夜空は『大空の彼方』求める   作:書人

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13 訪問と理由

 

昨日来た時は夜だったけど。

 

「……お、お邪魔します」

 

改めて日に当たった雲雀家は、凄くでかかった。

 

行く積もり無いから電話で断ろうとしたら、その前に翔也を寄越してきたよ……。

 

あれ?(うち)に監視カメラの類いは無かったはずなんだけど……。

 

 

 

「いらっしゃい」

 

恭弥さんに黒い着物が良く似合っていた。

 

「ど、どうも。お邪魔します」

 

翔也は普通に黒シャツにジーパンだけど。

私もオレンジシャツにジーパン。

 

……と言うか、バイクの後ろに乗るのって結構恥ずかしかった。男が腰に手を回していいのか迷う。

 

はっ………肩掴めばよかった!!

 

「聞きたいことがあるから」

 

そう言ってマイペース恭弥さんは前を歩き出す。

 

<……あっちって何が在るの?>

 

<父さんの部屋>

 

「………」

 

とりあえず二人で付いて行った。

 

あぁ、嫌な予感しかしない。

 

 

 

和室だ、うん。

 

「え…えっと、話って何ですか?」

 

「猿芝居は止めなよ。君が『ナツキ』なんだろう?」

 

「「!!」」

 

恭弥さんの目をじっと見る。

 

これは……完全にばれたか。

 

「……はぁ。別に、芝居って訳じゃ無いんですけどね。どうして分かったんですか?」

 

「翔也の態度と勘」

 

ジトー

 

翔也に目を向けるとそらされた。

 

「……だからあの姿でここに来たく無かったんだけどな」

 

そう小さく呟いて、またため息を吐いた。

 

「あとは君の名前だよ」

 

「「名前?」」

 

「女の子だったら夏輝(なつき)って名前にするって綱吉が言ってたから」

 

「そうなんですか?」

 

「君は、知っていて名乗っていたんじゃないの?」

 

「夏輝は元の名前(つなとき)をもじって私が勝手につけた名前ですす。……漢字は何て書くんですか?」

 

「夏に輝くで夏輝」

 

「……」

 

……親子で同じ事考えてたのかな……。

 

お父さんには会ったことも無いけど。お母さんは生まれたときに少しだけ見た。私は、生まれた時から意識がはっきりしていたから。

 

ある意味コレも転生特典かも知れない。

 

「そういえば」

 

その言葉でふと暗い回想から意識が戻った。と思えば、以前にどこかで聞いた心の声(セリフ)が頭に流れ込んできた。

 

「君ってせ「親子そろって似たようなこと言おうとしないでもらえますか?」」

 

続きが言われる前に言葉をかぶせた。

 

(それだけは言わせてなるものか!!!)

 

「……まさか、君って女だった訳?」

 

()は、れっきとした男ですよ」

 

「……?」

 

 

****

 

 

彼(夏輝(かのじょ)?)の身体が一瞬だけ淡く光る。

 

「「!?」」

 

「そういえば翔也も変わる所見せた事は無かったっけ?」

 

そこには胸の前で腕を組んだあの少女(ナツキ)が居た。その後、すぐに元に戻ったが。

 

「ずっとあの姿で居れるわけじゃないです。疲れるし、寝ると絶対に一度は元に戻ってしまいます」

 

今の……幻覚の類いじゃ無かった。

 

「先に言っておきますけど、今のこの姿(おとこのまま)で貴方と戦ったら100%私が負けますから」

 

「ふーん」

 

それって、女の時の方が強いって事?

 

「で、約束どおり言わないでくださいね?」

 

「嫌だ、って言ったら?」

 

「翔也には悪いけど、貴方の『夏輝(わたし)』に関する記憶を抹消するだけです」

 

「へぇ、出来るの?」

 

「出来ますよ……したくは無いですけど」

 

そう言って眉間に皺を寄せて悲しく笑う。

 

「何故、隠すの」

 

「それは言うつもりはありません」

 

「……分かった。誰にも言わないであげるよ」

 

そう言うと明らかにほっとした表情になる。

 

……そんな姿(かお)が綱吉と被った。

 

 

****

 

 

「で、話はコレで終わりですか?」

 

「うん。話はね」

 

「……なら、帰っていいですか?」

 

「一回手合わせして行きなよ」

 

そう言って恭弥さんは好戦的にニヤリと笑う。

 

「無理です」

 

私はソレをばっさり切った。

 

「……父さんのせいで昨日、僕ナツと出来無かったんだけど」

 

翔也がなんか妙な対抗心を沸かせて、小さく呟いていた。

 

「翔也とやるからとか、そう意味じゃ無いんだけど……」

 

「「それじゃあどういう意味?」」

 

「……え?」

 

言わないとダメ?恥ずかしいんだけど、色々と。と言うかハモった。さすが親子。

 

「……今は戦えないから」

 

気まずくて、顔をそらす。

 

「「……」」

 

雲雀親子の視線が痛い!

 

「……男の服装のまま女になると色々都合が悪いから」

 

「「?」」

 

ちょっと待て!

翔也はともかく、大人の雲雀さんは気付いても良いでしょうが!!

 

「はっきり言ってよ」

 

翔也にそういわれてしまった。

 

…………。

 

「女子は胸があるから、ブラ付けるかさらし巻かないといけないの」

 

小さな声で言うはめに成った。恥ずかしくて下を向いて居るけど、赤くなった顔は隠せないだろう。

 

「家で着替えないといけないから、リボーンが起きてる時間帯は無理」

 

そして上目遣いに睨む。その先の雲雀親子は固まった。

 

(そっちが言わせたんでしょうが!私のほうが恥ずかしいんだけど!?)

 

「……帰ります。親子そろってそのまま反省会でもしててください。今度から女子(おんなのこ)にものを聞く時は、もう少し考えたほうが良いですよ」

 

そうツンケンに言って帰ろうとした。

 

「とりあえずご飯は食べていきなよ。君の分も用意させてるから」

 

先に復活したのは大人な恭弥さんでした。

 

……雲雀家の和食は美味しかったです。

 

 

 

「ねぇ」

 

「何?」

 

「どうして私が一日に二人両方の相手をしてるわけ!?」

 

そういいながら借りた薙刀を振るう。その日の夜に、私は親子の順番で相手をさせられていた。

 

……そりゃ恭弥さんは強いから私の訓練になるけど……。

 

正直色々疲れるから勘弁してほしい。

 




と言うことで恭弥さんにばれました。
そして相手をさせられるって言う……。
夏輝は自分の訓練と本来の戦い方を隠すために色々な武器を借りて戦ってます。
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