戦姫絶唱シンフォギア-THE FIRST ULTRAMAN-   作:不死身の機動歩兵隊

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修正したり書き足していたら金曜日を過ぎていました。遅れてすんません。


第3話「新たなる戦姫」

西暦2041年 6月。ツヴァイウィングのライブ会場の悲劇から2ヵ月後。日本の某県某町にて外星人第3号「エイダシク星人」による誘拐捕食事件が発生。これに特異災害対策機動部・自衛隊が対処に当たり、現場である廃倉庫に突入。現場には戦闘の痕跡と、身体を横に切断されたエイダシク星人の遺体。そして誘拐し、捕食したであろう大量の遺体。そして生存者と思われる男性1名と子供2名を発見と同時に保護。

調査と事情聴取を行った結果、エイダシク星人は子供の内1人がライブ会場の事件で生存した事で生じた死者の遺族達の妬みを煽り、社会現象に発展させ、居宅の物的被害に及ぶ程の迫害行為を利用して効率よく餌となる人間を確保していた事が判明。男性は偶然悲鳴を聞き付け、現場を目撃。

エイダシク星人に襲われるが、ウルトラマンの介入によって難を逃れた模様。事件後、特異災害対策機動部は迫害を受けた子供とその家族を保護(尚、蒸発した父親は行方不明)。同時に社会現象となった迫害に対応し、徐々に沈静化に成功する。

 

西暦2042年 7/17。日本の某県某市にてミステリーサークルの様な幾何学模様が小規模ながら確認。同時に住民の失踪が判明した。特異災害対策機動部が調査を行う。動員された調査員が何名か行方不明になるが、外星人第4号「ジラフ星人」による犯行だと判明。ジラフ星人の潜伏先の廃工場を特定し、特異災害対策機動部・自衛隊は突撃。そして現場には徹底的に破壊された宇宙船。ボコボコにされて簀巻きにされたジラフ星人。失踪と行方不明となった民間人と調査員。

その彼らの横にはパイロットスーツ型の戦闘服に身を包んだ謎の人物が彼らの拘束を解いていた。自衛隊は民間人と調査員を確保。特異災害対策機動部は謎の人物に事情聴取を行おうとした時、ジラフ星人が隠し持っていた禍威獣第13号「エックス」が出現。現場は騒然し、危機に陥る。しかし、謎の人物が懐から取り出した棒状の物を天に掲げる。そしてスイッチを押すと同時に閃光が放たれ、そこからウルトラマンが出現。ウルトラマンはエックスを遠退かせ、戦闘を開始。

その数分後、グロッキーになったエックスに腕を十字に組んだウルトラマンは青白い光波熱線を放ち、エックスを撃破。そしてウルトラマンは上空へ消え去った後、自衛隊はジラフ星人を連行。特異災害対策機動部は謎の人物がウルトラマンであると確定し、目下捜索を継続中。

 

非公式記録:同年 X月。日本の某県の某山脈にて空間の歪みを観測。更に空間の歪みから未知の戦闘機が出現と同時に墜落。特異災害対策機動部は調査の為、現場に急行するが、現場には例の戦闘機は見当たらず、墜落の跡だけが残っていた。

 


 

‐西暦2043年 某山村‐

 

その夜、自衛隊は都市部へ進撃するノイズに攻撃を行っていた。しかし、ノイズの固有能力の1つ〈位相差障壁〉によって通常兵器による攻撃は無効化される。

 

自衛官隊長

「ぬぁ・・・ッ!やはり通常兵器では無理なのか!?」

 

隊長の自衛官がそう言った時。

 

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

 

2つの歌が聞こえたと同時に特異災害対策機動部二課のヘリがノイズに対応している自衛隊の頭上を通過し、大型ノイズに接近した所で2人の少女がヘリから飛び降りると同時に2回光に包まれてインナーとアーマーを装着し、双翼の戦姫は進撃するノイズの前に着地して立ち塞がる。

 

『奏、翼。先ずは一課と連携して・・・』

 

「分かってるって旦那。そんじゃ行くか、翼!」

 

「えぇ!両翼揃ったツヴァイウィングは!」

 

「何所までも遠くへ飛んでいける!」

 

奏はそう言ってノイズの大群に突っ込み、その後を翼は追いかけていく。位相差障壁を無効化されたノイズは絶刀と撃槍を纏った戦姫達によって順調に倒されていき、このまま終わると誰もが思ったその時!突然地面が揺れ始め、戦闘を行っていた自衛隊に奏と翼の動きが止まる。そしてその原因が月夜の地上に姿を現す!

 

「テエェェェン!デエェェェンッ!」

 

戦闘の衝撃で地底に眠っていた禍威獣の出現で現場は騒然とし、ノイズがまだ残っている状況ではどちらか対処は不可能であった。だがそんな事情は知ったこっちゃないと言わんばかりに残存のノイズは襲い掛かり、禍威獣第14号「テレスドン」は〈溶岩熱線〉で周囲を焼き尽くす。

翼達は残ったノイズを倒しつつ、自衛隊の退撤を支援中に1両の機動戦闘車がノイズの攻撃を受けて行動不能となる。そしてテレスドンはその車両に向けて溶岩熱線の発射態勢に入る。

 

「ッ!いけない!」

 

テレスドン

「テエェェェン?デエェェェンッ!!」

 

「グゥッ!?」

 

「翼ッ!?チッ!邪魔すんじゃね!!」

 

それを見た翼は手持ちの剣を大型化させた大剣に変形させて飛び上がり、テレスドン目掛けて大剣を振り被ると同時に巨大な青いエネルギー刃を放ち標的を両断する〈蒼ノ一閃〉がテレスドンに直撃。しかし頑丈な外皮によってビクともしない。対してテレスドンは自分を攻撃した翼を叩き落とし、踏み潰そうと接近する。

奏は助けに行こうとするが、それをノイズが阻む。その間にもテレスドンは翼の方へと接近する。翼はその場から動こうとするが、ダメージが残った状態で動けずにいた。そしてテレスドンが足を上げて翼を潰そうとしたその時、水色の光線がテレスドンに直撃する。

 

テレスドン

「テエェェェンッ!?」

 

「ッ!あれはッ!?」

 

周囲に響き渡るジェットエンジン音。月明かりに照らされて輝く銀と赤に配色された1機の戦闘機が現れた。それを見た翼は驚いた。その戦闘機は1年前に空間の歪みから現れて墜落し、現場から消えた未知の戦闘機であった。

テレスドンは標的を戦闘機に変えて溶岩熱線で撃ち落とそうとするが、有り得ない変態軌道で全て避けながら的確に光線をテレスドンに命中させる。

 

テレスドン

「テエェェェン!デエェェェンッ!!」

 

やがてテレスドンは苛立ち、一旦攻撃を止めて火炎袋に蓄積された膨大な熱エネルギーを高め、通常威力以上の溶岩熱線を放とうと口を開いたその時。

 

???

「FOX2!」

 

絶妙なタイミングで戦闘機から発射されたミサイルがスッポリと口に入る。同時にテレスドンは吞み込んでしまう。次の瞬間、テレスドンの内部で大爆発が起こる。

 

テレスドン

「テエェェェン・・・」

 

体内に深刻なダメージを負ったテレスドンは口から流血し、白眼をむいてその場に倒れ、活動停止。例の戦闘機は上空をある程度旋回して宇宙に向かって飛んでいき、月夜の空に消えた。

 

‐翌日 真side‐

 

俺がこの世界に漂着し、色々あって数ヵ月と2年経過した。現在は自前で購入したバイクで朝ツーリング兼パトロールを行っていると、見知った茶髪の女子学生は木に登って降りれなくなった小猫を助け様としていた。本当に変わらんな彼女は。そう思いながら俺は近くに寄ってバイクを路肩に停車し、ヘルメットを取ってバイクから降りる。

 

「あれから何も変わってないな。響。」

 

「あっ!真さ~ん!おはようございま~す!ってわあぁっ!?」

 

「うおッ!?あっぶね!?」

 

慌てて子猫と一緒に落ちた女子学生、立花響を受け止める。彼女とは2年前に幼馴染と一緒に知り合った関係だ。あのライブ会場の悲劇から少し経過してまた会った時はホントに酷いもんだった。エイダシク星人に煽られた連中は夜分と白昼関係なく放火、石の投げ込みなどで迫害をする輩は後を絶たなかった。

勿論俺が迎撃して追っ払った後に連中を尾行して奴が現れるタイミングを見計らったりしたが、原作の個体よりも慎重な個体で時間が掛かり、その結果で犠牲者を多く出してしまった。

 

(特に響達を誘拐した連中が潜伏先の廃倉庫を特定した時に来たからマジで焦ったな~)

 

「あ、あの真さん!そろそろ下ろしてくれませんか?///

 

「あぁ、すまんすまん。それと学校遅れるぞ。」

 

「ハッ!?」

 

赤面の響を下ろしてそう言うと、響はすぐにスマホを見た瞬間に顔を青ざめた。そんで響は挨拶をして子猫を抱きかかえたまま彼女が通う私立リディアン音楽院へ全速力で走っていく。さて、俺もそろそろ戻るか。そして俺はヘルメットを被り、バイクのエンジンを掛けてふらわーに戻る。

 

‐数時間後‐

 

ふらわーが開店してから数時間。ねぎ焼きの主役、ネギの在庫が無くなり、俺はバイクで八百屋に向ってネギを一箱購入し、後は在庫が少ない材料を購入して帰投しようと思ったその時。

 

「ッ!奴らか!」

 

ノイズの存在を感知した俺はすぐに裏路地に入り、プランクブレーンに荷物を収納。変わりに青いパイロットスーツ型の戦闘服〔マルチコンバットスーツ〕を取り出して装着した俺はバイクに乗り、現場に急行する。

 

‐真side END‐

 

真が別の現場へ急行した頃、学校行事が終わった響はツヴァイウィングのCDを買う為にCDショップに向かう途中に息を切らし、一旦止まって呼吸を整えて顔を上げる。すると周囲には灰の塊がいくつもあり、その灰が風に吹かれて舞うと同時にノイズ出現の警報が周囲に響き渡る。

急いでシェルターへ避難しようとするが、女の子の悲鳴が聞こえた響はノイズに追われる女の子の手を取り、一緒に逃走する。しかしシェルターから離れてしまう。そして響は足を躓いて背負った女の子共々転んでしまう。その間にも迫りくるノイズに響は一瞬絶望したその時。

 

『生きるのを諦めるなッ!!』

 

2年前に投げられたその言葉が電流となって脳内を走り、絶望しかけた響を奮い立たせ、再び女の子と共にノイズから逃げる。やがて工場区画内にある建物の屋上に逃げるが、そこには先回りしたノイズの大群が待ち構えていた。そしてジリジリと彼女達との距離を詰める。

 

女の子

「お姉ちゃん、死んじゃうの?」

 

「大丈夫、大丈夫ッ!だから・・・生きるのを諦めないでッ!」

 

恐怖に震える女の子を抱きしめながら2年前、奏に投げられたその言葉を叫んだその時、胸の奥から歌が聞こえ、その歌を響は無意識に歌った。

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失へのカウントダウン)

 

胸にある音符のフォルテに似た形の傷跡から光が溢れ出すと同時に光は天へと昇っていく。そのエネルギーは状況把握を行っている特異災害対策機動部二課と、某所でノイズと戦っている真が感知する。

 

‐特異災害対策機動部二課side‐

 

女性オペレーター

「反応を絞り込みました!位置、特定!」

 

男性オペレーター

「ノイズとは異なる高質量エネルギーを検知!」

 

女性研究者

「波形の照合、急いで!・・・ッ!これって、アウフヴァッヘン波形!?」

 

女性研究者がそう言った時、モニターにそのエネルギー波形の正体が表示される。

 

『GUNGNIR』

 

赤髪の司令官

「ガングニールだとッ!?」

 

この表示を見た二課に所属する職員は眼を見開いて驚く。その中でガングニールの装者である奏は特に驚いていた。

 

「どうなってんだ・・・アタシのガングニールはここにあるに!?」

 

「一体何が・・・」

 

男性オペレーター

「ッ!司令!先程のガングニールの方へ飛翔体が急速に接近中!」

 

赤髪の司令官

「新たな飛翔型の禍威獣か!?」

 

女性オペレーター

「いえ、シルエットは人型です!それと過去に観測したエネルギー波形と一致しました!これは・・・」

 

『ULTRAMAN』

 

モニターにはそう表示された。ウルトラマン。特異災害対策機動部や国連(特にアメリカなどの大国)がありとあらゆる手段で接触(コンタクト)を試みるが、その前にマッハ9.6の超音速で飛行する為、どれも失敗に終わった。だが今回は本部から工場区画まで然程距離はない。そう判断した赤髪の司令官もとい風鳴弦十郎の判断は早かった。

 

弦十郎

「奏!翼!」

 

「分かってるぜ、旦那!行くよ、翼!」

 

「えぇ!」

 

そして2人は本部を出て地下格納庫に向かい、配備されているバイクに乗り、現場へ急行する。

 

‐二課side END‐

 

‐同時刻 真side‐

 

某所で最後のノイズを手持ちの〔コスモブラスター〕で撃ち抜き、ホルスターに収めると同時に工場区画から天へと昇っていくエネルギーの光を目撃する。

 

「あの光は一体・・・ッ!響!?逃げ遅れたのか!」

 

俺は視力を強化して工場区画を見る。そこには響と小さな女の子がいた。

 

「それにあの姿は、あの嬢ちゃん達と同じ装備か!?何故彼女がアレを身に着けているんだッ!」

 

そして俺が眼を見開いて驚く間にもノイズはジリジリと距離を詰めていく。

 

「って言ってる場合じゃないかッ!」

 

そう言って左胸からベーターカプセルを取り出し、天に掲げてスイッチを押す。閃光と同時に姿を変え、響達がいる工場区画へ高速で飛んで行く。

 

‐真side END‐

 

そして時系列は光が天に昇った後に戻る。光に包まれた響は心臓を中心に全ての細胞が激変し、激痛が全身を走る。そして四つん這いになり、絶叫すると同時に背中から機械パーツが飛び出し、翼の様に生えるが、すぐに引っ込む。

それを数回繰り返す度にインナーとアーマーを纏っていく。やがて装着が完了するとアーマーの各所から蒸気が放出される。今この瞬間、新たなる戦姫が誕生した。そして響は変化した自身の姿を確認する。

 

「え、えぇッ!?何で!?私、どうなっちゃてるの!?」

 

女の子

「お姉ちゃん、カッコいい!」

 

女の子はそう言って目を輝かせて響を見詰める。響は自身の身に何が起こったのかは分からない。だが1つだけハッキリと分かる事がある。

 

(この子は絶対・・・私が守る!)

 

響は女の子を抱き上げ、その場からジャンプする。すると予想以上に跳躍に響は驚く間にも女の子諸共地面に落下していく。響は女の子が助かる様に強く抱きしめ、衝撃に備える。あと少しで地面に激突する瞬間、光の飛翔体が落下中の2人をキャッチして地面との激突を免れる。何時までも来ない衝撃に不思議に感じた響は閉じた眼を開く。するとそこには・・・

 

「ッ!ウルトラマン!」

 

ウルトラマン

「・・・(コクリ)」

 

ウルトラマンは頷いた後、ゆっくりと地上に降りる。すると彼らの周囲はノイズに完全包囲されていた。その光景に響達は恐怖に震える。そんな彼女達をウルトラマンはそっと下ろす。

 

ウルトラマン

「君はその子を守れ。」

 

響にそう言ったウルトラマンは彼女達に背を向け、姿勢を低くして構えを取ってノイズに立ちはだかる。この時、響達は先程までの恐怖は消えていた。

ウルトラマンの力強い背中が彼女達の恐怖を打ち払ったのだ。そして響達に迫るノイズはウルトラマンに迎撃されて数を減らしていく。すると・・・

 

ブオォォォーーーン!

 

工場区画に2台のバイクの音が響き渡り、ウルトラマン達を包囲しているノイズはバイクで轢いていき、最後はバイクを大型ノイズに突っ込む直前に乗っていた者達は飛び降り、聖詠を歌う。そしてシンフォギアを纏った双翼の戦姫が降り立つ。

 

「えぇッ!?奏さんに翼さん!?」

 

響が驚く中、奏と翼は連携してノイズと倒していく。ウルトラマンも2人を援護して戦いやすい状況を作り、ノイズは半分程減った時、残存のノイズは1体の大型ノイズに集結。すると大型ノイズは小型ノイズを吸収し、禍威獣と同程度の巨体となった。

 

「おいおいウッソだろッ!?」

 

「くッ、新種のノイズか!」

 

超大型ノイズは腕を振り下ろして奏達とウルトラマンを攻撃するが、ウルトラマンの体当たりでよろけて失敗する。その隙に奏は〈STARDUST∞FOTON〉を、翼は〈千ノ落涙〉で攻撃。

だが通常の個体より頑丈で倒しきれなかった。そして超大型ノイズは反撃を行おう直前に高く飛び上がったウルトラマンから放たれたウルトラスラッシュによって撃破された。

 

‐数十分後‐

 

現場に駆け付けた特異災害対策機動部と自衛隊によって現場処理が行われる中、女の子は無事親御さんの下へ送られた。そして響は寮に帰ろうとするが・・・

 

「貴女をこのまま帰す訳にはいきません。よって特異災害対策機動部二課まで同行していただきます。」

 

翼がそう言うと同時に響は二課のエージェント、緒川慎次に手錠を掛けられる。

 

緒川

「すいませんね。貴方の身柄を拘束させていただきます。」

 

「え、えぇぇぇッ!?」

 

響がそう叫んだ後、車に乗せられる一方で、奏は別のエージェントと一緒に何故かその場に留まったウルトラマンを包囲していた。

 

「アンタには悪いけど、あの子と一緒に同行してもらうぜ・・・ウルトラマン。」

 

ウルトラマン

「・・・分かった同行しよう。」

 

変身を解いてマルチコンバットスーツを着たウルトラマンもとい真はそう答え、車に乗り込み、響と一緒に二課へ同行する。

 

第3話END




次回「大いなる力と責任」

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