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10月31日 東京都渋谷区
ここ渋谷は、東京の副都心の一つ大繁栄街が形成されており、多くの人々が賑わう。
西武百貨店等の開発を通して渋谷は単なるターミナルだけではなく文化の中心であり『渋谷スクランブル交差点』等は世界的にも有名だ。
しかし、今の渋谷を見たら誰もがそれを文化の中心なのだと理解できないだろう。
とてもとても信じられない景色だ。 至るところに建てられていたビルは無惨な瓦礫になり所々に火が燃え上がる。
この街でハロウィンという一つのイベントで賑わっていたであろう人々は物言わぬ死体となり、
地面にあちらこちらと散らばっている。
これでもまだ良い方だ。
酷いものは人の原型もないまるで怪物のようなナニカの死体が転がり、そのナニカに食い千切られたのか胴体と下半身が別れている人の死体もあった。 それもこの上ない程の恐怖に歪んだ顔をして。
宇田川町周辺に至っては更地になっていた。
比喩ではない、立ち並んでいた建物も大勢いたであろう人々も無い。 あるのはまっさらなキャンバスのように何もない空間と土煙のみ。 文字通り更地になっていた。
もはや、破壊という言葉も生温い惨劇であった。
そんな中とある建物に一団の人影がある。
いや、一人を除き人としての原型が無い。
ソレは、建物の外で発見された怪物のものと類似していた。
そして、その怪物を薙ぎ倒していく一人の男。
とても現実離れした光景だ。 いや、外の様子を見れば今更なのだろう。
その男は、足を引きずるように歩を進める。
体の半分以上焼かれており、頭部に至っては骨も見える。
意識がなるなりかける度に、目から生気の光がロウソクの火のように消えかける
「フー…… フー………」
しかし、この男はその度に意識を保ち続ける。 だが身体の感覚はもう無くなっているし、残っている意識も僅かだ。 それでも男は建物の地下に足を動かし降りていく。
そこにも、怪物がいた。 ……いや怪物というのはあっているだろうが。 ソレを正しく言えば元人間だ。
呪いの悪意で改造され人としての面影は先も言ったが何も残っていない。
その怪物は理性のかけらもない瞳を男に向ける。
すぐにでも襲いかかってくるだろう。
その様子に男は……
「マレーシア…… そうだな…… マレーシア……クアンタンがいい……」
そんな状況の中、男は昔から考えていた物価の安い国に住むならどこにしようかな……どこにしよう唐突に思った。
(―――なんでもない海辺に家を建てよう…… 買うだけ買って手を付けていない本が山程ある…… 1ページずつ1ページずつ、今までの時間を取り戻すように……めくるんだ―――)
男は、そう考える。 考えれば考える程意識が、朦朧とし
(―――違う 私はいま、伏黒君を助けに…… 真希さん、直毘人さんは? 二人はどうなった?)
そうして自分の任務を思い出し任務遂行のために進む。
(疲れた… 疲れたな… そう疲れたんだ、もう充分やったさ―――……)
改造人間を武器の大鉈で切り裂き、または殴ってミンチにする。
そうやって改造人間を全滅される。 無意識に。
すると、何者かに喉元を手で触れられた。
顔をあげると、そこには改造人間を作った存在…… 特級呪霊という最凶格の呪いの一体。
名を真人という。
「―――いたんですか?」
「いたよ。 ずっとね。 ちょっとお話でもするかい? 君には何度か付き合ってもらったし」
とぼけたふうに、それも愉しそうに言う呪いに何も言わず頭がぼうっとする。 この特急呪霊こと真人は原型の手で触れた相手のもしくは自身の魂に干渉し想いのままに変形と改造を施すことができる術式を持っている。
それに触れられたということは、もう死が確定してしまっている。
「にしても、驚いたな~ 呪力がありえない程漲っていると思ったら今の君を見て納得したよ♪ その火傷と負傷…そして文字通り命を燃やすことを縛りにして呪力を無理矢理引き出していたのか…… 納得納得♪」
呪いがなにか言っているがそれに意識を向けられるほどもうこの男…… 七海建人には余裕は無い。
例え一矢報いて真人に攻撃しても、真人にダメージを与えるには魂を知覚してそこに攻撃出来る手段を持っていなければ真人を倒すことは出来ない。
(―――灰原、私は結局何がしたかったんだろうな…… 目を背けて、見て見ぬふりをして、逃げて――― 逃げた癖に…… やり甲斐なんて曖昧な理由で戻ってきて ……!)
死ぬゆく自分に諦観し、とっくに死んでしまったかつての友人に届かない問いを問う。 その時、死んだはずの友。
灰原の幻影を見る。 目の前の灰原が指を指す。 そこには……
「ナナミン!!」
とある自身の先輩の紹介で出会い、その身に呪いを宿してしまった少年……虎杖悠仁。
共に真人と戦い、彼のそのあり方を、生き方を知った。 とてもとても苦しい生き方を選択をした少年。
だからこそ……
(駄目だ。 灰原…… ソレは言ってはいけない。 ソレは彼にとっての"呪い"になる)
―――私がそうだったように……
この戦いが終わり生き残ったとしてもその
そうだと、知っているのに…
「虎杖君」
分かりきっているというのに……
「後は頼みます」
最後の最後で呪いを口にして、七海の身体は爆ぜた。
こうして、一級術師 七海建人は逝った。
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「ハッ!」
七海建人は目を覚ました。
とある住宅のベッドの上で
背を起こし、窓のカーテンを外は朝だ。
「夢…… ですか……」
随分と色んな意味で懐かしい夢を見たと七海は思った。
「疲れているのでしょうね…… ここ最近は徹夜続きの日々でしたし……」
ハァ~…… と大きなため息を吐く七海。
布団を畳み、洗面所で顔を洗い歯を磨く。
そして、キッチンで専門店のコーヒー豆をコーヒーミルに入れ、回す。
キュル……キュル……と小気味のいい音を鳴らしながら豆を砕き、切り刻む。
そうして、砕いて切ったコーヒー豆をコーヒーメーカーに入れてコーヒーを入れる。
メーカーのタンクにコーヒーが溜まるのを待つ間、玄関のポストから取り出しておいた新聞《因みにヨーロッパ方面の新聞である》を読む。
因みに彼は、コーヒーを入れるときは、バリスタを使わずコーヒーミルを使うタイプだ。
カップにコーヒーが貯まる間に新聞を読むのが彼の日課であり楽しみだ。
コーヒーが貯まると、メーカーのタンクからコップにコーヒーを入れ、テレビをつけて今日の天気や情勢を聞きながらコーヒーを口につけ、喉に流し込む。
コーヒーのカフェインで眠気を完全に吹き飛ばした七海は軽いストレッチをやった後に、鏡を見ながら寝癖のついた髪を七三分けに整え、サラリーマンのようなスーツと独特な形のメガネをかける。
「では行きますか……」
家の閉じたりと電気の消し忘れが無いかなどの確認を済ませ家を出る。
近くの駅から電車に乗り、徒歩数十分間で向かい、ついた場所はまるで大手企業のビルと遜色ない程の巨大な建物。
「いつ見てもこの巨大な校舎は慣れませんね……」
七海建人の仕事場ここ、日本最高峰のヒーロー教育学校こと雄英高校である。
七海が死ぬところ書くとき何故か涙が出そうになった。
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