IF〜気がついたら絆レベルカンストした狂王と一緒に呪術廻戦の世界にいた話〜 作:時長凜祢@二次創作主力垢
えー……オルタニキに呪霊鏖殺フィーバーをしてもらっていたのはいいのですが、夏油傑が現れて、離れた位置でこちらを眺めて固まっている姿を発見してしまった御子神瑠風です。
─────……いやいやいや……なんで夏油傑がこんなところにいるんだよ。ていうか、いつからそこにいたんだ。もし、オルタニキが呪霊の鏖殺をしている時からだとしたら、SAN値大丈夫か?
「……あのガキ、俺が視えてんな。」
混乱して固まっていると、オルタニキが小さく言葉を紡ぎ、少しだけ警戒するような様子を見せる。
まぁ、今日のオルタニキは呪術師か、その才能を持ち合わせている者でなければ、視えるはずがない霊体化状態でついてきてるもんな。
視えている……と言うことは、呪術師か、その才能を持ち合わせているどちらかという二択となり、もし、前者の方であれば、こちらに襲いかかって来る可能性を持ち合わせている。
となれば、遠巻きにこちらを見つめている夏油傑に対して警戒心を抱いてしまうのも仕方ない。
でも、どう見ても彼はまだ呪術師じゃないんだよね。呪力を感じ取ることはできるけど。
「……クー。警戒しなくても大丈夫だよ。彼はまだ呪術師じゃない。呪霊が視えるだけの人間だ。聖杯戦争というわけでもないんだし、わずかに漏れている殺気を納めてくれるかな?」
「……了解。」
とりあえずオルタニキに警戒状態を解いてもらおう……そう思った私は、すぐに彼に警戒を解き、わずかに溢れていた殺気を収めるよう指示を出す。
それを聞いたオルタニキは、短く了承の言葉を紡ぎ、警戒することを辞めた。
うん、バーサーカーであっても指示を聞いてくれるサーヴァントは本当に助かる。
暴走のままに命を奪うような存在だったら、私が呪詛師認定されちゃうからよかったよかった。
さて……
「驚かせてしまったね。いつ頃からいたのかわからないけど、大丈夫だったかな?」
オルタニキが落ち着いたことを確認した私は、こちらを見つめたままフリーズしている夏油傑に声をかける。
極力驚かさないように、なるべく穏やかで優しい声音を使って。
まぁ、彼は幼い子供じゃないんだし、こんな気遣いはあまり必要ないんだろうけど、ほら、オルタニキってそれなりに年齢が上でもトラウマを植え付けるには十分すぎるような存在だろう?
特に、殺戮を行なっている最中の姿を見たりすると、結構な恐怖になるし。
実際、さっきまで殺戮フィーバーの時なんて、辺り一面血みどろな肉のビックリ市状態だったしね。
……あれが某RPGゲームに出ていた赤いフリル衣装の変な話し方をする殺人鬼Hが見ていた景色なんだろうな。
まだオルタニキは怪物っぽさがあるからそこまでじゃないけど、同じ人間があれをやっていたら、絶対お肉が食べれなくなっていた気がする。
「ああ……大丈夫だよ。」
なんて、くだらないことを考えていると、夏油傑は大丈夫だと口にしたあと、オルタニキと私を交互に見比べ始めた。
それが意味することが何か理解できた私は、すぐに言葉を返す。
「彼のことが視えてるんだね。と言うことは、変なものが視えちゃう体質の人?」
あくまで一方的に知っているだけであり、実際に出会したのは初対面。それならば初対面の子供を振る舞い、話を少しずつ広げていく。
だってそうしないとおかしいでしょ?初対面の人が自身のプライベートや体質などを全部知ったように振る舞って来るなんて。
だから少しずつ話を広げる。新たに結ばれた縁を、少しずつ強くしていくように。
「うん。物心ついた時から視えていてね。最近、私が視ていたものが呪いであることを知ったんだ。君は、いつ頃から視えていたんだい?」
いつ頃から視えていたのかという質問に対して、思わず考え込んでしまう。
だって、呪術廻戦の世界にいるって知識を会得したのはつい最近だし、オルタニキと一緒に行動を取るようになったのもつい最近……1年未満という短い関係だ。
でも、前の世界での記憶を戻した時にはすでにオルタニキと一緒にいたことを踏まえると、幼ないころから視えていた……と言うことになるような気もする。
『お前が奇声を上げて俺を起こしたあの日に、俺の中にもお前がどのような存在であるかの知識が入ってきた。だが、俺にはそれ以前の記憶もある。お前は、大体5つの時から呪霊を視ることができた。同時に呪霊に襲われ易くなった。その際に呼び出されたのが何の縁か俺だった。つまり、呪霊が視えるようになったのは、5歳の時だ。』
『おわ!?いきなり念話を使ってこないでよびっくりしたな……。でも、ありがとう。助かったよ。』
「……大体、5歳くらいの時かな。最初はお化けとか幽霊とか思っていたんだけど、同じものが視える人から、あれは呪いの塊で、呪霊と呼ぶものなんだって教えてもらったんだ。その人は今、何をしているのかわからないけど。」
どうしたものかと考えていると、オルタニキが念話で助言してくれた。いきなり頭の中に声が響いて少しだけ驚いたけど、まぁ助かったからよし。
「そうだったのか……。ところで、その隣にいるのは……?」
夏油傑……もうめんどくさいから夏油くんでいいか。
夏油くんが次に聞いてきたのはオルタニキに関してのことだった。まぁ、明らかに彼は異質だし、呪力を感じ取ることができるのであれば、彼がその類であることも理解できるだろう。
誤魔化しもきっと利かないし、ここは素直に打ち明けようか。
「彼は私が連れ歩いてる呪霊……のようなものだよ。呪霊と似ているようで全く違う存在であり、呪霊と同じかそれ以上の力を持ち合わせている。まぁ、一旦は私のボディーガードのようなものだと認識してくれたらいいかな。彼個人の名前は……うん。伏せさせてもらうよ。とりあえず、狂王、またはバーサーカーと呼んでくれたらいい。」
「え……」
夏油くんから少しだけ戸惑いの声が上がる。どう言う存在であるかを伝えるだけで、名前は告げないことに驚いてしまったようだ。
まぁ、流れ的に名前も教えてくれそうな感じだったもんね。でも残念。オルタニキの真名は、本来のルールとして伏せさせてもらおう。
神話とか伝説とか、あと歴史とか……そう言った話を知っているとしたら、なぜ、かつての英雄の名を持ち、その英雄が使っている武器を扱えるんだと思われてしまうから。
そうなったら説明が大変だし、何よりサーヴァントという存在がどんな存在かを一から説明しなくてはいけない。
流石にそうなるとかなり時間がかかってしまう。だから、ここは申し訳ないけれど。
「悪いね。ちょっと複雑な理由があって、詳しく話すことができないんだ。だから、一人の女の守護を務める、狂王と呼ばれている存在とだけ認識していてほしい。」
だから、とりあえずは重要なことだけ頭に入れておいてと夏油くんに告げ、続けるように口を開く。
まだ、肝心なことを伝えていないから。
「私は瑠風。御子神瑠風。御子神財閥と呼ばれる財閥の会長である
小さく笑いながら、自身の名を夏油くんに告げる。
こんなに早く出会うことになるとは思わなかったけど、まぁ、いずれは接触するつもりだったし、少し時期が早まっただけと考えておこう。
「私は夏油傑だよ。私だけが名前呼びというのもおかしな話だし、私のことも傑と呼んでくれるかな?」
「わかった。」
冷静に彼と挨拶を交わしているように見えるだろうけど、内心では結構テンションが上がっていたりする。
なんせ名前を呼んでいいと言われたんだ。好きなキャラクターのうちの一人に。
それに、私のことも名前で呼んでくれるみたいだし、嬉しくないはずがないのである。
「そうだ、瑠風。少し、相談したいことがあるのだけど。」
「相談?」
「ああ。呪いについて教えてくれた人の連絡先を知っているのだけど、瑠風のことを話してもいいかな?ここをうろついていた呪いについても伝えておいた方がいいと思うから、キャンプ場の管理人さんに電話を貸してもらうつもりなんだ。」
「あ〜……なるほどね。まぁ、構わないけど……。」
「?なんだか歯切れの悪い返答だね。」
「いや、ほら……人を襲ったことはないけど、呪力を利用して呪霊と似ているようで全く違う存在……とりあえず、サーヴァントと私は称してるけど、そんな存在を私は引き連れているわけで……だから、その人に知らせても大丈夫なのかな……って。」
「……そう言うことか。確かに、不安になってしまうね。でも、大丈夫だよ。瑠風がバーサーカーに指示を出して呪霊を倒していたことは私が見ていたし、いざと言う時は私が証人になるから安心してほしいな。」
「……まぁ、それなら。」
「よし、決まりだ。じゃあ、一旦キャンプ場に戻ろうか。」
「そうだね。」
おっふ……櫻井ボイスで名前呼ばれたわ……なんてことを考えながらも、傑と一緒に今いる場所からキャンプ場へと向かうための道のりを辿る。
背後から面白くねぇなと言わんばかりのオルタニキの視線が突き刺さってきてるような気がするけど、今はちょっとスルーしよう。
この世界の登場人物との縁がようやく結ばれたわけだし、今はそれを少しだけ楽しみたい。
あとでオルタニキには構ってあげるから。
瑠風
キャンプ場でまさかの夏油との接触を起こし内心たじたじだったが、名前を呼び合えるようになったのでラッキーと思っている。
帰宅後、オルタニキからみっちりマーキングされることになることをまだ知らない。
オルタニキ
瑠風が登場人物と接触しただけでも面白くないのに、なんか目の前で仲良くなりやがったのでかなり不機嫌。
帰宅後、お前は誰のもんかしっかり教えてやるからな覚悟しとけと意気込みながら、尻尾をビタンビタン地面に叩きつけていた。
夏油傑
めっちゃ不機嫌なオルタニキに内心冷や汗をかいていたが、自分と同じように一般の家庭の生まれでありながらも呪霊が視える仲間に出会えたことに対する嬉しさの方が上だったので、瑠風とお話ししながらキャンプ場に戻った。
立場が似てる彼女とはなんとしても仲良くなりたい。
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