戦姫絶唱シンフォギア-THE FIRST ULTRAMAN-   作:不死身の機動歩兵隊

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3日も投降が遅れましたが、今回で
戦姫絶唱シンフォギア-THE FIRST ULTRAMAN-
ウルトラ作戦第1号(無印編)最終回!
ここまで読んでくれてありがとうございますッ!!


第13話「ウルトラの星、墜ちて燃えて尽きて、そしてー」

‐西暦2043年 リディアン音楽院‐

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

地上から見える巨影はただ静かに、リディアンの遥か彼方に鎮座する。

 

ウルトラマン

「・・・(何故あれがこの世界に現れたんだ!?これがマイナスエネルギーがなせる力とでも言うのか!だがあれを放置する訳にはいかん!)シュワッチッ!!」

 

「ウルトラマンさん!?」

 

「まさか、あの禍威獣と戦うつもりか!?」

 

クリス

「あのボロボロの状態でかよ!?」

 

「おい行くな!戻ってこいッ!!」

 

奏はそう叫ぶが、既にウルトラマンは大気圏を突破し、衛星軌道上のゼットンへ接近する。

 

‐宇宙・衛星軌道上‐

 

ウルトラマンの接近を感知したゼットンは迎撃態勢に移行。弾幕を一斉掃射でウルトラマンを狙い撃つ。

 

ウルトラマン

「グ・・・ッ!」

 

何発か被弾するが、着実にゼットンとの距離は縮まる。

 

ウルトラマン

「ヘアッ!」

 

通常より5倍に巨大化したウルトラスラッシュをゼットンに放つ。しかし〈電磁光波防壁〉に防がれてしまう。ならばと更に接近したウルトラマンはウルトラパンチ、〈ウルトラ頭突き〉、〈ウルトラダブルチョップ〉、ウルトラキック、急降下キックで一点攻撃を行う。すると電磁光波防壁に小さな罅が入り始める。

 

ウルトラマン

「(よし!このまま――)ドワッ!?」

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

だがそれをゼットンは黙っている訳ではない。近接防御用のビームタレットを展開し、ウルトラマンを引き離す。ウルトラマンは〈ハイスピン〉で光弾のダメージを軽減する。すると今度は赤色光線が撃ちだされ、ハイスピンによる防御を突破される。

 

ウルトラマン

「グアァァァーーーッ!?」

 

酷使した身を焼かれていくウルトラマン。ゼットンは親の仇と言わんばかりに手を緩めるどころか、攻撃は激しくなっていく。

 

ウルトラマン

「う、ウルトラセパレーションッ!」

 

〈ウルトラセパレーション〉で5人に分身する。ヘイトを分散しつつ、スラッシュ光線、ウルトラブレード、スペシウムブレード、ウルトラアタック光線、スペシウム光線で多方向から攻撃を加える。しかしそれでも・・・

 

分身A

「デュワ!?」

 

分身B

「ダァ!?」

 

ゼットンの背後から攻撃していた分身A、Bは背部に展開されたビームタレットに蜂の巣にされて消滅。

 

分身C

「ヘアッ!?」

 

分身Cは赤色光線の直撃で上半身と下半身を真っ二つにされて消滅。

 

分身D

「――ッ!?」

 

分身Dは赤色光線で頭部を吹き飛ばされた後、数発の光弾に撃ち抜かれて消滅。そして残った本体であるウルトラマンのみとなった。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

ウルトラマン

「・・・(分身が数秒で全滅。マジでこんな兵器と戦ったあの人(リピアー)は凄いと思うよ。だが、紛い物でもウルトラマンの名を持つ者として、地球防衛軍の一兵士として、この地球(ほし)を何としてでも守り通す!)ジュワッ!!」

 

再度ゼットンに接近し、電磁光波防壁を破ろうとするウルトラマン。それでも濃密な弾幕の前に接近するどころか、遠ざけられていく。

 

ウルトラマン

「グッ・・・(こうなれば、俺の命を9割削ってでも!)リミッター解除ッ!!」

 

本当の意味でリミッターを外し、自身の生命力をスペシウムエネルギーに変換。発射モーションを行い、全エネルギーを込めた渾身の一撃であるギガスペシウム光線を放つウルトラマン。光弾と赤色光線を呑み込み、ゼットンの電磁光波防壁に直撃する。

 

ウルトラマン

「ウオォォォーーーーーーッ!!」

 

ピコンピコンピコンピコン

 

カラータイマーの点滅が速くなると同時にギガスペシウム光線で最初よりも大きな罅が段々と広がっていく。

 

ウルトラマン

「(よし!このまま――)ッ!?」

 

あと少しで電磁光波防壁を突破しようとしたその時、1発の光線がウルトラマンの背後から胸部を貫かれる。それによってリミッター解除の効果が切れ、放たれていたギガスペシウム光線は途切れてしまい、電磁光波防壁の突破は失敗に終わる。

 

ウルトラマン

「こ、これは・・・ッ!」

 

ウルトラマンは背後に視線を送ると、そこには黒いフード付きのマントをした人影、マイナスエネルギーの集合体が意思を持って実体化した存在〔邪心王 黒い影法師〕が指を向けていた。

 

黒い影法師

「・・・・・・」

 

ウルトラマンが黒い影法師を認識すると、黒い影法師はその場から姿を消す。その間、ゼットンは撃ち込まれたギガスペシウム光線のエネルギーを収束。同時に胸部から火炎弾の発射態勢に入る。

 

ウルトラマン

「クッ!」

 

ウルトラマンは苦し紛れでスペシウム光線を撃とうと構えるが、リミッター解除、ギガスペシウム光線の使用で既に大半以上のスペシウムエネルギーを失っており、他の光線技すらまともに使用不可能な状態であった。そして彼の眼に映ったのは・・・自身に迫り、命を刈り取る光線と火炎弾を放ったゼットン(死神)の一撃であった。

 

ドオォォォオォォォーーーーーーッ!!

 

‐数分前・リディアン音楽院 装者side‐

 

突如地球の衛星軌道上に出現し、宇宙空間に静かに佇む天体制圧用最終兵器ゼットンに向かってウルトラマンが飛び立ってから数時間。響達はただ遥か宙に起きている戦いを見守っていた。

星が輝く宇宙(そら)では、1つの流星(ウルトラマン)超大型禍威獣(ゼットン)の周囲を飛び回ると同時に光が一瞬で輝き、消えていく光景が続いていた。そして放たれた青白く輝く極太の光線がゼットンに直撃。

それを見た響達はウルトラマンの勝利を確信した。だがそれは脆く崩れる。

 

ドオォォォオォォォーーーーーーッ!!

 

耳を塞ぐ程のけたたましい爆発音が響く。響達は上を向くと、空は赤く燃えていた。

 

「おいあれって・・・ッ!?」

 

「ウルトラマンさんッ!?」

 

重力に引かれ、目覚めた時よりも更に負傷して力なく落ちてゆくウルトラマンは地上に激突する。大きな揺れと同時に巨大なクレーターの中心で倒れ伏すウルトラマン。

 

「おい、嘘だろ・・・」

 

「ウルトラマンが、敗れた・・・」

 

クリス

「おい!何寝てんだよ!起き上がれよッ!!」

 

ウルトラマン

「・・・・・・」

 

クリスの叫びに反応したのか、ウルトラマンはゆっくりと立ち上がる。

 

フィーネ

「ば、バカな!?あの状態でまだ立ち上がれると言うのかッ!?」

 

ウルトラマンが立ち上がった事に驚くフィーネ。逆に響達は安堵する。しかし、現実は・・・残酷である。

 

ピコン・・・ピコン・・・ピコン・・・ピコン・・・ピコン・・・ピコン――――――

 

破壊されたカラータイマーが鳴りやむと同時にそれを中心に色が抜け落ちる。ウルトラマンの眼の光は消え、ゆっくりと大地に倒れる。これまでの禍威獣と外星人との戦いが走馬灯として蘇る。絶望的な光景に、呆然と立ち尽くす響達。

 

「ウルトラマン死んじゃ駄目だ!立つだ!起き上がってくれウルトラマンッ!!アンタが死んじまったら地球はどうなるんだよ!?ウルトラマンッ!!!」

 

クリス

「頑張れよ!」

 

「立つんだ!」

 

「そんな・・・ウルトラマンさん・・・」

 

『ウルトラマンは決して万能の神ではない。人類と同じ生命を持つ生命体だ。どんなに頑張ろうと救えない命もあれば、届かない想いもある。』

 

奏、クリス、翼は倒れているウルトラマンに向かって叫ぶ。だが、その声は届く事はなかった。響は自身にウルトラマンが言った言葉を思い出して膝から崩れ落ち、涙を流す。

 

フィーネ

「フ、フフフ・・・ハハハハハッ!カ・ディンギルは破壊されたが、これで私の最大の障害は無くなった!あのゼットンであれば、カ・ディンギルの代わりにもなる。奴の抵抗は結局、無駄死となったのだッ!!!」

 

「笑ったか?命を燃やし、この場にいた者達を守る為に戦い抜い者を、お前は無駄とせせら笑ったかッ!」

 

「了子さん・・・いや、フィーネ!覚悟はできてるよなッ!?」

 

クリス

「テェメをブッ飛ばしたら、次はあの禍威獣をブッ倒してやるッ!!」

 

怒りが爆発した翼、奏、クリスはアームドギアを構え、フィーネに立ち向かう。そしてこの状況を映像越しで見ている者達がいた。

 

‐地下シェルター‐

 

弦十郎達は地下シェルターから地上の状況を確認していた。更に衛星軌道上に突如出現したゼットンとウルトラマンの戦いを人口衛星からの中継で見ていた。そして現在。

 

朔也

「ウルトラマンの生体反応・・・ロスト・・・」

 

弦十郎

「・・・そうか・・・ッ!」

 

朔也の報告を聞き、弦十郎はそう言い、拳を強く握る。ウルトラマンが死んだ。それは計り知れない絶望を今の人類に与えるには十分過ぎるものであった。その間にも地上の状況を映すモニターでは、響を除いた装者達はフィーネとの激戦を繰り広げる。

 

弓美

「もう嫌だよ・・・学校はノイズと禍威獣に襲われるし、ウルトラマンは学校を襲った禍威獣達のボスに殺された!誰か助けてよ!死にたくないよ!助けてよぉぉぉ、響~~~ッ!!」

 

弓美の声が今いる地下シェルターに響く。それに誰も声を掛ける事は出来なかった。

 

‐???‐

 

暗闇の空間を肌が青白くなった真は1人で浮かんだまま彷徨っていた。彼の眼には生気の光は宿っておらず、身体は死に体と化して酷い有様になっていた。そのまま彼は流されていると、光球が彼に近付くと同時に人型となり、背中から真を受け止める。そして暗闇の空間は紅い空間へと変化する。

 

???

「真、君はまだこちらには来てはいけない。まだ地球には君の助力が必要だ。そして私の伝言を彼女、フィーネに必ず伝える約束があるだろう?」

 

「・・・・・・」

 

光が弾け、緑がかった青髪で精悍な整った顔の青年は横たわる真にそう語り掛ける。

 

緑がかった青髪の青年

「こうしている間にも君の仲間は私への想いで暴走した彼女によって傷付き、倒れていく。君はこのままでいいのか?」

 

「・・・確かに、このまま寝ている訳にはいかないな。戦友よ・・・ッ!」

 

すると真の眼に生気の光が宿る。

 

緑がかった青髪の青年

「フッ・・・やっと目覚めたか。我が戦友よ。今から私が持てるだけの力で君を蘇生する。」

 

「すまない、助かる。」

 

緑がかった青髪の青年

「だが、気を付けてくれ。君は蘇る事が可能だ。それでも君の削れた命と、身体のダメージはそのままの状態になる。もし戦いが続くのであれば・・・」

 

「そうか・・・だが、それでも助かる。あとはこっちで何とかする。」

 

緑がかった青髪の青年

「・・・分かった。」

 

緑がかった青髪の青年は真に手を翳し、光を放って蘇生を行う。それが終えると真は起き上がり、緑がかった青髪の青年の方を向き、その姿を懐かしそうに見詰める。

 

「また会おう、エンキ。」

 

そう言った後に真はベーターカプセルを取り出して大きく横に振り、スイッチを一度押して左胸に持っていき、上に掲げて再度スイッチを押す。閃光に包まれながら右拳を突き上げたポーズを取りながら巨大化し、生と死の狭間から飛翔する。

 

‐数時間後 リディアン音楽院‐

 

フィーネに挑んだ奏、翼、クリス。その途中に暴走した響との戦闘があったが、フィーネには一切決定打を与える事なくシンフォギアが解除された響達は地に倒れ伏せる。

 

フィーネ

「これで私の障害は無くなったが、万が一の事もある。今ここで貴様らを葬って『~♪』ッ!耳障りな・・・何が聞こえている?」

 

フィーネが響達を葬ろうとした時、まだ辛うじて作動する半壊したスピーカーからリディアンの校歌が流れる。

 

‐地下シェルター‐

 

地下シェルターでは緒川が連れてきた生存者と生徒達、そして未来が歌っていた。

 

未来

(響。私達は無事だよ。響が帰ってくるのを待っている。だから、負けないでッ!)

 

‐地上‐

 

校歌が響き渡るにつれてフォニックゲインが光の粒子となって周囲を浮かぶ。

 

フィーネ

「何処から聞こえてくる?この不快な、歌・・・歌だとッ!?」

 

「聞こえいる・・・みんなの声が・・・」

 

響の眼に光が宿ると同時に太陽が昇り始める。

 

「良かった・・・私を支えてくれる皆は、いつだって私の傍に。皆が歌ってるんだ。だから、まだ歌える!頑張れるッ!戦えるッ!!

 

響がそう叫ぶと同時にシンフォギアを纏う際に発生するエネルギー波によってフィーネは吹き飛ばされる。

 

フィーネ

「まだ戦えるだとッ!?何を支えに立ちあがる?何を握って力と変える?鳴り渡る不快な歌声の仕業か?そうだ、お前が纏っているものは何だ?お前が手にするそれは何だ?

心は確かに折り砕いたはずなのに、何を纏っているッ!?それは私が作ったものか?お前が纏うそれは一体何だ!何なのだッ!?」

 

フィーネが問いかけた瞬間、黄、蒼、紅、朱色の光が天に昇る。戦姫達は立ち上がり、光を纏って空へ飛翔する。

 

シーンフォギアァァァーーーッ!!

 

それぞれのパーソナルカラーの翼を羽ばたかせ、純白のシンフォギアを纏った響達が空を舞う。

 

「皆の歌声がくれたギアが、私に負けない力を与えてくれる。奏さん、翼さん、クリスちゃんに、もう一度立ち上がる力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない、命なんだッ!」

 

フィーネ

「高レベルのフォニックゲイン・・・2年前の意趣返しか。」

 

クリス

『んなことはどうでもいいんだよ!』

 

フィーネ

「念話までも・・・だが限定解除されたギアを纏ったところで、私の勝利は揺るぎないッ!!」

 

フィーネはそう言うと、ソロモンの杖からノイズの大軍団を召喚し、衛星軌道上にいるゼットンを合わせて勝ち誇った顔をする。しかし、響達は絶望しなかった。

 

『それはどうかな?』

 

フィーネ

『何?』

 

奏の言葉に怪訝な顔をするフィーネ。

 

『再び立ち上がる力を、私達だけに与えられたと思っているのか?』

 

フィーネ

「ッ!まさかッ!?」

 

翼の言った事に気付くと同時にクレーターから閃光が放たれる。

 

ウルトラマン

シュワッチ!!

 

再び立ち上がる力がウルトラの奇跡を呼び、閃光から右拳を突き上げたポーズで復活したウルトラマン。その姿は少し変わっており、赤の配色が多くなったBタイプとなっていた。

 

フィーネ

「バカな・・・あの状態で生き返ったのか!ならば貴様らをまとめて葬るまでだッ!!」

 

するとフィーネはソロモンの杖を自身に突き刺し、周囲のノイズを吸収していく。

 

フィーネ

「来たれ、デュランダルッ!!

 

突然地面が揺れ出し、残骸と化したカ・ディンギルから主砲のエネルギー源とされていたデュランダルが飛び出し、それすらも吸収されると同時にフィーネは聖遺物とノイズの力を束ねた黙示録の赤き竜へと変化。すると口先からレーザーが響達に向けて放たれる。だが響達には回避され、レーザーは空を切る。そして射線上にあった山に直撃した瞬間、山は大爆発と同時に消し飛ばされた。

 

「山がッ!?」

 

フィーネ

「さぁ、消え去るがいいッ!!」

 

黙示録の赤き竜の中央でデュランダルを装備したフィーネがそう言うと同時に翼を展開し、ホーミングレーザーを響達放つ。しかし無数の光輪が相殺する。

 

フィーネ

「ッ!ウルトラマンかッ!!」

 

妨害したウルトラマンを睨むフィーネ。その間にウルトラマンは響達の隣に立ち、ファイティングポーズをとる。

 

『ウルトラマンさん!ここは私達に任せてくださいッ!!』

 

ウルトラマン

「ッ!」

 

その念話を聞いたウルトラマンは響達の方を向く。

 

『すまないが、ここは我々に譲ってほしい。』

 

『あぁ、フィーネとの決着はアタシ達で決めたいんだ。』

 

クリス

『アンタは上で踏ん反り返ってるバカデケェ禍威獣との決着をつけなッ!』

 

ウルトラマンは暫く響達を見詰めて頷く。

 

ウルトラマン

「『分かった。ここは頼んだぞ。』シュワッチ!!」

 

飛翔したウルトラマンは大気圏を突破し、衛星軌道上に佇むゼットンへ再び挑む。

 

‐宇宙・衛星軌道上‐

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

ウルトラマンを視認したゼットンはすぐさま弾幕を展開する。対するウルトラマンはリバウンド光線を展開し、そのまま接近する。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

ゼットンは火力の高い火炎弾を放ち、接近するウルトラマンに直撃する。爆炎が晴れると、そこにウルトラマンの姿は無かった。撃墜完了とゼットンが判断した瞬間、背後から突然衝撃を受ける。

 

ウルトラマン

「二度も同じ様にやられてたまるかッ!」

 

火炎弾が直撃する瞬間でゼットンの背後にテレポーテーションで回避したウルトラマンは急降下キックで攻撃する。すると初戦と違って電磁光波防壁に一撃で罅を入れる。ウルトラマンはゼットンの頭部へテレポーテーションし、スペシウムエネルギーを蓄積したウルトラパンチを一撃を放つ。これも電磁光波防壁に大きく罅が入る。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・ッ!」

 

ゼットンは攻撃の手数を増やし、ウルトラマンを引き剥がす。それを機にウルトラマンは〈カラーリウム光線〉、〈キャッチリング〉でゼットンの動きを止める。その隙にウルトラスラッシュの構えを取るが、ただのウルトラスラッシュではない。原作では他のウルトラ6兄弟が力を与えて放つ無敗の技。今、歌の力と命が起こしたウルトラの奇跡によって実現する!

 

ウルトラマン

「〈コスモミラクルスラッシュ〉ッ!!」

 

放たれた無数のコスモミラクルスラッシュが電磁光波防壁に直撃すると同時に突破し、ゼットンは大ダメージを受ける。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼッ・・・トン・・・ッ!!??」

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

ゼットンは再び電磁光波防壁を展開しようとするが、それよりも速く放たれたスペシウム光線の直撃を受ける。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼッ・・・トン―――」

 

中枢システムが破壊され、ゼットンは完全に沈黙。それを確認したウルトラマンはすぐに地球へ戻った。

 

‐リディアン音楽院・上空‐

 

宇宙から戻ったウルトラマンが見たのは、純白から漆黒に染まり、デュランダルを手にした響の姿であった。

 

ウルトラマン

「(あの時の暴走か!)意識を保て!響ッ!!」

 

ウルトラマンが叫んだ後、地下シェルターから出た未来達も響に叫ぶ。

 

弦十郎

「正念場だ!踏ん張りどころだろうがッ!!」

 

緒川

「強く自分を意識してください!」

 

朔也

「昨日までの自分を!」

 

あおい

「これから足りない自分を!」

 

(み、皆ッ!)

 

負の衝動に呑み込まれながらも、ウルトラマンと弦十郎達の激励が、

 

「屈するな立花。お前が構えた胸の覚悟、私に見せてくれッ!」

 

クリス

「お前を信じ、お前に全部かけてんだ!お前が自分を信じないでどうすんだよッ!」

 

「そんな力に負けんな!自分の想いを押し通せッ!」

 

響の傍に集結した翼、クリス、奏の激励が、

 

詩織

「貴女のお節介をッ!」

 

弓美

「あんたの人助けをッ!」

 

創世

「今は私達がッ!」

 

友の激励が響の心に響く。

 

フィーネ

「姦しいッ!黙らせてやるッ!!」

 

フィーネはデュランダルを手にした響と奏達を攻撃するが、ウルトラマンによって全て防がれる。

 

ウルトラマン

「邪魔はさせんッ!」

 

フィーネ

「己ぇぇぇーーーッ!!!」

 

その間に響の意識が完全に呑み込まれたその時、

 

未来

「響ぃぃぃーーーッ!!」

 

「(ッ!そうだ、今の私は、私だけの力じゃない!こんな衝動に、)塗りつぶされてなる者ものかッ!!!」

 

陽だまりの声が響の意識を覚醒させ、漆黒に染まった姿から純白の姿へと戻る。同時にデュランダルは光の刀身を展開。その輝きに4人の戦姫を包み込む。

 

フィーネ

「その力は・・・その光と輝きは何だ!?一体何を束ねたッ!?」

 

フィーネの問い掛けに応える様に、ウルトラマンは射線上から離脱。4人の戦姫はデュランダルを掲げる。

 

響き合う皆の歌声がくれた、シンフォギアでぇぇぇーーーッ!!

 

仲間達に支えられ暴走を乗り越えた響が放つ、ガングニールとデュランダルの共鳴により引き出されたエネルギーを込めた一撃を黙示録の赤き竜に放つッ!!

 

〈Synchrogazer〉

 

振り下ろされたその一撃に含まれる無尽のエネルギー生成能力を有するデュランダルの特性と、黙示録の赤き竜が内包する無限の再生能力を有するネフシュタンの鎧の特性が衝突。これによって完全聖遺物同士の対消滅によって崩れ去る。

 

‐数時間後‐

 

フィーネとの決戦から時が経ち、夕焼け空をバックにフィーネの肩を背負って未来達の下へ戻る響の姿があった。

 

フィーネ

「お前・・・何をバカな事を・・・」

 

クリス

「このスクリューボールが。」

 

響の行動に呆れる皆を代表してクリスはそう言う。

 

「皆に言われます、親友からも変わった子だ~って。」

 

フィーネを手頃な岩場に座らせる響。しかしその顔は晴れやかであった。

 

「もう終わりにしましょう、了子さん。」

 

フィーネ

「・・・私はフィーネだ。」

 

「でも、了子さんは了子さんですから。」

 

フィーネ

「・・・・・・」

 

「きっと私達、分かり合えます。」

 

フィーネ

「・・・ノイズを作り出したのは、先史文明期の人間・・・統一言語を失った我々は、手を繋ぐよりも相手を殺す事を求めた。そんな人間が分かり合えるものか・・・ッ!」

 

立ち上がったフィーネは西に沈んでいく夕陽に向かって少し歩いて立ち止まる。その間にウルトラマンは響の隣に立つ。

 

「・・・人が言葉よりも強く繋がれる事、分からない私達じゃありません。統一言語が無くても、人は手を繋ぐ事ができます。だって、別の世界から流れ着いたウルトラマンさんと手を取り合い、繋ぐ事ができたんです。」

 

フィーネ

「ッ!」

 

その言葉を聞き、目を見開いて振り返るフィーネ。そこには世界を超えて共に並び立つ響とウルトラマンの姿が映る。

 

ウルトラマン

「フィーネ。いや、櫻井了子。覚えているか?私が初めて響と一緒に二課へ来たあの日、私が今は亡き戦友に頼まれた大切な伝言があると。その伝えるべき相手が君だ。」

 

フィーネ

「私、だと?」

 

ウルトラマン

「私の亡き戦友、エンキからだ。」

 

フィーネ

「あのお方からッ!?」

 

エンキの名を聞いたフィーネは更に目を開き、驚く。

 

ウルトラマン

「『何の説明も、言葉も伝えられずに君の前から消える事を許して欲しい。そして、私を愛してくれてありがとう。私も君を、フィーネを愛している。』これが戦友からの君への伝言だ。」

 

フィーネ

「・・そうか・・・あのお方は、私を・・・私を愛してくれていたッ!!!」

 

伝言を聞いたフィーネは膝を付き、天を仰いで涙を流す。暫くして泣き止んだ後、響は了子(フィーネ)に近付き、手を差し出す。

 

「戻りましょう、了子さん。皆の所へ!」

 

フィーネ

「何故、手を差し伸べる?私はお前達を――「忘れたか?今まで一緒に過ごしてきた貴女なら彼らがどれ程のお人好しかを。」ッ!?」

 

ウルトラマンにそう言われ、弦十郎達の方へ顔を向ける。そこには了子の帰りを待つお人好しの二課の面々がいた。

 

了子

「フッ・・・そうだったわね。でも私は戻れないわ。ネフシュタンとノイズ。この2つと同化した以上、消滅する運命なのだから。」

 

ウルトラマン

「それは困る。君を死なせてしまったら、戦友に合わせる顔がない。」

 

ウルトラマンがそう言うと、ベーターカプセルを了子に向けてスイッチを押す。閃光が了子を包む。閃光が収まるとそこには白衣姿の了子と、その隣には灰の山。そしてウルトラマンの左手には消滅しかかってるネフシュタンを持っていた。

 

了子

「これはッ!?」

 

ウルトラマン

「成功の様だな。」

 

ウルトラマンが了子からネフシュタンとノイズの分離を確認すると、灰は風に飛ばされ、ネフシュタンは完全に消滅した。

 

ウルトラマン

「さぁ、君が戻るのを待っている者達がいる。早く行ってやれ。」

 

了子

「えぇ、そうするわ。ありがとう、ウルトラマン。」

 

消滅を免れた了子は響に支えられながら二課の面々へと向かう。こうして先史文明の巫女フィーネとの決戦は終わりを告げ、平和が訪れた。

 

 

 

 

 

だが、それを望まぬ存在がいた。

 

 

 

 

 

「その結末を我々は認めない。」

 

崩壊したリディアンに響いた声。全員がその声が聞こえた方を向くと、黒いフード付きのマントをし、紫の靄の様なオーラを纏った人影がいた。

 

ウルトラマン

「ッ!黒い影法師ッ!!」

 

その姿を見たウルトラマンは構えを取る。すると黒い影法師が両手を天に掲げ、マイナスエネルギーを放つ。その放った先には沈黙したゼットンに入り込む。

 

‐宇宙‐

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

マイナスエネルギーを取り込んだゼットンは復活すると同時に衛星軌道を離脱。地球へ向けて降下し始め、四肢を地球に向け、1兆度の高熱エネルギーが充填を開始。超高熱球の発射態勢に入る。

 

‐リディアン音楽院‐

 

黒い影法師

「ウルトラマン、この宇宙(せかい)と共に滅びよッ!!!」

 

黒い影法師がそう言い残すと、霧の様に消える。その間に手持ちのパソコンを操作する朔也は人工衛星からの情報を見て目を見開き、それを報告する。

 

朔也

「超大型禍威獣から計測されたエネルギー結果が出ました・・・1テラケルビンの高熱エネルギーを確認。地球に向けて発射態勢に入ってます。直撃コースです・・・ッ!」

 

その事実にその場にいる者達は言葉を失う。しかしウルトラマンと響は発射態勢のゼットンを見据える。そして2人は数歩前に出る。

 

未来

「響・・・」

 

「何とかする!ちょ~っと行ってくるから、生きるの、諦めないで!」

 

響と未来は暫く見詰め合った後、戦姫達はパーソナルカラーの翼を羽ばたかせ、宇宙(そら)へと飛翔する。未来は小さくなってゆく後ろ姿を涙を流して祈る様に見詰めていると、祈る手をウルトラマンの右手が包む。

 

未来

「ウルトラマンさん・・・」

 

ウルトラマン

「彼女達は必ず連れて戻る。」

 

そう言った後、ウルトラマンはベーターカプセルを天に掲げ、変身する。その際に周囲の光の粒子、デュランダルの残存エネルギーがウルトラマンに集結。すると全身が金色に輝き、赤の配色は金赤色となった姿。グリッターバージョンへと姿を変えた。

 

ウルトラマン

「シュワッチ!!」

 

グリッターバージョンとなったウルトラマンも宇宙(そら)へ飛翔し、響達の後を追う。

 

‐宇宙‐

 

ウルトラマンが宇宙に到達すると、ゼットンへ接近する戦姫()達の姿があった。そして彼女達の隣を飛ぶ。響達は後からやって来たウルトラマンの姿に驚いていたが、質問は後にした。彼と彼女達の目の前の存在(ゼットン)に集中する。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「ゼットン・・・ピポポポ・・・ゼットン・・・」

 

ウルトラマン

「ハアァァァッ・・・」

 

発射まで05秒。両腕を広げ、スペシウムエネルギーを収束するウルトラマン。

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal」

 

発射まで04秒。響が絶唱を歌う。そして両腕両足のバンカーを大きく展開する。その後を続く様に翼達も歌う。

 

「Emustolronzen fine el baral zizzl」

 

発射まで03秒。翼は刀を巨大化させ、巨刀に。

 

クリス

「Gatrandis babel ziggurat edenal」

 

発射まで02秒。クリスは2丁の拳銃を合体させ、超大型バスターライフルに。

 

「Emustolronzen fine el zizzl」

 

発射まで01秒。奏も翼と同じ様に槍を巨大化させ、巨槍に。

 

ウルトラマン

「ッ!!」

 

発射まで0:10秒。ウルトラマンの両腕にスペシウムエネルギーが限界まで収束し、右手を垂直に立て、左手を真横に伸ばす。

 

これが私達の、絶唱だぁぁぁぁーーーッ!!

 

ウルトラマン

「シュワッ!!!」

 

発射まで0:05秒。響の叫びと同時に放たれた戦姫達と、十字に組んで放たれたウルトラマンの最強技。七色の光線〈マリンスペシウム光線 〉が響達の一撃と交わり、ゼットンへ直撃する。

 

天体制圧用最終兵器ゼットン

「―――ッ!!??」

 

発射まで0:01秒。ウルトラマンと響達の一撃を受けたゼットンは太陽系から他の星系が存在しない空間に押し出され、その一撃は外装を突破してゼットンを貫く。そして―――

 

ドオォォォオォォォーーーーーーッ!!

 

星系外で大爆発する。

 

‐リディアン音楽院‐

 

未来

「響・・・」

 

崩壊した学校で、夜空を見詰めながら響達の無事を祈る未来。その場にいる全員が無事と勝利を祈っていた。すると夜空に輝く5つの流星がリディアンへと近づく。

 

未来

「ッ!」

 

未来はすぐに落下地点へ向かう。その後を追う様に弦十郎達も続く。そして5つの流星が静かに降り、光が散る。するとそこには響、翼、クリス、奏の戦姫達と、ウルトラマンの姿があった。それを見た全員が早足で駆け寄る。

 

未来

「お帰り、響ッ!」

 

「ただいま、未来ッ!」

 

未来が響に抱き付くのを皮切りに全員が無事と勝利を喜び合う。するといつの間にか、ウルトラマンが姿を消していた。響達は周囲を見渡すと、1つの流星が夜空輝く天に昇っていく。それがウルトラマンだと気付いた全員がお礼を叫んでいると、

 

「おーい!全員無事かーッ!?」

 

「真さん!おーいッ!」

 

変身を解き、響達の方へ駆け寄る真。こうして地球の、宇宙の危機を救った戦姫達と始まりの戦士の最初の戦いは終わり、平和が訪れた。

 

第13話‐ウルトラ作戦第1号(無印編)‐END




次回「エピローグ1」
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