東方転変幻 作:ハルキゲニア
忘れ去られた者の楽園、「幻想郷」。
そこには、現代において存在を否定された「妖怪」、「鬼」、「神」が存在している。
「忘れ去られた」。つまり、現代の人間たちは幻想郷の住人の姿形を誰一人として覚えていない。
しかし、一人だけ例外が存在していた。
『施術が完全完了しました。ドックを開けます。お疲れさまでした』
それは余りに異常な存在。
その時代に存在しないはずのその機械から目覚めたそれは、少し違いはあるものの完全に人の姿を象っていた。
「施術は…完璧。あとは実施と…外の様子も気になる。身体が慣れたら外に出てみよう」
それは原初の知的生命体。
「お腹…減ったなぁ」
名を、
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極々普通の男子高生だった俺はスリップを起こして回転しながら迫ってくる大型バスに衝突。
そこから目覚めたら全く知らない場所で、自分は全く違う姿になったんだ。
「これが近頃流行りの転生か」と思って、取り合えず人を探そうと思ったけど、此処で問題発生。
探しに行けるような場所なんてなかった。
自分が気が付いた場所は半径20m程度の草木の生えたところで、それより外は断崖絶壁。探しに行くなんて無理無理。
というか此処しか場所…土地があると思えなかった。幾ら見渡してもどこまでも白が続くだけ。
で、これからどうしよって思ったら、なんというか…頭の中にポッとある言葉が浮き上がってきたんだ。
『形と性質を与える程度の能力』
試しに『PCが欲しい』と思って、力を使ってみればホントにPCが現れた。
ちゃんと起動した。流石にインターネットは使えなかったけど。
だけど、創った瞬間に身体から力が抜けるような感覚に襲われた。代償があるみたいだ。
暫く経って、再度この能力を使う。
形は『メモ帳』、性質は『この状況に対する詳細な説明』。
すると目の前にポトンとメモ帳が現れる。
例の如く力が抜けるけど、一刻も早くこの状況を理解したい俺はそのメモ帳を手に取る。
「『此処は何処か:「形と性質を与える程度の能力」により作られたあなただけの場所です。他生命体はまだ存在していません』ほー…あなただけの場所…へ?…他の生命体は、存在していません…?ど、どういうこと?」
読み進めてみると、こう書かれてあった。
「『現在の年代は太陽系生誕以前1000年』…!?」
……。
どうしようか…。
何にもない世界で何年も待つのはどうなのだろう。
ならばどうするか。
………
……
…
…決めた。
「…形は『コールドスリープ装置』。性質は『指定した時間までコールドスリープ』及び『その時間までの安全保障』」
…でもどうせなら、他の時代も回りながら現代まで行きたいよね。
「指定する時期は…そうだな。じゃあ『カンブリア紀』で行こう。」