10年越しの再会   作:幸(pixivでも活動中)

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色々まとめの続きです。


目次
初めての文通
梅干しが嫌いなミスティとシリル
嫁について語り合うミストガンとガジル
グランディーネとバイロ
ツインテールにしてみたいミスティとシリル
ミスウェン・コブキナ
エドラスに行く前のウェンディ
ママ友会
露出度高めのニルビット衣装(ミスウェン)
ポーリュシカとグランディーネ
グランディーネ+ナツ
赤ジャケット服のリサーナ+ナツリサ
ミスウェン
ギルティナからの旅行客
ハピシャル+エリス
シリルの体質
嫁を自慢するローグ
ガジル+メタリカーナ+ガジレビ
ウェンディ+ミネルバ
皆既月食を楽しむミスウェン一家
ソーサラーのグラビアの是非を問う男性陣
フェアリーヒルズを出た二人
ウェンディのお産を見守るミストガン
ウルティアとカナ
ミスウェン
ゼレメイ
ウェンディがエドラスに向かう前
イグニア襲来
クリス+エドシェリア+先輩
ミスウェン
グランディーネ+ミスティ+シリル
メイビスとラーケイド
エドエルザのとある日の一日
ヤジェとシュトラ
親達から見たヤジェとシュトラ
ミスウェン
ロメオとアスカ
魔法講師をするシェリア
再びギルティナからの旅行客
オーガストとラーケイド
コブキナ
ナツリサ
ミスティの誕生日
ミスティとメリア
とある日のジェラエル一家
髪を短く切ったウェンディ
ミスウェン
フリミラ一家
グレジュビ+ガジレビ
ミスウェン
ミスウェン一家
エルフマンとエバーグリーンの子供
夢の世界
クリス+ジェラール
ミスウェン一家
コブキナ一家のハロウィン
ミスウェン
少し先の未来
ミスウェン
ナツリサ+セツナ
ミスウェン
ミスウェン一家


色々まとめ その2

初めての文通

 

パパとママが最近私とシリルに

アースランドの話を沢山聞かせてくれる。

…今日は聞かせてくれるだけじゃなくて

映像ラクリマ?っていうものを見せてくれた。

そこには、パパとママのお友達っていう人達や

沢山の子供達がいた。

 

「わぁ…!」

「いっぱい…!」

 

その中で私が気になった子が

どこか私に似てる気がする

メリアっていう女の子だった。

なんだか可愛いのを抱いてた。

 

「おばあちゃん、私…手紙書くね!」

「あらあら、誰か気に入った子がいたの?」

「うんっ」

 

私は机に向かって一生懸命手紙を書いた。

暫く経って手紙を書き終わって

シールを貼って封をした。

 

「メリアちゃんって子に届けてね!」

「わかったわ、ミスティ」

 

おばあちゃんはアースランドに向かったみたい。

メリアちゃん…お返事してくれるかな…?

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─アースランド・妖精の尻尾─

 

メリアはエドラスで撮られたっていう

映像魔水晶を見せてもらった後、

ニコを呼び出して遊んでたの。

 

「ミスティって子、少しメリアに似てたね…ニコ」

「ぷぷーん?」

「似てたよ〜?」

 

「…失礼するわね、メリア」

「グランディーネさん…?」

「貴女にお手紙よ」

「メリアに…?あ、ミスティって書いてある」

「そう、ミスティから貴女への手紙よ」

「…開けていい?」

「もちろん」

 

封を開けて、手紙を読む。

 

『メリアちゃんへ

はじめまして、今日映像ラクリマを見ました。

そこには色んな子達がいたけど、

私はなんでかメリアちゃんだけが気になりました。

とりあえず…抱えてる

その可愛い子の名前はなんて言うの?

お返事下さい、待ってます。

…なんでメリアちゃんだけ気になるのかなぁ?

ミスティより』

 

メリアは紙とペンを持って、お返事を書いた。

 

『ミスティちゃんへ

はじめまして、メリアっていいます。

私がずっと抱っこしている子の名前はニコです。

私の可愛いお友達です。

メリアもミスティちゃんがなんでか気になったよ。

なんでなんだろうね?

そういえば、時々メリアのパパ達が

ミスティちゃんのママ達と夢で会うって言うよ。

…いつかメリアとミスティちゃんも

夢で会えるといいよね。

メリアより』

 

「これ、ミスティちゃんにお願いします」

「わかったわ」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─エドラス─

 

「ミスティ」

「あ、おばあちゃん!渡して来てくれたの?」

「ええ、手紙を預かったわ」

「え?もう…?」

「せっかくだから読んだら?」

「うんっ!」

 

私は手紙を読んだ。

 

「ニコっていうんだね、

夢…そこでならメリアちゃんに会えるのかな…?」

 

私はその日の夜、手紙を枕元に置いて寝た。

 

─いつかメリアちゃんと夢で会えますように…─

 

梅干しが嫌いなミスティとシリル

 

今日の朝食は複数の種類のおにぎりだった。

梅干しのおにぎりにそれぞれ当たり、

嫌そうな顔をするミスティとシリル。

 

『梅干し、嫌い…』

「好き嫌いしちゃ駄目だよ、二人共…」

『ママだって梅干し嫌いでしょー!』

 

声を揃えて反論するミスティとシリル。

 

「………」

 

その後は無言で匂いで

梅干し入りおにぎりを避ける母娘三人。

 

「あまり匂いをかぐものじゃないわよ…」

 

溜め息を吐いて、梅干しおにぎりと

それ以外に分けたグランディーネ。

 

「む〜…」

 

まだ疑っている様子のシリル。

 

「…パパが全部食べようか?」

「でもシリルはおかかが食べたいの!」

「…2つある筈だから分け合って食べなさい」

「シリルがおかか2つ食べる〜!」

「じゃあツナマヨ2つは私が食べるね〜!」

「…おかかひとつで我慢する…」

 

娘達のやり取りをジェラールとウェンディは

微笑ましそうに眺めていた。

 

嫁について語り合うミストガンとガジル

 

─夢の中─

 

「よう、ミストガン」

「ガジルか、…レビィは一緒ではないのか?」

「…今日はあいつはいねぇよ」

「そうか」

 

とりあえず椅子に座って話すミストガンとガジル。

 

「…お前は自分の嫁が

背中剥き出しなのを見てどう思う?」

「…とても、いいとは思うが…

そういう姿はあまり人に見せたくはないな」

「そうか…?」

「ああ」

「そういえば昔まだヤジェとシュトラが

赤子だった頃に小むす…ウェンディが

レビィにニルビットのワンピースを

勧めたことがあってな…」

「…ああ(あのワンピースのことか…)」

「当時の俺の頭ん中には

そっち方面のことしか浮かばなかったぜ…」

「そうか、…そういうこともさせやすいしな。

恐らくウェンディは育児が少しでも

楽になるようにという思いからだったんだろうが」

「だろうな…、そして俺は

レビィにそのことを言った結果…

変態と言われて数日間まともに

口を聞いて貰えなかった」

「まぁ…正直に言えば、そうもなるだろう」

「お前は嫁の服の趣味について、

どう思ってるんだ?」

「…可愛らしいとは思っている、が…

元はといえば俺が脱がすために

全部用意したものだからな…」

 

その言葉に絶句したガジル。

 

「…どうした?」

「お前も大概変態なんだな…」

「…そうかもな」

 

ミストガンは微笑んで、頷いたのだった。

 

グランディーネとバイロ

 

赤ジャケット服とスカートを着たミスティが

自慢するようにくるくると回っている。

グランディーネが微笑んで、それを眺めていると

部屋にバイロが入って来た。

 

「…陛下はおられぬようですね?」

「今日はここにはいないわ」

「そうですか、…それはそれは…」

「何か用があったのかしら?」

「陛下にお話が御座いまして…、

それとは別に貴女様にも少し聞きたいことが…」

「何かしら?」

「王妃様は魔力を持たれているでしょう?」

「ウェンディ達に何かするつもり…?」

 

バイロを鋭く睨んだグランディーネ。

 

「いえ、ただ…持たれているなら出来るだけ

魔力を外に放出して欲しいのです。

…貴女様も、持たれてますよね…?」

「…その程度でいいのなら、いくらでもするわ」

「ぐしゅしゅしゅ…

では、よろしくお願い致しますね」

 

そう言ってバイロは部屋を出て行った。

 

「…彼は悪人ではないようだけど、

よく分からないわ…」

 

グランディーネは溜め息を吐いて、

ミスティを愛で始めた。

 

ツインテールにしてみたいミスティとシリル

 

グランディーネがアースランドから

持って来たウェンディの写真を眺めている

ミスティとシリル。

 

「昔のママ、可愛いね」

「うん、髪型も色々あるね」

「…よく見るツインテール?っていう髪型、

私達もしてみたいね…」

「でもシリル達の髪、こんなに長くないよ…?」

「短くても、多分できる気がする…」

 

赤ジャケット服とロングスカートを着ている

ミスティはヘアゴムを4つ持って来て、

必死に髪を結ぼうとしたが上手くいかない…。

 

「む〜…!」

「どうしたの?ミスティにシリル」

「あ、ママ!ミスティがね、

髪をツインテールしてみたいって!」

「…髪が短いから、

写真みたいにはならないと思うけど、

ママがやってあげる」

「本当?」

「うん、ちょっとじっとしててね」

「うんっ!」

 

ミスティの髪をヘアゴムで周辺の髪をまとめて

小さなツインテールを作ったウェンディ。

 

「ツインテール…!」

「ミスティ、可愛い…!」

 

「失礼します、王妃様」

 

部屋に入って来たシェリア。

 

「あ、シェリアお姉ちゃん!見て見て〜!」

「ミスティ様、可愛いですね」

「私もシェリアお姉ちゃんみたいに

これから髪を伸ばすの!」

「ミスティ、ツインテールが

気に入ったみたいだね」

「そうですね、…あの…王妃様」

「どうかした?シェリア」

「あの…ミスティ様が着られている…

お洋服なんですが…」

 

語尾に向かう毎に小さな声になっていくシェリア。

 

「…?シェリア?」

「…い、いえ…やっぱり何でもありません…!」

 

首を傾げたウェンディと

赤面して部屋を出て行ったシェリア。

 

「シェリア、何の用だったんだろう…?

ミスティにシリル、もう少し大きくなったら

ママが昔使ってたものをプレゼントしてあげる」

『わ〜いっ!』

 

愛娘二人の頭を撫でて、ウェンディは微笑んだ。

 

ミスウェン・コブキナ

 

─エドラス─

 

「ウェンディ」

「どうかした?ジェラール」

「今日は何の日か分かるか?」

「ホワイトデー」

「ああ、ということでプレゼントだ」

 

プレゼントされたのは

薔薇の飾りの付いたティアラだった。

 

「これ、私に…?」

「ああ」

「ありがとう、大切にするね。ジェラール」

 

微笑んだウェンディを抱き寄せた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─アースランド・コブラ達の家─

 

「キナナ」

「どうかしたの?エリック」

「お前にプレゼントだ」

 

後ろに隠していた薔薇の花束を出したコブラ。

 

「わ…ありがとう」

「いつかみたいに鈴蘭でも良かったんだが…

サイモンのことを考えるとな」

「ふふ、そうだね。大好きだよ?」

「俺もだ、キナナ」

(パパ達、またイチャついてる…)

 

サイモンはそう思いながら、

遠い目をしていた…。

 

エドラスに行く前のウェンディ

 

「エルザ」

 

カナに呼び止められ、振り返ったエルザ。

 

「どうした、カナ」

「エルザの今後のために

こんな本があるんだけど…」

 

1冊の本をエルザに渡したカナ。

 

「…?」

 

表紙を見て訝しげにしながらも

本を1ページめくり、赤面したエルザ。

 

「か、過激過ぎる…!」

 

そう言って本を地面に放り投げ、去ったエルザ。

…偶然、その本を拾ったウェンディ。

 

「…?この本は…?」

「ウェンディかい、いやね…エルザに

その本を貸そうとしたんだけど断られちゃってねぇ」

「はぁ…」

「折角だからウェンディに貸してあげるよ」

「いいんですか…?」

「それで今後の勉強をするといいさ」

「はいっ!」

 

─夜─

 

食事を終えて、カナから借りた本を

読んでみたウェンディ。

 

「っ……!?」

 

描かれている内容に赤面しながらも

震える手でページを進めていった…。

 

─翌日・妖精の尻尾─

 

「か、カナさん…」

「ウェンディ…どうだった?」

「ほ、他にも…こういう本…ありませんか…?」

 

赤面しながら小さな声でカナの耳元で囁いた。

 

「へぇ…気に入ったんだ…?」

「っ……!」

「まだあるよ、今度また貸してあげる」

「本当ですか…!?」

「勿論さ、…ウェンディもそういう事に

興味のある年齢になったんだねぇ…」

 

そう呟いて、カナはウェンディの頭を撫でた。

 

                  

 

S級クエストから帰って来たウェンディとシャルル。

…しかし、何故かギルドには誰もいない…。

 

「…?皆どうしたのかな…?」

「おっ、お帰り〜!

あんたがいない間に大変なことになってんだよ〜」

 

そう言いながら、カナが2階から降りて来た。

 

「もう皆2階に行ったよ」

「とりあえず私達も2階に…」

「まったく…何で騒いでるのかしらね…」

 

シャルルを抱っこして2階に上がると、

そこには依頼書が貼ってあった。

『失踪したミラジェーンを探せ』

という依頼書が…。

 

「…ミラさん、いないんですか?」

「ああ、突然いなくなったんだ…。

最初に依頼を受けたラクサスと

フリードは帰ってこない、エルザや

お父さんは逃げる様に他の依頼を受ける、

他のメンバーも皆及び腰で…困っててね」

「じゃあ私が探しに行ってみます!」

「あんただけじゃ危ない、私も行くよ」

「じゃあ私達3人で行くのね」

「頑張りましょう!カナさん!シャルル!」

「勿論だよ」

「まったく…世話が焼けるわね…」

 

という訳で探すあてもないため

人に話を聞きながら探し回る3人。

 

「目撃情報ありましたか?」

「いや、私は聞けなかった」

「怖い顔をした白髪女性って…」

「シャルル…?」

「うん、目撃情報はあったわ…えっと──…」

 

シャルルの聞いた目撃情報を頼りに

次の街へと歩く3人。

…と、何かをズルズルと引き摺る音が聞こえた。

 

『…?』

 

音のする方向を見ると、ミラジェーンがいた。

…大きな角を引き摺って歩いている。

 

「ミラさん!」

「ミラ、探したんだよ!」

「ところで何してるの…?」

「……あら、ウェンディにカナ、シャルル」

 

反応したミラの表情は暗かった。

 

「急に失踪って…何があったんですか?」

「………」

「ミラ?」

「………マンと…」

「え…?」

「エルフマンとエバーグリーンに

子供が出来ちゃったの…!

私、それがショックで堪らなくて…!」

「おめでたですね…!」

「良いことじゃないか」

「良いことじゃないわよ…っ!

私が…どんな思いでそれを聞いたか…!」

「…でもミラさんに家族が増えるんですよ?」

「…家族…」

「それとも弟に先を越されて悔しいのかい?」

「悔しくなんか…ないわ…、

フリードは…私に優しいもの…」

「ナツさんとリサーナさんも仲がいいですよね」

「まぁ、あの2人は結婚までしてるし…」

「リサーナの時はまだ祝福できたのに…

どうしてエルフマンの時は…」

「それだけ溺愛してるってことじゃないかい?」

「………そうね、そうかもしれないわね。

いい加減、弟離れをしないといけないわね」

 

ポイッと角を投げ捨てたミラ。

 

「ギルドに帰るわ。…祝福してあげなくちゃ」

「ミラさん…!」

「無事解決したわね」

 

その後、ギルドに戻ったミラはエルフマンと

エバーグリーンを呼び出していた…。

 

「おめでとう、2人共」

「姉ちゃん、認めてくれるんだな…!」

「ええ、幸せになりなさい。

エバーグリーン、お腹の子を大切にね」

「当たり前じゃない…」

 

─化猫の宿跡─

 

そこにはドラゴン姿のグランディーネがいた。

 

「ただいま、グランディーネ」

「おかえりなさい、ウェンディ。

今日も元気で安心したわ…」

「えへへ…今日はね、ミラさんが

失踪したから探しに行ってたの。

ミラさんはエルフマンさん達に

子供ができたのが受け入れられなかったんだって」

「そうなの…」

 

グランディーネは大きな手でウェンディを撫でた。

 

「弟離れしないとダメって思ったらしくて

ギルドに戻ったらエルフマンさん達を

呼び出してたよ。多分祝福の言葉を

かけたんじゃないかな…?」

「…ウェンディ」

「なに?グランディーネ」

「また元気な姿を見せて頂戴ね」

 

そう言って軽くウェンディを抱き締めた。

 

「うん、また来るね。グランディーネ…大好き」

 

ウェンディとグランディーネの触れ合いを

シャルルは微笑みながら眺めていた。

 

                  

 

─天空シスターズのライブ中─

 

「「滅LOVE♪滅LOVE♪フォーエバー♪」」

『フォーエバー♪』

 

隅っこでそのライブの様子を見ているエリゴール。

 

(フォーエバー…!)

 

声には出さずに心の中で呟く。

手にはウェンディの団扇を持っている。

 

「「恋する気持ちも♪

明日の天気も♪フォーエバー♪」」

『フォーエバー♪』

(フォーエバー…!)

 

少し頬を染めながら応援するエリゴール。

ライブ終了後、二人にインタビューがあった。

 

「ズバリ質問です!好きな方はいますか?」

「うん!アタシはいるよ!」

 

即答したシェリアと

赤面して固まったウェンディ。

 

「わわ、私は…!」

「はい、ウェンディさん」

「…いますけど、全然会えない状況で…

でも…いつもその人のことを想って歌ってます」

 

(好きな奴、いるのか…)

 

インタビューを聞いて、

少し気分が落ち込んだエリゴール。

 

(…だが、応援してるぞ…ウェンディ)

 

ライブが終わった後、

さっさと帰ろうとしたエリゴールは

呼び止められた。

 

「エリゴールさん!お久しぶりです!」

 

驚いて後ろを見たエリゴール。

そこにはウェンディがいた。

 

「…小娘」

「もう小娘じゃありませんよ〜」

「…そうだな、お…大きくなったな」

「はい」

 

にっこりと笑うウェンディを直視出来ず、

エリゴールは明後日の方向を向いた。

 

「今日はライブに来てくれてありがとうございます」

「…たまたまだ」

「ふふっ」

「…これからも、応援してるからな…」

「っ!はい、ありがとう。エリゴールさん」

 

少し微笑んで、エリゴールは

ライブ会場から立ち去った…。

 

ママ友会

 

アースランドでグランディーネは

メイビスとアイリーンに愚痴っていた。

 

「夜、ミストガンはウェンディに対して

年々過激になっていくプレイがちょっとねぇ…。

私、竜だから耳を澄ませば聞こえるもの…」

 

厳しい表情で呟くグランディーネ。

 

「流石に○辱紛いになったり

昔の衣装でのプレイが増えていくと

笑えなくなるんじゃないの…?」

 

帽子に触れながら話すアイリーン。

 

「でも愛し合えるのなら良いことなのでは…?」

 

不思議そうに話すメイビス。

 

「良くないわよ…!…そういえばアイリーン」

「何かしら」

「貴女はエルザとジェラールがコスプレして

そういう事をするなら、どう思うの…?」

「特に何も思わないわ。

エルザの魔法はそういうものだし…

ジェラールは奥手気味だもの」

「…ミストガンと性格取り替えて欲しい位だわ」

「断固拒否するわ…」

「…愛し合えるって良いことですよね?」

「良いことかもしれないけど、

たまにプレイ内容が、ねぇ…」

 

話は無限ループしながら

グランディーネの愚痴は続いていた…。

 

露出度高めのニルビット衣装(ミスウェン)

 

グランディーネが週刊ソーサラーの

ウェンディ特集の雑誌を沢山持って来た結果、

衣装部屋に沢山衣服が追加された。

 

「今日は…これにしようかな」

 

上半身がほぼビキニだけのニルビット族衣装を

身にまとい、衣装部屋を出たウェンディは

即ジェラールに引き止められた。

 

「ウェンディ、その衣装はいけない」

「…なんで?」

「露出度が高過ぎる…人前で着て欲しくない」

「…じゃあ、他の服にするね」

「ああ…(妖精の尻尾の面々も

露出度の高い者がいたな…)」

 

ワイシャツとスカートに着替えて

衣装部屋から出て来たウェンディ。

 

「これでいい?」

「ああ」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ウェンディの出ている週刊ソーサラーを

見ているミスティとシリル。

 

「ママ~、ミスティもこういうお洋服欲しい~」

「ミスティがもう少し大きくなったら着れるわよ」

 

そうミスティに笑顔で話すグランディーネ。

 

(義母上の前では駄目だとは言えない…)

 

複雑な表情をしながら、そう思うジェラール。

 

「将来これ着るの楽しみだなぁ…」

 

そう呟いたミスティの頭を

笑顔で撫でるグランディーネ。

ジェラールはそれを複雑な気持ちで見ていた…。

 

─後日─

 

楽しそうにシェリアに

ソーサラーを見せるミスティ。

 

「王妃様…と…向こうの私…?」

「この人シェリアお姉ちゃんに似てるね」

「そうですね、ミスティ様。

(もしかして向こうの私…小悪魔的な人?)」

 

大胆な衣装を身に着けた雑誌のシェリアに

少し赤面するエドシェリア。

 

─その日の夜─

 

頑張って小悪魔的な衣装を身に着けようとする

シェリアだが、実行しようすると頭の中が

爆発し続けていた…。

 

翌日、シェリアがウェンディに

『どうしたら向こうの自分の様になれるか』

相談に行くと、

 

「わ、わわ…私には無理…!」

「……王妃様でも恥ずかしかったんですね…」

 

その後、何故か例のソーサラーが

エドウェンディの手へと渡り、

嬉々としてシェリアを小悪魔スタイルに

仕上げるのは、また別の話である。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「ミスティ」

「なに?ママ」

「もう勝手に雑誌を持ち出しちゃダメだよ」

「………」

「あ…あれはパパやおばあちゃんやシリルや

シェ…シェリアには見られてもいいけど

それ以外の人たちには…ダメなの…!」

「ごめんね、ママ…」

 

眉を下げて反省する

ミスティの頭を撫でたウェンディ。

 

「もういいよ、ミスティ…」

「…うん、…でもね…

1個だけ本が見つからないの…」

 

ミスティの言葉に固まったウェンディ。

 

「そ、そう…なんだ…?

早く…見つかるといいね…?」

「うん」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─後日─

 

例のニルビット族衣装を着て

ルーシィから教わったダンスを

ジェラールの前で踊っているウェンディ。

 

「見事だ、ウェンディ」

「ルーシィさんから教わったの」

「ルーシィから…」

「ちゃんと…踊れてる?」

「ああ、とても目の保養になっている」

「よかった…」

 

微笑んで、ウェンディは暫く踊り続けていた…。

 

ポーリュシカとグランディーネ

 

─マグノリア郊外の森の小屋─

 

グランディーネはポーリュシカの元に

訪れていた。

 

「天竜」

「こんにちは、ポーリュシカ」

「…なんでか私はね、

時々マカロフのことが頭にチラつくんだよ」

「………」

「昔っから無茶をして、その度に

治してやってるのに、また無茶をして…

放っておけないったらありゃしない…」

「それは、恋ではなかったのかしら…?」

 

グランディーネの言葉にポーリュシカは

遠い目をした。

 

「恋…ね。人間は嫌いと誤魔化しては来たけど

そうだったのかもしれないね…」

「ポーリュシカ…」

「私はこの想いを抱えて生きていくよ、

…他の奴らには言うんじゃないよ?」

「分かっているわ、…また来るわね」

「いつでも来るといい、…グランディーネ」

「ありがとう、グランディーネ」

 

お互いの名を口にして、二人は別れた。

 

グランディーネ+ナツ

 

─ウェンディがエドラスに行って直ぐの頃─

 

「…ウェンディ…」

 

外で空を見上げてボーッとしているナツ。

 

「ウェンディ…元気かな…」

「…ナツ?」

 

それを見かけたグランディーネ。

 

「…よう…グランディーネ…」

「どう見ても元気が無いわね…」

「ウェンディが…向こうに行っちまって…」

「…今日はとりあえず、

リサーナに思い切り甘えて来なさい」

「…おう…」

 

フラフラとした足取りで

ギルドへと向かったナツ。

 

「…エドラスに行く方法、

探してみようかしらね…」

 

その後、色々なことを試したグランディーネ。

結果として、夢の中で会えたため、

そのことを妖精の尻尾の皆と蛇姫の鱗の

シェリアに報告したという…。

 

赤ジャケット服のリサーナ+ナツリサ

 

─これはウェンディがいなくなって

落ち込んだナツのその後の話─

 

リサーナはウェンディが着ていたのと

同じ赤ジャケット服とスカートを着ていた。

 

「うん、サイズぴったり…!」

「…ただい…」

「あ、ナツ!あのね、

これ昔エドラスで買った服なんだよ!」

 

リサーナの姿を見て硬直したナツは

 

「リサーナ〜!!」

 

勢いよくリサーナに抱き着いた。

 

「…どうしたの?ナツ」

 

ナツの頭を撫でながら、

まるであやす様に話すリサーナ。

 

「悪りぃ、ウェンディのこと思い出しちまって…」

「一緒の服だもんね、仕方ないよ…」

「なぁ、しばらくこのまんまでいーか?」

「うん、大丈夫だよ」

「ありがとな、リサーナ…」

 

それから数日間、リサーナに

その衣装を着せた状態で抱きしめて

眠ったナツは次第に元気になっていった。

 

(これでいいんだよね、ナツ…)

 

時折、リサーナはナツの頭を撫でて微笑んでいた。

 

ミスウェン

 

ジェラールのパジャマを着ているウェンディ。

 

「…これ、ズボンいらないね…」

 

パジャマは上半身の方のみでも

相当大きなサイズで、ウェンディの

下半身を完全に覆い隠していた。

 

「少し動きづらいからベッドに乗って…」

 

ベッドでゴロゴロと寝転ぶ。

 

「ジェラールの匂いがする…」

 

大好きな人の匂いに包まれて

幸せそうなウェンディ。

そんな時、ジェラールが帰って来た。

 

「今戻った、ウェン…」

「ジェラール…!」

 

自分のパジャマを着ているという状況に

少し理解に手間取ったジェラール。

 

「…俺のパジャマを着たのか」

「うん」

「感想はどうだ?」

「ジェラールの匂いに包まれて幸せ!」

「そうか」

 

微笑んだ後、パジャマの内側から

脚を伝って下着を履いているか

確認したジェラール。

 

「っ……!?」

「まあ…下はびしょびしょにしたしな…」

「ジェラール…?」

 

赤面したウェンディ。

 

「ああ…すまない、気になってつい…な」

「もう…」

 

ジェラールの繰り返し頭を撫でるウェンディ。

 

「何もしないから安心してくれ

(どちらでも悪くない眺めだな…)」

「………」

 

ジェラールをぎゅっと抱き締めたウェンディ。

 

「…これ以上、下に触るのはダメ」

「ああ、分かっている。

愛しているよ、ウェンディ…」

「私もだよ、ジェラール…!」

 

お互い頬擦りをして、その日はそのまま

ベッドで過ごしていた…。

 

ギルティナからの旅行客

 

蒼い竜に乗って草原に降り立った金髪の女性。

 

「ここがイシュガル…!

水神竜様!ようやく着きましたね…!」

 

蒼い竜は直ぐ様、青髪の青年の姿となり、

女性の口に指を一本当てた。

 

「メルでいいと言った筈だよ、カラミール」

 

カラミールと呼ばれた女性は

一瞬頬を染めて、頷いた。

 

「はい、メル様…!」

「…ここが大陸のどの辺に位置するのかは

分からないが、人の気配に向かって歩こうか」

「はい…!」

 

メルと呼ばれた青年…メルクフォビアは

カラミールに手を差し出した。

 

「行こうか、カラミール」

「はい、メル様」

 

二人は手を繋いで、メルクフォビアの感覚を

元にして、近隣の街に向かった。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─マグノリア─

 

「人が沢山いるね」

「すみません、此処は何処の街でしょうか?」

 

通行人に対して、話し掛けたカラミール。

 

「此処はマグノリアだよ。フィオーレ一の

魔導士ギルド・妖精の尻尾がある街さ!」

 

「マグノリア…。メル様、どうされますか?」

「人の営みを見て回るのも勉強の内だよ。

私は他の国の人の営みを見て回る

必要があると考えたから、此処にいるのだから。

…ギルドがあるというのなら、手っ取り早く

そこに住む者達がどう暮らしているかを

見るチャンスだ。逃す手はない」

「そうですね、メル様…。

すみません、妖精の尻尾に行くには

何処へ行けばよろしいのでしょうか…?」

「それはね…───…」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─妖精の尻尾─

 

セツナの面倒をギルドで見るために

たまたまギルドに居座っていたイグニールと

ブツブツと愚痴を言いながら

愛娘のぬいぐるみを愛でるグランディーネ。

そんな二人は別の竜の気配を感じると、

警戒レベルを引き上げた。

 

「此処が妖精の尻尾…」

「…カラミール、そこで止まってくれ」

「…?はい、メルさ…」

 

ギルドに入ろうと扉を開けたカラミールを

制止し、進み出たメルクフォビアに対して

敵意を向ける二人はほぼ同時に咆哮を放った。

メルクフォビアは急いで、水を操り、

強靭な水のバリアを張って、咆哮を防いだ。

 

「ま…」

「私はギルティナ大陸に住む水神竜、

メルクフォビアだ。まさか、生きていたとは

驚きだよ。炎竜王に天竜」

「………」

 

無言で睨むイグニール。

 

「何の用で此処まで来たのかしら…?」

 

敵意を収めないグランディーネ。

 

「人の営みを見るため…では駄目かな?」

『人の営み…?』

「そう。私が収める街で

もっと人を受け入れるには…

良き街とするには、どうしたいいかと考えてね」

 

そこまで言われて、漸く敵意を解いた二人。

 

「要するに、共存派か」

「それなら安心ね、五神竜だからって

危険視し過ぎたわね…どこかの竜の

息子さんと違って人の良さそうな竜ね」

「………」

 

グランディーネの発言に

押し黙ったイグニール。

そしてメルクフォビアの水によって

ずぶ濡れになったギルド内部。

 

「メル様…!ご無事ですか…!?」

「見ての通り無事だよ」

「…その娘は?」

「この子はカラミール、

私に人との共存の道を示してくれた子だ」

 

そう言いながら、

カラミールを抱き寄せたメルクフォビア。

 

「っ…!め、メル様…っ!?」

 

メルクフォビアの行動に赤面したカラミール。

 

「もしかして…彼女さんかしら?」

「か、彼女…!?い、いいいぃぃいえ!

違います…!」

「あらあら、真っ赤になって…

可愛らしいわね」

 

クスクスと笑うグランディーネ。

…と、その時ギルドの面々が帰って来た。

 

「帰ったぞ!イグニールにセツナ…!

…って、ギルドずぶ濡れじゃねぇか!」

「パパ!」

 

ナツに擦り寄るセツナ。

 

「あのね、あのメルクフォビアっていう

竜さんにじーじ達がぶつかったら、

こうなっちゃったの…」

「竜…?」

「はじめまして、妖精の尻尾の魔導士達」

 

尚もカラミールを

抱き寄せたままのメルクフォビア。

 

「………」

 

赤面しっぱなしのカラミール。

 

「友好的な竜のようだ、俺達に攻撃されても

敵意は一切なかったぞ。ナツ」

「攻撃したのか…!?」

「ええ、そうよ」

 

その後、なんやかんやと話し合い、

いつも通りのギルドの日常に戻った。

 

「…賑やかで仲のいいギルドだね」

「良い人の営みですね、メル様」

「そうだね、カラミール」

 

その後、度重なる話し合いの結果、

『何故か』ギルドに泊まることに

なってしまい、狼狽えるカラミール。

 

「いいじゃないか、カラミール」

「でも、ですね…メル様…!

ベッドが、一人用しかないんですよ…!」

 

どう見ても一人用のベッド

(少しだけ横にも広い)しか

用意されていなかったのである。

 

「何か問題でもあるのかい?」

 

意味が分かってなさげなメルクフォビア。

 

「いえ、あの…ですね…!」

 

赤面したカラミール。

 

「じゃあ、もう眠ろうか。カラミール」

 

電気を消され、ベッドの端に寝転んだ

メルクフォビアと、赤面して混乱しながら

ベッドの端に寝たのは良かったが、

速攻で抱き寄せられて心臓が爆発しそうに

なっているカラミール。

 

(メル様と一緒に寝るだなんて…!)

 

ぽんぽんと頭を撫でられながら、

優しく宥められ続けて

 

(…大好きです、メル様…)

 

そう最後に思って、

カラミールは眠りに落ちていった…。

 

ハピシャル+エリス

 

「ハッピー、エリスにご飯あげるから

少し後ろ向いてなさい」

「あい!」

 

シャルルに言われて後ろを向いたハッピー。

 

「ほら、エリス…」

「んむ…」

 

エリスにミルクをあげるシャルル。

 

「あら、飲まないわね…。

そろそろ離乳食に挑戦させてみようかしら」

「離乳食…?」

「そう、ミルク離れして

普通のご飯も食べられるようにすることよ」

「エリスと一緒にお魚食べられるように…!」

「なるわよ」

「シャルル〜、離乳食…賛成だよ!」

 

その時、家のドアが開いた。

 

「ただいまー!」

「ご飯中だった?二人共」

 

帰って来たのはナツとリサーナだった。

 

「おかえり、パパ!ママ!」

 

二人に抱き着くセツナ。

そんなセツナを撫でる二人。

 

「リサーナ、シャルルがね

エリスを離乳食に挑戦させたらって

言ってるんだ。エリスとお魚一緒に

食べれるようになったら嬉しいなぁ」

「そうなんだ…。

じゃあ、一緒に作ろうか?シャルル」

「いいの…?」

「もちろん、同じママでしょ?」

「そうね…!」

 

ということで台所に立ったリサーナと

人間態に変身したシャルル。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ナツはエリスを抱っこして、

ハッピーは必死にエリスに話を聞かせていた。

 

「エリス、空を飛ぶ時はね…

こう…ジャンプして…

シュバっと翼が出てきて、それから

空を飛ぶんだよ!」

「にー…?」

「あとお魚はね、すっごく美味しいんだよ!」

「にー…」

「これ、お魚図鑑!どれも美味しそうだよね」

「に〜…」

「ハッピー、多分エリス…困ってるぞ」

「ええっ!?なんで〜!?」

 

その後はセツナがエリスを撫でたり…、

喧騒を聞きながら離乳食を完成させた二人。

 

「よし…!」

「まずはエリスの分…!」

「次は皆の分だね…!」

「そうね、リサーナ!」

 

そして総勢6人分の料理を完成させた。

 

「皆〜、朝食できたよ〜!

…って、お義父さん…!?」

 

いつの間にか来ていたイグニールに

驚くリサーナ。

 

「邪魔してるぞ」

「ご、ごめんなさい…!

お義父さんの分の朝食も…!」

「いや、俺は飲み物だけでいい」

「…いいんですか?」

「ああ、俺のことは気にするな」

「は、はい…」

 

テーブルにそれぞれの朝食を並べ終え、

それぞれ朝食を取る。

 

「エリス…これ、食べれる…?」

「にゃ…?」

 

離乳食に反応を示したエリスは

クンクンと匂いを嗅いで、

ゆっくりと食べ始めた。

 

「良かった…」

「シャルル〜、お魚の燻製美味しいよ〜!」

「喜んでくれて何よりよ、ハッピー」

「やっぱりリサーナの飯は美味ぇな…!」

「ありがと、ナツ」

「もぐもぐ…」

「これだけの人数で食事ってのも悪くねぇな」

「だろ?イグニール!」

「ああ」

 

賑やかな食事をしながら

和やかな雰囲気が漂っていた…。

 

この日の夜、夢の中でシャルルは

ウェンディに楽しそうに話したという…。

 

シリルの体質

 

最近、シリルは林檎の匂いが好きになったらしく

ちょこちょこ嗅いでいる。

 

「良い匂い…」

「あまり嗅ぐものじゃないよ?シリル」

 

ウェンディからの注意も気にもせず、

林檎の匂いを嗅いでいる。

 

「最近、シリル…

料理とかの匂いにも凄く喜ぶよね」

「うんっ!だって、いい匂いがするから!」

(前からそんなに匂いに敏感だったかな…?)

 

ウェンディが少し考えている間、

グランディーネは妙な表情をしていた。

 

─夜・グランディーネの部屋─

 

「すぅ…すぅ…」

 

眠っているミスティと、何故か

聞こえてくるとても小さな声に

妙な顔をしているシリル。

 

「何の声かよく分からないけど、

夜たまに変な声が聴こえる…」

 

軽く耳を澄ますと聞こえる

小さな声に戸惑うシリル。

 

「…しっかり寝なきゃ…」

 

シリルの頭を撫でるグランディーネ。

 

「おやすみ、おばあちゃん…」

 

グランディーネに撫でられ続けて、

シリルはいつの間にか眠っていた…。

 

─翌日・早朝─

 

「ジェラール、ウェンディ」

「…どうかされましたか?義母上」

「夜伽の時の声、これからは少し抑えなさい」

「…なんで?」

「シリルに少し聴こえているわ。

滅竜魔導士の体質だけが遺伝してるみたいね」

 

グランディーネの言葉に固まった二人。

 

「…たまに私は寝る時に聴力を閉じることを

しているから、シリルに少し教えてみるわ」

「ありがとう、グランディーネ…。

そんな事、できるんだね…」

「たまに閉じないと、もっと咆哮放ってるわよ」

「…感謝します、義母上」

 

─後日─

 

シリルを自分の部屋に呼び出したグランディーネ。

 

「聴力のコントロール…?」

「夜、変な声を絶対に聴かないようにするためよ。

あれは良くないわ…」

「……?」

「毎日、少しずつ

できるようになっていけばいいわ。

…人が直ぐにできることではないもの」

「うん、よろしくね…おばあちゃん」

「ええ」

 

グランディーネはシリルの頭を撫でて、

コントロール方法を教え始めたのだった…。

 

嫁を自慢するローグ

 

ガジルに会いに

妖精の尻尾を訪れているローグ。

 

「お嬢のことを皆は怖がるが、実は素顔は

温和で可愛い系が好きなんだぞ」

「ほぉ…?そういや、ライオス」

「ローグだ」

「お前、嫁のことを名前で呼ばないのか?」

「…二人だけの時か、それに加えて

フロッシュもいる時だけだ」

「つまり他の奴らがいる時は

恥ずかしくて呼べない、と…」

「誰がそんなことを言った…!」

 

二人の間でバチバチと火花が散る。

それを宥めるようにレビィは

 

「でも、大切な人にしか見せない一面って

きっと皆あるよね…。ミネルバのこと、

少しだけ分かる気がする…!」

「そうか、お嬢のことを分かってくれるか!」

「うんっ!大切にしてあげてね…?」

「ああ、勿論だ」

 

ローグは微笑んで、誇らしげにしていた。

その場を立ち去るガジルにカナが声をかけた。

 

「なんだい、嫉妬でもしたのかい?」

「他人の性癖なんざこれ以上知りたくもねぇよ」

 

ナツとウェンディの夜のことを思い出し、

 

(なんで他の滅竜魔導士は

色々とアレな面があんだよ…。

ライオス…お前だけは

あんな風になるんじゃねぇぞ…)

 

そう強く願ってガジルはギルドを出た。

 

ガジル+メタリカーナ+ガジレビ

 

銀髪の中年男性の姿のメタリカーナと

ガジルは話をしていた。

 

「相変わらず目付きが悪いのぅ…」

「うるせぇよ」

 

口では悪態を付きながらも

内心嬉しがっているガジル。

 

「それに比べて嫁と孫は可愛いのぅ」

「…まあな…」

「大事にするんじゃぞ」

「分かってるよ…」

「それにしても大きくなったのぅ…」

「ギヒッ…」

「昔は喧嘩ばかりしていて

大丈夫かと心配したものだ…」

「まあな…」

 

ガジルの頭を撫で回すメタリカーナ。

内心すごく嬉しいガジル…。

 

「さぁ、お前の家族の元へと戻るといい」

「ああ…じゃあまたな…」

「うむ…」

 

メタリカーナの元から家へと戻ったガジル。

その日の夜は、レビィに甘えていた。

 

「今日のガジルは甘えん坊だね…?」

「…悪りぃな…」

「何かあったの?」

「…メタリカーナに会ってな…」

「お義父さんに?」

「ああ…帰っちまった後、

なんか寂しくなっちまってな…」

「私なら、いくらでも

ガジルを甘えさせてあげるよ…?」

「…頼む…」

 

ガジルの頭を撫で回すレビィ。

レビィの胸に対して頬擦りするガジル。

 

「胸に向かって頬擦りしないの!」

「ちっ、たまにはいいじゃ…」

「もう…仕方ないなぁ…」

「…ありがとよ…」

 

レビィは撫でる。ガジルは頬擦りする。

それを暫く繰り返して、レビィは

ガジルを抱き締め、ガジルは

レビィに強く抱きついた。

レビィは抱き締めながら、ガジルの背中を撫でる。

ガジルはゆっくりと眠りに落ちていく…。

 

「おやすみ、ガジル…」

 

寝息を立てているガジル。

その様子に微笑むレビィ。

 

「さて…私も寝なきゃ…。

…大好きだよ、ガジル…」

「…ギヒッ」

 

レビィは微笑んで

ガジルに擦り寄って瞼を閉じた…。

 

ウェンディ+ミネルバ

 

─これはウェンディがエドラスへ行く前の話─

 

「コホン、ウェンディ…」

「ミネルバさん!」

「少し買い物に付き合ってくれぬか?」

「?いいですけど…?」

 

ということで街へと繰り出した二人。

 

「今日は服を探していてな…」

「どんな服がいいんですか?」

「………ろ」

「ろ…?」

「ローグが喜ぶような…可愛いものを…」

 

頬を染めて発言したミネルバに

ウェンディは微笑んだ。

 

「そういうことなら、喜んでご一緒します」

「あ、ありがとう…」

 

その後、様々な店に入り、

清楚可愛い系のものを買い漁った…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「それは外にも着ていくんですか?」

「着ていく訳がなかろう、これは

ローグに見せるために買ったのだ」

「可愛いものがお好きなんですね!」

「…他の者には内緒だからな?」

「はい!」

「今日は楽しかったぞ、ウェンディ」

「私もです、ミネルバさん」

「…ではな」

「はい」

 

微笑みながら、お互い手を振って別れた。

 

皆既月食を楽しむミスウェン一家

 

今日は皆既月食の日、

段々と消えていく月に不安の声をあげる

ミスティとシリル。

 

「お月様、消えてくよ…?」

「なくなっちゃうの…?」

 

月に対して別のことを思って、

それを振り払うように頭を振ったジェラール。

 

「もう少しすると、いいものが見れるぞ」

「「…?あっ!」」

 

空に真っ赤な月が現れた。

 

「赤〜い!」

「月〜!」

 

大喜びではしゃぐミスティ達。

 

「二人共、あまりはしゃぐと

お月様もびっくりするよ…?」

 

ウェンディにそう言われ、返事をする二人。

 

「うんっ!」

「わかった!」

 

そんな二人の頭を撫でるジェラール。

 

「ふふっ」

 

そんな様子をグランディーネは

微笑みながら眺めていた…。

 

ソーサラーのグラビアの是非を問う男性陣

 

─アースランド・妖精の尻尾─

 

グランディーネからの報告で

ミストガンとウェンディがコスプレプレイを

頻繁にしているという報告を受けた男性陣。

 

「…ミストガン、ウェンディに

そんなことやらせてるのか…!」

 

手から炎が溢れ、激怒しているナツ。

 

「今更だけど、ソーサラーの

グラビアって必要なの?」

 

不思議そうに話すグランディーネ。

 

(俺、稼がせてもらったから何も言えねぇ…)

(僕、散々稼がせてもらってたよ…)

 

内心そう思って黙っているグレイとロキ。

過去に子どもができたときに

「永遠の童貞だと信じてたのに!」と

ファンからの中傷を受けたため、

なんとも言えなくなったガジル。

 

「ミストガン、ぶん殴ってやる…!」

 

一人燃えるナツ。

 

「ええ、ナツからの言葉なら

少しは反省してくれるかもしれないわね」

「よし、夢でぶん殴って来る!」

 

…その後、夢で本当にミストガンを

ナツは殴っていたという…。

 

フェアリーヒルズを出た二人

 

─これはウェンディがエドラスに行く前の話─

 

「ウェンディ…私が

言いたい事は分かってるわよね?」

「…うん、シャルル」

 

ベッドの上は悲惨な状態となっていて

とても寝れるような状態ではない。

 

「ミストガンを想ってるのは、

よく分かるわ。でもね…同室の私の身も

考えて欲しいの…」

「…うん、…ヒルズ…出ようか?」

「…?ウェンディ、行く所あるの?」

「グランディーネのところ」

「…化猫の宿がある所ね」

「うん」

「…そうね、そこに小屋でも建てて…」

「グランディーネも歓迎してくれると思うの」

 

ヒルズの退去手続きを済ませて、

荷物をまとめて化猫の宿跡地へと向かった二人。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「あら、どうしたの?ウェンディにシャルル」

「ヒルズを出て来たから、

今日から此処に住もうと思って…」

「それは嬉しいわ、また一緒にいられるわね」

「うん!」

 

それから数日かけて小さな小屋を二つ完成させて

そこに住み始めた二人。

 

─朝─

 

二人が外へと出るとグランディーネが出迎えた。

 

「おはよう、二人共」

「おはよう、グランディーネ」

 

グランディーネに

スリスリと頬擦りするウェンディと

そんなウェンディの頭を

やたらと撫でるグランディーネ。

 

「くすぐったいよぉ」

「ごめんね、あまりにも愛しいものだから…」

「えへへへ…」

「ずっと此処にいてもいいのよ…?

(返答は分かっているわ…)」

「そうしたいよ…でもね…」

「そうよね、どうしても

エドラスに行きたいんでしょう…?」

「…うん…」

「私は止めはしないわ、娘の幸せの為だもの…」

「ありがとう…それまではここにいてもいい?」

「もちろんよ…」

 

無言で抱きつくウェンディ。

 

「愛しているわ、ウェンディ…」

「私もだよ、グランディーネ…」

 

ウェンディを抱き締めるグランディーネ。

 

「ウェンディー、そろそろ行くわよー」

「待ってよ、シャルル〜」

 

シャルルに着いて行くウェンディ。

 

「行ってらっしゃい、二人共」

 

ウェンディのお産を見守るミストガン

 

─これは遠い未来の話─

 

歳を重ねて、クリス達も大きくなって巣立った。

そしてウェンディは妊娠し、御産をしていた。

 

「うぅ…っ」

「ウェンディ」

 

ウェンディの手を握るジェラール。

 

「…ジェラー…ル…」

「君なら大丈夫だ…」

「…ん…っ」

 

…それから少し経って…

 

「お産まれになりました、陛下!」

「!」

 

ウェンディの頭を撫でたジェラール。

 

「お抱きになりますか?」

「…抱いてあげて…?」

「…ああ」

 

産まれたばかりの赤子を抱いて微笑むジェラール。

 

「…ウェンディ」

「…よろしくね、私達の新しい娘…。

そうだね、名前は───…」

 

その子に名前が付けられるのは、遠い未来の話である。

 

ウルティアとカナ

 

妖精の尻尾に魔女の罪の二人は

様子を見に来ていた。

 

「ジェラール、最近エルザとはどう?」

「いや、どうと言われてもな…」

「向こうのジェラールは積極的って聞いたよ?」

 

メルディの発言に顔を顰めるジェラール。

 

「…俺は俺なりにエルザを大事にしている」

「そう、なら良かったわ」

 

「ウルティア、此処に来るなんて珍しいな」

「あら、グレイ。…最近は海でよく会うわね。

…リオンもだけど…」

「…ああ」

 

「海…」

 

ウルティアの背後から抱きついたメルディ。

 

「…?メルディ?」

「…ウル、寂しいの?」

「寂しくはないわ、貴女がいるじゃない」

「うん…!大好きだよ、ウル…!」

「ふふ、大きい子供を持ってると

時々嫌になっちゃうわね…」

「ウル、私もう子供じゃないんだけど…」

 

微笑んだウルティアに抱きついているメルディ。

それを眺めながらカナは酒を飲んだ。

 

「少し前のウェンディや

ウチのチビ達は小さくて可愛くてねぇ…」

「メルディも可愛かったわね…」

「う、ウル…」

 

頬を染めるメルディ。

 

「ウェンディは自分の王子様の所に

無理にでも行っちまってねぇ…。

まぁ、夢で会えるからいいんだけどさ…」

「その王子様とやらに

私達も会ってみたいものね…。

積極的なジェラールなんて見た事ないもの…」

「じゃあ今日招待するから泊まっていきなよ」

「本当?楽しみだね、ウル!」

「ええ、そうね…メルディ」

 

その日、夢でミストガンに会った二人だが、

知っているジェラールとのあまりの差に

驚愕していたという…。

 

ミスウェン

 

「ジェラール、起きて?朝ごはん出来てるよ?」

「…ああ、おはよう。ウェン…」

 

休日、ウェンディに起こされた

ジェラールは起きた直後に硬直した。

理由はウェンディが裸エプロンだったからである。

 

「ウェンディ…?」

「ご飯食べよ…?」

「あ、ああ…」

 

朝食の間中、ウェンディの姿を

チラチラ見ていたジェラール。

ウェンディが食器を片付けている間も

じーっと見ていたジェラール。

 

「…うん、終わったから…少し着替えてくるね」

「そうか…」

 

少し気を落としたようなジェラールに

気付きながらも、衣装部屋へと向かい、

普通のメイド服に着替えてきたウェンディ。

 

「ジェラール」

「どうした?」

「耳かきするから、ちょっとこっちに…」

 

ソファーに座って寝招きするウェンディ。

ジェラールは遠慮なく

ウェンディの膝の上に頭を乗せた。

微笑みながら耳かきをするウェンディ。

 

少し時間が経って耳かきが終了し、

少しウトウトしているジェラール。

 

「お昼寝する?」

「…ああ」

 

膝枕を続けようとするウェンディを抱き寄せて、

自分の上に乗せてから瞼を閉じたジェラール。

 

「…たくさんお昼寝してていいよ…?」

「…ああ」

 

そのまま夜まで一緒に寝続けた二人。

食事と風呂を済ませ、ジェラールは

ウェンディを膝の上に座らせて

読書をしている。

目元をゴシゴシと擦るウェンディに

気付いたジェラール。

 

「もう寝るか」

「…うん」

 

本を戻してベッドに横たわり、

ジェラールはウェンディを抱き締めた。

 

「おやすみ、ウェンディ」

「おやすみ、ジェラール」

 

軽いキスを交わして、二人は瞼を閉じた。

 

ゼレメイ

 

─海─

 

「ゼレフ〜!こっちですよ〜!」

「今行くよ、メイビス」

 

海ということで水着姿のゼレフとメイビス。

(オーガストはスプリガン12の会議の為留守)

 

「ビキニか、可愛いね」

「ありがとう!

ゼレフは…うん、初対面の時よりかは

露出が増えましたね…」

「あの時は水浴び中だったからね」

「そうでしたね、かき氷でも食べますか?」

「うん」

 

手を繋いで、かき氷を頼んだ二人。

スプーンでシャクシャクと

かき氷を頬張るメイビスを

幸せそうに眺めているゼレフ。

 

「あまり一気に食べると頭が痛くなるよ…?」

「だ、大丈……ぶ…っ!?」

 

頭を押さえたメイビス。

 

「だから言ったのに…」

「うぅ…っ」

 

ゆっくりとかき氷を食べているゼレフ。

 

「それ、まだ食べれるかい?」

「は、はい…!」

「それは良かった……あ、そうだ」

「…?」

 

首を傾げるメイビスのかき氷をスプーンで

すくい取って、メイビスの口に運んだゼレフ。

少し赤面しながら、それを食べたメイビス。

 

「…どうだい?」

「美味しい…」

「じゃあ君が食べ終わるまでしてあげるよ」

「…じゃあ、その後は私の番ですね…!」

「そうだね」

 

二人は交互にかき氷を食べさせ合っていた…。

 

ウェンディがエドラスに向かう前

 

─化猫の宿跡地─

 

シャルルは朝食を見て思い悩んでいた。

 

(最近、ご飯は肉料理ばかり…。魚…食べたいわね…)

「シャルル、食べないの?あ、ソーセージじゃ嫌だった?」

「魚の燻製とか…フライとか…」

 

シャルルの発言を聞いて、ニコニコと笑うウェンディ。

 

「な、何よ…?」

「ううん、彼みたいなこと言うなぁって…」

「っ…!!」

「ふふっ、じゃあ今晩は魚ね」

(余計なこと言うんじゃなかったわ…!)

 

その後、ギルドに行ってシェリアと

遊びに行き、その様子を親しげに話した。

 

「最近、シャルルはね…

フィッシュフライバーガーとか魚を

すごく嬉しそうに食べるんだよ…?」

「それは愛だね…!」

 

シャルルを眺めながら

ウェンディとシェリアはニコニコと笑い合った。

 

イグニア襲来

 

「パパ…!」

 

リサーナと出かけていたセツナが戻って来たが、

リサーナの姿が何故か無い。

 

「…セツナ、リサーナは?」

「…また怖い竜さんが来て…ママを…」

「イグニアか、…ナツ」

「今度はリサーナを…!」

 

怒りに震えるナツ。

…というのも、これまでに彼に数回

セツナを誘拐されていたのである。

それも理由が『お前を強くするため』である。

 

「リサーナを助けに行かねぇと…!」

「セツナは俺が見ている、

そして俺も行くぞ…ナツ」

「ありがとな、イグニール…!」

 

セツナを抱き上げ、

直後に家から飛び出した二人。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

嫌がるリサーナをズルズルと引き摺りながら

移動しているイグニア。

 

「離しなさいよ…!」

「…人質なら人質らしくしてろ、

ガキの方は少しでも手加減間違えると

殺しかねなかったからな…」

 

その発言に目を鋭くしたリサーナ。

 

「だから今回はお前にした。

多少手荒に扱っても死なねぇからな」

「…なんで毎回こんなことするの…?」

「ナツを強くするためだ」

「こんなことしなくても…ナツに言えば…」

「俺を殺せる位に強くなってもらわなきゃ困る。

でないと、面白くねぇからな」

「…なんでナツに執着するの…?」

「イグニールの息子で、曲がりなりにも

アクノロギアを殺したからだ。

アイツは俺が殺す筈だった」

「それ、ナツのせいじゃ…!」

「うるせぇ」

 

イグニアの声と同時に腕を強く握られ、

そこを中心に熱が発せられた。

 

「っ……!!」

 

片腕に火傷が生じ、

痛みで大人しくなったリサーナを

草原に放り投げたイグニア。

抵抗無く倒れ、ぐったりしているリサーナ。

 

「うぅ…っ」

「…そろそろか」

 

リサーナに目を遣ることなく、

正面を見据えるイグニア。

 

「リサーナ…!リ…っ!?」

「ママ…!」

 

リサーナの状態を見て、怒りに震えるナツと

構わず走ろうとしてイグニールに止められたセツナ。

 

「炎竜王の崩拳!」

 

ナツはイグニアに対して技を放ち、

イグニアはそれを腕で受け止めた。

 

「いい怒りだ、前回より強くなったな…?」

「なんでこんな事しやがる!?

リサーナを傷付けやがって…!」

「やっぱりこの人質は効くんだな?」

「うるせぇ!俺の大事な奴を…傷付けんじゃねぇ!!」

 

至近距離で咆哮を放ち、

それをまともに食らったイグニア。

 

「つ……っ!」

 

急いでイグニアの背後に倒れている

リサーナを抱き上げて、離れたナツ。

 

「ナツ、セツナも頼む」

「ん?ああ、わかった…!」

 

イグニールからセツナを渡され、

走り去っていったナツ。

 

「いい一撃だ…」

「イグニア…」

「なんだよ」

「俺が見ていてやるから、

ナツとは正々堂々と喧嘩してくれ」

「…なんだよ、それ。

それじゃアイツは強くならねぇ」

「いや、強くなる。

戦いの経験が必ずアイツを強くする」

「俺を殺せる程にか…?」

「…いつかはな」

「……まぁ、考えておいてやるよ。親父」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ナツは急いで蛇姫の鱗に行き、

リサーナの火傷をシェリアに治療してもらった…。

 

クリス+エドシェリア+先輩

 

クリスの世話を頼まれたシェリア。

抱っこして、顔をじーっと見つめる。

 

(クリス様、可愛い…。

私もいつか、リオンさんと…)

 

クリスの世話をしながら妄想するシェリア。

 

「………」

「シェリア、手が止まっているわよ?

クリス様にミルクをあげてちょうだい」

「はい…」

 

妄想しっ放しの状態で片胸を出して

クリスの口を付けさせた。

…当然、母乳は出ない。

その様子を見てニコニコと微笑む先輩。

 

「はっ…!すみませんっ!つい…!」

「面白いことするのね、シェリア」

「………」

 

慌てて衣服を元に戻して赤面しているシェリア。

 

「ミルクの作り方、分かるかしら?」

「えっ、あっ、はい…」

「クリス様にミルクをあげられるわね?

…将来の練習と思って頑張りなさい」

「はっ、はいっ」

「ふふっ♪」

「……準備してきますっ!」

 

先輩にクリスを預けてミルクの準備に

取りかかったシェリアに先輩は微笑んでいた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

そして後日このやらかしを

ウェンディに話したシェリア。

赤面するシェリアを撫でているウェンディ。

 

「大変だったね、シェリア」

「………」

「二人におっぱいを

飲ませないといけないから大へ…」

 

最後まで言いかけて赤面したウェンディ。

赤面した状態で赤面している

シェリアの頭を撫で続けていた…。

 

ミスウェン

 

今日は新しい衣装で外に出掛けた結果、

民衆に嫉妬したジェラールによって

赤ジャケット服&スカートに着替えさせられ

ウェンディはベッドに押し倒されていた。

 

「………」

 

無言で首筋やら腹部に刻まれる無数の所有印。

 

「ウェンディ…」

 

名前を呼びながら所有印を舌で舐めていく。

 

「ん…っ!」

「君は俺の妻なのだから、ああいうことは控えてくれ」

「でも…新しい服で出かけたくて…」

 

ジェラールはウェンディを抱き締めて、

唇に深く長く口付けた。

舌を絡め、吸いながら服の上から軽く胸を揉む。

 

「俺は君にそうされると黒い感情が止まらなくなる」

「…ジェラー…ル」

 

探り当てた胸の先端を摘みながら舌を強く吸い上げた。

 

「っ〜〜〜〜…!!」

 

目が少しトロンとしているウェンディ。

 

「だから…本当に控えてくれ」

 

強く抱き締めて、耳元で囁くと

ウェンディはゆっくりと頷いた…。

その後ジェラールは今の所有印塗れの

ウェンディの姿をカメラで撮りまくっていた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

衣装部屋でへそ出し黒猫衣装を着て、

猫の鳴き真似をしているウェンディ。

 

「にゃっ、にゃぁ、にゃ〜…」

 

衣装部屋から聞こえる声に反応して

シリルが入ってきた。

 

「猫さん、いるの…?」

「っ!!」

「あ、ママ、可愛い!シリルもその服欲しい…!」

 

ポカーンとしているウェンディ。

そこにシリルを追いかけてきた

エルザもやって来た。

 

「…王妃さ……ウェンディ、なんという格好を…」

 

あっという間に小さな騒ぎになった。

 

「どうかし…た…」

 

ジェラールまでやって来た。

 

「…ウェンディ、その格好は愛らしいが、

俺に甘える時にだけ着て欲しいんだが…」

「し、試着してたらシリルが来ちゃって…」

「猫の声が聞こえたから見に来たら、

ママだったんだよ〜?」

「はっきり言わないで〜!」

 

ウェンディの頭を撫でるジェラール。

 

(人前だと恥ずかしい…!)

「本当に愛らしいな」

「つ、続きはまた今夜にでも…」

「…ああ、楽しみにしている」

「今夜って何するの〜?」

 

そうシリルが不思議そうに訊ねたが、

 

「シリル様、もう勉強のお時間です」

 

慌てたエルザが話を変えた。

 

「えー?」

「さぁ、行きましょう…」

「はーい」

 

引き摺られながら返事をしたシリル。

ウェンディを撫でるジェラール。

 

「エヘヘ…」

「今夜が楽しみだ」

「うん…」

 

頬に口付けられて、頬擦り返すウェンディ。

 

(今すぐにでも…)

「夜まで待ってね」

「…ああ」

 

─一方その頃、勉強中のミスティとシリルは─

 

「ママあの格好で夜なにするのかなー?」

「パパに甘えるんじゃないの?」

「猫のマネして甘える…?変なの…」

 

そんな二人の会話を

先生をやっているエルザが注意する。

 

「勉強中に私語は厳禁です!」

『はーい』

(全くあのお二人は…、

子供の前であんな話をするなんて…)

「その話もっと聞かせてくれないかしら?」

 

そう言ってグランディーネが乱入してきた。

 

「あ……えっと…」

「子供の前でなんですって?」

(声に出してない筈なのに…)

「さっきからボソボソ呟いてるわよ?」

「その…ですね…王妃様が全身猫コーデで

今夜、陛下と何かをするという

お話をされていて…」

「へぇ…」

 

ダラダラと汗をかくエルザに

グランディーネは微笑んだ。

 

「教えてくれてありがとう。

勉強終わったらお茶にでもしましょうか?

エルザ、貴女もいっしょにどう?」

「は、はい。喜んでお受けします…」

「別に貴女を責めることなんてしないわ、

この子達よく貴女の話をしてくれるのよ」

「それは…嬉しいです

(申し訳ありません、陛下…ウェンディ)」

「ふふっ、勉強が終わるまで

私もここで待たせてもらうわ」

 

頬を叩いて表情をキリッとさせたエルザ。

 

「では、勉強を再開する!」

『はーい』

 

勉強の様子をにこやかに眺めるグランディーネ。

…その日の夜、ジェラール達が予定していた事は

どうやら中止になった様である。

 

グランディーネ+ミスティ+シリル

 

─とある日の夜伽中(最近はほぼ毎回)の話─

 

グランディーネは孫二人を寝かしつけている。

ふと、外をチラリと見てシリルに言った。

 

「シリル、耳を塞いでなさい」

「うん、おばあちゃん」

「いい子ね…」

 

耳栓の上から軽く手を当てているシリル。

その様子にポカンとするミスティ。

 

(なんで耳栓なんか…?)

「ミスティ…気にしなくていいわよ…」

「うん…?」

(寝る前に何かお話しでも

した方がいいかもしれないわね…)

 

耳栓しながら、グランディーネに擦り寄る

シリルを撫でるグランディーネ。

そしてシリルに対抗して、

グランディーネに抱きつくミスティ。

 

「ふふっ…」

 

孫達を撫でながら、グランディーネは微笑んでいた。

 

メイビスとラーケイド

 

私は現在、アルバレス帝国に滞在しています。

この国にいると、オーガストは老人の姿なのが

少し残念です…。可愛い息子なのは

変わりませんけどね…。

 

「母さん!」

 

私に話しかけて来たのはラーケイド君、

私のことを『母さん』と呼んで来ます。

 

「どうかしましたか?」

「と、父さんが…!」

「はい、ゼレフがどうしましたか?」

「私のことを息子だと言ってくれて…!」

「おめでとうございます、…ラーケイド」

 

喜ぶラーケイドに微笑む私。

 

「か、母さん…」

「どうかしましたか?」

「私は…貴女の息子になっても…」

「いいですよ?

子供が増えるのは嬉しいことです」

「っ……!ありがとうございます!」

「これからもよろしくね、ラーケイド」

「はい、母さん…!」

 

私は気付きませんでしたが、

この様子をオーガストは無表情で見ていたとのことです。

 

エドエルザのとある日の一日

 

エルザは一頻りの鍛錬を終えた後、

出されたケーキを頬張っていた。

 

(うむ、美味いな…)

 

ふと、視界の端に青の短いツンツンヘアーが見えた。

 

「ケーキを頬張る時のお前は本当に嬉しそうにしているな」

「イザーク…」

 

たった今、目の前の椅子に座って

エルザを眺めているのはエルザの夫である。

 

「どれ、俺も一口…」

「ああ、美味だ…」

 

言葉を言いかけて、イザークの顔が

間近にある事に気付いたエルザ。

…そのままクリームの付着した唇を舐められた。

 

「っ……!」

 

顔を真っ赤に染めたエルザは

 

「甘いな…」

「………」

 

ケーキを食べる手が止まってしまった。

 

「…食べさせてやろうか?」

「た、頼む…」

「ああ、わかった…」

 

エルザの手からスプーンを取り、

ケーキを切り分けてエルザの口元へと運んでいく。

頬を真っ赤に染めて、食べるエルザを

幸せそうに眺めるイザーク。

…最後の苺まで食べさせ終わった後、

エルザを撫でた後、綺麗になった皿を持って

部屋から退出したイザーク。

…ドアを閉めると部下であるドランがいた。

 

「た、隊長…」

「見ていたのか?感心しないな…」

「あ、…いえ、少しだけで…」

「お前は今日、ミスティ様との訓練だったろう?」

「はい、ミスティ様に沢山打ち込まれて来ました」

「…大変だな、お前は…」

「いえ…」

「…傷の手当てをしてやる」

「はい、ありがとうございます…隊長」

 

ドランの頭を撫でて、イザークは

ドランを治療するため、医療室に向かった…。

 

ヤジェとシュトラ

 

─妖精の尻尾─

 

黒髪の少年は片割れである青髪の少女に話しかけた。

 

「シュトラ」

「なに?ヤジェ」

 

ルーシィの書いた本を読んでいたシュトラは

本に視線を向けたままヤジェに返事だけをした。

 

「この前の依頼、どう思った?」

「うーん、私とヤジェが組めば簡単だったね」

「そうだな…俺とシュトラが組めば楽勝だ」

 

にっと笑ったヤジェにシュトラも微笑んだ。

 

「そういえば…依頼から帰る度に

皆にワーッて来られるよな…?」

「うん、でも頼られるのは良いことだし…」

「頼られてるのか?俺達…」

「そう思うよ。子供達の中できちんとした魔法使えるのって

私とヤジェ位でしょ?」

「うーん、そういえばそうだな…」

「皆から頼られるのは良いことだよ、ヤジェ」

「…そうだな、二人で

もっと強くなろうな。シュトラ」

「うんっ!」

 

二人は笑い合って、

それぞれの趣味に没頭していた。

 

親達から見たヤジェとシュトラ

 

─ナツとリサーナ─

 

「ガジルからは想像もつかねぇよな…」

「でもレビィはしっかりしてるから…」

「ん〜、そりゃそうだが…レビィ似ってことか…」

「そうかもね」

「ロメオやアスカ以外にも頼れる奴がいるのは

良いことだとは思う」

「うんうん!」

「でもガジルは気に入らねぇ…!」

「あはは…」

「そういやリサーナ、この前の火傷は平気か?」

「うん、シェリアのお陰で跡形も無いよ」

「毎回巻き込んで悪ぃな…」

「…仕方ないことだから…」

「………」

 

─ロキとルーシィ─

 

「レビィちゃんに似て可愛いわね」

「まだあの年齢なのに、

もう依頼に行ってて凄いと思うよ」

「魔法覚えきるのも一番早かったし…」

「うん、スピカにもゆっくり教えないとね」

「そうね、ロキ」

「愛してるよ、ルーシィ」

「…もう」

 

─ジェラールとエルザ─

 

「あの年齢で魔法を扱えるのは凄いな」

「シェルでもあと少しかかりそうだしな」

「そうだな、シェルは最近母さんにも

教わってるようだから、あと少しだろう」

「…リリアはまだまだだな…」

「私が直々に教えているんだがな…」

「年齢的にもう少し長い目で見るべきだ、エルザ」

「…ああ、そうだな…ジェラール」

 

─グレイとジュビア─

 

「レビィ達の教えが余程良かったんだろうな」

「流石ガジル君!ジュビアもムースに

きちんと教えないとダメですね…!」

「頻繁に水になられて親として困るからな…」

「はい!ジュビアがきっちり魔法の基礎を

覚えさせるので、期待して待ってて下さい!」

「おう…グレージュは小さいフィギュアみてーの

作れる位だな、今ん所」

「小さ過ぎて可愛いんですよね…」

「ああ…って、おい…今どっかで

水の音がしたぞ…ムース探すぞ!ジュビア」

「は、はい!グレイ様…!」

 

ミスウェン

 

草原でジェラールに膝枕しているウェンディ。

 

「ウェンディ、少し顔を近付けてくれるか?」

「ん?」

 

にっこりと微笑むジェラール。

 

「…?」

 

不思議に思いながら顔を近付けるウェンディ。

ジェラールは後頭部を手で固定してキスをした。

 

「ん…」

 

頭を撫でて最後に唇を舐めた。

 

「…はあっ…」

「ご馳走様」

「もうっ…」

「君があまりにも可愛くてな…」

 

頬を赤らめながらジェラールを撫でるウェンディ。

 

「…疲れたら、俺の横で休むといい」

「んー…(横になる)」

「あの頃も小さかったが、今でも小さいな…」

「もうっ…」

「可愛い可愛い…俺のウェンディ…」

 

胸板に顔を押し付けるウェンディ。

ジェラールはウェンディを撫で、

ウェンディはジェラールにすりすりしている。

 

「本当に愛おしい…」

「…私も…」

「ここで少し寝るか…?」

「うん…(少しウトウトしている)」

 

瞼を閉じて優しく頭を撫で続けるジェラールと

眠りに落ちていくウェンディ、

ジェラールもウェンディを

軽く抱き締めて次第に眠りに落ちた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

暫くして、グランディーネと娘達が迎えに来た。

仕方ないなぁ、という顔のグランディーネ。

 

『パパとママ寝てる〜!』

「ええ、暫くそっとしてあげてね…」

 

注意も空しく、周りでキャッキャする二人。

グランディーネに口に人差し指を当てる仕草を

されて漸く座った二人だが、ソワソワしている。

暇なので水辺で遊び出した二人。

その音で目を覚ましたウェンディ。

 

『あ、ママ!』

「ん…みんな?」

『おはよう!』

「おはよう…?」

『パパ、まだ起きないね…』

「もう少し寝かせてあげてね…?」

『うん!』

 

娘達をなでなでし、娘達は嬉しそうに擦り寄る。

グランディーネはその様子を微笑みながら眺める。

 

「……ん…」

『パパ〜』

 

娘達を撫でるジェラール。

 

『わ〜い』

「義母上達も来られたんですね」

「貴方達がどうしてるか気になってね…」

「一緒に寝ていただけです」

「そうなの…」

 

ウェンディも二人と一緒に時折撫でるジェラール。

 

「そろそろ帰ってご飯にでもしましょうか…」

「そうですね(娘達を抱き上げる)」

『わーい、ご飯〜』

 

笑顔で後ろをついて行くウェンディ。

 

『今晩はなんだろう〜?』

「なんだろうな…?」

(お肉がいいなぁ…)

 

こうして一家でお城へと帰って行った…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

夕飯は魚だった。

少し悲しそうなウェンディ。

 

『わーいお魚ー!』

(二人共喜んで……ん?ウェンディ…?)

(ステーキ…ポークソテー…

ハンバーグ…ミートローフ…)

 

肉料理のことを考えているウェンディ。

ジェラールはこっそり部屋を出て行って

シェフに肉料理をオーダーした。

 

(甘いわねぇ…)

 

ジェラールが部屋に戻って暫くすると

肉料理が運ばれてきた。

キラキラした顔で肉料理を頬張るウェンディを

幸せそうに眺めるジェラール…。

 

(幸せそうだな…)

 

満面の笑みのウェンディ。

笑顔で食べ終わった孫達を連れて

退席したグランディーネ。

 

その後は二人で晩酌をしていた。

 

「…まだ飲めるか?」

 

ボーっとしているウェンディ。

 

「今日はこれくらいにしておくか…」

 

ジェラールに擦り寄るウェンディ。

 

「みんなのところに戻ろう…」

 

ウェンディをお姫様抱っこして

寝室に向かったジェラール。

 

「あら?もういいのかしら?」

「はい、義母上」

「ママ、顔真っ赤〜!」

「ママはあの飲み物には弱いからな…」

「あははは〜」

「さて、皆で寝るか…」

「ええ」

 

その日はウェンディを中心に皆で眠りについた…。

 

ロメオとアスカ

 

ウェンディがエドラスで着ていた

赤ジャケット服と黒のスカートの衣装を

時折着るようになった妖精の尻尾の

女魔導士達(レビィはガジルが頑なに止めた)。

 

「ロメオ!」

「なんだよ、アス……カ…」

 

アスカもその衣装を身にまとい、

ロメオの前でクルクルと回ってみせる。

 

「どう?」

「どうって…それ、確か

ウェンディ姉が着てた衣装だろ…?」

「でも皆着てるでしょ…?」

「…スカートがもう少し長ければいいと思う」

「…なんで?」

「なんでって、そりゃ…」

 

顔を赤らめるロメオ。

ニヤニヤとしながら、それを眺めているカナ。

 

「若いっていいねぇ…」

「ねぇ、ロメオ。なんで?」

「…見えるだろ、下…」

「………」

 

立ち止まってスカートをギュッと握ったアスカ。

…その後はお互い赤面しながら、

子供達の相手をしていた…。

 

魔法講師をするシェリア

 

学校の卒業生として魔法講師をしているシェリア。

 

「…という訳で、皆も沢山頑張れば

魔法だって覚えられるよ!

アタシだって頑張って勉強して覚えたんだから」

 

天空の滅神魔法を少し使って風を起こした。

 

「せんせー!」

「ん?なにかな?」

「大魔法乱舞?っていうイベントで

せんせーと戦ったっていう女の人って誰ですか?」

「今はこんな人、妖精の尻尾にはいませんよね?」

「ああ、ウェンディのこと?」

『ウェンディ…?』

 

揃って首を傾げる子供達に感慨深げに

シェリアは当時の思い出話を始めた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「─…だから、ウェンディは今では向こうの世界にいるんだよ」

『ウェンディ、すごーい…!』

「愛する人に会う為に世界の壁すら

飛び越えて…ああ、素敵…!」

「…そういえば、せんせーって

その『愛する人』っているの〜?」

「いるよ〜?リオンっていってね──…」

 

そこからシェリアの惚気話が始まった…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

家に戻り、当時着ていた

セーラー服を持ち出したシェリア。

 

「シェリア、それはまずい…」

 

シェリアの肩を掴んで止めたリオン。

 

「なんで?ジュビアはブレザー着てたでしょ?」

「うっ…」

 

言葉に詰まった挙句、家を飛び出したリオン。

向かった先はグレイの家。

 

「あ、リオンだ…!」

「リオンさんだ〜…!」

 

グレージュとムースに出迎えられた。

 

「二人共、グレイはどこだ?」

「自分の部屋にいるよ」

「でもママが入っちゃダメって言って…」

「よし、ありがとう」

 

グレイの居場所を認識したリオンは

グレイの部屋に向かい、ドアを開けた。

 

「グレ…、っ……!?」

 

リオンが見た光景は、ジュビアが制服姿で

グレイに擦り寄っている姿だった。

そのままドアを閉めて、即家に帰ったリオン。

 

「おかえり、リオン。どこに行ってたの?

あのね、ついさっきね…」

(助けてくれ、ウル…!)

「…どうかした?リオン」

 

ウルの声が聞こえた気がして顔を上げたリオン。

視線の先にいたのは、どこか疲れた表情をした

ウルティアだった。

 

「じゅ、ジュビアが制服で夜這いで…!」

 

混乱したまま話すリオン。

 

「ああ、グレイね…ジュビアに困ってるの…、

そう…私はグランディーネさんに困っててね…」

「あの人も制服で夜這いなのか!?」

「いや…その…氷の造形魔法で

大量の人形を作らされて…」

「まさか人形でハーレム…!?」

「り、リオン…?」

「それが壊す目的で、なのよ…」

「ごめんなさい…、

リオンはアタシのせいで混乱してて…」

「そうなのね…」

(この人も大変そうだなぁ…)

 

暫くリオンは混乱したまま、話は続いていた…。

 

再びギルティナからの旅行客

 

水神竜メルクフォビアの背中に乗って

風を浴びているカラミール。

 

「メル様、今日はどこへ行かれますか?」

「この前行った妖精の尻尾に行ってみようか」

「…はい、メル様。

(メル様と一緒にいられる…幸せ…)」

 

幸せオーラを撒き散らすカラミール。

 

「…カラミール、私と旅することが

そんなに幸せなのかい?」

「…!は、はい…!メル様と旅行できるなんて

光栄で堪らなくて…!」

「…そうか」

 

人気のない草原に降り立ち、

人の姿を取ったメルクフォビア。

 

「では、行こうか。カラミール」

 

メルクフォビアに差し出された手を

ゆっくりと握ったカラミール。

 

「はい、メル様…」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─妖精の尻尾─

 

「…相変わらず和気藹々としたギルドだね」

「そうですね」

「いらっしゃい、水神竜さんにカラミールさん」

「こんにちは、マスター・メイビス」

「またお邪魔させてもらいますね」

「はい、是非ゆっくりとしていって下さいね」

 

セツナの世話をしていたイグニールが

メルクフォビアを見ると手招きをした。

 

「何かな?炎竜王」

「…息子達が何故か話をしたがっている、

話をしてやってくれ」

「そうか、わかった。

では行ってくるよ、カラミー…」

 

振り返ったメルクフォビアだが、

何故かそこにカラミールの姿がなかった。

 

「…カラミール?」

「カラミールさんなら、我がギルドの

女性陣に引っ張られていきましたよ?」

「…そうか、なら安心したよ」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─男性陣の話─

 

「水神竜さん、貴方はあのカラミールという

女性をどう思っているのかな?」

 

単刀直入に本題に切り込んだロキ。

 

「…そういう話か、彼女は

私の世話をしてくれている」

「うん」

「彼女は私に人と竜の共存の道を示してくれた、

…嘗ては本来の凶悪な竜であったこの私に」

「イグニアみてぇにか?」

「そうだよ」

「…でも、変わったんだろ?」

「そうかもしれないね」

「…好き、なのか?」

「…いきなりだね、

今の彼女は私にとっては…そうだね…

傷ついて欲しくない人、かな…?」

「それ、愛って言うんじゃないのかな?」

「…それはまだ分からないかな、

彼女の気持ちも考えなければいけないしね」

『……………』

 

─女性陣の話─

 

「カラミールさん!」

 

ジュビアが乗り気に話しかけた。

 

「は、はい」

「メルクフォビアさんとはどういったご関係で…!?」

「メル様は私の恩人で、

エルミナになくてはならない御方です」

「カラミール自身はどう思っているんだ?」

「…?何を、ですか?」

「メルクフォビアさんについてじゃないかな?」

「は……!?」

 

頬を染めたカラミール。

 

「め、メル様は…私がそのような感情を

抱いていい御方では…!」

「お、これは…」

 

ニヤニヤとするカナ。

 

「応援してるよ!」

「な、なんなんですか…!?」

 

女性陣全員から生暖かい視線を貰ったカラミール。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

再び同室を勧められ、周囲の思惑に

気付きながらも混乱しているカラミール。

それを見ながら

メイビスは楽しそうに微笑んだ。

 

「仲良くなるって良いことですよね!」

 

怪訝な表情のグランディーネ…。

 

「…グランディーネさん、何か…?」

「竜は色々とすごいから…」

「でも紳士的な方みたいですよ?」

「夜になると…こう…」

「滅竜魔導士だけじゃなくて竜もそうなんですか?」

「あれより凄いわよ…」

「…でも、想い合ってるようですし… 」

「…とりあえず耳栓用意した方がいいわよ…」

「…まだそこまでは行かない気がするのですが…」

「皆豹変するのよ…」

「……?」

 

そしてメイビス達に止められるカラミール。

 

「ど、どうかされましたか?」

「いえ、何も…」

「……?メル様、どうします?」

「ご厚意に甘えるとしようか」

「は、はい…!」

 

…そして翌日、特に何も起きなかったようで

グランディーネは安心したのだった…。

 

オーガストとラーケイド

 

この日、メイビスは

アルバレス帝国に滞在していた。

 

「母さん!」

「どうかしましたか?ラーケイド」

 

メイビスに話しかけたラーケイドはにこりと微笑んだ。

 

「…呼んでみただけです、母さん」

「……?」

 

すると、急に別方向から手を引かれたメイビス。

 

「…母さんに馴れ馴れしくするな」

 

聞いたことのない声にメイビスが其方を向くと、

自分と似た金髪の、険しい表情の青年がいた。

 

「…おや、そのお姿は…」

「えっと…?」

 

一体誰なのか心当たりのないメイビス。

 

「母さん…私はオーガストです。

…若い頃の姿を取らせて頂きました」

「オーガスト…!?」

 

少しの間驚いた後、華やいだ表情になった。

 

「屈んで下さい、オーガスト!」

「はい、母さん」

 

メイビスの背丈に合わせて屈んだオーガスト。

そのオーガストの顔をぺたぺたと触るメイビス。

 

「わぁ…!小さい頃も私によく似てましたが、

大きくなっても私に似てくれたんですね…!

そして、どことなくゼレフにも似て…!」

「…嬉しいです、母さん…」

 

そう言いながらもラーケイドを

牽制しているオーガスト。

 

「…これはこれは…、では私はこれにて…」

「………」

 

ラーケイドが視界から消えた後、

母との触れ合いに集中するオーガスト…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ゼレフの元へと移動したラーケイド。

 

「父さん」

「何かな、ラーケイド」

「オーガストさんが私に冷たいのです」

「…そんなの昔からだろう?」

「…最近さらに冷たくなった気がします」

「……………。

(オーガストは僕らの息子で、

ラーケイドにはドラグニルの性を与えて、

昔から結構な期間、僕の息子と公言していて…)

…ラーケイド、理由がわかったよ」

「では、教えて頂いても…?」

「…オーガストは恐らく君に

嫉妬のような感情を抱いている。

そして僕が君を認めた以上、

君を以前よりも敵視している」

「…?何故ですか?」

「昔から君が僕の息子だと

周りに言い続けていたから…だと思うよ。

要は、君に僕らを取られたくないんだ」

「…私はオーガストさんとも

仲良くしたいのですが…」

「向こうが認識を改めてくれるのを待とうか…」

「はい、父さん…」

 

ラーケイドはゼレフに慰められていた…。

 

コブキナ

 

サイモンへのクリスマスプレゼントを

買うために店を見て回っている

コブラとキナナ。

 

「俺は蛇の置物かぬいぐるみで良いと思うが…」

「夢がないよ、エリック…。

あとそれは別に私が魔法を使えば済むことでしょ?」

「ならペットとして蛇を…」

「…蛇から離れようよ、エリック…」

「あいつ、蛇好きだぞ?」

「それは私が蛇になるからでしょ?」

「それはそうだが…」

「エリックも蛇が欲しいからって我儘言わないの。

エリックが欲しくても、サイモンも欲しいとは

限らないよ…?」

「…ペットでいいと思うんだが。

あいつ、まだ魔法の制御出来てないから

心の声も聴き取り難いからな…」

「………」

 

その発言を聞いて立ち止まったキナナ。

 

「キナナ…?」

「キュベリオスの頃は聴き取れなかったんだよね」

「…ああ」

「今は声を届けられて嬉しいよ、エリック」

「俺も…お前の声を聴けて嬉しい」

「…じゃあプレゼント、ペットの蛇にしよっか?」

「そうだな」

 

蛇を購入して、手を繋いで歩く二人。

 

「サイモン、喜ぶかな?」

「だから言ったろ、あいつも蛇好きだって」

「うん!」

(お前達の声は、聴いていて幸せになるな…)

 

コブラはそんなことを思いながら、

キナナの手を握っていた…。

 

ナツリサ

 

セツナをギルドに預け、ナツとリサーナは

雪降る街でデートを楽しんでいた。

 

「…さみぃな」

「じゃあ、こうしてあげるよ。ナツ」

 

リサーナに後ろから抱きつかれたナツ。

 

「あったけぇな…」

「…うん、ナツも暖かいよ…」

「…リサーナ、手を出せ」

「?」

 

ナツに言われるまま手を差し出したリサーナ。

その手を握って歩き出したナツ。

 

「今日は積極的だね、ナツは…」

「そうか?」

「うん、すごく…いいと思う」

 

ナツの手をしっかりと握って

ナツと並んで歩くリサーナ。

 

「今年もナツと一緒で幸せだよ」

「来年からもよろしくな、リサーナ」

「もちろん!」

 

その後は二人で肉まんを頬張ったり、

買い物したりしながら

互いに笑顔で二人きりの時間を楽しんでいた。

 

─一方エドラスでは─

 

ミスティ達はシリルよりも大きなテディベアを

プレゼントとして貰い、遊ぶ時も寝る時も

一緒で二人でテディベアに頬擦りしながら、

テディベアに抱きついて眠りについていた…。

 

ミスティの誕生日

 

今日はミスティの誕生日である。

プレゼントを両親から貰い、満面の笑みのミスティ。

 

「ありがとう!」

 

微笑む娘を見て、ウェンディはミスティが

産まれた当時のことを思い出していた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「グランディーネ…!」

「どうしたの?ウェンディ」

「こ、子育てって…どうすれば…?」

「私も手伝うわ、安心しなさい…ウェンディ」

「う、うん…!」

 

一方ジェラールはというと…

 

「俺は父親になるとは……大丈夫だろうか…?」

「ジェラール…?」

「…俺はまともな父上の記憶など殆ど無いんだぞ?」

「…大丈夫だよ、私もグランディーネしか…

ううん、いろんな人達に育てられたから…」

「ウェンディ…」

 

それからも二人は色々なことに悩みながらも

ミスティはすくすくと成長した…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「パパ!ママ!」

 

愛娘を抱き締めるジェラールとウェンディ。

それを嬉しそうに眺める、

シリルを抱っこしているグランディーネ。

 

グランディーネは後日、

この日の様子を写真に撮り映像魔水晶にも残して

アースランドの妖精の尻尾へと持ち帰ったのだった。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ミスティとメリア

 

ミスティはこれまでのメリアとの手紙を

眺めながら微笑みつつ、年賀状を書いていた。

 

「これからもよろしくね、と…。

あとはこの写真を貼って…と…」

 

グランディーネの元へと走るミスティ。

 

「おばあちゃん!これ!メリアちゃんに!」

「わかったわ、渡して来るわね…」

 

年賀状を受け取って、

思念体の維持を解除したグランディーネ。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「あ、グランディーネさん!」

「こんにちは、メリア。これはミスティからの年賀状よ」

「っ…!じゃあ、これをミスティちゃんに…!」

 

メリアも同じく年賀状を渡し、ミスティからの年賀状を眺めた。

 

「大きいテディベア可愛い…!ミスティちゃんに

これからもよろしくって言ってて下さい…!」

「ええ、わかったわ…」

 

思念体をエドラスに戻らせたグランディーネ。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「おばあちゃん、おばあちゃん!メリアちゃん、元気だった…?」

「ええ、これを渡されたわ。

あと『これからもよろしく』らしいわ」

「!うん…!」

 

微笑みながらメリアからの年賀状を眺めているミスティ。

 

「ニコちゃん、いいなぁ…可愛いなぁ…!

星霊界のお洋服いいなぁ…!」

 

年賀状を持ったまま、父の元へ走ったミスティ。

 

「パパ!」

「どうした?」

「メリアちゃんが着てるこの青いお洋服!同じの作って…?」

 

キラキラした目で父を見上げるミスティ。

 

「一着だけだぞ…?」

「わ〜い!」

 

喜ぶミスティの頭を撫でるジェラール。

 

(いつかこのお洋服を着てメリアちゃんに会うんだ…!)

 

この日からミスティは

アースランドのメリアや他の子供達を

強く思いながら眠るようになった…。

 

とある日のジェラエル一家

 

アイリーンに外に出るように

促されたエルザ達家族は

外に出た瞬間に竜に遭遇した。

 

「…そんなに身構えなくても大丈夫よ」

「…母さん…?」

「竜の姿…?」

『おばあちゃんの声…!』

「…全員、私の背に乗りなさい。

今日は空からの地上を見せてあげるわ」

 

少し戸惑いながらもアイリーンの背に乗ったエルザ達。

 

「しっかり掴まっていなさい…!」

 

そう言って空高くへと翔んだアイリーン。

 

『わぁ…!』

 

空からの景色にはしゃいでいるリリアとシェル。

 

「危ないから母さんの傍にいるんだ、リリア」

「落ちるぞ、シェル」

 

それぞれ我が子を抱き抱えたエルザとジェラール。

 

「リリアとシェルは楽しんでるみたいね」

「母さん、その姿は…一体…?」

「…私も昔は色々とあったってことよ…」

「……風が気持ちいい…」

「空の旅、存分に楽しみなさい」

 

それから30分程、アイリーンは空を翔び続けていた。

 

髪を短く切ったウェンディ

 

─ミスティが産まれて一年程経過した頃─

 

最近ミスティに髪の毛を引っ張られていたウェンディは

思い切ってショートヘアーにして帰って来た。

 

「ただいま!」

「おかえり、ウェンディ。…昔みたいだな」

「…短くしてみたよ…?」

「おかえりなさい、懐かしいわね…」

「えへへ…」

 

ウェンディの頭を撫で回すジェラールとグランディーネ。

その日から暫く、ミスティは

今まで引っ張っていた髪の毛が

なくなったことに少し戸惑っていた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─現在─

 

今までのアルバムを眺めていたミスティは

ショートヘアーの母の写真を見つけた。

 

「ねぇ、この写真のママはどうして髪が短いの?」

「ミスティに髪がかからないようにする為だよ?」

 

敢えて違う理由を答えたウェンディ。

 

「短い髪のママも綺麗だね」

 

その様子を眺めていたグランディーネは微笑んでいた…。

 

ミスウェン

 

ウェンディが載っているソーサラーを

アースランドから持って来たグランディーネ。

 

(ウェンディ、薄着だな…)

 

そんなことを思うジェラール。

 

「懐かしいなぁ…」

 

ジェラールが良くない表情をしていることに

気付いたウェンディ。

 

「もう昔のことだよ…?」

「だが…君がこんな姿を晒していたと思うとな…」

「もう…」

 

ウェンディを抱き締めるジェラール。

 

「…ずっとジェラールに

見てもらえたらって思ってたよ…」

 

その言葉を聞いて、ウェンディの耳元で

何か囁いたジェラール。

 

「…うん…」

 

頬を染めるウェンディの頭を撫で、ウェンディは擦り寄った。

…暫くすると、ジェラールは自分の頭を壁へとぶつけ出した。

 

(ウェンディはこの衣装を…!)

「半分は子どもの着る服じゃない…」

 

そう呟くグランディーネ。

 

「…ドレスとか…」

「……」

「………」

 

お互い無言のジェラールとグランディーネ。

 

(ジェラールのためなら…また着てもいいかな…)

 

無言でウェンディを抱き締めるジェラールだった…。

 

フリミラ一家

 

雷神衆の長期依頼が終わったフリードは、

ミラとフィーラにお土産を買おうと決心したものの、

何を渡すべきか悩んでいた。

 

「……ミラ達は何が喜んでくれるだろうか…?」

 

フリードは暫く悩み、とある店を見つけた。

 

「…そういえば、近日中にあの日が来るな…」

 

何かを決心したフリードは店に入って行った…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

「パパ、遅いね」

「そうね、帰って来るのが楽しみね」

「…うん」

 

リビングでわくわくしながらフリードの帰りを待つ二人。

…直後、ドアの開く音が響いた。

 

「帰って来たわね」

「う、うん…!」

 

玄関へと向かう二人。

 

「ただいま、今戻ったぞ…」

「遅い!全く…何してたの…?」

「フィーラ、そんなこと言わないの…!」

 

内心微笑みながら娘を宥めるミラジェーン。

 

「…二人にお土産だ」

『?』

 

ラッピングされた小さな袋をそれぞれ渡された

ミラジェーンとフィーラ。

 

「あと、これもだな…」

 

続いて色鮮やかな花束を渡された。

 

「…ありがと、これ…なに?」

「…袋の中身を見れば分かるとは思うが、逆チョコというヤツだ」

「まぁ!」

 

頬を染めて笑ったミラジェーン。

 

「もうすぐバレンタインだろう、

早いとは思うが…俺からの気持ちだ」

「へぇ…ふ〜ん…?」

「な、なんだ。フィーラ…その顔は…?」

「パパにしては気が利いてるね!」

「一体俺を何だと思っているんだ…」

「ありがとう、フリード」

 

フリードに抱きついたミラジェーン。

 

「…ミラ」

「私もフィーラもフリードが大好きよ」

「…ああ、これで俺も暫くはお前達と共に過ごせるな」

「きちんと構ってね?パパ」

「ああ、分かっている。フィーラ」

 

娘を撫でて、フリードはミラジェーンの頭も撫でた。

 

グレジュビ+ガジレビ

 

「グレイ様〜!」

「どうした?ジュビア」

「少し小さいですが、ジュビアチョコです!

愛を込めたので味わって食べて下さいね!」

「おう、ありがとな」

 

包装紙の形からして人型チョコを

受け取ったグレイ。

 

「が、ガジル…!」

「なんだ?」

「はい、これ…!」

 

ハート型のチョコを手渡したレビィ。

ガサガサと包装紙を開けるガジル。

 

「おっ、鉄も入ってるじゃねぇか」

 

ハートの中心部の穴には

鉄がたっぷりと詰め込まれていた。

 

「喜んでくれると思って…」

「ギヒッ、ありがとな…」

 

レビィの頭を撫でるガジル。

 

「ガジル君、ガジル君にもプレゼントよ」

「あ…?」

 

ジュビアから四角いチョコを貰ったガジル。

 

「友チョコだから安心してね!」

「…なんだ、あいつ…」

 

そう言いながら、レビィのチョコを

頬張るガジル。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

酒を飲んでいたカナに話しかけるレビィ。

 

「どうしたんだい?」

「うん…ジュビアのテンションには

中々ついていけなくてね…。

ジュビアの本命がガジルじゃ無くてよかった…。

ライバルにすると大変だろうから…」

 

ニヤニヤしながら酒を飲むカナ。

 

「酒は美味いし、レビィの話も面白いねぇ…」

 

カナは酒を飲みながら、

レビィの話を楽しげに聞いていた。

 

ミスウェン

 

ベビードールにカーディガンを羽織って

娘達を撫でているウェンディ。

 

「………」

 

無言でその姿を凝視するジェラール。

 

(その格好は危険だな…)

 

そんなことを思いながら凝視し続ける。

ウェンディは娘達を寝かしつけた後、

ベッドに潜り、ジェラールも潜った。

ジェラールに擦り寄るウェンディ。

 

「いいか…?」

 

そう耳元で囁くと、ウェンディは赤面した。

 

「義母上、お願いします」

 

無言でシリルに聞こえないようにするグランディーネ。

 

「ありがとうございます…」

 

もじもじしているウェンディを抱きかかえて

部屋を移動したジェラール。

別室に到着した途端にベッドに押し倒され、

赤面しているウェンディと笑顔のジェラール。

 

「じぇ、ジェラー…」

「こんなに透けてると子供の教育にも悪いな…」

「っ……!」

「お仕置きだなっ…」

「あ……」

 

そしてジェラールはウェンディに口付けた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

シーツはボロボロになっていて、ウェンディの表情は蕩けている。

 

「あぅ……」

「ご馳走様、ウェンディ…」

 

蕩けた表情のウェンディの頬に口付けて、

愛しそうに抱き締めた…。

 

                  

 

夢の中でプールに入っている一同。

ビキニ姿で得意気に胸を見せ付けるウェンディ。

…ミストガンの顔を想像する女性陣。

 

ミストガンの元へと飛んで来たシャルル。

 

「…どうかしたか?」

「…ウェンディの…その…胸が大きくなったのって…」

「…まあ…な…」

「………」

「………」

「…ウェンディにあまり変なことしたら許さないわよ…」

「…ああ…」

「ウェンディのこと…大事にしてね」

「ああ…」

「なら、いいわ…」

 

そう言って、女性陣の方へと飛んで行ったシャルル。

 

「………」

「ジェラール〜!」

 

自分の元に来たウェンディを抱き締めたミストガン。

 

「えへへ…」

 

擦り寄るウェンディを繰り返し撫でる。

 

「今日は来れて良かったな…」

「うんっ!」

 

二人で寄り添いながら、皆の元へと向かった…。

 

ミスウェン一家

 

プールで水をパシャパシャかけ合っている

ミスティとシリルを楽しそうに眺めているグランディーネ。

 

(二人共、可愛いなぁ…)

 

そう思いながら二人の側に行き、

水のかけ合いに混ざるウェンディ。

それを眺めながらクリスの世話をするジェラール。

 

(幸せだなぁ…)

 

そう思いながら水にぷかぷかと浮くウェンディ。

真似するように二人も水にぷかぷかと浮いた。

 

「楽しいね…」

『うんっ!』

「ふふっ」

 

それから暫く経ち、皆日焼けした。

 

「日焼けしちゃったね…」

『えへへ…』

(これって傷扱いになるのかなぁ…)

『このままがいい!』

「そっかぁ、うん…いい思い出…かな?」

 

ドヤ顔する娘達を撫でるウェンディを

楽しそうに眺めるグランディーネ。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

夜、水着が当たっていた部分を確認するウェンディ。

 

「…日焼け部分と比べると凄いね…」

 

プールでグラサンをかけていたため、

顔が悲惨なことになっているジェラール。

 

「…ジェラール、昔みたいに覆面っぽくする?」

「…治して…下さい…」

「うん、じゃあ治すね…」

「ありがとう…」

「…王様だものね…」

「まあ…な…」

 

ジェラールの頬に口付けながら治癒魔法をかけるウェンディ。

 

(癒される…)

 

少しの間口付けた後、頬擦りして治癒魔法を止めた。

 

「…これで治ったよ」

「すまないな…」

 

ウェンディの頭を撫でるジェラール。

 

「どういたしまして」

 

ウェンディはそう言いながら微笑んだ。

 

エルフマンとエバーグリーンの子供

 

短い栗色の髪の少女がぬいぐるみで遊んでいる。

度のない眼鏡を外し、ぬいぐるみをじっと見つめると

ぬいぐるみは石と化した。

 

「遊ぼう…?」

 

石と化したぬいぐるみはリーフに意により

動き出し、リーフと遊び出した。

 

「楽しいね…」

 

少しの間、ぬいぐるみと遊んでいると

 

「またぬいぐるみと遊んでんのか?リーフ」

 

後方から聞こえた声にリーフは微笑み、振り返った。

振り返ると同時にぬいぐるみは石から元の状態に戻った。

 

「せんせ〜!」

 

現れたビックスローに抱きつくリーフ。

ビックスローの人形達がリーフの周りを飛び回る。

 

「パッパちゃん達も〜♪」

「お前の魔法は少し効率が悪い、俺が鍛えてやる」

「せんせ〜♪」

「無機物にテイクオーバーとか、良さそうだな…」

「?」

 

きょとんとしているリーフ。

 

「エバに似て可愛くなったな…」

「…?ありがとう…」

 

頬を染めるリーフをビックスローは撫でていた…。

 

夢の世界

 

真っ暗な世界でミスティは戸惑っていた。

目の前に浮遊する小さなピンク色の何かがいる。

 

「ミスティ、ミスティ〜」

「シリル…?ちっちゃくなっちゃった…」

 

ミスティの肩に乗る妖精姿のシリル。

 

(なんか変な感じ…)

「ここ、どこかな…?」

「どこだろう…?」

「歩いてみよ!」

「うんっ!」

 

ふよふよと浮遊しながら先導するシリル。

 

「ミスティ〜、あっちに人がいっぱいいるよ〜?」

「いってみよ!」

 

次第に見えてきた見知った姿にミスティは呟いた。

 

「ん?あれママかな?」

「ママ〜!」

 

ウェンディの周りを浮遊しながら回るシリル。

 

「ミスティ!と…シリル…?」

「うんっ!シリルだよ?」

「すっかり小さくなって…」

「…シリル達みたいな子供も沢山いるんだね」

「今日はみんなにも来てもらったの!」

 

ミスティは自分と似た髪色の少女を見て微笑んだ。

 

「えっと…メリアちゃん…?」

「ミスティちゃん!」

 

喜ぶミスティとメリアを見てウェンディは思った。

 

(まるで双子みたい…)

「あの子達、

まるで同一人物みたいですね…ウェンディさん」

 

カーチャがウェンディに話しかける。

 

「きっと…平行世界の…」

「メリアも仲良くなれたみたいで嬉しいです」

「はい…何か不思議な気分です」

 

セツナが移動するシリルを見ている。

 

「…?」

「遊ぼ…?」

「いいよ〜!」

 

キラキラした目になったセツナ。

 

「なにして遊ぼっか?」

「追いかけっこ!」

「わーい!」

 

早速逃げ出すシリルと追うセツナ。

…その様子を、少し離れた所から見ているリーフ。

 

「…妖精さん、可愛い…」

 

無意識に眼鏡を外そうとして…

 

「リーフ、石にしようとしたらダメだからね!」

 

フィーラに止められた。

 

「…はっ!」

「もう…」

 

また別の所からシリルを見ているムースとグレージュ。

 

「妖精さん、可愛いね。お兄ちゃん」

「可愛い…」

 

ハッピーにすりすりされているシャルルは

恥ずかしがっている。

 

「ちょっと…人前よ…?」

「だってシャルルが可愛いから…」

 

シャルルはエリスを抱っこし直すと、シリルがエリスに寄ってきた。

 

「あぅ…」

 

そっと指先に触れるシリル。

結果、捕まえようとしているエリス。

 

「わ〜」

 

笑顔で逃げたシリル。

 

「う〜…」

 

少し残念そうなエリス。

 

「ふふっ…捕まえちゃダメ…」

 

エリスを撫でるシャルル。シャルルに擦り寄るエリス。

 

「こっちに来たよ、ヤジェ」

「ああ…」

 

指先にシリルを乗せるシュトラを見て、

少し指を差し出すヤジェ。

シュトラの指先からヤジェの指に着地するシリル。

…するとヤジェは次第にガジル似の笑みを浮かべた。

ヤジェの指の上でコロコロ転がるシリル。

 

(他の子より少しだけ硬い指だなぁ…)

 

ツンツンとシリルに触れるヤジェ。

 

「きゃ〜」

 

コロコロと転がるシリル。

満面の笑みを浮かべるヤジェ…。

そこにやって来たミスティ。

 

「ミスティ〜!」

 

ミスティの元へ飛び立ったシリル。

ヤジェの笑顔がちょっと怖いミスティ。

 

「ミスティ〜?」

「な、なんでもないよ〜」

「えへへ〜」

 

その後もシリルは子供達に可愛がられていた。

一方大人たちはウェンディ成分を補給している。

皆から順番に抱き締められているウェンディは

大泣きしているナツを宥めている。

 

「ナツさん、泣かないで下さい…」

「気が済むまでさせてあげて…?」

 

リサーナがそう言ったので

ウェンディは黙って抱き締められている。

…それを見て若干面白くなさそうなミストガン。

 

「君は何も思わないのかい…?」

 

そうリサーナに語りかけるミストガン。

 

「……?あの二人は兄妹みたいなものだから…」

「むぅ…」

 

ナツから奪うようにウェンディを

抱き締めたミストガン。

…渡さないと云わんばかりにナツに抱き締められるウェンディ。

 

「今日位いいじゃねーかよ…」

 

サッとウェンディの前に立ち塞がるミストガン。

 

「……」

「じぇ…ミストガン、今日位は…」

「……わかった……」

 

不満そうに答えたミストガン。

 

「ナツさん!」

 

皆がウェンディを抱き締めていく。

その光景に呆然とするミスティとシリル。

そんな様子を眺めながら夢から覚めた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ミストガンはウェンディをすぐ様抱き締めた。

再び呆然とするミスティとシリル。

穏やかに眠っているクリス。

 

「いつかクリスも一緒に行けるといいね…」

「もう少し大きくなってからだね…」

 

ウェンディに抱きつく娘達。

そんな様子を見ながら、

もっと抱きつきたかったと思うミストガンだった…。

 

クリス+ジェラール

 

ミスティ、シリル、ウェンディ、グランディーネに

抱っこされているクリスは大人しくしているが、

ジェラールが抱っこすると…

 

「うー!」

 

抵抗するクリス。

 

「わはは…」

「うー…」

 

ジェラールの顔面に蹴りを入れたクリス。

 

「うっ」

「うー!」

 

離せ、と言わんばかりに暴れるクリス。

 

「わんぱくだな…」

 

胸板周辺で抱っこし直すジェラール。

 

「うー…」

「ママが恋しいか…?」

 

そう言ってウェンディの方を向くと

クリスは嬉しそうに返事をした。

 

「うー!」

 

無言でウェンディに近寄るとクリスがはしゃぎだした。

 

(クリスは俺が嫌いなのか…?)

 

そう思いながらクリスをウェンディに抱っこさせた。

ウェンディに嬉しそうに擦り寄るクリスを

複雑な気持ちで見つめるジェラール。

 

「……」

「落ち込むこと無いわ…」

「義母上…」

「父親には懐かなかったりするものよ…」

「………」

 

ジェラールの頭を撫でるグランディーネ。

 

「…ありがとうございます…」

 

ミスウェン一家

 

お揃いのワンピースのミスティとシリルを

ベンチブランコで揺らしているウェンディ。

 

『わ〜い!』

 

ジェラールはクリスの面倒を見ているが、

足で少し蹴られた。

 

「こらこら…」

「う〜…」

「わんぱくめ…」

 

足で何度も蹴ってみるクリス。

 

「わはは…」

 

効果がまるで無いのを見て、諦めたのか

擦り寄って来るクリスを撫でるジェラール。

 

「…あぅ…」

 

グランディーネは笑顔でその様子を眺めていた。

 

コブキナ一家のハロウィン

 

サイモンは南瓜の帽子を被り、

ペットとして迎え入れた蛇(ヴェレーノ)を

時折撫でながら母が作った

南瓜のバスクチーズケーキを頬張っていた。

 

「ママのケーキ美味しい…」

 

ヴェレーノにもあげようとして、

 

「サイモン、ダメだよ」

 

母に止められた。

キナナは魔女風の格好をしていた。

 

「ママ、パパは?」

「ふふ、それはね…」

 

サイモンが訝しげにしていると、

誰もいなかった筈の背後から声がした。

 

「ここだ」

「わっ!」

 

驚いて後ろを向いたサイモン。ニヤリと笑う父は

吸血鬼を思い起こさせる仮装をしていた。

 

「驚いたか?サイモン」

「そりゃあ…うん」

 

ヴェレーノはキナナの腕に巻き付き、

キナナは愛しそうに撫でる。

 

「じゃ、皆でケーキ食べよう?」

「うん」

「ああ」

「シュー…」

 

家族全員でケーキを笑顔で頬張ったのだった。

 

ミスウェン

 

無言でお互いの瞳を見つめ合っている二人。

お揃いの色なので嬉しそうに目を細めるウェンディ。

そんなウェンディを撫でるジェラール。

嬉しそうに抱きつくウェンディ。

 

「ふふっ」

 

ひたすらスリスリし合っている二人。

そんな両親を眺める子供達。

それに気付いて、子供達を二人で交互に撫でていく。

撫でられて幸せそうなミスティとシリル。

ウェンディに抱っこされて嬉しそうなクリス。

…ジェラールが抱っこした瞬間、クリスは暴れ出した。

 

「あぅ〜!」

「うう…」

 

少しショックを受けているジェラール。

ウェンディが後ろから抱き上げて撫でるように目配せした。

 

「うぅ〜♪」

「ジェラール、今の内に…」

 

小声で話すウェンディ。

ジェラールはそっとクリスを撫でた。

 

「あぅ…?」

「ふふっ…」

「…う〜…」

 

ジェラールは暫くの間、クリスを撫でていた。

 

                  

 

火を起こした後、さつまいもを焼きながら

アースランドのナツの話を

始めたウェンディと、それを聞きながら

少し楽しそうなグランディーネ。

しかし少しムスッとしているジェラール。

父が何故不機嫌になったのか分からない娘達。

 

『……?』

 

何故不機嫌になったのかを

こっそりと教えたグランディーネ。

 

『そうなの…?』

「まあ離れ離れだった時間が長かったし…」

 

ウェンディの頭を撫でているジェラール。

 

「まあまあ…」

 

ジェラールは出来上がった焼き芋を

一瞬口に放り込んで、直ぐに

ウェンディに口移しした。

 

「ふふっ…」

 

赤面しながら焼き芋を頬張っているウェンディ。

唖然としている娘達。

 

「皆の前でやらなくても…」

「我慢できなかった…」

 

そう言って、ジェラールは次に出来上がった

焼き芋を家族達に分け与えていた…。

 

                  

 

「ジェラール」

「どうした?ウェンディ」

「今日、何の日か覚えてる?」

「もちろんだ」

 

ウェンディの頭を撫でるミストガン。

嬉しそうに微笑むウェンディ。

 

コンコン…

 

「陛下〜!王妃様〜!」

「ココか、どうした?」

「結婚記念日、おめでとうございます!」

「ああ、ありがとう」

「それで、ですね…」

「どうした?」

「皆、入って」

 

エルザ、シュガーボーイ、ヒューズ、バイロが

ホールケーキを移動させながらやって来た。

 

「陛下に王妃様、おめでとうございます。

結婚記念日として僭越ながらケーキを焼かせて頂きました」

「ありがとう、エルザ」

「陛下に王妃様、本当におめでとうございます」

「ありがとう、皆」

「味わって食べて下さいね!」

「ああ…」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ケーキを切り分け、二人きりで食べる。

 

「美味しいね…」

「ああ」

「ウェンディ」

「?」

「エドラスに来てくれてありがとう」

「…うん」

 

頬を染めて、ケーキを頬張るウェンディ。

外出していたグランディーネ達が帰って来た。

 

「美味しそうなケーキね」

『ずるーい!』

「皆で食べるか」

「そうだね」

 

ケーキを皆で食べ、その日は二人抱き合って眠りについた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─夢の中─

 

「ウェンディ〜!」

「ナツさん!」

「ミストガンも来たのか!向こうで皆待ってるぞ!」

「そうか、では行くか…」

「うん!」

 

ミストガンとウェンディの結婚記念日ということで

ガヤガヤと騒ぐ面々。

 

シェリアに誘われて天空シスターズ再結成したり、

ミストガンはライブを見ながらラクサス達と語り合ったり、

皆でローストチキンを食べて騒いだり…。

 

「二人共、元気で何よりだ」

「マスターもご健在で何よりです」

「うむ、…ミストガン」

「はい」

「そっちで幸せにな」

「───……」

「…ミストガン…どうかしたの?」

「…ああ、いや…何故かマスターが父上と重なってな…」

 

無言でミストガンに抱きついたウェンディ。

 

「………ありがとう、ウェンディ…」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

朝、眠り続けるミストガンとウェンディを起こさないように

グランディーネと子供達はそっと起床して、

二人を見守っていた…。

 

                  

 

城下町にお菓子作りのための材料を買いに来ている

ジェラールとウェンディ。

 

「あの子達、どんなお菓子だと嬉しいかなぁ…?」

「青リンゴのパイとかどうだ…?」

「うん、そうだね…!」

「…ついでに青リンゴのお酒も作ろうかな…」

「一緒に作ろうね!」

「ああ…」

「リンゴ〜♪」

「ふふっ、楽しそうだな…」

「うん!」

 

買い物を済ませ、

2人で沢山のリンゴの入ったカゴを持って帰路に就いた。

笑顔のウェンディ。

 

「たまには2人きりもいいな…」

「うん…」

 

次第にゆっくりと歩く2人。

笑顔で手を繋いだジェラールの手を握り返すウェンディ。

そのまま寄り添い合う2人だが、

周囲の民達に何か噂されている。

 

(少し見せつけたいな…)

 

そんなことを考えるジェラールとは裏腹に

赤面して少し歩く速度を早めるウェンディ。

 

(名残惜しい…)

 

チラッと顔を見上げたウェンディは

 

「…少し屈んで…?」

 

屈んだジェラールの頬に背伸びしてキスをした。

 

「ふふっ…」

 

赤面して手をぎゅっと握るウェンディ。

応えるように握り返すジェラール。

 

「早く帰らないとな…」

「うん…」

 

自室へと戻った2人は愛娘達に出迎えられた。

 

『パパ〜!ママ〜!』

「ただいま…」

 

娘達の頭を撫でるジェラール。

 

「今日は皆にお菓子を作るからね!」

『何作るの〜?』

「青リンゴのパイだよ」

『わーい!!』

 

その後2人は大量の青リンゴのパイを作り、

ついでにアップルティーと簡易的なお酒を作った。

青リンゴのパイを食べた娘達の反応は…

 

『美味し〜!』

「良かった…!」

 

夢中でパイを頬張る娘達。

ジェラールもウェンディもパイを食べ始める。

 

「良かったな…」

「うん!」

 

幸せそうにしているウェンディを撫でるジェラール。

他愛ない話を続けて時間が過ぎていった…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

パイとお酒が余ったため、エルザの部屋に向かった一同。

 

『これ、どうぞ〜!』

 

扉を開けると、エルザ、イザーク、アリアがいた。

 

「これは陛下に王妃様、ミスティ様にシリル様も…」

「申し訳ありません、陛下…暫くエルザには

子に悪影響を及ぼす可能性のあるものを

与える訳にはいかないのです…」

「お酒なら、私が飲みます」

 

そう言ってお酒を飲み始めたアリア。

…結果、彼女は……

 

「ママ…?」

「…アリア…どうした…?」

 

訝しげにするイザーク。

 

「ママ〜!」

 

エルザに抱きつこうとするアリアを必死で止めるイザーク。

 

「ママのお腹に帰りたい〜!」

 

ポカーンとしているエルザ。

 

「…イザーク、後は頼んだ。帰るぞ」

「へ、へい…!?」

 

家族を引き連れて扉を閉めたジェラール。

…翌日明らかになるが、その後のエルザ達は

かなり大変だったようである…。

 

少し先の未来

 

「ミスティ姉さん」

「なに?クリス」

「……研究が一通り終わると女の子達に囲まれるんだけど、どうにかならない?」

「クリスはモテてるんだよ」

「…魔力復活させたいだけなんだけどなぁ」

 

ミスティは腕時計を見て

 

「あ、そろそろ約束の時間…!」

「ドランさんとのデート、楽しんでね。ミスティ姉さん」

「で、デートじゃないってばぁ…!」

 

そう言いながらも慌てて部屋を飛び出したミスティ。

 

「ミスティ姉さん、楽しそうだなぁ…。まぁ、僕も研究楽しいけど…」

 

─いつの日か、必ずエドラスに魔力が満ち溢れますように…─

 

ミスウェン

 

ジェラールは『仕事』に疲れ、ベッドの上で眠っていた。

…眠り始めてどれ程経ったかは分からないが、

暫くしてジェラールの頭は、何か柔らかいものの上にゆっくり移動させられた。

 

「…ん…」

「…まだ眠ってていいよ…?」

 

愛おしい声が聞こえて、ジェラールは再び眠りについた。

…ウェンディはジェラールが起きるまで、膝枕をしていたという…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

夜、ジェラールがウェンディと二人で眠っていると、

ウェンディが少し苦しげな声を発した。

ハッとして目覚めたジェラールは、ウェンディの様子を見てみた。

 

(魘されている…?)

 

取り敢えずジェラールはウェンディを抱き寄せて、

頭を繰り返し撫でた。次第にウェンディの声は

聞こえなくなり、代わりに静かな寝息が聞こえ出した。

 

「…君は俺が守るからな…」

 

そう呟いて、ジェラールは眠るウェンディを強く抱き締めたのだった。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

仕事から帰って来たジェラールは明らかに疲れていた。

 

「ウェンディ…」

「…ジェラール、おいで…?」

 

ベッドに座っていたウェンディはジェラールに向かって両手を広げた。

ジェラールは躊躇うことなく、ウェンディの肩を押して

ベッドに横たわらせ、胸に顔を埋めた。

そんなジェラールをひたすら撫でるウェンディ。

 

「暫くはこのままで頼む…」

「…うん、毎日お仕事お疲れ様…」

「…ああ…」

 

ジェラールの頬にキスを落とした。

ジェラールはウェンディを強く抱き締める。

ウェンディはジェラールに何度もキスを落としていく。

…そうして眠るまでの間、二人はそうしていた。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ウェンディは眠っているジェラールに膝枕をした。

 

「ん……」

「いつもお疲れ様…」

 

額にキスを落とすウェンディ。

ジェラールが眠そうに瞼を開けると、

ウェンディの腕を掴んで、強く抱き締めた。

 

「………!」

「ウェンディ…」

 

寝ぼけ眼でウェンディを抱き締めながら擦り寄るジェラール。

ウェンディは赤くなりながらも、ジェラールにされるがまま

身を預けていた…。

 

                  

 

外で遊ぶミスティの体操着姿を

何とも言えない表情で見ているジェラール。

 

「……………」

 

ドランと遊び出したミスティを見て

 

「!」

 

慌てて止めに行こうとしたのを

 

「まあまあ…」

 

ウェンディに止められた。

 

「…彼はミスティの教育係…それだけの筈だ…」

「もう……」

「…少し不安定になって来たから、また夜…頼むぞ?」

「…どの格好がいい?」

「…織姫のような衣装がいいな」

「ふふっ…いいよ…」

「君は本当にいい子だな…」

「えへへ…」

 

ウェンディを抱き締めながら頭を撫でるジェラール。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

一方ドランと手を繋ぐミスティ…。

 

(ミスティ様は陛下達の大切なご息女…!)

 

そう思いながらも、何故か内心嬉しいような気分のドラン。

 

「ドラン〜!もっと遊ぼ〜?」

「は、はい!」

「えへへ〜」

 

それをチラッと見たジェラールはムスッとしている。

それを見かねた様子のグランディーネ。

 

「貴方ねぇ…」

「ミスティが取られてしまう…」

「いずれそうなるものよ…」

 

ウェンディを強く抱きしめるジェラール。

 

「はぁ…」

 

グランディーネは溜息を吐いて、困った表情をしていた…。

 

                                    

 

他国のお忍び旅行へと向かったジェラール達。

ウェンディがクリスを撫でている。

旅館のチェックイン手続きをしているジェラール。

クリスの頬に暫く頬擦りして、

グランディーネへクリスを預けたウェンディ。

 

「う〜…」

 

不満気な声を出すクリス。

クリスを愛でるグランディーネ。

チェックイン手続きを済ませたジェラールは、

ウェンディの肩を抱き寄せた。

 

「ジェラール…」

「ふふっ…」

 

ジェラールに擦り寄るウェンディ。

ミスティとシリルも寄って来たので二人で子供達の頭を撫で回した。

嬉しそうな子供達に微笑む二人。

旅館の従業員達は仲良い家族だと思いながら通り過ぎていく。

 

「では、そろそろ部屋に行こうか」

『うんっ!』

 

渡された鍵と、荷物を持って部屋へと向かう。

ジェラールから鍵を受け取り、ウェンディが部屋の鍵を開けると

ミスティとシリルは楽しそうにベッドに飛び込んだ。

和風ソファに座るウェンディ。

 

「はしゃぎ過ぎちゃダメよ…」

 

クリスを抱き抱えながらソファに座るグランディーネ。

クリスに頬擦りするウェンディ。

荷物を置いてベッドに座ったジェラール。

ウェンディが隣に来たので、頭を撫でるジェラールと

体を擦り寄せるウェンディ…。

ミスティとシリルはクリスを代わる代わる撫でている。

 

子供達を見ながらジェラールの肩に凭れかかるウェンディ。

ウェンディの肩を抱きつつ子供達を微笑ましく見守るジェラール。

 

「幸せだね…」

「ああ…皆一緒だ…」

「うん…。再会できた時から思ってるけど、

一緒にいられるようになって…本当に嬉しい…」

「ああ…」

「…ずっと一緒にいてね…」

「ずっとだ…」

「ふふ…」

 

ウェンディの頬に口付けたジェラール。

その後は、のんびりと風情を楽しみ、

和風料理を子供達が珍しそうに食べ、

露天風呂では子供達が楽しそうにはしゃいでいた。

ウェンディとグランディーネが寝巻きを着させ、

子供達は少し動きにくそうにしていた。

 

ベビーベッドにクリスを寝かせ、

グランディーネが子供達と一緒に入り、

ジェラールとウェンディでベッドに入った。

 

「のんびりできたね…」

「ああ…」

 

何故かウェンディの寝巻きをじっと見ているジェラール。

 

「…ジェラール…?」

「…いや、こういう衣装も良いものだな…」

「……?」

 

ウェンディは意味が分からなかったが、

何故か城に帰った後、自室の離れに増築工事が始まったのであった…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ナツリサ+セツナ

 

家族でビーチにやって来たナツ達は水着に着替え、

ナツはビーチで快適に過ごすための準備をテキパキとこなす。

不思議そうにパシャパシャと海水に触るセツナ。

リサーナはセツナを撫でて、幸せそうに頬擦りをした。

 

「ママ、お水冷たいね…」

「うん、そうだね…。ちょっとセツナ準備運動しようか…?」

「準備運動…?」

「海やプールに入るためには、それをした方がいいんだよ?」

「うんっ!わかった!」

 

準備運動のやり方を分かりやすいように、

リサーナが繰り返し手本を示してセツナが真似をする。

 

「えいっ!えい!んっ!ん〜…!」

「その位で大丈夫だよ、セツナ」

「!」

 

パァっと表情を綻ばせたセツナにリサーナは浮き輪を渡した。

 

「…?」

「セツナが好きに海を楽しむための物だよ」

 

セツナに浮き輪を装着したリサーナは、

 

「海に少しだけ入ってみて?」

「うん…?」

 

足でピチャピチャと海水と戯れて、意を決して海に入ったセツナ。

 

「ぷかぷか〜!」

 

嬉しそうな娘の反応に微笑むリサーナ。

 

「おーい!リサーナ!セツナ!」

 

後方から聞こえてきたナツの声に振り返る母娘。

 

「色々と準備終わったぞ〜!」

「ありがと、ナツ」

「…セツナ、まだぷかぷかしてたい…」

 

渋るセツナにリサーナは、

 

「じゃあママやパパ達の近くから離れちゃダメだよ?」

「うんっ!」

 

そう言い聞かせると、ナツが二人の側にやって来た。

 

「折角だし泳ぐか!」

「うん、そうだね!ナツ」

「あ!セツナはそこで浮き輪で楽しんでればいいんだからな!?」

「うんっ!ありがとう、パパ!」

 

浮き輪を気に入ったらしいセツナを確認して

太陽が見える方向ではなく右に向かってナツとリサーナは泳ぎ出した。

暫く泳ぎ続け、徐々にリサーナの速度が落ちて来た。

 

「リサーナ、そろそろ降参か?」

「まだまだ…!アニマルソウル…!」

 

人魚の姿に変身したリサーナは凄まじい勢いでナツを追い抜き、

…何故かナツの目の前に戻って来た。

 

「じゃ、セツナの所に戻ろっか?」

「は?何言っ……」

 

ナツが言い終わるのを待たずにリサーナはナツを抱き締めて

凄まじい勢いで逆方向に泳ぎ出した。

 

「何すんだ、リサーナ〜!?」

 

二人がセツナのいる場所に戻る頃には、ナツはすっかりダウンしていた。

 

「パパ、どうしたの…?」

「泳ぎ過ぎて疲れちゃったみたい…」

「うっぷ……」

「ちょっとママは美味しいご飯を買って来るから、パパを見ててくれる?セツナ」

「うんっ!」

 

フラフラと歩くナツを頑張って支えながら、

設置されていたビーチベッドに辿り着いたセツナ。

 

「パパ、大丈夫…?」

「お、おう……。ありがとな…セツナ…」

 

即ビーチベッドに突っ伏すナツ。

心配そうにセツナが背中を擦っていると、リサーナが戻って来た。

 

「お待たせ!」

 

焼きとうもろこしやたこ焼き、オレンジジュース等が運ばれて来た。

 

「美味しそう…!」

「パパはまだ辛そうだね……仕方ないなぁ…」

 

リサーナはナツを膝枕し、セツナが火傷しないように

たこ焼きを普通に食べられる温度まで冷ましてから

セツナの口元に運んだ。

 

「セツナ、あ〜ん…」

「あ、あ〜ん…」

 

たこ焼きを口に含んだセツナ。

 

「ゆっくり噛んで食べようね」

「はむはむ…」

 

暫くの間、口を一生懸命もぐもぐを動かしていたが、

ゆっくりと飲み込んだ。

 

「美味しい…!」

「良かった…」

「う〜ん……」

「あ、ナツ」

 

ゆっくりと起き上がったナツは食事が運ばれて来ていたことに漸く気付いた。

 

「美味そうだな…」

「皆で食べよっか!」

「おう!」

 

その後は家族で和やかに食事をし、笑い合いながら時が過ぎた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─一方その頃─

 

人間では視認も出来ないような距離からイグニアはナツ達を見ていた。

 

「平和ボケしてやがる……、ナツは嬉しそうだな…」

 

そう呟いて、イグニアはナツの様子をじっと眺めて続けていた。

その少し後ろでイグニールがイグニアとナツ達を嬉しそうに眺めていた…。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ミスウェン

 

クリスマスの夜、眠っているミスティとシリルの枕元にプレゼントを置くジェラール。

シリルの隣で眺めていたウェンディは微笑んだ。

ミスティの隣に横たわったジェラール。

 

「お疲れ様、ジェラール」

「…二人旅をしていた頃は、冬に何処か行ったり日常を過ごすことは無かったな…」

「そうだね…」

 

少し沈んだ雰囲気になった寝室。

 

「じゃあ変身魔法でも使ったらどうかしら?その方が余程健全でしょう?」

 

そう提案したグランディーネ。

 

「ジェラールの小さい頃……どんな感じだったのかな…?」

 

色んな想像をしている内に、眠りに付いたウェンディ。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

─夢─

 

「お、来たか!」

「ナツさん!」

 

妖精の尻尾のメンバーが勢揃いしていた夢の世界。

 

「あ、リリー!聞きたいことがあるの…!」

「どうした?ウェンディ」

 

リリーを抱え上げるウェンディ。

 

「ジェラールの小さい頃って、どんな感じだったか分かる?」

「…!王子の幼い頃か…!」

 

張り切って紙に絵を描き始めたリリー。

少し経って、完成した絵をウェンディに見せた。

 

「こうだ!」

 

笑顔でキラキラと笑っている少年の姿が描かれていた。

 

「これがジェラールの小さい頃…!」

 

絵をキラキラした顔で見つめているウェンディ。

ラクサスが描かれた絵を見て、

 

「これがガキの頃のミストガンだと…?」

 

そう呟いて、ラクサスも絵を描き始めた。

リリーも再び絵を描き始めた。

 

「こうに決まってんだろ」

 

矢鱈と陰がある感じの似顔絵を描いたラクサス。

 

「いや、こうだ!」

 

さらにキラキラした感じの似顔絵を描いたリリー。

意地を張るように競い合うように絵を描きまくるリリーとラクサス。

小さい頃の朧気な記憶を頼りに絵を描くウェンディ。

 

「…描けた!」

 

二人の描いた絵よりも少し大きくて、ラフな格好をした

優しく微笑む嘗ての姿の絵を描いたウェンディ。

 

「格好がボロボロだ…!」

 

不満そうに呟くリリー。

 

「こんな微笑浮かべるミストガンなんてミストガンじゃねぇ!」

 

解釈違いを起こすラクサス。

 

「でも昔の貴方なら眉間に皺も寄せずにリサーナとか可愛がってたじゃない」

 

そうミラジェーンに言われ、何も言い返せなくなるラクサス。

折角描いたからとウェンディに絵を渡したリリーとラクサス。

 

「持って帰りたい…!」

「…持って帰れないかもしれないなら、今の内に子供姿でデートでもするか?」

 

一瞬で子供姿に変身してミストガンに抱きついたウェンディ。

ウェンディの頭を撫でて、小さい頃の姿を思い浮かべながら

したいことややりたいことを想像していると、どんどんと夢の背景が変貌していった。

 

「…なんか出て来たな…」

 

小さな遊園地にカフェと小さな公園が併設された施設が発生した。

 

「…こんな感じだったか…?」

 

リリーの記憶に当たる時期の年齢の容姿になったミストガン。

 

「お、王子…!」

 

翼を発動してミストガンに抱きついたリリー。

 

「リリー…、あの時は…ありがとう…」

「いえ、いいえ…!」

 

妖精の尻尾の皆はミストガンの幼少期の姿を興味深げに眺めている。

エルザは内心で、昔のジェラールにそっくりと思い出していた。

 

「さて…ウェンディ、おいで」

「うん…!」

 

妖精の尻尾メンバーは各店舗に皆散らばった。

ジェラートショップにやって来た子供姿のミストガンとウェンディ。

 

「折角だしバイキング形式にするのはどうだ?」

 

エルフマンの提案で大量の一口サイズのジェラートが並んだ。

ラズベリー、バニラ、マンゴー、抹茶、ピスタチオ、キャラメル等…

カップとスコーンで少しずつ味わう二人。

 

「美味しい…」

「うん…」

 

幼い二人の食事を温かい目で眺める妖精の尻尾の皆。

幸せそうに食べるウェンディを優しく見つめながらも自分も食べるミストガン。

一つだけ試しに食べたラムレーズンの味にびっくりして、

パタパタしているウェンディ。

ホットコーヒーにキャラメルを少し溶かしたのをウェンディに渡して、

ラムレーズンを食べてみたミストガン。

固まった後にケホッと咳をして、

 

「カナ……すまないが…」

「仕方ないねぇ…」

 

カナにラムレーズンのジェラートを託したミストガン。

嬉しそうにパクパクと食べるカナ。

口直しにキャラメルを溶かしたホットコーヒーを啜る二人。

 

「美味しかった…」

 

ウェンディの頭を撫でるミストガン。嬉しそうに微笑むウェンディ。

その後は遊園地で遊び、遊園地各所でウロウロしている妖精の尻尾の皆との

交流を楽しんだ子供姿のミストガンとウェンディなのであった。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

ミスウェン一家

 

クリスマスの夜、食後は家族の髪色に合わせたアイスケーキ…

ピンクのストロベリー、濃い青のラズベリー、水色のラムネ、

白のバニラ味のアイスが乗ったケーキを食べている。

 

「「美味しい〜…!」」

 

嬉しそうにゆっくりとアイスケーキを食べて行く娘達を見て

微笑むジェラールとウェンディ。

 

「美味しそうに食べてるね」

「ああ」

「アイスの取り合いにならなくて良かった…」

「2つ用意して良かったな…」

 

娘達がアイスの取り合いにならないように

同じケーキを用意していた。

 

「…私達、家族皆の髪色だね…」

「そうだな」

「ふふ…」

 

ストロベリーアイスを少しだけ掬い、口に運ぶ。

 

「美味しいし、お洒落だね」

「皆が喜んでくれて良かった…」

 

アイスケーキを家族で皆で食べ、

娘達がお腹を壊さないように食べ過ぎを注意して

クリスマスの夜を楽しんでいた…。

 

                  

朝になり、ベッドから起き上がったウェンディ。

 

「おはよう…」

 

娘達を撫でながら呼び掛けると、

目を擦りながら起き上がった娘達は未だ寝ぼけ眼だった。

既に一人分の空きが発生しているベッドを眺めて、

娘達を洗面所に連れて行った。

 

冷たい水で顔を洗って、やっと目が覚めてきた様子のミスティ達。

衣服をパジャマから着替えて、クリスに挨拶した後に

ミスティ達とグランディーネと一緒に朝ごはんを食べた。

 

「朝は勉強だね、頑張って来てね…」

 

そう言って娘達の頭を撫でたウェンディ。

 

『いってきま〜す!』

 

元気に部屋を出て行ったミスティ達。

 

*~*~*~*~*~*~*

 

エルザの勉強を受けているミスティとシリル。

ミスティは真剣に勉強しているが、シリルは何故かそわそわしている。

 

「もう我慢できない…!いってくる〜♪」

 

そう宣言して勉強を放棄して、部屋を飛び出したシリル。

 

「探検♪探検♪」

 

城の探検を開始したシリル。

走り回っている間にココも一緒になって追いかけっこが始まった。

 

「わ〜いっ!」

 

*~*~*~*~*~*~*

 

エルザの勉強を真面目に受けているミスティ。

 

(いつもシリルは真面目じゃないなぁ…)

 

そう思いながら、その後の戦闘訓練も真面目に続けるが、

少し疲れていたせいかドランに一本取られてしまった。

 

「大丈夫ですか?ミスティ様…」

「うん、大丈夫…

(今日は真面目にやって後でいっぱいママ達に甘えるんだ…!)」

 

その後も真面目に一日の勉学を終えたミスティ、

シリルは城の探検を走って楽しみ続けて自室のソファでうとうとしていた。

 

─夜─

 

「ママ〜!」

 

ウェンディに勢いよく抱きつくミスティ。

 

「今日もよく頑張ったね…」

 

ミスティを抱き締めながら、頭を撫でるウェンディ。

 

「ママ達に褒めてもらいたくて…」

「偉いぞ…」

 

ジェラールからも頭を撫でられて、嬉しそうに微笑むミスティ。

 

「えへへ…」

 

それを眺めていたシリルが

 

「ミスティばかりズルい〜!」

 

両親に突進してきたので、二人で娘達を交互に撫でた。

 

その後の夕食は娘達は魚料理を、ウェンディは肉料理を幸せそうに食べ、

それをジェラールとグランディーネは幸せそうに眺めていた。

 

 

ベッドで眠る時は、二人で娘達を撫でていた。

 

『(明日もいい事あるといいな…)おやすみなさい…』

 

ミスティとシリルは明日のことを考えながら眠りについたのだった…。

 

                  

ちらし寿司を作っているウェンディとジェラール。

雛祭りで手巻き寿司を作っている子供達。

 

赤貝と松茸を材料に使って、ちらし寿司を作っているジェラール。

海苔の上にご飯を適量乗せて、イクラを大量に乗せまくる子供達。

 

「プチプチ…!」

「たくさん…!」

 

「ふふっ…零れるわよ…?」

 

苦笑いしながら注意するグランディーネ。

 

「「む〜…!」」

 

構わずギュッと詰め込むミスティとシリル。

 

「あらあら…」

「出来た!」

「できた〜!」

 

少し歪な形の手巻き寿司が完成した。

 

「凄いわね〜」

「「美味しそう…」」

「ふふ…」

 

その後も張り切ってイクラを大量に入れた手巻き寿司を作る子供達。

ちらし寿司は酢飯に盛り付けが終わり、イクラを加えて調理が終わったので

ウェンディが娘達の様子を眺めると、手巻き寿司を沢山作っていた。

 

「そろそろご飯だよ〜」

「「は〜い!」」

 

手巻き寿司を包丁で小さく切って、ちらし寿司共々皿に並べて食卓を囲んだ。

自分達で作った手巻き寿司を嬉しそうに食べるミスティとシリル。

 

「美味しい〜!」

「プチプチ…!」

 

手巻き寿司を少し頬張って、ちらし寿司を食べるウェンディ達。

 

「美味しいね…」

「ああ…」

「皆で作るのも良いものね…」

 

賑やかに会話しながら、家族での食事を楽しんだのだった…。

 

 

どのCPの小説が読みたいでしょうか?

  • ミスウェン
  • ナツリサ
  • ジェラエル
  • ロキルー
  • グレジュビ
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  • エルエバ
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