「よう、フック船長。」
「フック船長、今日はどの辺で戦うんですかぁ?」
「今回は第7デブリ帯だ。盾を忘れるなよ。」
俺は、部隊内でフック船長と呼ばれている。ジョリー•ロジャーと名付けられた艦の艦長をしているのもそうだ。だが、何よりも。
「キャプテン。ジムコマンドの整備、終わりましたぜ。…本当に今回も、腕は換装しないんで?」
「ああ。このままで行く。」
片手をヒート•ナタに付け替えた、このジムコマンドが原因だろう。
「…今日も、いけるか?ジム。」
愛機に手をつき語りかける。性能は最新のMSに大きく劣る。だがしかし、こいつの乗り心地にはどんな最新機体でも敵わない。何しろ、長年座り続けたシートに、何千時間も動かしたコックピットだ。文字通り、年季が違う。腕を消しとばしてくれたザク•レロから剥ぎ取った、ヒート•ナタにもとっくに慣れて、今じゃこっちのが使いやすい。
「フック船長!発進準備できやした!キャプテンも乗り込んでください!」
「いくぞ!野郎共!敵は皆殺しだ!」
「「おおーッ!!!」」
俺達は、海賊だ。元々どこに所属していたかなど、関係ない。商船を襲い、奪って、一時を生きる。それが生き甲斐であり、また、生きる唯一の手段だ。
「今回のターゲットはアナハイムの船!大物だぞ、絶対に取り逃がすな!」
「「アイアイキャプテン!」」
まずジョリー•ロジャーがビーム砲を斉射し、動きを止める。それからMSで本体を一気に落としきる。それがいつものやり口だ。それで今日まで生きてきた。これでこれからも生きていくんだ。
「フック船長!迎撃です!」
「関係ない!逆に潰してやれ!」
「アイ、キャプテン!」
増設されたバーニアを軽快にふかして駆ける。近づいてくるやつは、ヒート•ナタで切り裂いてやる。…などと考えていても、近づいてくる馬鹿はいるようだ。ドム系列の機体だろうか?機動性は高いようだが、所詮ドム。リックドムならllも合わせて100は潰した。俺の前には無力だろう。
ーーー負けた。
「クソ、ドム如きに!」
「…ドム?こいつのことか?…ハ、いや、こいつはリックディアスさ。…ところで、なあ。フック船長よ。最近この辺にいるって海賊はあんたらか?」
「だったらなんだ。」
「実力が高いと見込んだ。我々が雇いたい。」
「雇うだと?…貴様ら、何を企んでる。」
「何、ただ、我々も信頼出来る戦力が欲しくてね。君らには利用価値がある、と、上が判断した。望むなら最新のMSも用意しよう。…そんなボロじゃなくて。」
「ボロだと?…ああ、いや。いらねぇ。そのMSとやらはな。…テメェに目に物見せてやる。」
「それでこいつに勝つ気なのか?君。…まあ、雇われてくれるって事だよな?…じゃあ、頑張ってくれ。」