虚無シスコンと冒険家   作:ブルー・ハワイ

4 / 9
3話

富士山

蓮「あ!休憩所にペットボトル忘れた!」

みのり「は?別にいいよ!行くよ!」

蓮「う、うん…」

数時間後

蓮「はぁ…はぁ…」

みのり「へばり過ぎと言いたいところだけど私も疲れたぞ」

蓮「あれ?あそこって」

休憩所

蓮「あ!僕の忘れたペットボトルだ!でもどうして…」

みのり「ここさっき来なかったか?ループ、してるんじゃないか?」

蓮「ループ?まさかぁ疲れてるだけだよ」

みのり「まさかな(ペットボトルも風で飛ばされてきただけだよな)」

富士山

みのり「わっせ!わっせ!」

蓮「荷物運んでる時に言う掛け声みたいだね」

みのり「そうでもしないとぶっ倒れるぞ!」

蓮「うん」

数時間後

みのり「はぁ…はぁ」

蓮「あれ?あそこって…」

休憩所

みのり「蓮、まさかだとは思うけど…」

蓮「そのまさかだよね」

みのり「私一人で行ってくる。お前はここに残ってくれ」

蓮「でも」

みのり「ここで遭難したら死ぬぞ!ループしてるか否かを確かめる為だ!」

蓮「分かった」

数時間後

蓮「みのり、まだかな?」

みのり「れーん!」

蓮「みのり?!」

みのり「断言する!私たちはループしてる!」

蓮「やっぱり」

みのり「どうすれば…」

蓮「あれ?みのり、なんかポケットに紙ない?」

みのり「あれ?ほんとだ。よく気づいたな。なになに…日向蓮一人でこい」

蓮「え?!それって…!」

みのり「なるほどねぇ…蓮、少しだけ待ってろ」

蓮「わ、分かった…」

数時間後

蓮「みのりまだかな…」

みのり「待たせたな」

蓮「みのり!どこ行ってたの?!」

みのり「下山してした!」

蓮「下山って…まさか下山してまた1からここまで来たの?!」

みのり「馬鹿だねぇ!こんなことしてたら私が持たないよ!下山してもループしてた!それだけだ!」

蓮「つまり…」

みのり「お前が一人で登らないなら私とお前は死ぬ。私の言いたいこと、分かるよな?」

蓮「うん…」

みのり「お前が行かないと私とお前はここで死ぬ。だから行け」

蓮「こ、怖い!」

みのり(乙女かよ…!まてよ?)

みのり「お前の友達達の事、何かわかるかもよ?」

蓮「?!」

みのり「どうせ死ぬくらいならせめて悔いは残さないようにしたいよね?」

蓮「それはそうだけど…」

みのり「さっさと行け!」

蓮「でも…」

みのり「い、け、よ!(圧力)」

蓮「は、はい!」

みのり「分かればよろしい!」

数時間後

みのり「行ったか…それにしても何が起きてるんだ?」

富士山

蓮「ひー!怖いよー!」

蓮(1人でのぼってなんの意味があるんだ…?!く!ここ最近家から出てないから体力が!)

数時間後

蓮「はぁ…はぁ…まだか」

歩(霊)「もうすぐだよ。蓮!」

蓮「もうすぐか…って!」

歩(霊)「やぁ!蓮!お久!」

蓮「ど、どうして!」

歩(霊)「それは頂上に来たら話してやる。早めに来ることだな」

蓮「歩!まって!」

歩(霊)「ふん!」

蓮「消えちゃった…頂上まで急ごう!」

数時間後

富士山頂上

蓮「はぁ…はぁ…」

歩(霊)「あはは。お疲れ様。登りきるなんてね」

蓮「歩…どうして!」

歩(霊)「成仏したいからさ」

蓮「え?!」

歩(霊)「蓮、お前の知ってる通り、私や葵達はもう死んでる。あの爆破事故でね」

蓮「うん」

歩(霊)「赤音がどこにいるかも分からない私とフィアを探し出して失意の底にいる蓮をなんとかしたいから協力してって言ってきてさ、ほんと凄いよね」

蓮「赤音…僕のことをそこまで…!」

歩(霊)「はは!鈍感だな!それはそうと蓮!」

蓮「なに?」

歩(霊)「お前は私の死を乗り越えることができるか?」

蓮「…分からない。でも」

歩(霊)「でも?」

蓮「前には進めた気がするよ。ありがとう。もう一度僕のそばに来てくれて。もう歩が居なくても大丈夫。だから安心して旅立って!」

歩(霊)「なんか成長したな!これで安心して成仏できるよ。親に先に死んで悪かったって言っといてくれ」

蓮「わかった」

歩(霊)「さてと、そろそろ天国に行きますか!それにしても成仏ってどうやってするんだ?悔いが消えたら出来るものだと思ってたぞ」

蓮「大丈夫?歩?」

歩(霊)「あれー?成仏の条件は揃ったと思ったんだけどなぁ」

みのり「あーゆむくん!」

蓮・歩(霊)「みのり?!」

みのり「歩くん、成仏できないようだねー!」

歩(霊)「このくん呼びやめよろ!」

みのり「んー…じゃあ歩きゅん?」

歩(霊)「高速移動で竜巻をおこすぞ!」

みのり「悪い悪い」

歩(霊)「おい!蓮!」

蓮「なに?」

歩(霊)「お前はなぜ私が成仏できないと思う?」

蓮「…フィア、赤音、葵が心残りだから」

歩(霊)「なるほど…よし!お前について行く!」

蓮「え?!」

歩(霊)「このブレスレットを受け取れ!」

蓮「これは…」

歩(霊)「これをお前の腕にかければ即座にお前の元に行く」

蓮「歩自身が移動するわけじゃないんだ」

歩(霊)「移動してやりたいところだがあまりにも霊と絡んでるとお前の私生活に支障が出そうだからな」

蓮「分かった」

歩(霊)「とりあえずもう暗くなる。蓮、みのり!少し目をつぶっていろ!」

蓮・みのり「うん!」

数分後

蓮の家の前

歩(霊)「お前らもう目を開けていいぞー!」

蓮「ここは…」

みのり「なんか時間が歪んだ感覚…」

蓮「ってここは!」

みのり「歩!お前!」

歩(霊)「私の能力の高速移動だ!」

蓮「凄い…!」

みのり「移動に便利そう…!」

歩(霊)「この能力が必要になった時は何時でもブレスレットで呼び出してくれ!」

蓮「分かった」

歩(蓮)「じゃあね」

蓮「うん!」

蓮の家

みのり「初めてにしてはよくやったな!母親も喜ぶぞ!」

蓮「う、うん」

みのり「そう言えばお前の母さんは?」

蓮「母さんは夜中は仕事。忙しいから…」

みのり「そうか。そろそろ寝るか」

蓮の部屋

みのり「蓮!次はどこに行く?」

蓮「山は行ったし海なんてどう?」

みのり「海つまんなーい!月行きたい!」

蓮「そんな事無理だよ(笑)」

みのり「無理ねぇ…」

蓮「ど、どうしたの?」

みのり「いやぁ!なんでもない!おやすみ」

蓮「おやすみ」

みのりの夢

みのり「うーん…ここは夢の中か?」

歩(霊)「みのり、ようやく起きたね」

みのり「歩?!」

歩(霊)「急にごめんね。相談があって」

みのり「相談?なんだ!言ってみな!」

歩(霊)「私の気持ちを蓮に伝える権利あるのかな?」

みのり「どういうことかな?」

歩(霊)「す、好きなんだ。蓮の事が…」

みのり「ふーん…」

歩(霊)「ふーんって…」

みのり「まぁいずれ成仏はする。それは理解しておく事だね 」

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。