――オルクス大迷宮 深層 第五〇階層
「どうして見つからないんだ……」
「これはもう、上に行くのは諦めたほうがいいかもしれないわね」
「確かに、大人しく下層に潜るしかないみたいだ」
魔物の肉を利用したドーピングでステータスを引き上げたハジメは、単独でも奈落の底の魔物と渡り合えるだけの実力を身に付け、キースやフィーナと共に奈落の底の探索を開始した。
しかし、いくら探しても何も見つからない。……いや、何も見つからないというのは語弊がある。正確には、見つからないのは”上層”に続く道であり、”下層”への道は見つけている。ここがオルクス大迷宮であり、階段状になっているのなら上層への道も存在するはずなのだが、どうしても見つけることができなかった。
なお、錬成で直接上層への道を作るというダンジョンの何たるかを軽く無視する方法は試行済みだ。風魔法の補助呪文”フライ”で空を飛ぶという方法も。
結果、上下共に一定の範囲を進むと何故か壁が錬成に反応しなくなるということが判明した。その地点から空を飛ぶことで上層を目指すという手段も試みたのだが、何もないはずの空間に見えない壁のようなものが存在しており、やはり上層に向かうことはできなかった。その階層内ならいくらでも錬成できるのだが、上下に関しては何らかのプロテクトが掛かっているようだ。
この【オルクス大迷宮】は、神代に作られた謎の多い大迷宮……何があっても不思議ではない。正攻法で迷宮を攻略するのではなく、プロテクトを強引に突破しようと藪をつついて、神代の蛇が出てくる可能性も否定はできない。
というわけで、三人はその階層の全てを探索したところで上層への道を諦めて、この大迷宮の更に深部へと潜ることを決意した。
そして、第五〇階層。既に三人には時間の感覚がないので、どれくらいの日数が過ぎたのかは分からないが、驚異的な速度で進んできたのは間違いない。その間にも一行は、理不尽としか言いようがない強力な魔物と幾度となく死闘を演じてきた。
例えば、迷宮全体が薄い毒霧で覆われた階層では、毒の痰を吐き出す二メートル級の虹色のカエルや麻痺の鱗粉を撒き散らすモス……蛾に襲われた。
その時点では”毒耐性”の技能を獲得していなかったハジメは、キースとフィーナが風魔法の補助呪文”エアカレント・コントロール”で毒霧を散らしてくれなければ、常に神水を服用するのを強いられたことだろう。
当然、その両方を食べている。蛾を食べるのは流石に抵抗があったのだが、自身を強化するためだと強引に割り切った。鶏肉のような味わいのカエル肉よりもゲテモノであるはずの蛾の方が美味しかったことには未だに納得が行ってない。
また、地下迷宮なのに密林のような階層に出たこともある。鬱蒼とした空間は、蒸し暑さも相まって今までで最も不快な場所だった。この階層の魔物は巨大ムカデと樹の魔物……RPGで言うところのトレントだ。
密林を歩いていると、突然、巨大なムカデが樹の上から降ってきた時は、キース以外の二人が全身に鳥肌を立たせたほどで、フィーナは火魔法の全体攻撃呪文”ファイアストーム”で一気にこの巨大ムカデを殲滅した。
その行動が正しいものであったことは次の遭遇で明らかになった。このムカデ、なんと某金色の宇宙ロボットのように体の節ごとに分離して襲ってきたのだ。一匹見つけたら百匹はいると思えという黒光りするGのような魔物だった。
一方、トレントモドキは地中に潜ませた樹の根による刺突攻撃や、枝を鞭のようにしならせる打撃攻撃が主な攻撃手段であった。
もっとも、このトレントモドキの最大の特徴はそんな些細な攻撃ではない。この魔物、ピンチになると頭部を振って赤い果物を投げつけてくるのだが、この赤い果物が毒の類どころか途轍もなく美味な果実であったのだ。
おそらくはこの果実で手に負えない相手を引き付けている間に本体が逃走する、というのが本来の使い道なのだろうが……何分、相手が悪すぎた。
その果実を口にした三人の頭からはこの階層が不快な環境であるという事実は吹き飛んだ。むしろ、迷宮攻略すら一時的に頭から吹き飛んだくらいである。
なにせ、実に何十日ぶりかの魔物の肉以外の食べ物である。三人の目は完全に狩人のものとなり、トレントモドキを狩り尽くす勢いで襲いかかった。ようやく満足して迷宮攻略を再開した時には、既にトレントモドキは絶滅していたほどである。
迷宮の魔物の発生原因は未だに判明していない。一度討伐した魔物と遭遇することもある。再発生……ネットゲーム用語で言うところのリスポーンを待っていないだけ、この三人”にしては”我に返るのが早かった方である。
未だ終わりが見える気配はない。それでも、この世界は終わりのないゲームなどではない。少しずつ終わりに……迷宮の最下層に近付いているはずだ。
ちなみに、現在のハジメのステータスは以下の通りである。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49
天職:錬成師
筋力:880
体力:970
耐性:860
敏捷:1040
魔力:760
魔耐:760
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解
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ハジメは、この五〇階層で作った拠点にて銃技や格闘技、錬成の鍛錬を積みながら少し足踏みをしていた。というのも、下層への階段は既に発見しているのだが、この五〇階層には明らかに異質な場所があったのだ。
そこは、何とも不気味な空間だった。
脇道の突き当たりにある開けた場所には高さ三メートルの装飾された荘厳な両開きの扉があり、その扉の両脇には一対の一つ目巨人の彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座している。
その空間に足を踏み入れた瞬間全身に悪寒が走るのを感じたハジメは、そのまま突き進もうとするキースをフィーナと二人がかりで止めて、万全を期した状態で調査するために一度退くことにしたのである。
それほどまでに、その扉から嫌な予感……濃厚な死の気配を感じ取っていた。
だが、それと同時にある種の期待を抱いていた。終わりの見えない迷宮攻略に新たな風が吹き込むような気もしていたのだ。
「まるでパンドラの箱だね。……この中には、どんな希望が入っているのかな?」
自分の持てる武技と武器、そして技能。それらを一つ一つ確認し、コンディションを万全に整えていく。全ての準備を終え、ハジメ達は扉の部屋にやってきた。
三人は油断なく歩みを進める……が、特に何事もなく扉の前にまで辿り着いた。近くで見れば、益々見事な装飾が施されているとわかる。そして、中央に二つの窪みのある魔法陣が描かれているのがわかった。
「ハジメ君、この魔方陣に見覚えはあるかしら?」
「……すみません。それなりに勉強はしてきたつもりだけど……こんな式は見たことがない。多分、現在では使われていない魔法陣だと思います」
地上にいた頃、ハジメは自らの能力の低さを補うために座学に力を入れていた。
もちろん、全ての学習を終えたわけではないが、それでも、魔法陣の式を全く読み取れないというのは些かおかしい。
「ここは神代の大迷宮……だっけ? それなら、神代の魔法陣かもしれないな」
「その可能性が高いと思います」
キースの推測に同意を示しながら魔法陣の描かれた扉を調べるが、残念ながら特に何かがわかるということもなかった。
如何にも曰くありげなので、トラップを警戒して調べてみたのだが、どうやら今のハジメ程度の知識では解読できるようなものではなさそうだ。
「……仕方ない、か。錬成で強引に突破しよう」
「漢解除ね。正直、気は進まないけど……それしかないみたいね」
一応、扉に手をかけて押したり引いたりしたがビクともしない。なので、何時もの如く錬成で強制的に道を作る。右手で扉に触れて錬成を開始――
バチィイ!
――した瞬間、扉から赤い放電が走りその手を弾き飛ばした。ハジメの手からは煙が噴き上がる。即座に回復呪文”アース・ヒール”による治療がなされた。
オォォオオオオオオ!!
その直後、突然、野太い雄叫びが部屋中に響き渡る。
三人は咄嗟にバックステップで扉から距離を取り、それぞれの武装に手を掛けた。
フィーナはタウル鉱石製の手斧、キースは同じくタウル鉱石製の太刀。
そしてハジメは、腰を落として両手を電磁加速銃を収めたホルスターの直ぐ横に触れさせ、何時でも抜き打ちできるようにスタンバイする。
雄叫びが響く中、遂に声の正体が動き出した。
「なんてベタな……」
扉の両側に彫られていた一つ目巨人が周囲の壁をバラバラと砕きつつ動き出す。何時の間にか、壁と同化していた灰色の肌は暗緑色に変色している。
一つ目巨人の容貌はファンタジー常連のサイクロプスそのものだ。手には何処から取り出したのか四メートルはありそうな大剣を持っている。未だ埋まっている半身を強引に抜き出し、無粋な侵入者を排除しようと三人の方に視線を向けた。
ドパンッ! ドパンッ!
その瞬間、凄まじい発砲音と共に電磁加速されたタウル鉱石の弾丸が二体のサイクロプスのたった一つの目に突き刺さり、そのまま脳をグチャグチャにかき混ぜた挙句、後頭部を爆ぜさせて貫通し、後ろの壁を粉砕した。
撃たれたサイクロプスはビクンビクンと痙攣したあと、前のめりに倒れ伏した。巨体が倒れた衝撃が部屋全体を揺るがし、埃がもうもうと舞う。
「……本当に、容赦ないわね」
「殺れる時に殺れ、というのが師匠の教えなので」
いろんな意味で酷い攻撃だった。これまで経験してきた修羅場を考えれば当然の行いなのだろうが、あまりに……あまりにサイクロプス達が憐れだった。
おそらく、彼等はこの扉を守るガーディアンとして封印か何かされていたのだろう。こんな奈落の底の更に底のような場所に訪れる者など皆無と言っていいはずだ。
ようやく訪れた役目を果たす時。もしかしたら彼等の胸中は歓喜で満たされていたのかもしれない。満を持しての登場だったのに相手を見るまでもなく大事な一つ目ごと頭を吹き飛ばされた。これを憐れと言わずして何と言うのか。
「……あっ」
「どうしたのよ?」
「いや、固有魔法を確認し損ねたなあ……と思いまして」
何もさせずに終わらせたので固有魔法を発動する場面を見ることができなかった。これは、固有魔法を習得する上で小さくない痛手となってくる。
トータスにおける魔法とは、体内の魔力を詠唱により魔法陣に注ぎ込み、魔法陣に組み込まれた式通りの魔法が発動するというプロセスを経る。
通常、魔力を直接操作することはできず、どのような効果の魔法を使うかによって正しく魔法陣を構築しなければならない。
そして、詠唱の長さに比例して流し込める魔力量は多くなり、魔力量に比例して威力や効果も上がっていく。また、効果の複雑さや規模に比例して書き込む式も多くなり、必然的に魔法陣自体も大きなものが必要となる。
例えば、RPG等で定番の”火球”を直進に放つだけでも、一般に直径十センチほどの魔法陣が必要になる。
基本は、属性・威力・射程・範囲・魔力吸収(体内から魔力を吸い取る)の式が必要で、後は誘導性や持続時間等付加要素が付く度に式を加えていき、魔法陣が大きくなっていくことになる。
しかし、この原則にも例外がある。それが魔法適性と呼ばれているものだ。
適性とは、この式を省略するための才能・体質のことである。例えば、火属性の適性があれば、式に属性を書き込む必要がなく、その分魔法陣を小さくできる。
この省略はイメージによって補完される。式を書き込む必要がない代わりに、詠唱時に火をイメージすることで魔法に火属性が付加されるのだ。
固有魔法もこの魔法の理から外れてはいない。技能に記された固有魔法はその適性を意味しており、”魔力操作”と相まって魔法陣を必要とせずに行使できる。その代わりに、固有魔法の発動にはイメージによる補完が重要になってくる。
そして、それには実際に固有魔法を発動している場面を目にするのが効果的だ。百聞は一見に如かず。実際に自分の目で見ることで具体的なイメージを掴む――
その機会を不意にしたことに気が付いたハジメは、サイクロプスの死骸を見ながら苦い表情を浮かべた。
「気にしても仕方がない。それより、今は……」
言いながら、キースは解体用ナイフでサイクロプスの体内から魔石を取り出した。
血塗れを気にするでもなく二つの拳大の魔石を扉まで持って行き、中央の窪みに合わせると魔石はピッタリと嵌まり込む。
直後、魔石から赤黒い魔力光が迸り魔法陣に魔力が注ぎ込まれていく。
パキャン!
そして、何かが割れるような音と共に光が収まった。その代わりとばかりに周囲の壁が発光を始め、久しく見ていないほどの明かりに満たされる。
三人は少し目を瞬かせ、警戒しながら、そっと扉を開いた。
扉の奥は光一つない暗闇に閉ざされていた。固有魔法”夜目”のおかげで闇の中でも行動できるハジメとは異なり、普通の人間(?)であるキースとフィーナは”暗視”スキルを保有していないため、闇魔法の補助呪文”ノクトビジョン”で視覚を確保する。
中は、聖教教会の大聖堂で見た大理石のように艶やかな石で出来ており、幾本もの太い柱が奥へ向かって二列に並んでいた。そして部屋の中央付近に巨大な立方体が置かれており、部屋に差し込んだ光を反射してつるりとした光沢を放っている。
その立方体を注視していたハジメは、何か光るものが立方体の前面の中央辺りから生えているのに気がついた。
「まずは……”錬成”」
一先ず、部屋の中を確認する前に扉を開けたままの状態で固定しておく。ホラー映画か何かのように、部屋の中に入った途端に扉を閉められるのを避けるためだ。
その声と魔力の光に反応したのだろう。部屋の中にいた”それ”は徐に顔を上げた。
「……だれ?」
掠れた、弱々しい女の子の声。
ビクリッとしたハジメは慌てて部屋の中央を凝視する。すると、先程の”生えている何か”がユラユラと動き出した。手前の部屋から差し込んだ光がその正体を暴く。
「人……なの?」
”それ”は人だった。
首辺りから下と両手を立方体の中に埋めたまま顔だけが出ており、長い金髪が某ホラー映画の女幽霊のように垂れ下がっている。そして、その髪の隙間から低高度の月を思わせる紅色の瞳が覗いていた。
年の頃は十二、三歳くらいだろう。随分やつれているし垂れ下がった髪で分かり辛いが、それでも美しい容姿をしていることがよくわかる。
流石に予想外だったハジメは硬直し、紅の瞳の女の子もどこか呆然とした面持ちでハジメを見つめていた。
「アナタは・・・何者なの?」
警戒の色を滲ませた表情で問いかけるフィーナ。弱々しい姿を見せる女の子に対して厳しい態度かもしれないが、フィーナが警戒の目を光らせるのは当然の対応だ。
なにせ、こんな奈落の底の更に底に封印されているような存在だ。それ相応の理由が存在するのは容易に想像できることであり、それが危険な理由ではない証拠などどこにもない。そして、三人には女の子を解放する理由はない。
問答無用で見捨てることなく女の子の話を聞こうとしているだけ、むしろ、フィーナの対応は十分に優しいものである。
「私は……」
その問いかけで我を取り戻した女の子は身の上を語り始めた。その声はもう何年も出していなかったように枯れ果てたものだった。
「私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前は必要ないって……おじ様……これからは自分が王だからって……私……それでもよかった……でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……」
波乱万丈……などという安易な言葉では言い表せないほどに、女の子の人生は波乱と悲劇に満ちたものだった。しかし、ところどころ気になるワードがあったので、ハジメは、内心の葛藤を抑えながら質問を投げかける。
「君は、どこかの国の王族だったの?」
「……(コクコク)」
「殺せないってどういうこと?」
「……勝手に治る。怪我しても直ぐに治る。首を落とされてもその内に治る」
「……そ、それは凄いね。……凄い力って、それ?」
「これもだけど……魔力、直接操れる……陣もいらない」
「……なるほどね」
ハジメも魔物を食べてから”魔力操作”が使えるようになった。身体強化に関しては詠唱も魔法陣も必要ない。錬成や他の固有魔法などに関しても詠唱は不要だ。
ただ、魔法適正が皆無であるハジメは魔法の行使には巨大な魔法陣が必要であり、碌に魔法が使えないことに変わりはない。
だが、この女の子のように魔法適性があれば反則的な力を発揮できるのだろう。なにせ、周りが詠唱やら魔法陣やらを準備している間に幾らでも魔法を撃てるのだから、並の実力者では勝負の土俵に上がることすらできない。
しかも、本体である彼女は不死身と来た。おそらく絶対的なものではないだろうが、それでも勇者すら凌駕するほどのチートであるのは間違いない。
「最後に……君の名前は?」
「私は……」
僅かに女の子は言い淀むような仕草を見せて……ここで名前を言わなければ信用してもらえないと考えたのか、自分の名前を口にした。
「アレーティア。アレーティア・ガルディエ・ウェスペリティリオ・アヴァタール」
「アレーティア……いい名前だね。自分の名前を大事にね」
そう言うと、ハジメは女の子を捕える立方体に手を置いた。
「あっ」
その意味に気が付いたのだろう。女の子……アレーティアは大きく目を見開く。
「わかってる? この娘が嘘をついてない保証はないのよ?」
「それでも僕は彼女を助けます」
「邪悪な存在が騙そうとしているだけかもしれないわ」
「その時はその時です」
「どうして、そこまで彼女を助けようとするの?」
「僕は……」
『ううん。見苦しくなんてないよ。むしろ私はあれを見て南雲くんのこと凄く強くて優しい人だと思ったんだもの』
「……僕は、彼女が認めてくれた自分を裏切りたくない。それだけです」
それは、オルクス大迷宮に挑戦する前日の夜の出来事。月光の差し込む窓辺で一時を過ごした少女の口にした言葉。
ただ情けないだけの自分を”優しい”と言ってくれた。”強い”と言ってくれた。そんな彼女の評価を裏切るような真似だけは絶対にしたくなかった。
だから、囚われた女の子の助けを求める声を切り捨てるような真似はできない。
「ふぅ……わかったわ。何かあった時は力になるから、アナタの好きにやりなさい」
「フィーナさん……ありがとうございます! ”錬成”っ!!」
魔物を食べてから変質した赤黒い、いや濃い紅色の魔力が放電するように迸る。
しかし、イメージ通りに変形するはずの立方体は、まるでハジメの魔力に抵抗するように錬成を弾いた。
だが、迷宮上下の岩盤のように全く通じないわけではないらしい。少しずつ……本当に少しずつではあるが、侵食するように真紅の魔力が立方体に迫っていく。
「っ、抵抗が強い! ……けど、今の僕なら!」
更に魔力を注ぎ込む。詠唱していたのなら六節は唱える必要がある魔力量だ。
ここまでやってようやく魔力が立方体に浸透し始める。既に、周りはハジメの魔力光によって濃い紅色に煌々と輝き、部屋全体が染められているようだった。
七節分……八節分……。少女の身体を封じる立方体が徐々に震え出す。
「まだまだぁ!」
気合を入れて九節分の魔力を注ぎ込む。属性魔法なら既に上位呪文級……否、それではお釣りが来るほどの魔力量だ。輝きを増す紅い光が宿主の姿を照らし出す。
アレーティアは目を見開き、この光景を一瞬も見逃さないとでも言うようにジッと見つめていた。
「……っ、これでも足りないのか! それなら、魔力全開だ!!」
魔法適性がゼロであるハジメはこれほどの量の魔力を扱ったことがない。ほんの少しでも制御を誤れば暴走してしまいそうなほどの魔力に、額から脂汗が噴き出る。
だが、ここまでしても立方体は変形する様子を見せない。後先の考えもなくハジメは全ての魔力を解放することにした。正真正銘、全力全開の魔力放出。持てる全ての魔力を注ぎ込み、意地の錬成を成し遂げる!
「あ……」
直後、アレーティアの周りの立方体がドロッと融解したように流れ落ちていき、少しずつ彼女の枷を解いていく。
それなりに膨らんだ胸部が露わになり、次いで腰、両腕、太ももと彼女を包んでいた立方体が流れ出す。一糸纏わぬ彼女の裸体はやせ衰えていたが、それでもどこか神秘性を感じさせるほど美しかった。
そのまま体の全てが解放された彼女は地面にペタリと座り込んだ。どうやら立ち上がるだけの力も残されていないようだ。
「ハアハア……ギリギリだった。まさか、魔力を使い切ることになるなんて……」
そして、それはハジメも同じだった。ほぼ全ての魔力を使い切ったハジメは激しい倦怠感に襲われて、地面に座り込んでしまった。
肩で息をする。荒い息を吐き、震える手で神水を取り出そうとして――その手をギュッと握られた。横目に様子を見ると真っ直ぐに自分を見つめる少女の顔があった。
顔は無表情だが、その奥にある紅眼には彼女の気持ちが溢れんばかりに宿っている。
「……ありがとう」
それはやはり呟きのように小さな声だったが……それでも、痛いほどに気持ちが込められた言葉だった。
「どういたしまして」
繋がれた手はギュッと握られたままだ。一体、どれだけの時をここで過ごしてきたのだろうか。少なくともハジメの知識にある吸血鬼族は数百年前に滅んだはずだ。この世界の歴史を学んでいる時にそう記載されていたと記憶している。
話している間も彼女の表情は動かなかった。それはつまり、表情の出し方を忘れるほど長い間、たった一人、この暗闇で孤独な時間を過ごしてきたということだ。しかも、話しぶりからして信頼していた相手に裏切られて。
人間というのは、五感を奪われると精神的に極度の不安な状態や緊張状態に襲われて精神崩壊を起こすと言われている。実際、光も音もない空間に45分以上いると発狂する、などという話もあるくらいだ。
少なくとも、通常の知的生命体が耐えられるようなものではない。あるいは、先程言っていた不死身の力が精神面も再生していたのかもしれない。だとすれば、それは狂うことすら許されない拷問の中にあったも同然と言っていいだろう。
(……神水を飲めるのはもう少し後かな)
そう苦笑いしつつ、気怠い腕に力を入れて握り返す。アレーティアはそれにビクンと反応すると、再びギュギュと握り返してきた。
「……名前、なに?」
そう言えば、まだ自己紹介をしていなかったと苦笑いを深める。此方は相手に名前を聞いておきながら、自分は名乗らないというのは流石に礼を失するだろう。
「ハジメ。南雲ハジメだよ」
アレーティアは「ハジメ、ハジメ」と、さも大事な物を刻み込むように繰り返し口にする。そんな彼女の下に、パーティ唯一の女性、フィーナが歩み寄る。
「二人共、イチャイチャするのは結構だけど……」
「イチャイチャ!? そんなことした覚えはありませんけど!!」
「取り敢えずは……」
そう言いながらフィーナは着ていた外套を差し出した。自分に警戒の目を向けてきた女性の接近に緊張していたアレーティアは、突然の行動に不思議そうな顔をする。
「これを着なさい。女の子が何時までも裸でいるのはいけないわ」
「……」
差し出された服を反射的に受け取りながら自分の体を見下ろすアレーティア。
確かに、スッポンポンだった。大事な所とか丸見えである。アレーティアは一瞬で真っ赤になると外套をギュッと抱き寄せ上目遣いでポツリと呟いた。
「ハジメのエッチ」
「……」
咄嗟に、キースの方に視線を向けるハジメ。
此方を見ていない。静かに、部屋の上の方を見ていた。自分だけ変質者の汚名を逃れたらしい。元の世界で強姦魔の汚名を着せられた経験が生きたのかもしれない。
なお、強姦魔の汚名を着せられたのは闘技大会で女性を相手に足関節技で大股開きにしたのが原因であり、性的な何かしらが原因ではない。……え? 大股開きにしている時点でアウト? それを言われたら……うん、何も言い返せない。
「ハジメ君。今の内に神水を飲んで魔力を回復させておくように」
「? 分かりました」
師匠の指示に怪訝な顔をしつつも、神水を飲んで魔力を回復させる。全身に活力が戻り、脳が回転を始める。そして”気配察知”を使い……凍りついた。とんでもない魔物の気配が直ぐ傍に存在することに気が付いたのだ。
場所はちょうど……上!
ハジメがソレに気が付いたのと、ソレが天井より降ってきたのはほぼ同時だった。
アレーティアをフィーナが抱き寄せたのを視界の隅で確認したハジメは、咄嗟に部屋の入口に向けて全力で”縮地”をする。一瞬で移動したハジメが振り返ると、直前までいた場所にズドンッと地響きを立てながらソレが姿を現した。
その魔物は体長五メートルほど。四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、八本の足をワシャワシャと動かしている。そして、二本の尻尾の先端には鋭い針が付いていた。
最も分かりやすい喩えをするならサソリだろう。二本の尻尾は毒持ちと考えた方が賢明だ。明らかに今までの魔物とは一線を画した強者の気配を感じる。ベヒモスを前にした時のような脅威を覚え、自然とハジメの額に冷や汗が流れる。
オォォオオオオオオ!!
しかし、封印部屋の罠はこの程度では済ませてくれなかった。部屋の左右に並べられた柱を内側からぶち破り、何体ものサイクロプスが飛び出してくる。
流石に、あの時のトラウムソルジャーほどの数がいるわけではない。だがその分、トラウムソルジャーなどとは比べ物にならない質を持ったサイクロプスが、三十もの数を以て一際強大な魔物であるサソリモドキと共に殺意を向けてくる。
「……本当に、あの時みたいだ」
部屋に入った直後は全開だった”気配察知”では何の反応も捉えられなかった。だが、今は”気配察知”でしっかり捉えている。
ということは、少なくともこのサソリモドキは、封印を解いた後に出てきたということだ。つまり、アレーティアを逃がさないための最後の仕掛けなのだろう。この部屋の門番をしていたサイクロプス達は言うに及ばない。それは取りも直さず、アレーティアを置いていけば逃げられる可能性があるということだ。
アレーティアをチラリと見る。フィーナに抱き抱えられた彼女は、サソリモドキになど目もくれず一心にハジメを見ていた。凪いだ水面のように静かな、覚悟を決めた瞳。その瞳が何よりも雄弁に彼女の意志を伝えていた。彼女は自分の運命をハジメに委ねたのだ。
その瞳を見た瞬間、彼女を安心させるように微笑みかけた。そして、彼女の生命を脅かす敵、サソリモドキに全力の敵意を向ける。
「けど、僕はもうあの時の僕じゃない」
あの時の何十何百倍もの実力を身に付けた。それに、そんな自分よりも遥かに強い師匠たちもいる。今の自分は、何が相手だろうと負ける気がしない。
「キース師匠」
「うん」
「フィーナさん」
「ええ」
「二人の力、お借りします! 彼女を助けるために力を貸してください!!」
☆
ありふれルート
第3話 黄金の吸血姫
☆
「まずは、取り巻きからだ!」
ドパンッ! ドパンッ!
初手は
しかし、ここで予想外のことが起きた。サイクロプス達の体が一瞬発光したかと思うと、その直後、直撃した弾丸を皮膚が弾いたのだ。
「っ!? 防御力強化の固有魔法!?」
ハジメの推測通り、サイクロプスの固有魔法は”金剛”。魔力を体表を覆うように展開し固めることで、文字通り金剛の如き防御力を発揮するというものだ。
その防御力は見ての通り電磁加速されたタウル鉱石製の弾丸を弾くほど。まず、近接戦闘を主とする前衛職では手も足も出ない。そして、魔法職でも対処できる者は限られるだろう。
だが、そんな道理を力尽くで捻じ伏せる人の形をした修羅がここにはあった。
「まずは武技だ! ”神降魔闘法”! ”金剛法”! ”エンチャントブレーカー”! ”ゴッズブレス”!」
全ステータスを一時的に強化する”錬気法”の最上位互換である”神降魔闘法”。
一定時間防御力向上、状態異常発生確率大幅低減、破壊力向上の”金剛法”。
攻撃命中時、対象の
知力値を半減、その分を筋力値に上乗せする”ゴッズブレス”。
戦闘終了後にステータス異常が必ず発生する”リミッターカット”こそ使用していないが、キースは持てる武技のほぼ全てを以て自らの肉体を強化する。
だが、肉体を強化するのは武技だけではない。魔法もまた彼の肉体を強化する。
「そしてこれもだな!」
(フィジカルエンチャント・ファイア!)
(フィジカルブースト・ファイア!)
(フィジカルエンチャント・アース!)
(フィジカルブースト・アース!)
(フィジカルエンチャント・ウィンド!)
(フィジカルブースト・ウィンド!)
(フィジカル・ウインド・アクア!)
(フィジカルブースト・アクア!)
(メンタルエンチャント・ライト!)
(メンタルブースト・ライト!)
(メンタルエンチャント・ダーク!)
(メンタルブースト・ダーク!)
(クロスドミナンス!)
(アクロバティック・フライト!)
(グラビティ・メイル!)
(サイコ・ポッド!)
(アクティベイション!)
(リジェネレート!)
(ボイド・スフィア!)
(ダーク・シールド!)
(ファイア・ヒール!)
(エンチャンテッド・アイス!)
(ヒート・ボディ!)
(レジスト・ファイア!)
(レジスト・アース!)
(レジスト・ウィンド!)
(レジスト・アクア!)
(レジスト・ライト!)
(レジスト・ダーク!)
(レジスト・ディグレード!)
(レジスト・メルト!)
(レジスト・スチーム!)
(レジスト・サンダー!)
(レジスト・アイス!)
(レジスト・プラント!)
(十二神将封印!)
(ミラーリング!)
この時、使用された補助技能は”無音詠唱”と”詠唱破棄”、そして”呪文融合”の三つ。
”詠唱破棄”により呪文詠唱を省略して呪文名のみの呪文発動を可能とした上で、更に”無音詠唱”によりその呪文名も無音とすることで完全無詠唱を実現する。
そして、呪文の同時詠唱を可能とする”呪文融合”で37もの呪文を同時発動する。
ズドンッ!!!
人体が発生させるはずのない大砲の発射音の如き轟音と共に、レールガンでも打ち破ることのできない”金剛”の護りが力尽くで突破される。
胸部に穴を開けた同胞の姿に、サイクロプス達はその一つ目を大きく見開いた。まさか、自分達の固有魔法が正面から破られるとは夢にも思わなかったのだ。
だが、驚愕したのは彼等だけではない。アレーティアもまたそれは同じだった。
目の前の二人は魔法陣や詠唱を使用せず魔法の如き現象を起こした。つまり、二人は自分と同じく、魔力を直接操作する術を持っていることに彼女は気が付いたのだ。
自分と”同じ”、そして、何故かこの奈落にいる。そんな場合ではないと分かっていながらサソリモドキよりも目の前の二人を意識せずにはいられなかった。
一方、サイクロプスは取り巻きのサイクロプスが倒されたことなど気にも留めず、ギチギチと不快な音を立てながら躙り寄ってくる。
サソリモドキの初手は尻尾の針から噴射された紫色の液体だった。一瞬肥大化した尻尾の針から噴射されたそれは、凄まじい速度でアレーティアに飛来する。動けない彼女の前に立ったフィーナが、迫り来る紫の液体を詠唱破棄した呪文で迎え撃つ。
「アイス・ウォール!」
――氷魔法 壁呪文 ”アイス・ウォール”
氷の壁を作り出す呪文”アイス・ウォール”。熱を帯びる攻撃に対して高い防御性能を持つ氷の壁が、サソリモドキの噴射した紫色の液体を受け止める。
着弾した液体はジュワーという音を立てて瞬く間に氷の壁と床を溶かしていく。どうやら溶解液の類のようだ。
ハジメはそれを横目で確認しつつ、二丁の電磁加速銃の引き金を引いた。
ドパンッ! ドパンッ!
最大威力。秒速三・二キロメートルの弾丸がサソリモドキの頭部に炸裂する。
……しかし、
「こっちにも通じないのか……!」
その表情は今までになく険しい。ハジメには、”気配感知”と”魔力感知”でサソリモドキが微動だにしていないことがわかっていたからだ。
それを証明するようにサソリモドキのもう一本の尻尾の針がハジメに照準を合わせた。そして、尻尾の先端が一瞬肥大化したかと思うと凄まじい速度で針が撃ち出された。避けようとするハジメだが、針が途中で破裂し散弾のように広範囲を襲う。
「ぐっ!」
苦しげに唸りながらドンナーで撃ち落とす。それでも凌ぎ切るには事足りず、師匠であるキースに叩き込まれた身のこなしで無数の針を払い除ける。
お返しとばかりにシュラークを発砲。同時、空中にドンナーを放り投げ、その間にポーチから取り出した手榴弾を投げつける。
サソリモドキはレールガンの一撃を再び耐えきり、更に散弾針と溶解液を放とうとした。しかし、その前にコロコロと転がってきた直径八センチ程の手榴弾がカッと爆ぜる。その手榴弾は爆発と同時に中から燃える黒い泥を撒き散らす。
所謂、”焼夷手榴弾”というやつだ。奈落の底の第三階層で手に入れたフラム鉱石を利用したもので、摂氏三千度の付着する炎を撒き散らす。
======================================
フラム鉱石
艶のある黒い鉱石。熱を加えると融解しタール状になる。融解温度は摂氏50度ほどで、タール状の時は摂氏100度で発火する。その熱は摂氏3000度に達する。燃焼時間はタール量による。
======================================
流石に、これは効いているようでサソリモドキが攻撃を中断して、付着した炎を引き剥がそうと大暴れした。巻き込まれてはたまらないとサイクロプス達も”金剛”で防御態勢を取る。その隙に地面に着地したハジメは、既にキャッチしていたドンナーとシュラークを素早くリロードする。
「・・・へえ。熱に弱いのね? それならこれを食らいなさい! ”ヘルズ・フレイム”!!」
――禁呪 ”ヘルズ・フレイム”
赤と黒からなる地獄の炎が消えかけた付着する炎を上書きする。魔法技能の合計レベルが820以上というとんでもない条件で解放される禁呪は、その取得条件である称号【呪文理外の証】が示すように、まさに理外の威力を発揮する。
燃え尽きることのない地獄の炎はサソリモドキの行動を苦痛と共に阻害しており、それが如何に”禁呪”の威力が強大なものかを示している。
「今の内だな。”アポーツ”!」
――時空魔法 補助呪文 ”アポーツ”
この世界を訪れた時に『アイテムボックス』を喪失しているキースは、本来ならそれほど多くの武器を持ち歩くことができない。その欠点を強引に解決する方法こそが”アポーツ”による武装の召喚だ。
時空魔法の防御呪文”マイクロ・ブラックホール”に飲み込まれた”オリハルコン球”を引き寄せることすら可能なこの呪文ならば、各階層の拠点に残してきた武装を引き寄せることなど容易にできる。今回、召喚したのはタウル鉱石製の馬上槍だ。
(ショート・ジャンプ!)
――時空魔法 転移呪文 ”ショート・ジャンプ”
目視範囲にある一点に転移する超短距離のテレポート。サソリモドキの頭上に転移したキースは、飛行呪文”アクロバティック・フライト”の効果で体勢を維持。その姿を目にしたフィーナが”ヘルズ・フレイム”を解除する。
(グラビティ・ハンマー!)
――時空魔法 攻撃呪文 ”グラビティ・ハンマー”
本来、重力の力場を叩きつけることで敵を攻撃する”グラビティ・ハンマー”で、キースは自らの肉体をサソリモドキに向けて射出する。
「マキシマム・チャージ!」
最後に馬上槍の武技であるマキシマムチャージで貫通力を高める。騎乗していないので本領は発揮できないが、それでも並の魔物なら一撃で葬り去る威力の突撃。
ズガンッ!!
凄まじい衝撃音と共にサソリモドキの胴体が地面に叩きつけられる。直撃を受けた外殻にクレーター状のヒビが入り、しかし、その生命を奪うまでには至らない。そして、硬度8のタウル鉱石で作られているはずの馬上槍が砕け散る。
攻撃の威力に馬上槍が耐えきれなかったのだ。仮に、この場にもっと強力な武装があったとすれば、今の一撃で勝負は決していたことだろう。
続けて、”アポーツ”で引き寄せたタウル鉱石製の太刀で斬りかかるが、ガキッという金属同士がぶつかるような音を響かせただけで、やはり外殻をすることは敵わない。それどころか、ひび割れたはずの外殻が少しずつ修復されていく。
「キシャァァァア!!」
その光景にキースが目を丸くしていると、サソリモドキは「いい加減にしろ!」とでも言うように、散弾針を自分の背中目掛けて撃ち放つ。
キースは速攻でその場を飛び退き空中で身を捻ると、散弾針の尻尾の付け根目掛けて太刀を投擲する。超速の刃が狙い違わず尻尾の先端側の付け根部分に当たり尻尾を大きく弾き飛ばすが……尻尾の先の細い部分まで硬い外殻に覆われているようでダメージがない。完全に攻撃力不足だ。
空中のキースを四本の大バサミが嵐の如く次々と襲う。しかし、複雑な空中機動を可能とする”アクロバティック・フライト”を発動中のキースは、加速と減速、様々なマニューバを駆使することで、全ての大バサミを見事に回避する。
その隙を逃さずにハジメは”焼夷手榴弾”をサソリモドキの背中に投げ込む。爆発四散したタールが再びサソリモドキを襲うが時間稼ぎにしかならないだろう。
「”ディメンション・ソード”!」
――時空魔法 単体攻撃呪文 ”ディメンション・ソード”
しかし、その僅かな時間こそが彼等には必要だった。次元のズレによって対象を攻撃するこの呪文は、防御力を無視してダメージを与える防御無視攻撃だ。威力はそこまで高くはないが、サイクロプスを仕留める程度は十分にできる。
その術者はフィーナ。サソリモドキの攻撃の余波を固有魔法で防ぎながら、サイクロプス達は少しずつ彼女達の下に迫って来ていたのだ。
「チェァァァァァァァァァァァァァァーーーッ!」
「あなたっ!」
それはキースの狂気を解き放つのに十分な光景だった。”エンチャントブレーカー”により”金剛”を無効化されたサイクロプスは、刀の一振りでその首を刎ねられる。
(ディスペル・マジック!)
――無属性魔法 対抗呪文 ”ディスペル・マジック”
同時に、”魔法効果拡大”と”魔法範囲拡大”で強化した”ディスペル・マジック”をサイクロプスの群れに解き放つ。この呪文は魔法などによる効果を打ち消す対抗呪文。適応済みのエンチャントを打ち消すことができる数少ない術の一つだ。
勿論、再度エンチャントを施せばいいだけの話ではあるのだが、そのタイムラグはこの男の前ではあまりに致命的なものであった。
ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ!
六条と六条、合わせて十二条の紅い閃光がサイクロプスの一つ目を貫通する。”金剛”の護りが失われた一瞬を逃すことなく、紅の閃光が幼気な少女を狙う巨人の生命を奪い取る。
ふう、と息を吐いて彼女達の傍に着地したのはハジメだ。十二体もの巨人を一瞬で撃ち殺したハジメは、手早く
「キィャャャャャャャャャャャャャャャャーーーッ!」
キースが最後のサイクロプスを斬り殺した直後、今までないサソリモドキの絶叫が響き渡った。
「キィィィィィイイ!!」
咆哮と同時に周囲の地面が波打ち、轟音を響かせながら円錐状の棘が突き出す。
「「”ストーン・ウォール”!!」」
――土魔法 壁呪文 ”ストーン・ウォール”
円錐の棘に対して、キースとフィーナは土の壁を作り出す呪文で対抗する。サソリモドキの支配力は並大抵のものではなく、二人の作り出した土の壁を瞬く間に支配するが……その僅かな時間があれば、”錬成師”であるハジメには十分だった。
「それは僕の十八番だ」
地面に右手を置いて錬成を行使する。周囲三メートル以内が波打つのを止め、代わりに石の壁が四人を囲むように形成される。
周囲から円錐の棘が飛び出し四人を襲うが、その尽くをハジメの防壁が受け止める。一撃当たるごと崩されるが、直ぐさま新しい壁を構築することで寄せ付けない。
封印の守護者であるサソリモドキの固有魔法は地形を操作するものであり、万が一、アレーティアの封印が解かれた場合は彼女を再封印する役割を与えられている。
当然、その地形操作能力はあの立方体に干渉できるほどであり、並の”土術師”や”錬成師”とは桁違いの規模と強度、攻撃性を誇っている。
だが―――――その錬成速度だけはハジメの方が上だった。
錬成範囲は三メートルから増えてないので頭打ちっぽい上に、棘は作り出せても威力はなく飛ばしたりもできない。攻撃性能は皆無と言っていいだろう。それでも防御性能に関してはハジメの錬成の方が上手だった。
もっとも、サソリモドキの武器は固有魔法だけではない。籠城を決め込んだ四人に向けて、サソリモドキの散弾針と溶解液の尻尾がピタリと照準を合わせる。
「「”アイス・ウォール”!」」
次の瞬間、両尻尾から散弾針と溶解液が標的を殺すべく発射された。二人がかりの”アイス・ウォール”が散弾針を受け止め、溶解液を押し留める。
「どうしたものかな? まさか、キース師匠のマキシマム・チャージでも貫通できないなんて……いくら何でも硬すぎる」
「・・・一応、あの外殻を突破する手段はあるよ」
「そうなんですか!?」
「”イベント・ホライズン”という禁呪だよ。ただ、この呪文は出来れば使いたくない」
「それは、どうして?」
「この呪文には大きな問題がある」
”イベント・ホライズン”。この呪文はあまりにも絶大な効果を持った呪文である。
単体指定の攻撃呪文であると同時に隔離封印を行うこの呪文は、対象を別次元に吹き飛ばし、その存在そのものを消し去ってしまう。
文字通り、攻撃対象が消滅するのだ。
当然、サソリモドキの素材を確保することが不可能になる。これ以外に選択肢がないのならば、この呪文を使うのも仕方ないが、まだ手詰まりというわけではない。
可能であれば、この呪文を使わずにあの蠍を倒したいというのがキースの本音だ。
「……どうして」
「ん?」
「どうして逃げないの?」
自分を置いて逃げれば助かるかもしれない、その可能性を理解しているはずだと言外に告げるアレーティア。それに対して、ハジメは苦笑いを浮かべる。
「僕のことを優しいと言ってくれた人がいるからかな」
「え?」
「僕はさ、小さい頃から誰かに敵意や悪意を持つことがどうにも苦手だったんだ。誰かと喧嘩しそうになった時は何時も僕の方が折れていた。自分が我慢すれば話はそこで終わり。喧嘩するよりずっといい。そんなヘタレだったんだ」
中には、ハジメのことを優しいという人もいるかもしれない。それでも当の本人は自分のそれをただのヘタレだと認識していた。
「けど彼女は……白崎さんはそんな僕のことを優しい人だと言ってくれた。弱くても立ち向かえる人、他人のために頭を下げられる人……ただのヘタレでしかない僕を強い人だと言ってくれた。そんな彼女の言葉を裏切るような真似だけはしたくない」
だから、ここで助けたアレーティアを見捨てるという選択肢はない。少しくらい強い敵が現れたぐらいで誰かを見捨てるような情けない男にはなりたくない。
それは、自分の為に誰かを救う、という傲慢さを伴う理由であった。しかし、だからこそ、信頼していた相手に裏切られた彼女も素直に受け入れることができた。
納得したように頷いたアレーティアは、いきなりハジメの体に抱きついた。
「な、なに? どうしたの?」
状況が状況だけに、いきなり何してるの? と若干動揺するハジメ。そろそろサソリモドキが新しい手を打ってきてもおかしくはない。そうなれば戦闘再開だ。早く戦闘態勢に入らなければならない。
だが、そんなことは知らないとばかりにアレーティアはハジメの首に手を回した。
「ハジメ……信じて」
そう言ってアレーティアは、ハジメの首筋にキスをした。
「ッ!?」
否、キスではない。彼女は首筋に噛みついたのだ。
首筋にチクリを痛みを感じる。そして、体から力が抜き取られているような違和感を覚えたハジメは咄嗟に振りほどこうとしたが、アレーティアが自分は吸血鬼だと名乗っていたことを思い出し、直ぐに吸血されているのだと理解した。
『信じて』
その言葉はきっと、吸血鬼に血を吸われるという行為に恐怖、嫌悪しても逃げないでほしいということだろう。
そう考えて苦笑を浮かべたハジメは、しがみつくアレーティアの体を抱き締めて支えてあげた。一瞬、ピクンと震えるアレーティアだが、更にギュッと抱きつき首筋に顔を埋める。どことなく嬉しそうなのは気の所為だろうか。
「時間稼ぎはオレがしておこう」
((((((グラビティ・プリズン!))))))
((((((ホーリー・プリズン!))))))
((((((レインボー・チェイン!))))))
((((((ブラックベルト・ラッピング!))))))
((((((キャタラクト!))))))
((((((アイス・コフィン!))))))
(ミラーリング!)
闇の帯と虹の鎖で縛り付けたサソリモドキを氷の棺の中に封じ込め、更に重力の檻と光の格子でその拘束をより強固なものとする。
だが、その内側ではサソリモドキの外殻が波打ち氷の棺を内部から破壊しようとしている。既に闇の帯と虹の鎖は形状変化する外殻によって切り裂かれ、その身を覆い尽くす氷の棺桶も凄まじい速度で内側から削られている。
しかし、拘束が完全に破壊されるよりも吸血が終わる方が遥かに速かった。
アレーティアは、どこか熱に浮かされたような表情でペロリと唇を舐める。その仕草と相まって、幼い容姿なのに何処か妖艶さを感じさせる。どういうわけか、先程までのやつれたような姿は微塵もなく、ツヤツヤと張りのある白磁のような白い肌が戻ってきていた。頬は夢見るような薔薇色だ。紅の瞳は温かな光を薄らと放っていて、その細く小さな手は、そっと撫でるようにハジメの頬に置かれている。
「……ごちそうさま」
そう言うと、アレーティアは、徐ろに立ち上がりサソリモドキに向けて片手を掲げた。同時に、その華奢な身からは想像も出来ない莫大な魔力が噴き上がり、彼女の魔力光なのだろう――黄金色が暗闇を薙ぎ払った。
そして、神秘に彩られたアレーティアは、魔力色と同じ黄金の髪をゆらりゆらゆらと靡かせながら、一言、呟いた。
「”蒼天”」
その瞬間、サソリモドキの頭上に直径六、七メートルはありそうな青白い炎の球体が出来上がる。その炎の球体は直撃したわけでもないのに氷の棺を溶かすほどの熱量を秘めている。自由の身であれば、サソリモドキは逃げようとしたことだろう。
だが、その願いが叶うはずもない。ピンッと伸ばされた綺麗な指がタクトのように優雅に振られる。青白い炎の球体は指揮者の指示を忠実に実行し、氷の棺に閉じ込められたサソリモドキに降り注いだ。
「グゥギィヤァァァアアア!?」
着弾と同時に青白い閃光が辺りを満たし何も見えなくなる。視界が閃光に覆い隠される中で、サソリモドキの絶叫が聞こえてきた。明らかに苦悶の悲鳴だ。ハジメは腕で目を覆いながら、その壮絶な魔法を只々呆然と眺めた。
やがて、魔法の効果時間が終わり青白い炎が消滅する。後には背中の外殻を完全に融解させて、息絶えたサソリモドキの姿があった。
「ドワォ……」
あの摂氏三千度の”焼夷手榴弾”でも溶けず、キースのマキシマム・チャージでも破ることが出来なかった化け物の防御を破り、その生命に終止符を打ったアレーティアの魔法に、ハジメは魂が抜けたように呟くしかなかった。
トサリと音がして、ハジメが驚異的な光景から視線を引き剥がし、そちらを見やると、アレーティアが肩で息をしながら座り込んでいる姿があった。
「アレーティアさん、大丈夫?」
「ん……最上級……疲れる」
「そっか、魔力が枯渇したのか……もう一回、吸っておく?」
「ん!」
再び自分の体に抱きつくアレーティアに苦笑を浮かべてしまうハジメ。迷宮攻略がいつ終わるのか分からないが、どうやら頼もしい仲間がまた一人増えたようだ。
パンドラの箱には厄災と一握りの希望が入っていたという。どうやらこの部屋に入る前に出したその喩えは、なかなかどうして的を射ていたらしい。そんなことを思いながら、ハジメは彼女の体を抱き締めるのだった。
☆
サソリモドキを倒した一行は、サソリモドキとサイクロプスの素材やら肉やらを拠点に持ち帰った。
その巨体と相まってかなり苦労したのだが、最上級魔法の行使により、へばったアレーティアに再度血を飲ませると瞬く間に復活し見事な怪力を発揮してくれたため、四人がかりで何とか運び込むことができた。
ちなみに、そのまま封印の部屋を使うという手もあったが、アレーティアが断固拒否したためその案は没となった。無理もない。何年も閉じ込められていた場所など見たくもないのが普通だ。これには、残りの三人も反対意見は出さなかった。
そんな訳で、現在一行は、消耗品を補充しながらお互いのことを話し合っていた。
(まさかの三百歳……流石は異世界。ロリババアが実在するなんて……)
ハジメの記憶では三百年前の大規模な戦争のおり吸血鬼族は滅んだとされていたはずだ。実際、アレーティアも長年、物音一つしない暗闇に居たため時間の感覚は殆どないそうだが、それぐらい経っていてもおかしくないと思える程には長い間封印されていたという。二十歳頃に封印されたというから、三百歳ちょいということだ。
「……ハジメ、変なこと考えた?」
「いや、何も」
とぼけるハジメだが、その実、女の勘の鋭さに内心では冷や汗をかいていた。このままではボロが出そうなので、別の質問をすることで誤魔化すことにした。
「吸血鬼って、そんなに長生きするの?」
「……私が特別。”再生”で歳も取らない……」
曰く十二歳の時、魔力の直接操作や”自動再生”の固有魔法に目覚めてから歳を取っていないらしい。普通の吸血鬼族も血を吸うことで他の種族より長く生きるらしいが、それでも二百年くらいが限度なのだそうだ。
ちなみに、人間族の平均寿命は七十歳、魔人族は百二十歳、亜人族は種族によるらしい。エルフの中には何百年も生きている者がいるとか。
アレーティアは先祖返りで力に目覚めてから僅か数年で当時最強の一角に数えられていたそうで、十七歳の時に吸血鬼族の王位に就いたという。
なるほど、あのサソリモドキの外殻を融解させた魔法を、ほぼノータイムで撃てるのだ。しかも、ほぼ不死身の肉体。行き着く先は”神”か”化け物”か、ということだろう。アレーティアは後者だったということだ。
欲に目が眩んだ叔父が、彼女を化け物として周囲に浸透させ、大義名分のもと殺そうとしたが”自動再生”により殺しきれず、やむを得ずあの空間に封印したのだという。
彼女自身、当時は突然の裏切りにショックを受けて、碌に反撃もせず混乱したまま何らかの封印術を掛けられ、気が付けば、あの封印部屋にいたらしい。
そのため、あのサソリモドキや封印の方法、どうやって奈落に連れて来られたのかは残念ながら分からないそうだ。
「なに、そのチート……僕なんて魔法適性が皆無なのに……」
また、彼女の力についても話を聞いた。それによると、彼女は全属性に適性があるらしい。魔法適性が皆無のハジメからすると羨ましいばかりである。
但し、接近戦は苦手らしく、一人だと身体強化で逃げ回りながら、或いは”自動再生”の力を頼りにダメージを無視しながら魔法を連射するくらいが関の山らしい。もっとも、その魔法が強力無比なのだから大したハンデにはなっていないのだが。
ちなみに、無詠唱で魔法を発動できるそうだが、癖で魔法名だけは呟いてしまうらしい。魔法を補完するイメージを明確にするために何らかの言動を加える者は少なくないので、この辺はアレーティアも例に漏れないようだ。
”自動再生”については、一種の固有魔法に分類されるらしく、魔力が残存している間は、一瞬で塵にでもされない限り死なないそうだ。
逆に言えば、魔力が枯渇した状態で受けた傷は治らないということ。つまり、あの時、長年の封印で魔力が枯渇していたアレーティアは、サソリモドキの攻撃を受けていればあっさり死んでいたということになる。
「それで……肝心の話だけど、アレーティアさんはここがどの辺りか分かる? 他に地上への脱出の道とか……」
「……わからない。でも……」
アレーティアにもここが迷宮のどの辺なのかはわからないらしい。申し訳無さそうにしながら、何か知っていることがあるのか話を続ける。
「……この迷宮は反逆者の一人が作ったと言われてる」
「反逆者?」
聞き慣れない上に、何とも不穏な響きに思わず錬成作業を中断してアレーティアに視線を転じるハジメ。ハジメの作業をジッと見ていたアレーティアも合わせて視線を上げると、コクリと頷き続きを話し出した。
「反逆者……神代に神に挑んだ神の眷属のこと。……世界を滅ぼそうとしたと伝わっている」
アレーティアは言葉の少ない無表情娘なので、説明には時間がかかる。ハジメとしては、まだまだ消耗品の補充に時間がかかるし、今回の戦いで攻撃力不足を痛感したことから新兵器の開発に乗り出しているため、作業しながらじっくり聞く構えだ。
曰く、神代に、神に反逆し世界を滅ぼそうと画策した七人の眷属がいたそうだ。しかし、その目論見は破られ、彼等は世界の果てに逃走した。
その果てというのが、現在の七大迷宮と言われているらしい。この【オルクス大迷宮】もその一つで、奈落の底の最深部には反逆者の住まう場所があると言われているのだとか。
「……そこなら、地上への道があるかも……」
「なるほどね。確かに奈落の底から徒歩で迷宮を上がってくるとは思えない。神代の魔法使いなら転移系の魔法で地上とのルートを作っている可能性は十分にある」
見えてきた可能性に思わず頬を緩ませるハジメ。彼は視線を手元に戻すと作業を再開させる。すると、アレーティアの視線もまたハジメの手元に戻る。
「……そんなに面白い?」
「……(コクコク)」
(抱きしめたいなぁ、ガ○ダム!)
袖先からちょこんと小さな指を覗かせ膝を抱える姿は何とも愛嬌があり、その途轍もなく整った容姿も相まって抱き締めたくなる可愛さだ。
現在、”服飾”スキルを取得しているフィーナがアレーティアの衣服を作製中であるため、だぶだぶの外套を着た愛らしい姿を見ることができるのは今だけだ。
「……これ、なに?」
ハジメの錬成により少しずつ出来上がっていく何かのパーツ。一メートルを軽く超える長さを持った筒状の棒や十二センチ(縦の長さ)はある赤い弾丸、その他細かな部品が散らばっている。
それは、[[rb:二丁の電磁加速銃 > ドンナー&シュラーク]]の威力不足を補うために開発した新たな切り札となる兵器だ。
「これはな……対物ライフル――レールガンバージョンだよ。僕の銃は見せたでしょ? 要するに、あれの強化版。弾丸も特製だよ」
その説明通り、それらのパーツを組み合わせると全長一・五メートル程のライフル銃になる。銃の威力を上げるにはどうしたらいいかを考えたハジメは、炸薬量や電磁加速が限界値にあるドンナーとシュラークでは、これ以上の大幅な威力上昇は望めないと結論し、より高い威力を持つ新たな銃を作ることにしたのだ。
当然、威力を上げるには口径を大きくし、加速領域を長くしてやる必要がある。
そこで、考えたのが対物ライフルだ。装弾数は一発と少なく、持ち運びが大変だが、理論上の威力は絶大だ。何せ、現行の二丁ですら、最大出力なら通常の対物ライフルを軽く凌駕する破壊力を持っているのだ。普通の人間なら撃った瞬間、射手の方が半身を粉砕されるだろう反動を持つ化け物銃なのである。
この新たな対物ライフル――シュラーゲンは、理論上、最大威力でドンナーとシュラークの更に数倍の威力が出る……はずである。
素材はサソリモドキの外殻だ。氷の棺に封じられたサソリモドキが外殻を変形させたのを目にしたハジメが、まさかと思いつつもサソリモドキの外殻を調べてみたところ、本当に”鉱物系鑑定”ができたのである。
======================================
シュタル鉱石
魔力との親和性が高く、魔力を込めた分だけ硬度を増す特殊な鉱石。
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どうやら、サソリモドキのあの硬さはシュタル鉱石の特性だったらしい。おそらくは三百年の時を掛けてサソリモドキ自身の膨大な魔力を込めに込めたのだろう。道理で、キースのマキシマム・チャージでも完全には砕けなかったわけである。
鉱石なら加工できるのでは、と試しに錬成をしてみたところ、あっさり出来てしまい、これなら錬成で簡単に外殻を突破できたと崩れ落ちたのは悲しい思い出だ。
良い素材が手に入って結果オーライと割り切ったハジメは、より頑丈な銃身を作れると考え、シュラーゲンの開発に着手した。ドンナーとシュラークを作製した時から相当腕が上がっているので、それなりにスムーズに作業は進んだ。
弾丸にも拘った。タウル鉱石の弾丸をシュタル鉱石でコーティングする。所謂、フルメタルジャケット……モドキ、だ。燃焼粉も最適な割合で圧縮して薬莢に詰める。
一発出来れば、錬成技能[+複製錬成]により、材料が揃っている限り同じものを作るのは容易なのでサクサクと弾丸を量産した。
そんなことをツラツラと語りつつ、ハジメは、遂にシュラーゲンを完成させた。
中々に凶悪なフォルムで迫力がある。ハジメは自己満足に浸りながら作業を終えた。丁度、お腹も減ってきたので、キース達にも声をかけて食事を摂ることにした。
「それじゃご飯に……って、アレーティアさんが食べるのはまずいよね? あんな痛みを味わわせる訳にはいかないし……いや、”自動再生”があれば大丈夫かな?」
三人で魔物の肉を食べるのが日常になっていたが、普通の人間は魔物の肉を食べれば砕け散ることを思い出し、食べられるだろうかとアレーティアに視線を送る。
その視線を受けたアレーティアは、ハジメの発明品をイジっていた手を止めて向き直ると「食事はいらない」と首を振った。
「まぁ、三百年も封印されて生きているんだから食べなくても大丈夫だろうけど……飢餓感とか感じたりしないの?」
「感じる。……でも、もう大丈夫」
「大丈夫? 何か食べたの?」
お腹は空くけどもう満たされていると言うアレーティアに怪訝そうな眼差しを向けるハジメ。対して、アレーティアは真っ直ぐにハジメを指さした。
「……ん。ハジメの血」
「ああ、僕の血。なるほど、吸血鬼だから人の血が食事になるんだ」
「……普通の食事でも栄養はとれる。……でも血の方が効率的」
吸血鬼は血さえあれば平気らしい。ハジメから吸血したので、今は満たされているようだ。なるほど、と納得しているハジメを見つめながら、何故かアレーティアがペロリと舌舐めずりをした。
「……ど、どうして舌舐めずりをしたのかな?」
「……ハジメ……美味……」
「び、美味って……僕の体は魔物の血肉を節操なく取り込んだゲテモノだよ?」
「……熟成の味……」
「……」
アレーティア曰く、何種類もの野菜や肉をじっくりコトコト煮込んだスープのような濃厚で深い味わいらしい。
最初に吸血された時、やけに恍惚としているようだったが……どうやら、気の所為ではなかったようだ。飢餓感に苦しんでいる時に極上の料理を食べたようなものだから無理もない……のだが、妖艶な空気を醸し出すのはやめてほしい。
こういう時、彼女が歳上であることを実感してしまうのだが、幼い容姿と相まって、なんとも背徳的な感じがしてしまい落ち着かないことこの上ないのだ。
「……美味」
「……勘弁してください」
色んな意味で、この新たな仲間は一筋縄では行かないかもしれない。若干、冷や汗を流すハジメであった。
☆
■アレーティア・ガルディエ・ウェスペリティリオ・アヴァタールが加入しました。
■魔鋼蠍の小刀が開発されました。
■魔鋼蠍の刀が開発されました。
■魔鋼蠍の斬馬刀が開発されました。
■魔鋼蠍のコラが開発されました。
■魔鋼蠍のククリ刀が開発されました。
■魔鋼蠍のデスサイズが開発されました。
■シュタルブレードが開発されました。
■シュラーゲンが開発されました。
ユニット名:南雲ハジメ
サイズ :M
移動力 :6
地形適応 :空A 陸A 海B
タイプ :空、陸
登場作品 :ありふれた職業で世界最強
モデル :イチナナ式(劇場版 マジンガーZ/INFINITY)
武器
・錬成
・格闘
・シュタルブレード
・ドンナー&シュラーク
・シュラーゲン
・シュラーゲン[MAP]
所有
・タウルブレード
・シュタルブレード
・ドンナー&シュラーク
・シュラーゲン
ユニット名:キース
サイズ :M
移動力 :6
地形適応 :空A 陸A 海B
タイプ :空、陸、海
登場作品 :サモナーさんが行く
モデル :真ゲッタードラゴン(ダイナミック企画オリジナル機体)
武器
・一騎当千
・呪文融合・封印式
・呪文融合・強化式
・呪文融合・拘束式
・カタストロフィ
・マキシマム・チャージ
未解放
・サモン・モンスター
・エクストラ・サモニング
・マイクロ・ブラックホール
・イベント・ホライズン
所有
・爪熊の小剣
・魔鋼蠍の小刀
・魔鋼蠍の刀
・魔鋼蠍の斬馬刀
・魔鋼蠍のコラ
・魔鋼蠍のククリ刀
・魔鋼蠍のデスサイズ
・シュタルブレード
ユニット名:フィーナ
サイズ :M
移動力 :5
地形適応 :空A 陸A 海B
タイプ :空、陸
登場作品 :サモナーさんが行く
モデル :パープルツー(銀河機攻隊 マジェスティックプリンス)
武器
・手斧
・ヘルズ・フレイム
・ディメンション・ソード
・英霊召喚:緋炎聖女
ユニット名:アレーティア・ガルディエ・ウェスペリティリオ・アヴァタール
サイズ :S
移動力 :7
地形適応 :空S 陸A 海B
タイプ :空、陸
登場作品 :ありふれた職業で世界最強
モデル :サイバスター(スーパーロボット大戦OGシリーズ)
武器
・緋槍
・砲皇
・破断
・凍氷
・凍柩
・蒼天
・天灼
・凍獄
武技名:神降魔闘法
分類 :共通武技
称号【拳神】を得ることで取得できる共通武技。
全ステータスを一時的に上昇させる武技”錬気法”の最上位互換。
武技名:金剛法
分類 :共通武技
称号【一騎当千】を得ることで取得できる共通武技。
一定時間防御力向上、状態異常発生確率大幅低減、破壊力向上であり”人馬一体”との重ねがけで騎乗馬にも効果が及ぶ。
武技名:エンチャントブレーカー
分類 :共通武技
称号【ジェノサイダー】を得ることで取得できる共通武技。
武技の発動中、攻撃が命中すると対象のエンチャントを無効化する効果を付与する。
武技名:ゴッズブレス
分類 :共通武技
称号【ファイナルウェポン】を得ることで取得できる共通武技。
”ブーステッドパワー”の上位互換。
生命力判定と精神力判定にプラス。知力値が半減、その分を筋力値に上乗せする。
更に、クリティカル率の向上。そして、使用中も他の武技・呪文を使用可能。
武技名:マキシマム・チャージ
分類 :馬上槍
突進攻撃。
呪文名:フィジカルエンチャント・ファイア
分類 :火魔法・付与呪文
筋力値を強化する呪文。筋力値に関わる判定全てにプラスがある。
呪文名:フィジカルブースト・ファイア
分類 :火魔法・付与呪文
筋力値を大きく上昇させる効果がある”フィジカルエンチャント・ファイア”の上位互換。
”フィジカルエンチャント・ファイア”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:フィジカルエンチャント・アース
分類 :土魔法・付与呪文
生命力を強化する呪文。生命力に関わる判定全てにプラスがある。
呪文名:フィジカルブースト・アース
分類 :土魔法・付与呪文
生命力を大きく上昇させる効果がある”フィジカルエンチャント・アース”の上位互換。
”フィジカルエンチャント・アース”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:フィジカルエンチャント・ウィンド
分類 :風魔法・付与呪文
敏捷値を強化する呪文。敏捷値に関わる判定全てにプラスがある。
呪文名:フィジカルブースト・ファイア
分類 :風魔法・付与呪文
敏捷値を大きく上昇させる効果がある”フィジカルエンチャント・ウィンド”の上位互換。
”フィジカルエンチャント・ウィンド”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:フィジカルエンチャント・アクア
分類 :水魔法・付与呪文
器用値を強化する呪文。器用値に関わる判定全てにプラスがある。
呪文名:フィジカルブースト・アクア
分類 :水魔法・付与呪文
筋力値を大きく上昇させる効果がある”フィジカルエンチャント・アクア”の上位互換。
”フィジカルエンチャント・アクア”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:メンタルエンチャント・ライト
分類 :光魔法・付与呪文
精神力を強化する呪文。精神力に関わる判定全てにプラスがある。
主に魔法に類する攻撃に対する防御においてダメージを軽減する。
状態異常レジスト判定にもプラス。また僅かであるが、MPの消費効率を上げる。
呪文名:メンタルブースト・ライト
分類 :光魔法・付与呪文
精神力を大きく上昇させる効果がある”メンタルエンチャント・ライト”の上位互換。
”メンタルエンチャント・ライト”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:メンタルエンチャント・ダーク
分類 :闇魔法・付与呪文
知力値を強化する呪文。知力値に関わる判定全てにプラスがある。
主に攻撃呪文のダメージ増加を目的に使用される。
補助スキルの【識別】【鑑定】【看破】にもプラス効果がある。
呪文名:メンタルブースト・ダーク
分類 :闇魔法・付与呪文
精神力を大きく上昇させる効果がある”メンタルエンチャント・ダーク”の上位互換。
”メンタルエンチャント・ダーク”と重ねがけができ、相乗効果は非常に大きい。
呪文名:クロスドミナンス
分類 :水魔法・付与呪文
”フィジカルエンチャント・アクア”の強化版で器用値を強化する。
両手利きになれる。
呪文名:アクロバティック・フライト
分類 :風魔法・補助呪文
飛行呪文”フライ”の強化版。
減速と加速、様々なマニューバを可能とする。
呪文名:グラビティ・メイル
分類 :時空魔法・付与呪文
敏捷値、筋力値、生命力を重力の支援で強化する呪文。
敏捷値、筋力値、生命力に関する判定全てにプラスがある。
主に物理戦闘能力の強化を目的に使用される。
魔法でなければダメージが通らない魔物にも有効になる。
呪文名:サイコ・ポッド
分類 :時空魔法・壁呪文
状態異常を防御する呪文。
但し完璧にではなく、状態異常発生確率を下げる効果となる。
呪文名:アクティベイション
分類 :雷魔法・付与呪文
ステータス異常の発生確率を大きく下げ同時に回避 、受けにも多少だが寄与する。
呪文名:リジェネレート
分類 :時空魔法・回復呪文
HPを徐々に回復し続ける呪文。他の回復呪文と併用することも可能。
呪文名:ボイド・スフィア
分類 :時空魔法・壁呪文
対象の両脇に直径1メートル程の球体を1個ずつ形成。
攻撃呪文、属性による特殊攻撃を吸い込み相殺する形で防御する。
矢には効果がないが、矢に掛かった魔法による効果は無効化可能。
一定の量を吸い込むと消滅する。
呪文名:ダーク・シールド
分類 :闇魔法・壁呪文
文字通り、闇の盾を形成する呪文。
呪文名:ファイア・ヒール
分類 :火魔法・回復呪文
HPを回復する。また、僅かにリジェネレートと同様の効果が付く。
呪文名:エンチャンテッド・アイス
分類 :氷魔法・付与呪文
対象全体に氷属性を付与する呪文。
呪文名:ヒート・ボディ
分類 :火魔法・付与呪文
対象全体に炎を纏わせる呪文。”エンチャンテッド・ファイア”の強化版。
接触した相手には火属性ダメージを継続で与える。
呪文名:レジスト・ファイア
分類 :火魔法・対抗呪文
火属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・アース
分類 :土魔法・対抗呪文
土属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・ウィンド
分類 :風魔法・対抗呪文
風属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・アクア
分類 :水魔法・対抗呪文
水属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・ライト
分類 :光魔法・対抗呪文
光属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・ダーク
分類 :闇魔法・対抗呪文
闇属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・ディグレード
分類 :塵魔法・対抗呪文
塵属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・メルト
分類 :溶魔法・対抗呪文
溶属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・スチーム
分類 :灼魔法・対抗呪文
灼属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・サンダー
分類 :雷魔法・対抗呪文
雷属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・アイス
分類 :氷魔法・対抗呪文
氷属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:レジスト・プラント
分類 :木魔法・対抗呪文
木属性の攻撃によるダメージを減らし、状態異常発生確率を低下させる呪文。
呪文名:十二神将封印
対象1体に対して呪文の効果を封じ続ける。
呪文の効果が出ないように封じるのでなく、効果自体を付与し続けるという意味であり、実質呪文の効果を強化するとともに、エンチャントを散らしてくる敵への対抗手段となる。
呪文の効果がより長く持続していて、しかも”ミラーリング”と重ね掛けが出来る。
呪文名:ミラーリング
分類 :禁呪
直前に使用した呪文の再利用。
強化系の呪文も効果の継ぎ足しがある。
呪文名:アイス・ウォール
分類 :氷魔法・壁呪文
氷の壁を作り出す呪文。
実体であるため通り抜ける事は困難だが、不可能という訳でもない。
過信は禁物。
魔物が通り抜けてくる可能性が低いため時間稼ぎに使える。
熱を帯びる攻撃(ブレス、火属性攻撃、溶属性攻撃)の防御効果は高い。
その反面、効果継続時間は削られてしまう。
呪文名:ヘルズ・フレイム
分類 :禁呪
赤と黒からなる地獄の炎で攻撃する。
術者がキャンセルしない限り燃え続け、対象に苦痛と行動阻害を与える。
呪文名:アポーツ
分類 :時空魔法・補助呪文
認識可能な所有物を手元に引き寄せる。
引き寄せられた物は手元にいきなり出現する。
呪文名:ショート・ジャンプ
分類 :時空魔法・転移呪文
目視範囲にある一点に飛ぶ事が出来る呪文。
超短距離のテレポート。
呪文名:グラビティ・ハンマー
分類 :時空魔法・単体攻撃呪文
重力の力場で攻撃する。
呪文名:ディメンション・ソード
分類 :時空魔法・単体攻撃呪文
次元のズレによって対象を攻撃する呪文。
遠距離になると効力が低下する傾向がある。
威力は高レベルである割に高くないが、防御力を無視してダメージを与える。
呪文名:ディスペル・マジック
分類 :無属性魔法・対抗呪文
魔法等による効果を打ち消す対抗呪文。
但し、複数の状態異常を打ち消す事はできず、状態異常1つを選択する形になる。
失敗する事もあるので過信は禁物。
高位の相手になるに従って成功率が低下する。
呪文名:ストーン・ウォール
分類 :土魔法・壁呪文
土の壁を作り出す呪文。
実体であるため通り抜ける事は非常に困難だが、不可能という訳でもない。
過信は禁物。
魔物が通り抜けてくる可能性が低いため時間稼ぎに使える。
壁の上を足場にする戦術は定番。
呪文名:グラビティ・プリズン
分類 :時空魔法・付与呪文
重力の檻で対象を抑え付ける呪文。ダメージは基本的にない。
対象の動きを大きく制限可能であり、完全に支援目的となる。
特に空中位置の魔物相手に有効。
ミスト系のように実体のない魔物には無効。
呪文名:ホーリー・プリズン
分類 :光魔法・単体攻撃呪文
光の檻に魔物を囲って閉じ込める呪文。見た目は格子状の光の檻。
対象の大きさによって範囲を広げることも可能。
檻の中に閉じ込められた魔物は格子にぶつかるとダメージを受ける。
味方は光の檻に自由に出入りができる。
呪文名:ブラックベルト・ラッピング
分類 :闇魔法・単体攻撃呪文
闇の帯で縛り上げる。
命中すると拘束する形で巻き付いてダメージを与え続ける。
呪文名:レインボー・チェイン
分類 :光魔法・単体攻撃呪文
虹色の鎖で縛り上げる。
【闇魔法】の呪文、ブラックベルト・ラッピングの【光魔法】バージョン。
拘束力はブラックベルト・ラッピングの方が上だが、此方は状態異常(麻痺、混乱、毒など)を対象に与える。
呪文名:キャタラクト
分類 :水魔法・範囲攻撃呪文
上空から水で押し潰す範囲攻撃呪文。単体相手で使うのが一般的。
群れ相手に使うと周囲を巻き込む事もあるので範囲攻撃呪文としている。
見た目は滝。
海中では効果がない。
呪文名:アイス・コフィン
分類 :氷魔法・単体攻撃呪文
氷の棺で動きを封じ込める。