戦姫絶唱シンフォギア-THE FIRST ULTRAMAN- 作:不死身の機動歩兵隊
‐QUEENS of MUSI・会場内‐
マリア
「我ら武装組織フィーネは、各国政府に対して要求する。そうだな・・・差し当たっては、国土の割譲を求めようか。」
漆黒のガングニールを纏ったマリアの宣言に翼と奏は驚き、世界各国の政府と人々も驚く。しかし一国の政府を除いて。
‐同時刻 某国・首相官邸‐
某国の首相官邸では、某国の軍事最高指揮官と大統領がライブ中継でこの事態を見ていた。
某国最高指揮官
「やはりF.I.S.の一部離脱者か・・・大統領。」
某国大統領
「うむ・・・では、貴方達に動いてもらおうか。
そう言う某国大統領の前には、地球のテクノロジーでは製造不可能な装備を持つ武装集団がいた。
???
「おう、任せな。報酬の分キッチリと働いてやるぜ。」
武装集団を率いるY字型アックスを持ったリーダーはそう言い、ヘルメット越しから眼を怪しく光らせる。
‐QUEENS of MUSI・会場内‐
マリア
「もしも24時間以内にこちらの要求が果たせれなかった場合は、各国の首都機能がノイズによって不全となるだろう。」
ウルトラマン
(一体何処まで本気だ?いや、考えは後だ。優先するべきは民間人の救助と避難だッ!)
特別席の屋上にいるウルトラマンは一旦考えるのを止め、コスモブラスターの照準をノイズに合わせてトリガーを引こうとした時。
マリア
「さて、そろそろ今回の主役に登場してもらおうかしら。」
奏
「今回の・・・主役?」
翼
「一体誰の事を・・・」
マリア
「それは貴女達が共に戦ったよく知る人物よ。」
クスリと笑ったマリアは前を向き、先程の宣言よりも大きく告げる。
マリア
「さぁ、出てきて貰おうかッ!あのアース・クライシスからこの
マリアが言ったその言葉に現状を見ていた響達装者や二課に衝撃が走った。中でも1番仰天したのはウルトラマンもとい、真であった。彼は何故マリアが自身の名前を知っているのかを考えている一方、ステージ上では。
‐ライブステージ‐
奏
「真さんが・・・ウルトラマンッ!?」
翼
「どういう事だ、マリアッ!」
マリア
「言葉通りよ。そして彼を頂点とした私達が住まう為の楽土。素晴らしいと思わないか?」
翼
「何を意図しての語りか知らぬが・・・」
マリア
「私が語りだと?」
奏
「あぁそうだ!真さんがウルトラマンだっていう証拠は何処にあるだッ!」
マリア
「では直接本人に聞いてみたらどう?」
マリアはそう言って顔を特別席の屋上へ向ける。まるで誰かがいるのを分かっているかの様に。それに釣られて奏と翼も顔を向ける。すると特別席の屋上から1つの影が飛び上がりる。そしてマルチコンバットスーツを装着した真がステージ上へ降り立つ。
マリア
「漸く現れたわね。」
ウルトラマン
「・・・速やかに人質を全員解放しろ。」
そう言ってマリアを鋭く見据えるウルトラマン。その視線に一瞬身体が震えるマリア。それでも冷静を装う。
マリア
「分かったわ。会場のオーディエンス諸君を開放する!ノイズに手出しはさせない、速やかにお引き取り願おうかッ!」
人質をあっさりと解放するマリアの姿にウルトラマンや翼達は眼を見開く。そして観客達はノイズに攻撃される事なく会場から脱出するその間、ウルトラマンはテロリストらしくない行動に疑問を持つ。
ウルトラマン
「(何故自分から不利になる事を・・・)ん?」
ウルトラマンはマリアの真の目的は何かと考えていた時、マリアが誰かと通信する姿が眼に映る。
マリア
「このステージの主役は彼。変身前の彼を世界に知らしめた事は大きな成果。それに万が一で人質に被害がでれば、彼はこちらを許さないわ。えぇ後は手筈通りに。」
別の場所にいる仲間との通信をマリアが終えると同時に観客達は全員退場した。そして会場は4人だけとなった。
ウルトラマン
「・・・お前達の目的は何だ?」
マリア
「それは言えないわ。今わね・・・貴方が私達に協力してくれるのなら、答えられるわ。」
ただ静かにそう告げるウルトラマンにマリアは右手を差し伸べてそう答える。
ウルトラマン
「・・・そちらに協力する意思はない。」
マリア
「そう言うと思ってたわ・・・出来れば穏便に済ませたかったけど、力尽くで貴方を連れて行くわッ!」
そう言った後、両腕の装甲を重ねて構成した槍型アームドギアを持ったマリアは戦闘態勢に入り、ウルトラマンへ突進する。それをコスモブラスターで迎撃するウルトラマン。だが背中のマントによって撃ちだされたエネルギー弾は防がれる。
それにウルトラマンは驚くが、突き出された一撃を回避。反撃で数発撃つが、それもマントで防がれる。マリアは身体を回転させて竜巻となって襲い掛かる。ウルトラマンは接近を阻止しようと連射したエネルギー弾は弾かれてしまう。
ウルトラマン
(何て汎用性の高いマントだッ!)
コスモブラスターで対処出来ないと判断したウルトラマンはホルスターに戻し、腰から近接兵装〔スペシウムダガー〕を取り出してマリアの回転攻撃を受け止める。その際に火花が舞い散る。
ウルトラマン
「ジュワッ!」
マリア
「グゥッ!?」
そしてウルトラマンは回転攻撃を押し切り、マリアは大きく後退。着地するまでの隙にウルトラマンは追撃を行おうとした時。
ウルトラマン
「ッ!」
全身に激痛が走り、ウルトラマンは倒れかけて膝を付く。それを見たマリアは突然の事に戸惑うが、意識を切り替えてウルトラマンを捕縛しようとマントを操作した瞬間、ライブ中継が全て遮断された。
マリア
「なッ!?」
翼
「
奏
「
それにマリアが驚く中、翼と奏はシンフォギアを纏い、ウルトラマンに迫るマントをアームドギアの剣と槍で弾く。
奏
「大丈夫か!ウルトラマンッ!」
ウルトラマン
「立ち眩みをしただけだ問題ない。でもありがとう。」
奏の問い掛けにウルトラマンは心配させまいとそう答える。
翼
「ならば少し休ん下さい。ここから先は私達が受け持つッ!」
翼と奏はアームドギアを構え、マリアへ接近する。マリアも2人を迎撃するが、2人の連携に徐々に押されていく。
マリア
(強い!これがウルトラマンと共に戦い、アース・クライシスを乗り越えた装者の実力かッ!!)
翼
「覚悟ッ!」
遂に押し切られたマリアに翼の〈風輪火斬〉が直撃する瞬間、翼の背後から無数の小型鋸に刃と短剣が迫る。
奏
「翼ッ!」
ウルトラマン
「ッ!」
それを見た奏は叫び、ウルトラマンはコスモブラスターで半分を撃ち落とす。翼は攻撃を中断して防御に周り、マリアから距離を取る。するとマリアの傍に着地する者達がいた。マリアと同じく黒いシンフォギアを纏った3人の新たな戦姫であった。
マリア
「助かったわ。セレナ、調、切歌。」
セレナ
「大丈夫?マリア姉さん。」
調
「危機一髪。」
切歌
「正に間一髪デスよ!」
翼
「装者が・・・」
奏
「4人ッ!?」
翼達が驚く中、ウルトラマンはセレナと呼ばれた女性の顔を見て驚いていた。
ウルトラマン
(間違いない・・・ブルドンに飛ばされていた時に助けたあの子か!?)
セレナ
「・・・(ウルトラマンさん・・・)ッ!」
ウルトラマンの視線に気付いたセレナは少し悲しげな顔をして俯くが、意識を切り替える。
マリア
「これで4対3。大人しくウルトラマンを渡してくれるかしら?」
奏
「4対3?それは違うな。」
マリア
「何?」
翼
「見下ろしてばかりだから勝機を見失うッ!」
翼の叫びと同時に二課のヘリが到着し、シンフォギアを纏った響とクリスが降下する。
クリス
「土砂降りな!10億連発ッ!」
両手の2連装ガトリングガンのアームドギアから弾丸を撃ちだすクリス。調と切歌は回避し、マリアとセレナは防御する。そこへ響の拳が振り下ろされるが、回避される。そして響達は翼達と合流する。月夜が輝く空の下に8人の戦姫が揃った。
響
「止めようよ、こんな戦い!今日であった私達が争う理由なんてないよッ!」
調
「ッ!そんな綺麗事をッ!」
響
「えッ?」
切歌
「綺麗事で戦う奴の言う事なんか、信じられるものかデスッ!!」
響は説得しようと言葉を掛けるが、調は響を睨み、切歌はアームドギアの鎌を向けてそう言う。
響
「そんな・・・話せば分かり合えるよッ!戦う必要なんて「偽善者。」ッ!?」
調
「この世界には、貴方の様な偽善者が多すぎる・・・!」
調は響の言葉を遮り、〈α式 百輪廻〉を放ち、戦闘が再開される。響に向かって来る小型鋸をウルトラマンと翼が防ぐ。クリスと奏はマリア達に攻撃するが回避される。その後、両陣営の装者達は個別になって戦いが続く。その中で調はツインテール部分の伸縮可能なアームに装備された巨大鋸で響に攻撃する。
響
「わ、私は、困っている皆を助けたいだけで、だから・・・」
調
「それこそが偽善!痛みを知らない貴方に、誰かの為に何て言ってほしくないッ!!」
響は再度説得しようとするが、彼女の言葉は届く事はなかった。〈γ式 卍火車〉で投擲された2枚の巨大鋸が響に迫る。
ウルトラマン
「響ッ!」
援護射撃を行っていたウルトラマンは気付き、駆け付けようと走る。その際に再び激痛を感じるが、気力で踏ん張って2枚の巨大鋸と響の間へ入り、その攻撃を受け止める。
ウルトラマン
「グアァァァッ!!」
響
「ウルトラマンさんッ!?」
2枚の巨大鋸から響を守る事に成功するが、ウルトラマンはダメージを受けて響の所まで吹き飛ぶ。響はウルトラマンを抱き起すとスーツの間からボタボタと血が流れ出る。それを見た奏達は響の方へ集まる。一方、マリア達も調の方に集まる。
マリア
「調!やり過ぎよッ!」
切歌
「血がめっちゃ出てるデスよッ!?」
調
「ち、違う。そんなつもりじゃ・・・ッ!」
セレナ
「では一体・・・ッ!」
その時、ステージの中心で薄緑の光が光り出すと同時に大型ノイズが出現。この事態に気絶したウルトラマンを除いて全員が驚く。
調
「増殖分裂タイプ・・・」
切歌
「こんなの使うなんて、聞いてないデスよッ!?」
マリア
「・・・分かったわマム。」
セレナ
「マムは何て言ってたの?」
マリア
「撤退よ。」
マリアは出現した増殖分裂型ノイズへ〈HORIZON†SPEAR〉を放つ。爆散を確認して撤退する。これに響達が驚くが、ノイズが増殖し始めた事で更に驚く。
数を減らそうとするが、攻撃をする程に数が増えていく。このままでは会場に溢れ出すと話していた時に緒川から連絡が入る。
緒川
『皆さん聞こえますかッ!会場のすぐ外には避難したばかりの観客達がいます!そのノイズをそこから出す訳にはッ!!』
そう聞かされ、どう対処するかと悩ませる翼達。すると響は絶唱を使うと言う。
クリス
「あのコンビネーションは未完成なんだぞッ!」
翼
「増殖力を上回る破壊力にて一気に殲滅。立花らしいが・・・」
奏
「ウルトラマンを守りながらじゃ「俺の事は・・・気にするなッ!」ッ!?」
響
「ウルトラマンさん!目が覚めたんですねッ!」
ウルトラマン
「あぁ。大体の内容は聞こえていた。自分の身は自分で守る。君達は君達でしか出来ない事をやるんだッ!」
そしてウルトラマンを瓦礫の影に移し、響を中心に左に翼と奏。右にクリスが両手を繋ぐ。
響
「行きます!S2CA・トライバーストッ!!」
響、翼、クリス、奏が絶唱を歌う。溢れ出した膨大なエネルギーが周囲のノイズを消滅させる。
翼・奏
「スパーブソングッ!」
クリス
「コンビネーションアーツッ!」
響
「セットッ!ハーモニクスッ!!」
そのエネルギーを響に集約させ、響でなければ使用不可能な最大の必殺技を放つ。
響
「これが私達の、絶唱だぁぁぁぁーーーッ!!」
大型化したアームドギアの一撃がノイズを虹色に輝く竜巻に呑み込まれて消滅。それを確認したウルトラマンもとい真は再び気絶する。
???
「・・・・・・」
すると真の傍に全身をローブで覆った謎の人物が現れ、彼を抱きかかえて響達に気付かれる事なくその場から一瞬で消える。
第16話END
次回「漆黒のウルトラマン」