戦姫絶唱シンフォギア-THE FIRST ULTRAMAN-   作:不死身の機動歩兵隊

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次回も遅れるかもしれません。あしからず。


第7話「一時の平穏、崩れゆく絆」

‐西暦2043年 廃屋敷‐

 

護送作戦から1週間が経過した明朝。廃屋敷の横にある池の船着き場で、ソロモンの杖を持ったワインレッドの服を着た銀髪の少女は池を眺めながら8年前の事を思い返す。

 

‐8年前 バルベルデ共和国・某集落‐

 

突然のゲリラの襲撃で集落の半数は炎に包まれていく中で、全焼する家の前で1人の女の子はまだ家の中にいる両親の下へ行こうとするが、それを姉と慕う女性が止める。

 

???

「離してソーニャッ!パパが、ママがッ!!」

 

ソーニャ

「ダメッ!危ないわ!!」

 

???

「XXXちゃん!ソーニャさん!」

 

???

「ッ!真兄ちゃん!」

 

ソーニャ

「真さん!」

 

「2人共無事だったか!雅律さんとソネットさんは!?」

 

そう言うと2人は燃え盛る家を見る。それが何を意味するかを察した真は転がっていたバケツを手に取り、近くの水道から水を入れ、真はその水を被る。

 

「ソーニャさん、XXXちゃんを頼みます!俺は雅律さんとソネットさんの救助に向かう!!」

 

そう言った真は燃え盛る家の中へ飛び込む。その数分後、炎の中から負傷した雅律の肩を担ぐ真と、雅律の妻であるソネットが出てくる。その姿を確認した女の子とソーニャは安堵するが、家の屋根が限界を迎え、崩れ始める。

 

「ッ!?雅律さん!ソネットさん!」

 

ソネット

「キャッ!?真さん!?」

 

雅律

「真君!?」

 

真は2人を突き飛ばした次の瞬間、完全に崩れた屋根が音を立てながら落下。そのまま真下にいる真を覆い隠す。

 

???

「真兄ちゃぁぁぁぁぁぁんッ!!!」

 

‐回想END‐

 

銀髪の少女

(あの時、パパとママ、ソーニャと一緒に避難してゲリラがウルトラマンに倒された後で焼け落ちた家に戻ったけど、真兄ちゃんはいなかった。一体何処にいるんだよ・・・ッ!)

 

その時、背後から気配を感じた銀髪の少女は振り向くと、黒のキャペリンハットと服を着た謎の金髪女性がいた。

 

銀髪の少女

「分かっている、自分に課せられた事ぐらいは。こんな物に頼らなくても、あんたの言う事ぐらいやってやる。」

 

そう言って銀髪の少女はソロモンの杖を謎の金髪女性に投げ渡す。

 

銀髪の少女

「もう一度、真兄ちゃんに会うのがあたしの目的だ。それを邪魔する奴らは全部ブチのめしてやる!」

 

拳を握りしめ、そう宣言する銀髪の少女に対し、謎の金髪女性はただ怪しく微笑むのであった。

 

‐数時間後 リディアン音楽院敷地内‐

 

太陽が高くなりつつある昼前。校内グランドで体育着を来た響と未来が走っていた。そしてある程度走ったところで未来は足を止めて息を吸う。その横を響は走り抜ける。

 

(暴走するデュランダルの力・・・怖いのは、制御できない事じゃない。あの日、躊躇いもなくあの子に向かって振りぬいた事。そしてあの子を守ろうとしたウルトラマンさんを傷付けてしまった事。私が今でも未熟だったばかりにッ!私は、ゴールで終わっちゃダメだ!もっと遠くを目指さないといけないんだ!もっと遠くへ、遠くへ・・・ッ!!)

 

未来

「響・・・」

 

響がそう思いながら走り続ける中、その後ろ姿を未来は親友が何処か遠くへ行ってしまう様な感覚を覚えるのであった。そして汗を流しに風呂へ入ってイチャ付いてから出て着替えをする。

 

未来

「ねぇ、今度ふらわーのお好み焼きを奢ってよ。日曜に付き合ったお返しっという事で。」

 

「へ?そりゃあ、おばちゃんの渾身の1枚と真さんのも頬っぺが急降下作戦と言われるくらいだけど・・・」

 

未来

「じゃあ契約成立ね。それに最近おばちゃんと真さんにも会ってないでしょ?」

 

「・・・うん!分かった!」

 

未来がそう言った後に響は笑顔で答える。そしてこの時の2人は知る由もなかった。この絆が崩れゆくカウントダウンが始まっている事に・・・

 

‐翌日 真side‐

 

あれから1週間と1日が過ぎ、デュランダルから受けたダメージは完全に完治した。そんでいつも通り夕方に差し掛かった時間帯で俺は夜の部に備えて準備を行っていると、店の扉が開く。

 

未来

「こんにちは・・・」

 

「いらしゃいってあれ?未来1人なのか?響はどうしたんだ?」

 

未来

「響は急用が出来て来られないそうです・・・」

 

「・・・取り敢えず、カウンターに座ってくれ。すぐにお好み焼きを焼いてやるよ。」

 

未来

「はい・・・」

 

未来は小さくそう答えてカウンター席に座る。こんなに元気がない原因は十中八九、響に関してだよな~どう返答すれば・・・

 

未来

「真さん・・・」

 

「ッ!な、何だ?」

 

未来

「私、どうすればいいんですかね?あれから響にどう問い詰めてもはぐらかされて心配すらさせてもらえなくて・・・本当にどうすれば・・・」

 

「そうか(これは相当精神が参ってるな)・・・」

 

俺は出来上がったお好み焼きを皿に乗せ、厨房から出て未来の前にお好み焼きを置いて未来の隣に座る。そして未来を抱き寄せて彼女の頭を撫でる。

 

未来

「わわッ!?し、真さん!?」

 

「辛かったら泣いていいぞ。この時間帯じゃあ、余り客足は無いし、おばちゃんは買出しにいってる。だから泣いていいんだぞ?」

 

頭を撫でながら未来にそう言うと、暫く上目で俺の顔を見ていた彼女は顔を胸に埋めて静かに啜り泣き始め、俺はそのまま頭を撫で続けた。

 

‐数分後‐

 

未来

「ありがとうございます。お陰で気持ちがスッキリしました。」

 

「構わないよ。俺はこの程度しか出来ないからな。それじゃあ冷めたお好み焼きを温めるから待っててくれ。」

 

未来

「はい。」

 

俺は冷えたお好み焼きを温めに厨房へ行くと、暖簾の奥からいつの間にか帰宅したおばちゃんに先程の場面を見られていた事が発覚。それを聞いて小っ恥ずかしくなった俺と未来は顔が赤くなった。その後は未来が寮の門限が近いとの事で、俺はバイクで近くまで送る事にした。そして俺は最悪な未来が間近に迫っている事を知る由もなかった。

 

‐真side END‐

 

‐数分後 リディアン音楽院近辺‐

 

「本当にここまででいいのか?」

 

未来

「はい、大丈夫です。ここまで送ってくれてありがとうございます。」

 

「分かった。それじゃあ気を・・・ん?あれは響か?」

 

未来

「ホントだ。響~!」

 

未来を送り届けた真は帰ろうとした時、こちらに走って来る響を見掛ける。響の姿を確認した未来は手を振って駆け寄ろうとしたその時。

 

「来ちゃダメだ!そこはーーー」

 

ドオォォォォンッ!

 

未来

「キャアァァァッ!」

 

鎧の少女

「しまった!?アイツの他にもいたのか!?」

 

「ッ!未来!!」

 

響が未来に警告をするが間に合わず、鎧の少女が放った鞭が近くに直撃。その衝撃で未来は吹き飛ばされる。それをバイクから飛び降りた真が地面に衝突する前に未来を受け止めるが、すぐ傍で駐車していた車も吹き飛ばされて真と未来の方へ落下していく。

 

未来

「ッ!?」

 

「く・・・(マズイ、このままでは直撃する!仕方ない。力の一部を使ってでも)ッ!」

 

真は右手を翳し、ウルトラ念力で落下する車を止めようとした時、歌が聞こえた。

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失へのカウントダウン)

 

未来

「響・・・?」

 

「ごめん、未来・・・」

 

シンフォギアを纏った響が落下する車を殴り飛ばす。その光景を見た未来は驚愕した顔で響を見詰める。響は未来にそう言った後、その場から離れる様に走り出す。

 

「(クソッたれ!最悪な状況だ!!)未来!俺は響を追い掛ける!君はここで待っていてくれ!」

 

未来

「真さん!?」

 

真はそう言った後、森の中へ入っていく。一方、鎧の少女を人気がいない場所まで誘導した響は鎧の少女からの一撃を防ぎ切る。

 

「グッ!」

 

鎧の少女

「鈍臭ぇのがやってくれる!」

 

「鈍臭いが名前じゃない!私は立花響、15歳!誕生日は9月13日、血液型O型!身長はこの間の測定では157㎝!体重は・・・もう少し仲良くなったら教えてあげる!趣味は人助けで、好きな物はご飯&ご飯!後は彼氏いない歴は年齢と同じ!!」

 

鎧の少女

「な、何を急にトチ狂ってんだ、お前!?」

 

突然の自己紹介に鎧の少女は戸惑い、攻撃の手が止まる。

 

「私達は、ノイズと違って言葉が通じるんだから、ちゃんと話し合いたい!!」

 

鎧の少女

「ふん!だったら大人しくあたしに付いて来な。そしたら話でも何でも聞いてやるよ。」

 

「何で私を狙うの!その理由を教えてよ!」

 

鎧の少女

「お前に答える義理はねぇッ!!」

 

鎧の少女はそう言うと同時に鞭の先端に黒い電撃を帯びた白いエネルギー球を生成して放つ〈NIRVANA GEDON〉を響に向けて投げ付ける。それを響は腕を交差して防ぐ。

 

「グゥッ!」

 

鎧の少女

「持ってけ!ダブルだ!」

 

動きを止められた響にもう片方の鞭から放たれた2発目が直撃する瞬間、高速回転する光輪がエネルギー球を両断と同時に爆発する。

 

鎧の少女

「な!?」

 

ウルトラマン

「間に合ったようだな。」

 

「ウルトラマンさん!」

 

鎧の少女が驚くと同時に響の近くにウルトラマンがヒーロー着地する。

 

「ウルトラマンさん!少しだけ時間を稼いでくれませんか!」

 

ウルトラマン

「・・・分かった!」

 

響の瞳を少し見詰めたウルトラマンは響を信じ、鎧の少女へ構えを取る。そして響は両手の間にエネルギーを収束させる。

 

鎧の少女

「まさか、アームドギアまで手にしようってか!?させるかよ!!

 

ウルトラマン

「シャアッ!」

 

響に迫る鞭をスペシウムブレードを展開したウルトラマンが防ぐ。その間にアームドギアの生成に失敗する響だが、諦めずに続ける。

 

(エネルギーはあるんだ。アームドギアに形成されないのなら・・・その分のエネルギーを、ぶつければいいだけ!)

 

生成したエネルギー球を響が拳を握ると同時にガントレットパーツが引き上がり、蒸気を放出する。それを見た鎧の少女はウルトラマンを怯ませ、その隙に鞭で攻撃するが、響に全て掴み取られる。

 

鎧の少女

「何だと!?」

 

(雷を!握りつぶすようにぃ!)

 

鞭を掴むと同時に鎧の少女を思いっ切り引き寄せ、腰のブースターを点火。引き寄せられた勢いで身動きが出来ない鎧の少女に突貫する。

 

「(最速で、最短で、まっすぐに、一直線に!胸の響を、この思いを、)伝えるためにぃ!

 

そして鎧の少女の腹部に正拳突きが炸裂。引き上げられたガントレットパーツがパイルバンカーの要領で戻ると同時に蓄積したエネルギーが衝撃波となって鎧に罅を入れた鎧の少女は吹き飛び、擁壁に激突して円状の窪みを作る。

 

鎧の少女

「(何て無理スジな力の使い方をしやがる・・・この力、あの女共よりも威力が強い!)グゥッ!?」

 

思考を巡らせる中でネフシュタンの自己再生で蝕まれ、不快な顔を浮かべる。

 

鎧の少女

(食い破られるまでに方を付けなければ・・・ッ!?)

 

鎧の少女は響とウルトラマンに視線を向けると、目を瞑った響と構えを解いたウルトラマンが映った。

 

鎧の少女

「お前ら、バカにしてんのか!このあたしを!”雪音クリス”をッ!!」

 

ウルトラマン

「ッ!」

 

鎧の少女もといクリスの名を聞いたウルトラマンは一瞬だけピクリと反応する。

 

「そっか、クリスちゃんって言うんだ。」

 

クリス

「ッ!?」

 

「ねぇ、クリスちゃん。こんな戦いもうやめようよ?だって私達はノイズと違って言葉を交わす事ができる。ちゃんと話をすればきっと「くせえんだよ・・・」え?」

 

クリス

「嘘くせぇ・・・青くせぇ・・・!何でこうも上手くいかねぇんだよ・・・あたしは早く、”真兄ちゃん”と会いてぇのにッ!!」

 

ウルトラマン

「・・・・・・」

 

「真、兄ちゃん?」

 

クリスの言葉に反応して後退るウルトラマンと、クリスが言った言葉を復唱する響。思わず口に出してしまった事に気付いたクリスは響達を射抜かんばかりの目を向ける。

 

クリス

「ぶっ飛べよ・・・!アーマーパージだ!!」

 

クリスがそう叫んだ瞬間、ネフシュタンの鎧を弾き飛ばし、周囲に破片が飛び散る。響とウルトラマンは腕を交差して防いだその時。

 

Killiter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)

 

「この歌って!?」

 

ウルトラマン

「ッ!?」

 

歌が、それも響達シンフォギア装者が歌う聖詠が聞こえると同時に土煙が晴れ、赤を基調としたシンフォギアを纏ったクリスの姿があった。

 

クリス

「見せてやる・・・イチイバルの力をなッ!!」

 

両腕の装甲を変形させたクロスボウ型アームドギアを装備したクリスはそう宣言し、第2戦へと突入する。

 

第7話END




次回「魔弓の戦姫」
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