ!!   作:マキシマムとと

7 / 7
【幸せなエラーが】鬼滅の刃 第55話 無限夢列車【に■♡し∞しΩ!】後編!  

 

 

(儂は善良な弱者じゃ、なのに、世の中は間違っておる。これほど可哀想な、か弱い老人を責め立てて、誰一人儂に同情すらせぬ。誰も助けてくれぬねら、ならば儂が儂を助けるより他に無い!)

 

(……………そのように、思っておったのに)

 

しくしく、めそめそ。

 

小汚ない爺を模した【怯】の鬼が無様を晒す。

 

『ねぇ炭治郎、食べてもいい? これ、食べてもいいよね?』

 

鋭い牙の間に、指一本程度の太さしかない首を挟みながら、狂暴な可楽を見せて彼が問う。

今にも『答えは聞いてない!』と叫んで食い散らしそうなリュウタロスを宥め、炭治郎がカナヲへ判断を委ねた。

 

 

 

それは車両を切り離してすぐの事。

 

「なにか…嫌な臭いがする」

 

カナヲに身体を巻き付け、文字通り全身で愛情表現するリュウタロスに、自身で意識せぬままジェラシーを募らせていた炭治郎が唐突に呟き、彼の化身でもあるリュウタロスが即座に反応した。

 

「ヒッ…ヒィィィィィィィ!!」

 

けしからん事に昏睡している胡蝶姉妹の右尻と左尻の間に潜んでいた鬼を見つけ、たちどころに引きずり出したのだ。

 

「お前がなんと言い逃れようと事実は変わりません、その薄汚い命を持って、罪を償ってもらいます…必ず!!」

 

ひぐらしの瞳…もしくはウサミちゃんの瞳でカナヲが爺を凝視しながら、その罪を数える。

 

いや、まぁそうなるわな。

超絶お姉ちゃんっ娘のカナヲの目の前でそんなセクハラぶちかまして「目が見えなくて」とか「あの尻が悪い!」とか。

そんなクソ以下の言い訳で赦されるハズがねぇんだよ。

 

「貴様らは! 儂が可哀想だと思わんのか!?」

 

命からがら、悪夢そのものとしか思えぬ魘夢の術を切り抜けて、唯一逃げ出す事が出来た半天狗の本体にして残りカス。

ただ息をして逃げ惑う以外の能を持たない哀れな鬼へ。

 

「「思わないよ」」

 

台詞を食うように重なる思い。

底冷えするような嫌悪を纏い。

 

おや?

おやおやおや?

 

これはもしかして、もしかするとアレですか?

夫婦となって初めての共同作業。

 

ケーキ入刀ならぬ、下衆鬼(ゲーキ)入刀?

 

パンパーカ→パーン、パンパ↑ーカパーン!

 

西洋のきらびやかな文化を嗜み、竈門カナヲさんが今純白のドレス姿で入場されました!

その美姫を迎えるは燻銀のスーツに身を包んだ竈門炭治郎さん! お二人のなんと凛々しく初々しい事か!

眼福! お目目が幸せで一杯です!

幸福を有難う。

 

だから今!

感謝を込めて!!

 

 

 

 

悪・鬼・滅・殺!!

 

 

 

 

カナヲの剣が、炭治郎の剣が。

お互いを引き立てるように振り上げられて!

 

「こ! この車両には爆弾が仕掛けられておる!! ほ…本当じゃぞ!? 儂が仕掛けたのじゃ、このまま儂を斬れば取り返しがつかぬぞ!!」

 

流石に躊躇した瞬間、唐突に車両が揺れた。

緩やかに減速していた所を、強引に引きずられるような揺れ。

 

「その小物の言葉は間違いではない、だが気にするな! 俺が来たからには安心しろ!」

 

進行方向にある扉からドンモモタロウが現れ、台詞と同時にドンブラスターを射ち放った。

 

『いでっ!!』

 

「リュウタロス!?」

 

光が龍を食らって刻み!

 

「アバターチェンジ」

 

【ドン・ドン・ドン!】

 

ギアの回転に合わせ、幻影の龍の内側から迸る亀裂が、光を放つ!!

 

「騎士竜ギアだ! リュウタロス…変わって魅せろぉ!!」

 

『ドンブラコ』

 

常ならばそう叫ばれる一言が、大きく変わる!

 

【ADVENT!!】

 

『GyaOoooooooooooooo!!』

 

「ギャ…!!」

 

醜く、卑劣な小物の鬼を噛み砕き、現れ出でるは黒の龍。

 

「やはり、ドラグブラッカーになったか」

 

巨体。

恐ろしく巨大な力を垣間見せ、車両の天井を吹き飛ばして現れた漆黒の装甲。

龍であり機龍である、異次元のモンスター。

かつて仮面ライダー龍騎の世界で猛威を奮った黒の厄災。

 

「ここは俺が引き受ける! お前は炭治郎と義勇を乗せて童磨と煉獄に加勢しろ! カナヲ、お前は女どもを叩き起こせ! 寝こけておっては話にならん!! 祭りに男も女も無いぞ! 皆で盛り上げねば、意味がない!!」

 

返事も待たずにアルターチェンジしたドンモモタロウが高笑いと共にスラスターに火を灯し、窓から飛び出して姿を消した。

 

(炭治郎、急いで! これ見た目よりもずっと脆いし、エネルギーもカスッカスだ! たぶん全力で飛んだら数分と保てないよ!)

 

「っ! 義勇さん、急いだ方が良いみたいです。カナヲ、後を任せた!」

 

「炭治郎!」

 

「?」

 

「きっと、上手く行く。私…信じてるから!」

 

「ああ! 俺も、信じる!」

 

黒龍が浮き上がり、流星のような尾を引いて虚空を泳いだ。

その背に確かなる希望を乗せて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【シロツバ鬼】

 

「白い椿の花言葉は『完璧な美しさ』『申し分のない魅力』『至上の愛らしさ』なんだって、まさに汚ならしい玉壺様にピッタリだよね。うふふ」

 

 

 

 

鬼舞辻無惨とドンモモタロウの交換交渉は即時決裂した。

 

 

 

 

『笑止! 鬼殺隊は未来の為だけに戦っているわけではない!! 過去を背負い、英霊の気高き魂と共に剣を握って明日を目指す!! そうした道理の初歩すら理解しておらぬとは! これこそ正に鶏鳴狗盗!! お前の主人とやらの底が知れるぞ!!』

 

『くっ…ハッハッハッ!! オイオイ煉獄ちゃん、正論てのは時に人を傷付けるらしいぜ? ほら、見てみなよ魘夢の顔、幽鬼だのなんだのと名乗った癖に、真っ赤な茹でダコになってしまったじゃないか。可哀想にーーーッ!』

 

童磨は一月の間に電王としての戦いかたを修めていた。

接近戦はもちろん、モモタロスが必殺技として活用する刀身の分離と飛翔、その遠隔操作の精度に関しては本来の使用者であるモモタロスすらも上回る。

 

その刃が光の線となってシロツバ鬼の首を切り飛ばし!

 

『甘いんだよ、旧時代の残りカスが』

 

即座に再生された。

 

 

 

 

「ーーー言ったろぉ? コイツはシロツバ鬼だ…って。椿は首が落ちるように花を散らす植物だ。落ちるのが道理なんだから、それが弱点になるハズないじゃない、こんな事にも気付けないだなんて、童磨様は俺が思ってたよりもずっとずっと頭が弱かったんだねぇ?」

 

「フッ…煽り耐性ゼロのキッズかな?」

 

「いやいや? 最初に煽ったのはお前だろ? つまりお前がキッズ」

 

「キッズって言うヤツがキッズ」

 

「キッズって言うヤツがキッズって言うヤツがキッズ」

 

勘弁してください。

作者の低脳が知れ渡ってしまう。

 

「まぁ…いいや。どうせお前らには用は無いんだし」

 

魘夢が腕を刃に変えて、横に二回薙ぎ払う。

 

『ギョッ!』  『ゲンギョロ!!』

 

更にシロツバ鬼の首が落ち、

 

『ギョロン』 『ケッゴゲ!』 『ゲキョ!!』

 

巨大なナメクジのような三つの頭と、本体であるシロツバ鬼が一斉に頬を膨らませた。

 

「埋め尽くせ」

 

【万本針魚殺】

 

「見えた所で、雨粒を避ける事は出来ない。さようなら煉獄杏寿郎くん、キミのことは忘れないよ、たぶんね」

 

【カルテット!!!!】

 

4つの悪夢が解き放つ死の針。

元来の千本針よりも遥かに小さく軽くて薄い。

莫大に多いその針は、たった一本刺さればそれだけで人を魚に作り替えてしまう不条理の塊。

 

その針が今、豪雨のように無秩序に撒き散らされ、

 

「義勇さん!!」

 

ーーー天空。

 

夜より黒く、神聖な。

闇より深く、狂暴な。

 

機龍の背から、半々羽織が舞い降りて!!

 

「水の呼吸・拾壱ノ型」

 

歪む。

その空間の歪みには『正しさ』しか無い。

 

邪なる呪い、妬みや嫉み…世界への怨嗟と慟哭を煮詰め、この現し世の道理を狂わす魔の術を『真っ当・潔白・清廉・愚直』千年絶えずに受け継がれし、当代随一の【水柱】その純一無雑なる呼吸が正す!

 

それが故の、歪み。

邪を正が受け止めて。

 

 

「【凪】」

 

 

針が消える。

風が消え、呪いが消えて、無となって。

 

ポツンと一つ、現れた空白で。

 

 

 

 

「炎の呼吸」

 

 

 

 

水面の炎。

猛々しく、浄められた大気の全てに感謝して。

 

 

 

 

「奥義・玖ノ型」

 

 

 

 

小さく、小さく。

熱を、想いを、心の奥の、魂の!!!

 

 

 

 

 

ギシリ…。

音を立てて軋むのは、肉体か。

はたまたーーー世界か。

 

「コイツ…本当に人間ーーー」

 

ーーー人間なのか?

 

その疑問を妨げて、顕現したるは大いなる。

 

 

 

 

    「煉獄」

 

 

 

 

そこに相応しい文字はない。

当然だ。

この世に実在した彼の世の神業。

どれほど高名なる文豪が身命を賭して文字数字を並べ立てたとしても、不可能なのだ。

 

だが。

だからこそあえて、此処で断言しよう。

煉獄杏寿郎こそ、鬼殺隊最強であると。

 

 

 

周知の事実だ。

 

 

 

ただ単純に物語の序盤で戦死した歴史が『周知の事実』を歪め、世論を間違いへと導いた。

 

周知の事実。

そう、彼には見えていた。

黒死牟が鬼に落ちてまで追い求めた【透き通る世界】が。

竈門炭治郎の身体のその内側を見透し、その瞳で溢れ堕ちる命を救った。

 

周知の事実。

彼には見えていた、この世ならざる者の姿が。

己が母に留まらず。

卑しき鬼へと身を堕とした、伴侶へ寄り添う雪の花が。

だからこそ、振り上げた一撃を躊躇して…。

 

 

彼の死因は『弱さ』ではなく『優しさ』

 

 

自身の命よりも、他人の【ソレ】に夢を見て。

故に喪われた未来こそが、有り得た世界の正しき歴史。

 

宇髄天元は述べた『上弦の鬼には煉獄でさえ負けるのか』と。

伊黒小芭内は呟いた『俺は信じない』と。

 

上弦の鬼、その強さは柱三人分に匹敵すると知りながら、彼らは本気で思っていたのだ。

 

『煉獄は勝つ』と!!

 

たからこそ、この攻撃は必然だった。

 

 

 

 

「【業重煉斬(ゴウジュウレンザン)!!】」

 

 

 

 

奥義たる煉獄。

 

それは灼熱。

それは業火。

 

轟音とともに相手を抉り斬り、一瞬にて勝負を決める正真正銘の一撃必殺。

 

 

 

 

にも、関わらず。

 

 

 

 

「ご、ご、ご…五連撃? この、密度の…剣……………を?」

 

 

 

 

幽体であろうが、ヒトツ鬼であろうが。

その程度の違い、真なる剣の前には等しく同じ。

 

灰塵と帰した鬼など意にも介さず、煉獄が夜空に吠えた。

 

「竈門少年! 運転室の床板の下だ!! 一撃で断ち切れ!」

 

「は……!? あ! ハ! ハヒ!!」

 

凄まじい剣気にあてられ、心を乱したまま龍から炭治郎が飛び降りた。

 

「いやいや、凄いモノを見れたぜ。炭治郎の気持ちもわかるが…流石に危ないし、俺も見せ場を作っておかないと、後でハルカちゃんに自慢できないからッーーーね!」

 

人外の(煉獄と比べるなら人の範疇だが)膂力で飛び上がり、童磨が空中で炭治郎に肉薄する。

 

「炭治郎、落ち着きな。煉獄ちゃんは煉獄ちゃん、炭治郎は炭治郎だ。お互いに出来る限りの最善を尽くせばそれで良い、違うかい?」

 

「ーーーはい!!」

 

「良い返事だ!」

 

天へ昇る童磨が吼える。

 

「俺の必殺技…!!」

 

地へ襲い掛かる炭治郎が放つ。

 

「ヒノカミ神楽…!!」

 

水と炎に魅せられて!!

 

「「碧羅・流星斬」」

 

互いの刃を大空の青に染め、寸分の狂い無く魘夢の首を斬り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャアアアアアーーー」

 

車両に融合していた魘夢の肉塊が暴れて狂い。

 

「ーーーッッッッハッハッハッハッハァ!!!」

 

おぞましい量の口を生み出して一斉に嘲笑った。

 

「これはーーー!」

 

「良い気配は、しないな」

 

列車は依然として速度を落とさない。

如何に呼吸を極めし柱といえど、その身は人間。

この速度から振り落とされればーーー、

 

「っ!」

「しまった!」

 

下からの突き上げに身体が浮かび、手の届く支えの一つもなく二人は空中に投げ出された。

 

「危ない!!」

 

窮地を救ったのは炭治郎。

彼と童磨を背に乗せたドラグブラッカーことリュウタロスだった。

 

(クッソ重いぃぃぃぃ、定員オーバーだよぉ! しかもガス欠だし! もうヤダぁボク帰るからね! 答えは聞いてナイ!!)

 

『Gyuooooon…』

 

悲しげに一声鳴いて、龍がその姿を幻のように消した。

 

「助かった! 礼を言うぞ竈門少年!!」

 

「いえ! 今のはリュウタロスが頑張ったので! お礼なら今度リュウタロスに言ってあげて下さい!! それより! あの…! 俺は竈門炭治郎と申します!! さっきの剣の技! 感動しました!! 凄い! 凄く凄く格好良かったです!!」

 

「………」

 

「ん? どうしたんですか義勇さん、突然間に入り込んでーーーはっ!? す! スミマセン!! 義勇さんも凄かったです! 本当ですよ!! 敵の攻撃がシュババババ~って消えちゃって! 俺ーーー?」

 

「………逃げろ」

 

【凪】

 

その秘剣が破邪となりーーー砕け散る。

刃を砕き、叩き折り。

人の未来を踏んでは走る。

 

『よくも、やってくれたじゃないかぁ?』

 

陰湿な響きの声が、大音量となって空間を揺らす。

 

【ドクン】

 

音源はレールの遥かな彼方。

急停車により、折り重なって積み上げられた車両と肉塊が。

 

【ドクン】

 

歪に膨らみ、子供の粘土遊びのように。

 

【ドクン】

 

醜悪な命と穢れた魂を宿して。

 

「避けろ!!」

 

義勇の喚起により、全員が姿勢を低くして攻撃を避ける。

大きな物では人の頭程もある無数の金属片が、銃弾の速度で飛来してーーー!

 

「チッ!」

 

義勇がまだ保持していた刀を用いて鉄塊を弾き、炭治郎と童磨を守る。

 

「ゴメンよ冨岡ちゃん、守りはどうも苦手で」

「ごめんなさい義勇さん! 足を引っ張って…!」

 

「いい! それより炭治郎、刀を寄越せ! この剣は限界だ!」

「はい!!」

 

「煉獄!」

「こっちは気にするな! 躱すだけならば、なんとかなる!」

 

正に嵐のような攻撃をしのぎ、生き残った彼らを見付けて魘夢が高らかに笑った。

 

『あれあれぇ? やっぱり、まぁだ生きてるんだ? ゴキブリみたいなヤツラだねぇ? うふふ、うふふふふ…』

 

金属が擦れ、肉が潰れる音がする。

悪意と悪夢を重ねて合わせ。

大地に立つのは鬼と機の偽神。

 

『それなら、俺が直々に…!』

 

【ズン】

 

質量が。

 

【ズン!!】

 

人では、絶対に、立ち向かう事すら許されない『暴力』その言葉を思うがままに!!

 

「なんと…!!」

「あちゃ~…」

 

鋼の車両が軸となり、白い鬼から肉を得て。

卑劣な爺が隠し持つ、鬼の呪龍を腕として。

 

歪な幽者が天をから見下す。

 

『俺の名は魘結(エンムスビ)

 

告げる。

異界の神より賜った、真なる名を告げる!

 

『特級幽鬼・魘結…老いも若きも、誰も彼も…目につく全てのあらゆる縁を、魘夢にすげ替えなぶって殺す。ほら、抗って見せなよ、ほら、ほらぁ? うふふ、うふふふふふふふひふふひひひふひひひひひぃ!!』

 

絶望が、その正体を示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きろ」

 

白い。

真っ白くて、細くて細くて、目を離したらすぐに見失ってしまうような、そんな声。

 

「うぅ~?」

 

私は眠たい。

なんだか頭の真ん中にふわふわのマシュマロがみっちり詰まってて、なにかを考えようとしたら途端にマシュマロがマシュマロマンに変身してブラザーになった猿原さんみたいにステップするの。

 

「黙れ、起きろグズ」

 

えぇ~?

話聞いてた?

無理なんだってばぁ。

頭の中がもやもやのムッキムキなんだよ?

ほらほら見てぇ?

サルブラザーが4人に増えたよ。

めっちゃお尻赤い。

プリティ~。

 

「ほらな、言った通りだろ? 寝汚いヤツだって」

 

なんかヒドイこと言われてる。

けど平気だよ。

私はこれからサルブラザーの4人をバックダンサーにして『俺こそオンリーワン』を踊るんだから。

 

「さっさと燃やせ」

 

なんか不穏な単語が聞こえた気がするけど、大丈夫!

さぁミュージックスタートぉ。

 

ボッボボボボボボーーー

 

ん?

あれ?

なんかドンドン言うハズの太鼓の音がボボボーボボーボボさんになってない? てかてか……ん? 暑くない?

 

いや、これーーー熱くない!?

 

「ーーーアッツ!!!」

 

飛び起きて、身体を叩いた!

 

 

 

 

これは夢。

魘夢の幽鬼術によって夢に落とされ、各々の心の中心に囚われていた新婚旅行みまもり隊の面々。

 

それらを一つ一つ寄せ集め、しっかりと『糸』で繋いだのは他ならぬその鬼。

 

「君は…あの時の、パンーーーぐぇ!」

 

だから、無作法を行う者の首に糸を巻き付けて締め上げる事など造作もない。

 

「お前は本当に失礼なヤツだよな! 何故ソレで記憶するんだ!? あれだけの蜘蛛の恐怖を巻き付けたのに、パンツだなんだと…下品なんだよ!」

 

虚空から取り出した糸を弛めると、ハルカがわざとらしく咳き込んだ。

 

「な、何よぉ! アンタがデリカシー無いからダメだったんでしょ!? 下品なのはそっちなんですー!」

 

イーだ!

 

と、昭和の香りを漂わせる所とかホント『アザトイ』んだよ。

あざとさの欠片も無いのにオジサンのハートをガッチリキャッチして、こんな過疎地域で見込める最大収容人数を毎週必死で更新し続ける週一万文字の二次小説を孤独にカキカキ書き続けられる要因の一つは間違いなくハルカちゃんの可愛さなんだよ、見たろ? 先週のVSジロウ戦。

 

アレだよ、あの怒りとか憤懣とか、普通に誰よりもキュートなお顔を誰よりもぶちゃいくに歪めて、それがまた、くっっっっっっっっっっっっそ悶えるほど、可愛いんだよ!!

 

なんなんだ鬼頭ハルカ。

 

娘に欲しい。

恋愛とか性欲とかの対象外で、心から『娘』に欲しい。

ほんと、頭とかナデナデしたい。

あげたお小遣いで一緒に喫茶店につれてってもらって『お父さん、いつもありがとね』とか言ってコーヒーおごってもらいたい。

 

元々の役者さんも可愛いんだけと、鬼頭ハルカとしての演技が最高にオジサンのツボを『ドゥクシ・ドゥクシ!』して来る来る狂るのよ。

メイクさんの腕とか、脚本とか共演者とか監督とか。

も、ほんと鬼頭ハルカを形作ってるあの世界の全てに感謝の正拳突きを一万回ほど捧げたいよね!

 

「…な、なに? なんかスゴく気色悪い寒気がする?」

 

ーーーと、流石にヤバいので作者は口にチャックします。

 

「だい…だいじょ、ぶ?」

 

コテン、と首を傾げるのは禰豆子。

 

「ねずこちゃん!」

 

駆け寄って抱き締めると、ほんのりお日様の匂いに包まれた。

 

「あまりにもお前が起きないから連れてきた」

 

「ん…? てことは、さっきの炎って」

 

「も…もえた、ねぇ? ハルカ、良くもえた、ねぇ♪」

 

悪事を働いた意識がないのだろう。

屈託無く笑う禰豆子に苦笑いを返してハルカが周りを見回す。

 

「ここって…」

 

そこは日当たりの良い和室。

部屋の真ん中に一枚の布団があり、縁側から向こうには…なんとなく、存在が薄い? ペラペラの薄っぺらい紙に描いて張り付けたような…そのように感じられる景色が広がっていた。

 

「ここは僕の心の中。そして…」

 

白い子供ーーー累ーーーが布団を捲ると、そこには中心部に闇を内包したガラス玉があった。

 

「これが、僕の精神の核」

 

手のひらに乗る大きさのソレを、軽くハルカに投げ渡す。

 

「ちょ! ととと!!」

 

「夢から覚めるための条件は【縁切り】だ。自分と縁のある存在を切ることが条件で、その法則は絶対だ」

 

「ーーーは? それって」

 

「急げ。外では鬼が巨大化して暴れてる」

 

累が指差すと、縁側から見える景色が即座に切り替わり、特級幽鬼の鋼鉄へと立ち向かう小さな人間たちの絶望を映し出した。

 

「どうせ僕との縁なんて偶然殺しあっただけの悪縁なんだし、僕が死ぬことであの人たちや汽車の乗客…それに、お前の命が助かるなら、僕はーーーそう。僕は、納得できる」

 

胡蝶姉妹に頼む事も出来た。

けれど。

それでも…どうせなら。

累は黄色に…まだ名も知らない少女に、この命の残りカスを託したいと思っていた。

 

「僕は生まれつき身体が弱かった。父さんと母さんの人生を台無しにした以外に、人間として成し遂げた事の無いゴミだ。

鬼になってからはもっとヒドイ。

たくさん殺した。罪の無い人も、罪のある鬼も。

誰も彼もを殺し続けて、悲しみの石ころを積み重ねた。そんな僕が、少しで……もーーーお、おい?」

 

すっげー睨まれてるんだが。

仁王像よりもおっかない眼で、ドチャクソ睨まれてるん…だが?

 

累が躊躇して口を閉ざした瞬間。

丁寧な手付きで精神の核を布団の上に置いたハルカが、両手で累の着物の襟を掴みーーー、

 

その顔をゼロ距離に近付けた。

 

「ハロー!?」

 

「は、、、は? はろ?」

 

「ワターシは鬼頭ハルカでェェーす! アナタのお名ァ前! 教えてプリーズ!?」

 

いや誰だよ。

え、誰なの?

お前そんなキャラじゃないよな?

 

そう思ったものの、混乱が上回って形にならず。

 

「る、累だ」

 

名乗った。

 

すると目の前でハルカの表情が変わる。

ゆっくりと、蝶が初めて羽を広げる時のように、神秘的な美しさで微笑んでーーー。

 

 

 

 

「お馬鹿ァァァァァア!!!!!」

 

 

 

 

強烈に顔を『しわくちゃ』にして怒った!!

 

「この、バカバカおバカ!! なんなの? 鬼ってみんなソウなの? 自己紹介すらしてない相手に投げんな! 命ってのはね、重いの!! アンタは、累はもう! ほんっっっとうに全ッ然ダメ!! 人殺しは悪い事? 罪を重ねた? よくそんな思ってもない事をペラペラペラペラ言えたよ!! この、口先だけの大嘘つき!! 命の重さがわかってないから! だから! こんな簡単に自分の命を捨てられるんだ!! そうだろコラッ!?」

 

怒りだ。

この気持ちは『怒り』だけ。

ハルカは自分の心を決めつけた。

 

「はる、ハル、カ…」

 

だけど。

 

「なんだよ、お前…なんなんだよ」

 

顔が歪む。

累の、その端正な顔が心のようにしわくちゃになっているらしいけれど、ハルカにはそれがよく見えなかった。

 

「泣くなよ、僕なんかの為に、泣くな、泣くな…よ」

 

「泣いてないもん!」

 

「泣いてる」

 

「泣いてないったら!! バカ、バカ、バカ…!」

 

なにも考えてなかった。

お互いに、なにも考えぬままお互いを抱き締めて泣いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【炭治郎!!】

 

緊迫した声に意識が変わる。

遠くに見える現実の景色が、惨劇の色を帯びる。

 

地面から生えた龍に足を噛まれ、動きを封じられた炭治郎。

そこへ容赦なく振り下ろされるは鋼の霊剣ドウリン刀。

 

【童磨殿!?】

 

デンガッシャーで束縛を切り裂き、炭治郎を抱き締めてその場から距離を取る童磨のその背中。

剣の直撃こそ逃れたものの、莫大な衝撃によって作り出された大小様々な岩の散弾が容赦なく突き刺さる!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ハルカさん!」

 

慌ただしく、悪夢の攻略法を探していたカナエが舞い戻り、しのぶと蜜璃が後に続いた。

 

「見つけましたよ! 出口!!」

 

「は? 馬鹿な…ここは閉じられた世界」

 

そう。

ここは夢。

しかし夢であるからこそーーー、

 

「聞こえるのよ、私達の妹の…カナヲの声が」

 

ーーー届く。

親愛の絆は、心にきっと届くから。

しのぶが確信を持って全員をそこへ案内した。

 

 

 

「玄関」

 

「無駄なんだよ、その先は…無い。真っ黒の壁がずっとずっと…」

 

「無駄とか無理とかさぁ…っはぁ~あ、ほんっとお馬鹿ね! ドンブラスター!!」

 

願えば響く!

その神器!!

 

【ドン】

 

光る。

 

【ドン!】

 

笑う!

 

【ドン!!】

 

未来を!

 

【トンブラコォォォ!!】

 

その手に!!

 

「アバターチェンジ!」

 

光が生まれ、その身を包み!

 

《ヨッ! オニシスター、鬼に金棒!!》

 

「よいしょぉお!!」

 

開口一番!

気合いと共にフルコンボウを叩き付ける!!

 

「私は怒ってるんだから!」

 

殴る。

 

「無駄とか無理とか罪とか罰とか!」

 

殴る殴る殴る!!

 

「知ったことか!!」

 

壁はほとんど動じない。

まったく遅くて間に合わない。

 

「アンタは私が…」

 

たが、それは決して【無】では無い。

 

「必ず! 退治してやるんだ!!」

 

『有』であり、そして恐れず進み続ける光があれば!

 

「アバターチェンジ」

 

光は…重なる!!

 

「カナエちゃん…!」

 

「しのぶ。ハルカさんは素敵でしょ?」

 

「…えぇ。姉さんを救ってくれたオニシスターですもの、桃井タロウは気に食いませんが、少しだけドンブラザーズの勧誘を蹴ったことを後悔してしまいました」

 

「え゛? 初耳なんだけど?」

 

「それなら、こんなのはどうかしら?」

 

動揺するオニシスターをサックリと無視し、チョウシスターが『蝶と花』のヒトガカリ・ギアを取り出した。

 

「これは貴女」

 

【ドン】

 

「これは私」

 

【ドン・ドン!】

 

「それならば、きっと…!!」

 

【ドンブラコォォォ!!】

 

「アバターチェンジ」

 

願いを込めた光が、ドンブラスターから放たれて。

 

「し! しのぶちゃん!!」

 

胡蝶しのぶの心を射った。

痛みに揺らぎ、ただ立つ事すら難しく。

だが、そんなもの!!

 

「アバターチェンジよ…さぁ! しのぶ!!」

 

願いは、その姉の願いは!

 

「あばたぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」

 

光が!

今その背に羽となり!!

 

「ちぇんじ!!」

 

しのぶの全身を包んで柱となった!!

 

《ヨッ! チョウシスター!!》

 

「え、えぇぇぇぇえ!?」

 

二人目のチョウシスターの出現に取り乱すハルカ、その横を禰豆子がすり抜け、カナエの前で両膝をついた。

 

「カナ、エ…叶え、て。わたし、も!!」

 

「えぇ…共に!」

 

再度光が立ち上がる。

七色に輝く光の花弁。

その一枚一枚が寄り集い、力となって願いへ向かう!!

 

「あばたーちぇんじ☆」

 

白いぴかりを巻き付けて♪ 

お花のキラキラお星さま☆

 

《ヨッ! チョウシスター!!》

 

「…なんか、私の時と演出違いますよね? 私の時は『うぉぉぉぉ! ド根性!!』て感じでしたのに、なぜ禰豆子さんのときは『ぷりぷりできゅあきゅあ』な演出になるのです? まったく全然、納得がいかないのですが?」

 

「細かいことは後よ、しのぶちゃん。後でね~、あとあと。大丈夫大丈夫♪」

 

機嫌の悪い『しのぶチョウシスター』を『カナエチョウシスター』がなだめて、その回りを一回り小柄な『ねずこチョウシスター』が跳ね回った。

 

「え、えと、えっとぉ?」

 

最後に残った甘露寺蜜璃。

恥ずかしそうに胸の前を片手で隠し、顔を赤らめてシスター達を見つめた彼女。

 

結論から言おう。

彼女は。

 

 

 

 

 

 

甘露寺蜜璃は、チョウシスターになれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『童磨ァァァァァア!!』

 

爆弾を片付けたタロウと共に、救援に駆け付けたモモタロスが目にしたのは、背中から血を流して倒れる童磨。

 

そして、大上段に剣を構える偽神の殺意。

 

(間に合わねぇ! あん畜生好き勝手やっといて、俺の目の前でおっ死ぬだなんざ、許さねぇぞ!!)

 

『おぃタロウ! なんとかしやがれぇ!!』

 

エンヤライドンに跨がって、自分を操作するドンモモタロウに希望を託す。

 

『お前が今の桃の戦士だ! 桃代最強なんだろ!?』

 

「任せろ。俺こそが…ドンモモタロウ!!」

 

取り出したるはロボタロウ・ギア!

 

「アバターチェンジ!」

 

ドンロボタロウが描かれたそれ。

そのギアで、撃ち抜かれるのはーーー!

 

『イッッッッーーーーデェェェエエエエエエ!! ば! バカ野郎お前! お前は一寸法師か!? 腹ん中で暴れんじゃね、こ、この、ててててててててててて! 痛゛ぇぇぇぇぇぇ!!』

 

ローボタロさん♪

ロボタロさん♪

 

《ヨッ! ロボタロス!! あんよが上手w》

 

現れたのは鋼の特急!

巨大なデンライナーのボディーの下に、ちょこんと可愛くロボタロウの足をつけ、左右にはロボ腕。

上部には胴体と比べればあまりにも小さいロボタロウヘッドが厳めしく『ちょこん』と乗っている。

 

正に、子供の工作。

 

『馬鹿にしてんのか!?』

 

「いや? 俺は最初から最後まで大真面目だ!」

 

エンジンが唸り、体積の6割りを超える頭のトチ狂ったスラスターが火を噴いた。

 

『チッ! それがふざけてるってんだーーーよ!!』

 

 

 

ーーー時を超えるーーー

 

 

 

その文言に何一つ恥じる事なく、ロボタロスが時空を駆ける!

 

『なに!?』

 

桃色の疾風に、魘結の巨躯がよろめき。

 

「…は、は。タローちゃ、んーーーゴフッ!」

 

「喋るな童磨、少し動く…舌を噛むなよ!」

 

胴体の下側にくっついているロボ腕に童磨を抱え、彼が死なないギリギリのラインに速度を落として機動する。

 

『うふ! うふははっ! なんだソレ!? ドン王家の末裔ともあろう御方が、うふはははははっ!! なんて惨めで醜い姿! 俺を笑い死にさせたいのかぃ?』

 

魘結からすれば膝下の、中型犬程度の大きさのソレを執拗に追いかけて。

 

『なんだぃ? 思ったよりは動けるんだ?』

 

千日手と悟った魘結が動きを変える。

 

『【幽鬼術・無限【夢】業樹】』

 

呪龍で形成された腕を大地に突き刺し、土地の全てを狂わせ染める。

 

『おぃ、コレぁ…!』

 

「義勇! 杏寿郎! 炭治郎! 急いで乗り込め!!」

 

術が発動するまでの僅かな隙を拾い、意識を失った童磨共々男連中を車内に迎え入れる。

 

『あはっ♪ 無駄なのに、まだ足掻くのかぃ? 俺はそういうの好きだぜ? 足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて、足掻き続けた無能のカスを、チョンとつついて地獄に落とす。

 

もちろん、落とす前には夢を見させてあげるんだぁ、努力が実った! 夢が、希望がすぐ目の前に!! ーーーって。そう思わせてから、教えてあげるんだ。優しくね? ほら、見てごらん? 俺の手のひらの中にあるモノは…な~んだって。

 

ーーーこんなふうに…うふふふふ!』

 

 

 

 

暗転。

 

 

 

 

時間が消し飛んだように唐突に。

 

全身を負傷し、血を流す彼ら。

それを空中に磔にするのは無数の呪龍。

 

童磨・煉獄・義勇・炭治郎。

そして、真ん中にチェンジオフした桃井タロウのその姿。

 

『嗚呼。あぁ、アァァァァ…ソノシ様』

 

破壊され、アバターの光となってデンライナーが薄れて行く。

その背を踏みつけ、魘結が剣を正眼に構えた。

 

『神の為にーーーーー死ね』

 

その剣が振りかぶられた。

 

 

 

ーーーその時!!

 

 

 

《~~~~~~~~~~~♪》

 

『な……なに!?』

 

動かない。

魘結の豪腕が、まるで悪夢に囚われたかのように!!

 

《~~~~~~~~♪》

 

広がる、繋がる、神楽の音色。

 

その笛の主は天女。

 

神楽笛を横向きに。

 

祈るように目を閉じて。

愛するように息を吐き。

 

天女の音色が響いて渡る。

 

 

 

一人、二人?

 

いや、いやいやいや!

 

十、百、千万飛び越えて!!

 

八百万人もの天女の大群が大地も空も!!

あらゆる時空を埋め尽くして現れ出でた!!

 

 

 

『なんだ、これは…俺は『夢』でも見ているのか?』

 

 

 

魘結をしてそう思わせる怪現象。

 

「寝坊助な俺ちゃんなんだね!」

 

『!?』

 

それは遠く。

線路の上に停車した、無限列車の後方四車両。

月明かりに照らされて! 五つの凛々しい影がある!

 

「これは現実ですわ」

 

「まったくダメな鬼ですねぇ」

 

「私、いたずらに人を傷つける奴にはキュンとしないの」

 

「…いや、キュンとかそんな話しだっけ!?」

 

それは五人のロボタロウ。

左右に別れて二人ずつ、白のチョウロボタロウが並び立ち。

そして中央にはただ一人!

黄金のオニロボタロウが堂々と!!

 

『お供…か? は、はは! どうやって数を揃えたか知らないが、主人も無しに…お前ら如きに何が出来る? 女の出る幕は無いんだよぉ!!』

 

その罵倒に、止まる。

笛が、天女が、世界が止まる。

 

 

 

「へぇ…それなら」

 

 

 

いざ。

足を踏む。

 

《ーーーたい》

 

いざ!

足を踏む!

 

《ーーがったい》

 

いざいざいざと!

踏み鳴らす!!

 

 

《超合体!!!!!》

 

 

「みんな!」

 

 

ハルカの声に合わせ、天女の笛が吹き荒れる。

 

その音色と同時に《超合体♪》《超合体♪》《超合体♪》《超合体♪》実に楽しく音頭が笑う!

 

「み、みんな、やっ! やっちゃおう!」

 

中央のオニロボタロウ。

内股のそれは甘露寺蜜璃。

 

チョウシスターに変身できないなら、オニシスターに変身しちゃいなよ!

そんなハルカの発案。

ハルカが蜜璃を射ち、そのハルカをカナエが射つ事で鬼×1蝶×4を実現し。そして…すべての条件が揃ったのだ。

 

「私が支えて見せます、姉として!」

 

左足に胡蝶蘭カナエ。

 

「なんでだろ、私って凄く右足がしっくり来る」

 

右足に鬼頭ハルカ。

 

「私は非力なのですが…?」

 

腕に胡蝶しのぶ。

 

「けんけ~ん♪」

 

肩には竈門禰豆子。

 

 

 

 

鬼に集うは白き花!!

 

 

 

 

【完成!! CX(蝶クロス) 鬼吹雪姫(オニフブキ)!!】

 

 

 

 

《ヨッ! 傾国の美し姫~!!》

 

「いっくよぉ~!! どんぶらすたー♪」

 

鬼吹雪姫(蜜璃)が【オニフブキ・ギア】を手にとって。

 

「え…えっと?」

 

「回すの! 蜜璃ちゃん!」

「蜜璃さん、そこに窪みがありますよね? あ、そうそう、そこです。そこにギアを嵌め込んで…あ、お上手です♪」

 

「なんか…照れちゃうな、えへへ」

 

女性的なフォルム。

手足の先はほっそりと、肩・胸・お尻は過剰なまでに豪勢に! 何故なら私は鬼吹雪姫!!

 

【ドン・ドン・ドン・ドンブラコー!!】

 

地響きを伴い、空気を押し退け!

CX・鬼吹雪姫が巨体へ転じる!!!

 

 

 

 

特級幽鬼・魘結 VS CX・鬼吹雪姫

 

 

 

 

決戦・決戦・大決戦!!

今、戦いの火蓋が切られた。

 

『馬鹿だなぁ…俺の目的は飽くまでもドンモモタロウの首を取る、これだけなんだから真面に勝負なんてする筈がないだ…ろ!!』

 

天女の幻影、その消失と同時に霊剣を振り下ろす。

 

『俺の勝ちだ!!』

 

ーーーそれは。

 

『!?』

 

写し身。

白い糸を色で染め、簡略粗雑に編まれた人形。

 

『バ、バカな…』

 

気付いてしまえば夢の後。

目覚めるまでは正真正銘、しかし目覚めたその後は。

 

『まさか…累!?』

 

呪龍が拘束する、その全てが偽物で。

 

【ファオン!!】

 

足元に踏みつけていたデンライナー。その警笛が再び唸り、桃色の光が力となって魘結を押し退ける!

 

「ハルカ! やれ!!」

 

ドンモモタロウの掛け声に、応えるお供が今ここに!!

 

鬼弐武器(オニフブキ)!」

 

取り出しのは一対のフルコンボウ。

左右に手にしたその武器を!

 

ーーー超合体・オーガフルコンボウーーー

 

「一気に決めるよ!!」

 

ハルカの掛け声に、仲間共々世界が応える!

 

 

 

《国崩し♪》      《国崩し♪》

 《国崩し♪》    《国崩し♪》

  《国崩し♪》  《国崩し♪》

   《国崩し♪》《国崩し♪》

      《国崩し♪》

   《国崩し♪》《国崩し♪》

  《国崩し♪》  《国崩し♪》

 《国崩し♪》    《国崩し♪》

《国崩し♪》      《国崩し♪》

 

 

      超・クロス!!!

 

 

      《一打傾国!!》

 

鬼吹雪姫の背に【✕】の形に舞い踊る蝶。

その全てが光となり、ゴルD…ゴールドなハンマーとなったオーガフルコンボウに、溢れんばかりに注がれまくる!!

 

【必殺奥義! 桃源ブレイカー!!】

 

「『《ドリャアァァァァァァアアア!!》』」

 

震源となり、一足ごとに大地を割って!

戦乙女の超鉄槌が!!

悪鬼の野望を打ち砕くゥゥゥゥゥ!!!

 

 

 

夜空一杯に広がる、大輪の花火の音色。

 

 

 

腹を揺らし、臓腑を震わす轟音・爆音・破砕の砂塵!

神の悲鳴のように一陣の風が吹き、その砂の煙幕を吹き飛ばす。

 

『は、ははっ…! あれだけ呪龍を壁にして、それでも足りないのかよぉ…!』

 

生み出したる全ての龍と、己の両腕を犠牲にして。

しかし。

それでも魘結は大地に有った!

 

『だが、足りなかったようだねぇ。俺のーーー』

 

魘結の言葉を遮るのは。

 

【ドン】【ドン!】【ドン!!】

 

三に分割された撃鉄を起こす…その響き!!

 

 

      《一姫当千!》

 

『ーーーーーーーーーーーーーーーは?』

 

      【必殺奥義!】

 

 

重く、重機の稼働音。

開かれたのは、鎚の木殺しに相当する打撃の先頭。

 

ハンマーそのものが鈍器であり、大砲!

鬼の紋様が描かれた銃口が、金色に光輝いて!

 

 

 

『遅いんだよぉ【幽鬼術・蛸壺【夢限】地獄】』

 

 

 

魘結を構成する汽車、その至る所から赤色の触手が現れ、鬼吹雪姫を締め上げる!!

 

『俺の勝ちだ! 例え玉壺の能力を失っても、この一撃にさえ耐えきればお前達に2発目を射つエネルギーは無い!!』

 

「あっ…クゥゥゥ!!」

「ダメ、耐えて…みんな!」

「ーーーてか、さ。ちょっと…これ言いたくない…けど。この触手、スケベなんですけど!?」

「えちえち、サイテーだよね」

「死ねば良いのに」

 

『チッ! 随分と余裕だねぇ? それなら、このまま絞め殺してやる!』

 

悲鳴が重なり、槌に充填されたエネルギーが霧散する。

ーーーその時。

 

 

 

「魘夢。このクソ猿がぁ…俺の女神に触れやがって」

 

 

 

激怒を憎悪の火にくべて、一瞬にして炎の渦を巻き起こす!

 

「お前らァ!! 俺に全部寄越せェ!!!」

 

それは童磨。

集うは桃と、鬼殺の剣士!!

 

己の血で全身を染めながら、憤怒と嫉妬の化身が猛る!

 

「俺のぉぉぉぉぉ!!」

「俺達だぞ童磨殿!」

「この人ぜんぜん聞こえてませんよ!?」

 

 

「必・殺・技!」

 

 

デンガッシャーはオーラソードだ。

オーラとは氣であり、それは即ち!!

 

「全集中だ!! 気合いを入れろァァァァァァア!!」

 

男五人の氣が光の糸となり、

デンガッシャーと連結・連結・大連結!!

 

 

《fullchar》《full》《fullfullfull!?》

 

【ドン!】【マァキシマム・あチャ~ジィ~!!】

 

 

 

「死に腐れ蛸壺ヤロウ! パート1ズァァァァァ!!!」

 

 

 

五人の雄叫びが時空を砕き、唯一無二なる剣を呼ぶ。

 

それは幻想、されど鋼鉄。

永遠の、勇気の象徴!

 

【動輪剣】

 

絡み合う2体の巨人を縦一文字に斬り捨てて!

しかして、断ち切られたのは魘結の悪夢だけ!

 

「今だ!」

 

誰かが叫んだ。

 

そしてーーー。

 

【桃源・ブレイガン】

 

シャコン。

小意気良い音と共に、鬼吹雪姫の視界を保護するバイザーが…いや、ザングラスがセットされ。

 

「ファイヤー!!!!!」

 

《ヨッ! ヒカァリと・なぁ~れぇ~!!》

 

声が、その全てを物語る。

 

 

 

その日。

日ノ本の国、東京某所にて真夜中の太陽が観測された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「所詮、蛆虫だったという話か…」

 

異次元に住まう、人外の呟きに。

 

「蛆虫…なるほど? 面白い。では貴様は蛆虫に頼らねば増殖出来ぬ細菌、と言う話か…流石は脳人様、己の貶めかたにも品がある」

 

嗤う。

それこそは鬼舞辻無惨。

 

その頭を蹴り飛ばし、不快な雑音を封じ込める。

 

「ゴミが、貴様の存在は私の胸先三寸。消し去ったところで修正は可能だ…!」

 

無惨に残された力は無い。

生首一つを床に転がされ、ソノシ専用の脳人レイヤーに幽閉されている、だが…それは。

 

「ーーーククッ…クックックッ! お前は本当に超越種なのか? あまりにも頭が弱い、弱すぎる」

 

「なん…だとォ?」

 

「修正は可能…確かに、不可能ではないのだろう。だが、それは現実的ではない」

 

「…………」

 

「非効率極まりなく、迂遠に過ぎる。お前の目的はドンモモタロウの抹殺であり、くだらない感情に任せてこの私を排除する事はーーークククッ、それこそ『鶏鳴狗盗』と嘲られても仕方がないのではないか?」

 

異世界に封じられ、首から下をもぎ取られ。

それでも彼は王だった。

 

知れるハズの無い情報を、見えざる手でしかと掴み。

鬼の始祖たる囚人が『人』を知らぬ神を噛む。

 

 

 

「素晴らしい提案をしようーーー」

 

 

 

言葉という【毒】を含んだ見えざる牙が。

その悪意が行き着く世界が。

知らず、脳を汚した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー無限夢列車編・完ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 




CX・鬼吹雪姫。
原作は言わずと知れた傾国の美女・妲己。

ただし、鬼吹雪姫の傾国は物理とする。



特級幽鬼・魘結。
原作は言わずと知れた勇者特急マイトガイン。

魘結を切った【動輪剣】はマイトガインの武器。
原作はほとんど見たことがないけど、好き。
この気持ちはジャスティス。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。