■<DIN>曰く
監獄都市ペルヌの戦力がいか程のものなのか、能天気なメアリーとは違って、当然AFXは前もって調べていた。
ひとつは【
だが、それはティアン戦力にすぎない。それなりの都市なら、超級職の指揮官はさほど珍しくない。
肝心要の<マスター>は、三人が記載されていた。金銭で都市そのものに雇われた、三人の用心棒。
そのどれもが限定的ながらも強者だという。戦闘能力の詳細は少なく、高級情報のカテゴリに入っていたが、ただひとつ、一般閲覧用の文言が告げていた。
“周辺環境と戦術いかんでは、或いは、準<超級>にも匹敵し得る”と。
目の前にいるのは、その一人だ。
「ペルヌ三人衆のひとり……
『良。佳識収状。然、汝可解?』
白い男は自信満々に唇をめくりあげた。
『
「……そうかな?」
メアリーとAFXは、慎重に相手を観察した。
(得物はない……徒手空拳か。乗機も従魔もいない。身一つで戦うのか?)
(<エンブリオ>は出してこない。それとも、不可視のテリトリー系列なのかな?だったら、あたしたちは既にその射程に入っている)
間合いを図りかねて、二人は足をずらした。それを嘲笑うように、再々死は間合いを詰めた。
『……先制警?然、確』
「そうかな?そっちこそ、僕らが攻撃するのを待ってるみたいだけど?」
AFXは唇をなめた。
(【
「周りの人たちは、あんたの仕業?」
凍りついた体を眺めながら、AFXは尋ねた。
体が残っているなら、まだ生きているということだ。【凍結】はHPを削る状態異常ではない。尤も、骨の髄まで冷凍された彼らは死んだも同然だった。氷の置物だ。
再々死は答えなかった。ただ肩を竦めただけで。
「氷結攻撃の<エンブリオ>ってわけ?なら、予習済みだよ」
『
再々死はわざとらしくため息をついた。その身体が傾き、重心が前にずれる。
そして、加速した。
『我除、汝!』
その突撃に、AFXも腹を括った。こいつは敵だ。体制側の人間を攻撃するのは気が引けるが……むざむざ死ぬつもりはない。
「誰が!」
「あたしがやる!」
メアリーは金の光を灯しながら、拳を固めた。
再々死の動きはまるでお粗末だった。ただ突っ込んでくるだけで、何の特殊性も見えない。武器もない。魔法を使う気配もない。
「《看破》……」
AFXはまばたきをした。特に隠蔽の類いもない。再々死の能力が、はっきりと見える。
(【死騎】メイン……HPだけが突出して高いな。AGIは僕より少し高め。その割にENDとSTRがやたら低い……なんだ、このビルドは?)
戦場で、戦士は大きく二手に別れる。
ひとつは拙速を尊ぶもの。AGIとSTRで敵を仕留める、電光石火の先制攻撃者。
ひとつは堪え忍ぶもの。ENDとHPで立ち続ける、不屈の勝利者。
再々死はこのどちらでもない。HPは高いが、耐久性に欠けているからすぐに削りきられてしまう。そのくせ高めのAGIは、敵の攻撃をかわし、即応することを可能にする。
回避を前提にするなら、耐久面は最低限でいい。むしろ速度の方に全力を尽くすべきだ。リソースは限られているのだから。
(まるで……“攻撃を食らう”ことを前提にしてるみたいな……そのくせ、追撃は速めたいっていう……)
AFXは顔をしかめ、自分も地面を蹴った。砂漠の砂は足元を不確かにし、一歩間違えれば転びそうだ。
「なんにせよ、二手で仕留めてやる!」
再々死は無様な格好でメアリーに殴りかかった。メアリーはそれを受け止め、自分が凍らないのを確かめると、アシュヴィンに命じて追撃させた。
砂柱が立つ。それを掻い潜って、再々死はすれ違う形でメアリーの背後を取った。AGIは十分にある。
『
その手刀が砂を割き……AFXに止められた。
触られても凍ったりしないのは確認済みだ。仮に氷結を食らっても、AFXなら押し留められる。
「《
再々死の攻撃力は全くもってお粗末だった。拳士系統の能力もおそらく載せているまい。【死騎】とやらがシナジーするかは知らないが。
(武器系なら使えたかもな……評判倒れだ!)
「《アルコール・ファング》!」
AFXは横薙ぎに、【酩酊】の攻撃を乗せたナイフを振り抜いた。間合いは詰まっている。再々死の右手はAFXの腹に、左手はまだ身体の横にある。防げはしない。
「いくらHPを盛ったって、こうすれば終わりだ」
喉を切り裂いた刃を返しながら、AFXは言った。
【頚部切断】。頸椎の手前を引っ掻くまで切っ先を突き入れたのだ。吹き出す鮮血がその致命傷の証明だった。
ENDのないHPに意味はない。そして二人のAGI差程度では、これを覆せるほどの戦術的有利は発生しない。
返す刃で駄目押しとばかりに首を斬り飛ばしながら、AFXは再々死の胴体を蹴りつけた。衝撃で取れかけた頭が、白い服の上でぶらぶらと揺れていた。
「……やっちゃったなぁ」
あっけなく再々死を倒せたことにも、AFXは素直に喜べなかった。生来の気質なのだ。規則だとか法律だとかは、とりあえず守っておきたいと思ってしまう。向こう見ずな誰かさんとは違って。
「ほら、行くよ!
メアリーは腰に手を当て、監獄のほうに足を向けた。
「大丈夫だよ、<マスター>同士の私闘は法律の対象外だからさ!それに、不当逮捕の証拠さえ見つけられれば抗弁できるよ」
「……そういうとこ、妙にしっかりしてるよね」
呆れたように笑いながら、AFXは血に汚れたナイフを仕舞おうとした。《自動洗浄》付きの鞘を買ったばかりだ。
「あぁ、落としてたのか」
AFXは一瞬辺りを見回して、ナイフが砂の上に落ちているのを見つけた。血糊と砂塵でベトベトだ。
こういう光景にも慣れてしまった。ここに来る前なら、女の子みたいに悲鳴を上げて騒いでいただろうに。
「情操への悪影響、やっぱりあるんじゃあないのか?」
ナイフの柄を掴もうと、AFXは右手を伸ばした。
そして、右手は崩れ落ちた。
「なッ……!」
若干黒ずんだ指はボロボロと落ち、乾いた塵のように砂に混じっていく。血は出ない。肌の表面には白っぽいレースのようなものが、柔らかく絡み付いていた。断面が干し肉のように固まっているのが見える。
骨まで凍りついているのだ。
「……メアリー!すぐに治癒を……!」
AFXは右手を押さえながら振り向いた。
「早く!」
「……AF、X」
メアリーは呟くように答え……膝から崩れ落ちた。
その首筋も、真っ白に凍り付いていた。剣山のような氷の結晶が、柔らかな喉を締め付け、破壊している。
「バカな……なんだ、これ!」
『
AFXは歯噛みしながら、左手でナイフを拾い上げた。鋼鉄製の小刀は、痛いほど冷たかった。
「再々死……!」
さっきまでと同じ、そこに立っていた白い男は、ただニヤニヤ笑っていた。不気味なことに、取れかけた頭で。
『
「なんで、生きてる……?」
AFXは喘息のように喘ぎながら叫んだ。
「ありえない!僕は見たぞ、あんたが死んだのを!致命の状態異常!HPは“0”!どんな能力でも、死者の復活はできない!それに、この、凍結は……!」
『
再々死は笑顔を崩さなかった。楽しくて仕方がないのだ。
容易く殺せる、不完全で粗雑なビルド、稚拙な戦法……だ、などと、ナメてかかってくる相手が、訳のわからない状況にわめく様を見るのは、実に楽しい!痛快かつ爽快!これだけのために、彼は自分の能力を決めたのだ。
<エンブリオ>は心の写し身。彼の心は、この状況をこの上なく楽しんでいた。
『死兵系統上級職【
「《ラスト・コマンド》……?」
AFXは呆然として言った。
『
冷気が白い煙になって膨れ上がった。風に乗って、氷結の白煙が辺りを閉ざしていく。
『
再々死は自らの裂けた首筋から、腹にまで指を突き入れ、上下左右に腹筋を裂いた。溢れ出す深紅の血の海に、なにか金属色のものがある。
『
それは腎臓の形をしていた。ビスマス結晶のように鈍く光る<エンブリオ>は、その能力で即座に肉を塞ぎ、血を補充していく。
「……まさか、お前、は」
AFXはよろよろとメアリーのほうへ後ずさった。後ろでは、凍りついた喉をかきむしりながら、メアリーが咳き込んでいた。氷の粒を吐き出し、言葉を紡ぐ。
「あた、しと、同じ、ような、能力……」
黄金色の光が迸り、メアリーを癒していく。
「死後少しだけ生存する【死騎】と……<エンブリオ>の
『肯』
【死騎】再々死は自慢げにうなずいた。能力を明かしても構わないどころか、それが威嚇になると彼は確信していた。それだけの根拠があった。
TYPEは置換型アームズ。銘は【生命臓 ニライカナイ】。
『
◇◆
■【
「おーおー、お盛んなことで」
一番槍など馬鹿のすることだ。賢いものは、手札を吐き出しきった面々を悠々と蹂躙する。既に相討ちくらいになっていてくれるとなおよい。
「漁夫の利は戦術の基本だよなァ、うん」
どちらにも……というか、あの二人に加勢するつもりは、彼には毛頭なかった。邪魔者は少なければ少ない方がいい。加えて顔つきもあまり気に食わない。死んでくれれば都合がよい。
「にしても……」
二人組は知らない様子だったが、
死兵系統の特性は、死後の生存。矛盾しているようだが、そうとしか言えない。正確にはHP枯渇後も行動を可能にする、基本的に無意味な能力だ。
(自動回復系との組み合わせは何年か前に提言されてたが、マジに実現したやつがいたとはね。“死”の処理が果たしてどうなっているのか……通常なら死んだ瞬間に<エンブリオ>も解除されるんだろうが、そこんとこの判定を死兵系統で誤魔化しているのか?)
面白い。が、<エンブリオ>に依存しすぎるのが玉に瑕か。
(おそらく自動回復特化。なかば制御を手放すことで出力を担保してるな。だが……あの氷結はなんだ?)
氷の能力は明らかに死兵系統の技ではない。それをメインに据えている以上、【魔術師】や【
(<エンブリオ>能力のオマケにしちゃ強めだな。不死と氷、リソースが合わない。まぁ、その辺りも晒してくれることを期待してるぜ、お二人さん……)
懐が震える。
「……はい」
『状況を、知らせろ』
嗄れ声がそう言った。まるで、木の葉の風にざわめく音のようで、人の声にはあまり聞こえない。
つまり、身元を教える気はないらしい。
「状況もなにも……言われた通り、現着はしましたよ。今は様子見ッスね、まだ人が多すぎる。初見で綱渡りする気はないんで……ええ、まだ監獄の外です。予想通り……」
「……“三人衆”が出撃を開始しました。現在“
『問題ない……元は、こちらが、用意した資金、だからさ』
“声”はどうも、話しにくそうなふうだった。
いや、それより、今の言葉だ。
「……?それは、どういう……いえ、詮索するつもりじゃないッスよ。ええ、俺ァね、カネさえ頂ければ文句ないんで。では……」
「手筈通り、“少女”と……“少年”を確保します。ええ、五体満足でお届けしますよ。期待して待っててくださいよ」
『期待は……していない。当然の、ことだからね。君には既に……“前金”を、振り込んである。成功以外に、結果はない。僕の……機嫌を損ねれば、“
通話は切れた。勝手なものだ。
「電話じゃねえけどな……さて」
周囲を見回す。近くに敵はない。さっきまではいたが。遠くから見られているような気配はあるが、あくまでも遠くからだ。
だから、自分の能力を晒しても問題はあるまい。
「フー……《
次の瞬間、その背中から夜空が湧き出した。
それは空を埋め尽くすように立ち昇ると、円を描いて渦になった。即座に収縮し、<マスター>本体を中心に凝集する。外からは、黒々とした球体のように見えているはずだ。
別に不思議なことはない。弾丸飛び交う戦場にいて、身を隠し引きこもりたいと思うのは自然なことだ。とても自然な心の動きだ。
そんなことは
彼はふらふらと座り込むと、その闇のなかにしばらくじっとしていた。数秒ほどのことだった。
突然その腕が動いた。まるで弾かれたネズミ取りのように、素早く動いた指で、
「視線が……通らないなら、探知も盗聴も無駄だ。普通なら。だから、これでいい」
それは蠍だった。ありふれた、普通の蠍だ。掌に収まるくらいのサイズだが、ちゃんと毒針がある。
カルディナどころか、地球でだって見つけられる。ひょっとすると火星とかにもいるかもしれない。
「小さいなァ、お前。もっとでかけりゃよかったのに。知ってるか?カルディナには亜竜級の蠍もいるんだってさあ。やっぱ名前は【デミドラグスコーピオン】とかいうのかなァ」
その指が蠍を握りしめる。蠍は、いかにも蠍らしくハサミと毒針を振り回したが、無駄だった。鮮血の装甲が既に掌から手首までを覆っていたからだ。
「ただの虫だな。モンスターだなんて呼びたくないほど。だから……ほら、わかるだろ?」
首をかしげた
「正体を現せ」
蠍はじたばたもがいていた。蠍らしく。だが、
「いい加減にしろよ、お前。もう種は割れてるんだ」
うぞうぞと蠢く付属肢のひとつを、
「これってさ、足か?それとも腕?どっちかな?どっちにしろ……」
指先に力を込める。あわれな虫けらは、あっけなく足の一つを捥がれてキイキイ鳴いた。いかにも蠍らしく、だ。
「そろそろ弁えろよ……俺はチャンスをやってるんだ。簡単に踏み潰されたって仕方のないお前に、俺とお友達になるチャンスを、だ。頑張って仲良くなるんだよ、なぁ?それが仲良くなろうって態度か?」
ミシリと、背中の甲が音を立てて割れた。
「それとも潰されたいか!」
『や、やめろ!やめてくれ!』
『許して!何でも言うこと、聞こう、なぁ!頼む!』
「……もちろんだ、俺たちは友達だものなぁ?」
地面に放り出された蠍は、まるで人間のように饒舌に言葉を紡いだ。その輪郭は次第に揺らぎ、大きくなっていった。
『あぁ、ご先祖様……』
そこにいたのは、もう蠍ではなかった。
肌は赤銅色で、彫りは深い。せりだした目庇に、濃い眉が張り付いている。手の指は六本で、手足は長めだった。まるで、どこかの森の原住民といった風情だ。
「……話せ」
『その……なんと言っていいか」
さっきまで蠍だったしょぼくれた初老の男は、かなり狼狽えたようすで手足を擦り合わせた。まるで蠍みたいに。
「ひ、久しぶりだ。この、あー……“形”に戻るのは」
「お前は、レジェンダリアの一部族だな?血統で固有種の系統を継承する奴ら……俺の【血戦騎】と同じか」
「あ、あんた、吸血氏族か!」
男は痩せこけた顔を震わせて言った。
「そうなら、話が早い。わかるだろう、俺たちは、俺たちも、掟を守らなければならん。人前で“形”を晒すのは赦されない。頼む、見逃してくれ」
「生憎、俺はあの顔色の悪い陰気な連中とは違う。忍び込んで盗んだだけだ。俺は……<マスター>だからな」
「お前には色々と聞きたいこともある。そのジョブのことも。今回の騒動のことも。裏にいるのはお前らだろう?いや、“お前らも”と言うべきかな?」
「な、なんのことか、分からないが……あぁ、あぁ、すまない!違う、まだ思考の完全じゃないんだ、長く変身しすぎると、そういう後遺症なんだ!」
「……“変身種族”か」
「動物に変身する種族。変身者のジョブを伝える奴ら。デマだと思ってたぜ」
「そ、そうだ。俺はテテハハク。蠍だ」
その男はどう見たって人間だった。今は、ということだ。
獣人ではなかった。獣の容姿を併せ持つのではなく、完全な人間から完全に獣へと変身する能力を持っている。レジェンダリアの奥地の伝説にはそうある。つまるところ、かの地レジェンダリアでさえ、“伝説”なのだ。
テテハハクは慌てて首を振った。
「いや、違う、違うぞ!教えちゃよくない、よくならんのだ!何がだ?あぁ、糞、俺の頭が座り込んでいる!地面に座り込んでいる!」
「俺はお前の友達だ。変身の……その系統名は?」
呆れたように、
「それは、あー、そう、【
頭をやられた男はふらふらと答えた。
「何の獣に《変身》するかは、人によって違う。そう、違うんだ。俺は蠍で、やつらは大猿、狼、黄金虫。そんで、あの卑劣なやつは、極楽鳥だった!あぁ、やつを監視しなくては!」
「何のために?」
「それは……我らが“王”を取り戻すためだ。ほら、友達も知ってるはずだろ?奪われたんだ、王がいなくちゃ、俺たちは悲しい。ひ、ひ、ひ、悲惨だ。一族が、おかしくなる。そうだろ?王様がいなきゃな。王様、ばんざァい!」
狂った男は、次第に酷くなりはじめていたが、
「あの、黒い牢獄……黒い牢獄に、俺たちの王がいる。でも、俺たちは人に見られちゃいけない。助けにいけない。だから、卑劣な裏切り者がやるんだ。王を助けるんだ。なんたって卑劣なんだからな、それくらいしなきゃ釣り合いが……あー、釣れないだろう?やつは釣り針なんだ、ここには魚が沢山……」
「それが、今回の騒動の目玉か……お前らの王様って訳か。まぁ、やることは変わらないが」
「お前、もう一度蠍になるんだ。それで俺の首のとこにいろ。まだ話し足りないが、お前の姿を見られるのは都合が悪いからな、そうだろ?」
「あぁ、あぁ、もちろんだ。そうだな、友達よ……《
男テテハハクは即座に収縮し、蠍になって
「種族変化するタイプの系統は、結果が個人でランダムなことも多いからな。お前らもそのクチだろう?せめて亜竜級くらいはあればよかったのになぁ」
『そうだな、友達。本当だよ。だから、王を助けなくちゃならんのだ』
「おォよ、助けに行ってやるぜ……一億リルのためにね」
とたんに粘りつく視線を感じた。うなじがべたべたするようだ。どこか遠くから見られている。
「……陰険野郎のオブか、他の馬鹿どもか、それとも……雇い主の後詰めか?まぁ、いいさ」
自分はその絵筆の一つだ。だが、それでいい。いまはそれでいい。
「面白けりゃあなんでもいい……ところで、この“絵描き”はどこのどいつかな」
通信機をしまう。
「なんにせよ……どうも性格に難があるのは間違いないか」
To be continued