IF〜気がついたら絆レベルカンストした狂王と一緒に呪術廻戦の世界にいた話〜 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「まさか、こんな香水を作ってもらえるとはね。」
「言ってみるもんだな。」
あれからしばらくして、私とオルタニキは再び街の中を歩いていた。
私たちの手元にあるのは、フレグランス専門店で購入したオリジナルのフレグランス。
オルタニキからどんな匂いにしたいかと問われ、なかなか答えが出せなくて、キミが決めてくれないかな?と返したんだ。
そしたら、オルタニキが調香師さんに、俺らをイメージしたものは調香できるかと質問したんだよ。
結果、私とオルタニキをイメージした上、女性でも男性でも使うことができるユニセックスフレグランスを作ってもらえた。
香りは……そうだね……イメージとして挙げれそうなのは、某お空の世界の終末を望んだ創造主殿のイメージ香水に少し近い。
クリスタルムスキーノートと称されたこれは、甘過ぎず、しかし刺激的過ぎない香りだ。
甘ったるいのがあまり得意じゃ無いオルタニキでも十分に使えるから、頼んでみて正解だったと少しだけ思う。
にしても、私とオルタニキのコンビって、こんなイメージがあるんだね。知らなかったよ。
「少しは気に入ったか?」
「むしろすごく気に入ったよ。こんなに素敵な香水を作ってもらえるなんて思わなかった。これなら、あまりしつこ過ぎないし、普段使いにも良さそうだね。」
「そうか。お前がいいならそれでいい。」
完成した香水を早速使い、その匂いを楽しんでいると、オルタニキが穏やかな声で呟く。
ふと隣に目を向けてみれば、オルタニキの口元に小さく穏やかな笑みが浮かんでいた。
思わず目を丸くして彼を見ると、オルタニキが私の視線に気づいたようで、なんだよと問われる。
先程の笑みは消えてしまった……。目を丸くしてみるんじゃなかったかな。すごく訝しげな表情をしていらっしゃる。
「なんでもないよ。ただ、やっぱりキミもクー・フーリンなんだなって思ったんだ。さっき、すごく穏やかな笑みを浮かべていたけど、どことなく元となっているキミに近いものを感じた。やっぱり、黒化していても、クー・フーリンはクー・フーリンなんだね。」
「……笑ってたか。」
「うん。笑ってた。大切なものを見るような、優しい目でね。」
「……そうかい。まぁ、お前限定だろうよ。俺はあっちのマスターや、メイヴにそんな表情を見られた覚えはない。」
「藤丸立香はゲームの中の存在ではあるけど、あの世界での私の分身でもあるんだよ?絆レベルも向こうに準じているんだろう?なら、メイヴには向けてなくても、藤丸立香には向けているんじゃ無いのかな?」
「繋がるきっかけが向こうであり、その
「それは、私個人に対して、なんらかの特別感情を芽生えさせてるってことで合ってるのかな?」
「だろうな。詳しくは知らんが、お前の側は不思議と落ち着くし、離れ難いとは思ってる。」
「………そう。」
なんだかかなり照れ臭くなるような発言をされたような気がしてならないけど、なんとか照れないように頑張ってオルタニキに言葉を返す。
すると、オルタニキに肩を抱かれ、そのまま抱き寄せられた。
「うわ!?」
急なことに驚き声を漏らしていると、すぐ側を自転車が通過した。
「……チッ……もう少し考えて走れねぇのか、アイツは。」
「……ありがとう……クー。怪我をしなくて済んだよ。」
「フン……」
守ってくれたのだとすぐに理解できた私は、オルタニキに感謝を述べる。
オルタニキは小さく鼻で息を吐くだけの返事を返したのち、私の肩を抱いたまま歩き始めた。
「クー?肩は抱かなくてもよろしいのでは?」
「またさっきみたいな奴がいたらめんどくさいだろ。このまま行くぞ。」
歩きづらくないのかなと思いながら、離してもいいのにと口にするが、それは瞬く間に一蹴される。
ついでに肩を抱く力が軽く強くなったので、これは多分……いや、確実に離してくれないパターンだろう。
顔のいいワイルド系イケメンに抱き寄せられながら歩くのって、かなり恥ずかしいと思ってしまうのだけど、オルタニキにはそんな羞恥は存在していないのだろうし、多分、恥ずかしいからやめてと言っても聞き入れてもらえないんだろうな……。
少しだけ溜め息を吐きそうになる。しかし、溜め息を吐いたらこの距離だ。オルタニキがすぐに気づくだろう。
とりあえず、このまま歩こう。
「次はどこに行くの?」
「服はかなりあるからな……靴かアクセサリー辺りが妥当だろ。」
「え……靴やアクセサリー……?」
「なんだ?」
「いや……香水も高いのに、またさらに高いものを買うのかと思っちゃって……」
「お前が身につけるものは全て俺が選ぶ。ただそれだけだ。」
「独占欲強………」
そんなことを思いながら、次に行く場所を聞いてみれば、まさかの返答が返ってきた。
まさか、服や香水どころかアクセサリーや靴まで全部オルタニキ監修コーデにさせられてしまうとは……。
まぁ、彼が選ぶものは全部センスいいから変なことにはならないし、むしろ逆に最高の形で私の見た目がバシッと決まるんだけどさ。
でも、やっぱり独占欲強すぎでは……?
「ちょうど靴屋があるな。あそこならいいモンがあるだろ。」
「結構お高めそうですが!?」
「問題ない。使いきれないからとお前から渡された金がかなり貯まってるからな。靴の一足や二足、普通に買える。」
軽く困惑しながら、明らかに高い靴が売られているであろう場所だと指摘するが、オルタニキは聞く耳を持っていないのか、そのまま靴屋の方へと入ってしまった。
問答無用で連れて行かれてしまい、どうしたものかと靴の棚に目を向けてみれば、五桁以上の値札が付いているものが視界に映り込み、ヒェッという声を漏らしそうになる。
え?ちょっとオルタニキさん?マジでここで私の靴を買う気で……?
いくら財閥トップの令嬢と言えど、少し前まではパンピー女子高生だったせいで、そんな贅沢をすぐにできるほどの図太さは持ち合わせていないので、軽く震え上がってしまう。
実際に震え上がってはいないので、比喩表現ではあるけど、本気で震えてしまいそうなのが現状だ。
「いらっしゃいませー!」
こんなのありですかと思いながら、内心で感情を爆発させていると、店のスタッフさんが笑顔を見せながらお決まりのセリフを口にする。
さっさとこの場から立ち去りたいですと叫びたくなる中、オルタニキはスタッフさんを一瞥したのち、私の肩を抱いたままずかずかとレディースの靴が並ぶ棚へと足を運んだ。
「お前の靴のサイズは24だったな。」
「……そうだね。確かに24センチだ。」
「買った服がどんなものか全部覚えてるからな。サクサク決めてアクセサリーも見に行くぞ。」
「あ……はは……。了解……。」
もはや苦笑いを隠すことができない。いくら買えると言えど、ここまでされてしまうとはね。
これじゃあ、もう完全にオルタニキの女だよ……。
ケルト族ってみんなこうなのかな……。こうじゃないことを願いたいな。
まぁ、私はケルト族ってオルタニキとメイヴちゃんしか呼べないんだけど。
……メイヴちゃんが来たら、さらにとんでもないことになりそうだ。
最初は嫉妬されまくりそうな予感もするけど、仲良くなったら多分、めちゃくちゃ着せ替え人形にされる。
女ならもっと男を転がせるような女になりなさい的なことを言いながら……ね。
あの子、ハニトラとかもうまそうだし、もしかしたら叩き込まれちゃうかも。
……気にならないわけじゃないけど、呼んだりはしない。確かにメイヴちゃんがいるのは心強いけど、クーちゃんが関わったら修羅場まっしぐらになりそうだし。
彼女に勇士とか、気に入った存在認定されたらそれだけじゃないだろうけど。
「試しにこれを履いてみろ。今日のそれに合うはずだ。」
「わかったよ……。」
そんなことを考えていたら、いつのまにか靴を見に行っていたらしいオルタニキが複数の靴を手に取り戻ってきた。
明らかにブランドものの靴を持っている。………お会計が怖いなぁ。
瑠風
オルタニキのご褒美として街に出ていたはずが、全身コーディネートの刑に処された異世界からの訪問者。
香水を買えた事はかなり嬉しかったけど、このような目に遭うとは思わなかったので苦笑い。
香水の匂いはとても気に入っている。
このあと、大量の靴選びから始まり、普通に10万吹っ飛ぶことになるとは思っていなかった。
オルタニキ
ご褒美に託けて瑠風の全身コーディネートに手を出したバーサーカー。
センスはかなり良く瑠風から好評だが、そのために大量の金を吹っ飛ばすことはあまりよく思われていない。
調香師に頼んだ香水があまりにも好みだったので結構びっくりしたのだが、気に入った上、瑠風と一緒に使うので内心ハッピー。
靴屋で瑠風の靴選びを行い十万吹っ飛ばすが、彼女から渡されたお金で始めた貯金はまだまだたくさんあるので気にしない。
このあとアクセサリーショップでもめちゃくちゃアクセサリーを買って瑠風に怒られることを知らない。