うちはの呪詛師   作:万華鏡写輪眼かっこいい

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うちは日記 弐頁

 

 

 

 ×月×日

 

 入社1週間。

 

 まだ、双子に正体はバレていない。と言うよりも、誰にも俺の正体はバレていない。それも全ては、我が完全オビトスタイルがなせる業。配達業者として働いている時に必ず付けている渦巻仮面と真っ黒コートは、隠遁に特化した呪具である。

 

 仮面呪具「渦巻」

 2級呪具。オレンジ色が特徴の渦巻状の仮面。被った者を正しく認識することができなくなる術式が付与されている。被っている者が男なのか、それとも女なのか、年齢はどれくらいなのか等を正確に認識することができなくなる。また、被っている間は声が変化するため、声帯による判断も不可能。だが、一度仮面を取る姿を見られるとその相手には効果がなくなる。

 

 真っ黒コート呪具

 4級呪具。黒い外套。着けている者の気配を認識しづらくなる術式が付与されている。

 

 この二つがあるお陰で、入社1週間の今も正体はバレていない。多分、今後も目の前で仮面を取るようなポカをしなければ正体は隠し通せると思う。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 入社して多忙の2週間。

 

 やっと仕事が落ち着いた。マジで3日経ったくらいで普通にやめてやろうかと思うくらいには、きつかった。それくらいの仕事量を任されてた。

 

 その最大の原因は、神威。

 

 神威による移動は、短縮移動であって瞬間移動ではない。そのため、移動するときには一度神威空間に移動した後、現実に移動するという2工程を挟まないといけない。また、移動する場所には予めマーキングをしていないと移動できないという2つの特徴がある。

 

 そんな使い勝手が良さそうで若干使いにくい神威さんを十全に発揮できるよう、ここ2週間うちの会社が良く利用する場所や移動出来たらプラスになる場所へマーキングしに行くという作業に加えて配達も並行して行う二重苦を味わっていた。

 

 もし、この生活が続いてたら半年くらいで失明してたと思う。マジで神威の燃費の良さと反転術式による再生があって良かった。

 

 

 

 

 

 

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 高校入学式。

 

 人生の絶頂期である青春爆走高校生として、これからは仕事のことはあまり考えず頑張っていこうと思います!!! ―――っと、思っていたら同じクラスに見覚えのある金髪ギャルが一人。目を擦って確認してもその姿は変わらず、何なら瞬きすればするほどその存在は大きく映る怪奇現象。

 

 はい、そうなんです。あの双子も同じ高校に進学してました。

 

 もう片方の黒髪は、違うクラスに配属されていたらしく、周りに友達のいないアイツは真っ先にこちらへとやってきた。向こうは、久しぶりにあったと思ってんだろうけど、会社で何度かあっている俺にとっては、気分が重かった。せっかく仕事気分忘れようと思ってたのに……。

 

 とりあえず、連絡先を交換することになった。

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、なぜか昼食を双子と食べた。

 

 まず、ギャルが一緒に昼食食おうと誘ってくる → 友達いるから無理と答える → 入学したてでいないっしょと冷静に返される → なら、友達出来るまで一緒に食べよと畳みかけられる → 普通にかわいくて了承 → 黒髪合流。

 

 はい、私が敗北者です。……オタクに優しいギャルっているんすね。

 

 

 

 ×月×日

 

 今日も双子と昼食。

 

 今日は、昼食を食べているときに驚愕の事実が発覚した。黒髪は、実はオタクだった。まぁ、生粋のオタクではないけど、アニメとかマンガとか普通に見るとのこと。最近だと、深夜に放送開始したアニメがおすすめらしい。因みに、ギャルは偶に一緒にアニメを見る程度。

 

 なんか、妙だな。そんなオタクに都合が良い美少女がいるはずない。

 

 

 

 ×月×日

 

 身体測定だあああああ。

 

 身長167㎝、体重56㎏、視力2.0、聴力は何も言われてない……とりあえず全部大丈夫そう。この前、神威しまくったから視力が若干心配だったけど、大丈夫だった。反転術式は、神ってことや。

 

 

 

 ×月×日

 

 昼食で身体測定の結果を聞かれた。

 

 なんか、俺の結果を聞いて驚いていたけど……俺ってそこまで太って見えるのか? 因みに、俺が逆に結果を聞いたらギャルに「女子に体重きくな!」と言ってぶん殴られた。普通に理不尽なんだが? 別に体重だけ言わなきゃ良いだけじゃん……。

 

 ぎゃる、こわい。

 

 

 

 ×月×日

 

 男友達ができた。

 

 うちのクラスには、同じ中学校から来た奴がいなくて友達ができるか不安だったけど、今日オタク友達が出来ました。後ろの席に座っているすずきくん。休み時間にラノベを読んでたので、仲間になりたそうにすずきくんのことを見てたら、話しかけてくれた。優しい。

 

 とりあえず、昼食を一緒に食べた。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 1週間ぶりの仕事。

 

 ゲトーさんが入社2週間の地獄について謝罪に来てくれた。何でも、会社説明会の時には最初の2週間が忙しくなることを想定していなかったとのこと。まぁ、それに関しては俺の能力に関する話を全く話していなかったから仕方ないですよと言っておいた。

 

 あと、神威のことを術式だと認識していることを確認できた。これを早めに引き出せたのは、デカい。もし、術式ではなく瞳術だと認識していたら俺の存在まで芋づる方式でバレるからな……。没落してすでに呪術界との関りを断っているとは言え、元は呪術界の名家。探せばいくらでも情報は出てくる。

 

 それにしても、ゲトーさんはガトーと名前が似てるのに優しい。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 部活説明集会と見学会。

 

 野球部、サッカー部、バスケットボール部、バレーボール部、バドミントン部、卓球部、テニス部、囲碁将棋部、科学研究部、放送部……とたくさんの部活紹介を見た。その中でも最も魅力的に感じたのは、帰宅部。学校が終わったらすぐに帰宅する部活動。

 

 秘密主義なのか集会では紹介されず、見学会でも一切姿を現さない。なのに、放課後になるとかなりの人数が帰宅部のメンバーとして姿を現す。

 

 多くを語らず去るその姿―――まさに、忍者。

 

 今日、俺は本物の忍者になった。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ギャルうぜぇー。

 

 図書館で来月のテスト勉強をしてたら、双子がやって来た。二人ともと言うよりも、黒髪がテスト勉強するのにギャルが付いてきたという感じ。そして、気が付けば黙々と勉強する黒髪と俺の勉強を邪魔してくるギャルの構図に。黒髪に助けを求めても冷静に流され、ギャルに黒髪の邪魔スンナと言われ殴られる理不尽が広がっていた。

 

 そんな暴力ヒロイン道を走っているギャルは、黒髪の勉強を邪魔しないようにしつつ、俺に持ち前のマシンガントークを披露してくる。そのせいで、俺の集中力に限界が現れ、勉強が頭に入らずストレスが溜まるという地獄。

 

 もしかして、アイツは俺を潰そうとしてんのか……。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 【悲報】社内いじめ判明。

 

 最近、会社に出勤したときに俺のことをフレンチクルーラーと裏で呼んでいることが判明した。その場面を目撃した時にその場にいたメンバーは、双子と上裸変態、ボビーの4人。ギャルと上裸がフレンチクルーラーがどういうモノなのかをボビーに説明していた。そして、それを聞いて笑っている黒髪。

 

 これは、立派ないじめです。社内の相談窓口ってありますか?

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、久しぶりに双子と昼食。

 

 なんだかんだ言いつつギャルとは毎日話をしているが、黒髪としっかり話すのは割と久しぶりだった。最近は、ワンピースを読み直しているらしい。普通にウォーターセブン編について語り合った。因みに、黒髪のワンピースでの推しは、ギルド・テゾーロでウォーターセブン編だけだとロブ・ルッチとのこと。

 

 俺の推しは、白ひげです。

 

 

 

 ×月×日

 

 魔のゴールデンウィーク突入。

 

 今回のゴールデンウィークは、学校が月曜日と火曜日を休みにしてくれたおかげで驚異の9連休が実現! だが、今回の休みは楽しむことが出来ない。なぜなら、この休暇を使ってボビーの故郷へとマーキングをしに行く予定が入っているからだ。

 

 本来であれば、ゴールデンウィーク外で行きたかったが、同じ学校に双子がいるため仕方なくゴールデンウィークを使うことにした。もし、ゴールデンウィーク外で行っていれば、万が一ギャルに疑われたときにヒントを与える結果になる。

 

 だから今回は、ゴールデンウィークを使うことで疑いの分散を図ることにした。

 

 それに、もし俺の正体をゲトーさんが暴こうとしていれば、今回のゴールデンウィークがブラフになる。ゴールデンウィークにしか予定を作ることが出来ない身分。つまり、ゴールデンウィークに9連休が出来る会社を探してくれるだろう。どこを間違えても学生の中を探すようなことにはならないはずだ。

 

 ―――フッ、完璧な計画だな。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ボビー旅行2日目。

 

 今回の旅行は、俺の素性を隠すために裏ルートからケニアに入ることになっている。つまり、違法入国です。普通は、一瞬で警察のお世話になりますが、そんな公共機関は呪術の前には無力。簡単に入国することが可能です。

 

 まず、専門の方(違法)を探します。そして次に、お金を渡します。そしたら、後は指示に従うだけです。何時何分にどこどこのなんとかって言う場所に来い。そして、そこにいる全身真っ黒の男に話しかけろみたいなね。そんな指示が来るので、それに全部従えば目的の場所に行けます。

 

 因みに、お金を払うときは、現金且つ一括で払えるようにしましょう。お金を出し渋る又は値下げ交渉なんてモンは、絶対にダメです。特に、脅しは止めましょう。たとえ、交渉の相手が自分よりも格下で脅せばやってくれそうでもしてはいけません。

 

 裏社会では、そういった交渉外による交渉を行った場合、すぐに裏データバンクに無料で晒され裏組合から永久追放されます。組合から追放されると、裏データバンクの使用禁止や仕事の斡旋が来ないなど、致命的な機能が使えなくなるのと同時に一流の呪術師殺しが送られてくるらしいです。

 

 なので、裏社会ではクリーンに生きましょう。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ボビーのおすすめする料理は絶対あたり。

 

 ボビーの味覚は、完成してる。日本人にあった料理をピックアップして持ってきてくれる大天才。今回の旅行は、仕事だから絶対楽しめないと思ってたけど、思った以上に楽しめてる。特に、食に関しては大満足。ボビーは、悪い奴ではないのが今回の旅行で分かった。

 

 ボビーがあの組織に入ったのは、ゲトーさんのカリスマ性に惹かれてとのことらしく。目標は、あの呪術大国である日本の王として君臨してもらうこと。その過程で非術師が死ぬのは、勿体ないが受け入れてるとのことだった。

 

 俺も理由を聞かれたけど、あの空気の中で「金払いが良かったのと最悪働かなくても良いと言われてことに惹かれた」とは言えず、「……深い理由がある」と言って濁すことしかできなかった。……ちょっと心が痛い。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ゴールデンウィーク最終日。

 

 一昨日、ケニアから日本に帰ってきてからは、すぐに寝て起きて飯食って寝ての生活を繰り返し、昨日一日が潰れた。そして、最終日の今日。せっかくの自由な時間の三分の二が寝て食って眠るの生活で消えたことが、衝撃的過ぎて朝は放心状態だった。また明日から学校が始まるって考えるとマジ憂鬱だった。

 

 そんな状態から抜け出すために、久しぶりに散歩していると野生のギャルに遭遇した。

 

 仕事や学校外で合うのは、去年の夏祭り以来だけど、二人っきりは初めて。まさかの事態過ぎて驚いていたが、相手は流石のギャル。そんな俺の驚きには一切触れず、必殺技のマシンガントークを披露。そして、気が付けば、一日ギャルと遊んで過ごしていた。帰り際の「じゃーねー」の一言で正気に戻ったが……あの生物は、本当に同じ人間なのか?

 

 ぎゃるってすげーわ。

 

 

 

 ×月×日

 

 久々の学校。

 

 みんな良い休暇だったのか、凄い表情が良い。あの、いつもラノベを読んでいるすずきくんでさえ、昼食の時にゴールデンウィークをどう過ごしたのか語っていた。これが、ゴールデンウィークの魔力なのか……? 先生! アレには、人を変える力が宿っていますよ!

 

 まぁ! 俺はほぼ仕事だったけどね!!!

 

 

 

 ×月×日

 

 遂に、オタク友達が増えた!

 

 いつも話しているすずきくんとは別にオタク友達が出来た。名前は、さいとうくん。毎日、昼食でオタトーーク!を繰り広げている俺とすずきくんに話しかけようと思っていたらしく、遂に今日話しかけられたと笑っていた。

 

 ―――分かる。分かるよ、さいとうくん! 俺にはその気持ちが痛いほど分かるッ!!!

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、さいとうくんのゲームプレゼンを聞いた。

 

 今日の昼食では、さいとうくんがおすすめのゲームをプレゼンしてくれた。何でもストーリー、世界観、ビジュアル、アクションなどすべてにおいて高水準のパフォーマンスを披露している「THE LAST OF US」と呼ばれるゲームが一押しらしい。もし、手元にPS4があるなら絶対やったほうが良いと念押しされた。

 

 最近、ゲームしてなかったけどやってみるか……。

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、すずきくんとさいとうくんと俺の3人で帰った。

 

 すずきくんは、俺があの双子と仲が良いのが気になっているらしく、なんで仲が良いのか聞いてきた。俺もなんでこんな状況になっているのか不思議だけど、やっぱりデカいのは去年の修学旅行だろうなとか言いながら、他にも最近のおすすめマンガ、あの先生がウザいとかいろいろ話をしながら帰った。

 

 なんか、凄い久しぶりに前世の友達に会いたくなった……。

 

 

 

 ×月×日

 

 そういえば最近、仕事の連絡がない。

 

 やっぱりゴールデンウィークの長期労働がデカかったのか。あれ以降の連絡はない。心配になってゲトーさんに連絡を取ったが3週間くらいは休みで良いよとのお言葉を頂いた。つまり、3週間仕事がないってことは、3週間仕事がないということなんです。

 

 つまり、最高です。ということは、最高だということなんです。

 

 

 

 ×月×日

 

 もう少しで中間テスト。

 

 前回のようなミスはせず、学校で勉強はしないで黙って自宅で自主学習をした。自主学習と言っても、前世というアドバンテージがあるから忘れていた記憶を思い出す作業でもある。記憶的には十数年前の内容だからほぼほぼ覚えてないけど……。

 

 まぁ、普通に前世の記憶あっても数学だけはマジでむずい。

 

 

 

 ×月×日

 

 体力テスト。

 

 前世なら学校に行きたくないと思わせるほど、大っ嫌いだった体力テスト。それが今では、得意かつ大好きなテストになっている不思議。呪術というダークファンタジーに浸かっている人間にとっては、子どものお遊びな体力テストだが、今年はあまり高い結果は出さないようにしたい。

 

 去年までならそこそこ高い数値を出していたけど、今年はギャルが裏の人間だってことが判明したからな。あまり、怪しい結果を出さないようにしないといけない。それが、少し面白くないけど……。

 

 まぁ、結果は出せなくても雰囲気が楽しいからいいや。

 

 

 

 ×月×日

 

 中間テスト当日。

 

 ギャルに勉強したか聞かれたから、あの伝説の「俺、全然勉強してなかったわー」を披露した。ギャルが「あー、まじー! ウチもしてなかったんだよねー」と笑ってたが―――フッ、馬鹿がッ! 俺はこの日のために準備してきたのだよお!!! と、心の中で小心根暗キャラになりきっていた。

 

 テストの手応えは、良かったです。

 

 

 

 ×月×日

 

 中間テストの返却。

 

 続々とテスト結果が返却される中、俺はギャルに恨み言を言われていた。「嘘つき」「勉強してないって言ったじゃん!」「騙したなー!」と騒いでいるが、俺は余裕の表情で受け流す。これが、前世に社会の荒波に揉まれ今世では反省した男の人生2週目の余裕。

 

 まぁ、人生1週目の君には僕に勝つなんて無理だよ。

 

 

 

 

 

 黒髪には、負けていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 大規模呪術テロについて。

 

 今日、会社で幹部が集まり大規模呪術テロの計画を始動するとの発表があった。俺は、幹部ではないが人的・物的資源の移動の大部分を任されるため、幹部と一緒に情報共有の場にいた。

 

 大規模呪術テロ―――その名も「新宿・京都百鬼夜行」。

 決行日は、人が寄り集まる12月24日。ゲトーさんの使役している2000体の呪霊を新宿と京都にそれぞれ1000体ずつ放つことで日本を大混乱に陥れる計画。放たれる呪霊には、1級や特級がかなりの数含まれており、この計画への本気度が窺える。ただ、かなりの力を入れているこの作戦でも、勝率見積は3割程度とかなり低く、日本を堕とすにはまだ足りないらしい。なら、なぜ準備の整っていない勝率の低い作戦を決行することになっているのか。その原因は、今年の呪術高専入学者にあった。

 

 乙骨憂太、東京都立呪術高等専門学校1年生。

 

 彼を呪っている特級過呪怨霊・折本里香が、今回の真の目的。彼を呪う折本里香は、呪いとしての力が特級の中でも別格、もし手に入れることが出来れば呪術界と戦うことが可能になる。それほどの力がその呪いにはあるらしい。

 

 そのため、今回の大規模呪術テロは彼の所属しているというか現在住んでいる呪術高専の警備を手薄にさせることが真の目的となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 思ってた以上にマズいことになっている。

 

 俺は金を稼ぐために、この組織に入った。確かに、配達業者として今まで死体だったり違法な呪具や薬物を運んだりした犯罪者だけど、それでもまだ本格的な捜査の入らないギリギリ見逃される側の犯罪者として上手く事を運んでいたのに、いつの間にか、見逃されないレベルの取り返しのつかない犯罪者になる可能性が出てる。

 

 正直言って、それだけは回避したい。今すぐにでもこの組織からとんずらしたい……けど。

 

 双子がこの作戦に関わってる。今もこの話を聞きながら、やっと伝説が始まるみたいなバカな顔をして、やる気を出してる。俺は、それが恐い。もしかしたら、この作戦の途中で死ぬかもしれない。それこそ、あの西京さんに会う可能性だってある。それなのに、アイツ等には恐怖は浮かんでいない。

 

 

 たとえ、どんなに危険でもアイツらは参加する。なぜなら、アイツ等には覚悟があるから。

 

 俺が今すぐ仮面を取って、この作戦に参加するのは止めようって言ってもアイツらは止まらない。なぜなら、ゲトーさんに心酔してるから。

 

 

 

 

 

 

 それなら、俺はアイツ等が生き残れるように全力を出す。なぜなら、それしか方法がないから。

 

 

 とりあえず、うちはの屋敷に戻って目ん玉でも探すか……。

 

 

 

 

 

主人公の術式

  • うちは要素強めの「炎融呪法」
  • カカシ要素強めの「操雷術式」
  • 闇落ちオビト要素強めの「樹界操術」

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