腐った上層部にキレたので、第三勢力を立ち上げました   作:しらたま大福

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幕間「今日の伏黒さんち」

 

 

 伏黒甚爾が、嫁を探しに出て数年が経った。今まで以上に帰ってこなくなった父親の職業に「マグロ漁師」と答えたことによって、子供達は父親のことを無理に聞かなくなった。

 テレビで大間のマグロの特集をやれば、子供達はもしかしたらお父さん写ってないかな!!とソワソワしながらテレビの前に待機する位にはとても平和だった。

 

 そんな平和な日常に、またしても子供達の無垢な疑問からカオスが投下されることとなる――。

 

「ねぇねぇ、ばあや! お母さんってどんな人だったの?」

「ぼくもきになる!」

 

 子供達の口から出たのは、「お母さんってどんな人だったの?」である。そう問う子供たちが覚えていないのも無理はない。だって彼女が失踪したのは、津美紀が3歳、恵は2歳の頃だった。頼りになる母親との写真は、何かがあったら大変という事で澪花は処分している。そのため、子供たちは母親の顔さえ見れないのだ。(なお、このばあやはとても優秀なばあやなのできっちり個人でネガフィルムを管理していたので、子供達が大きくなったら若い頃の母を見せてあげようと思って厳重に隠してある)

 

 そんな訳ではあるが、さすがに今母親の写真を見せるためにネガフィルムをもって写真屋さんに行く訳にも行かないので、口頭で説明することにした。

 

「そうね、津美紀と恵のお母さんは――」

 

 この時、ふとばあやはなんて説明しようかと迷ってしまった。できれば誰か有名な人や、アニメのキャラクターの方が子供達には分かりやすいのかもしれない、なんて思ったのだ。

 そして、彼女は考えた。お嬢様って誰に似ているのかな……と。

 

 そして一つの結論に辿り着いた――。

 

「あなた達のお母さんは――ル〇ンの峰不〇子みたいな人よ」

「みね?」

「ふ〇こ?」

 

 子供達はこてんと首を傾げた。今まで思い描いていた彼らのお母さんのビジョンは、サ〇エさんかちび〇る子ちゃんのお母さんだったのだ。それをいきなり系統が180度違う峰不〇子に変えろと言われても難しいものだ。

 頭にハテナを浮かべる子供たちに、ばあやはさらに畳み掛ける。

 

「そう、日本中の(人)財を保護して、悪い大人(腐ったミカン)をやっつける人ですよ」

 

 このばあや、嘘は言っていないのである。あともう大人向けに少し補足するとしたら、(呪術師界から)指名手配されている、ドライビングテクニックもやばいも追加できるだろう。まぁ、概ねピックアップしてみると峰不〇子と似たところもあるのもまた事実ではあるが……。

 

 だが、流石に子供にあなたの死んだお母さんは峰不〇子だと言い聞かせるのはどうかと思う。

 

「えぇー、そうなの!?」

「おかあさん、かっこいい!」

 

 しかし、この場には伏黒甚爾(ツッコミ役)は不在。今頃東京の地で妻の峰不〇子である澪花と、呪霊を祓ったり、濃すぎる仲間たちのツッコミをしている。なんなら自分が子供達の中でマグロ漁師になっていることすらもまだ知らない。

 こうして、何も知らない無垢な子供達は、ばあやの言葉を真に受けてしまったのである。いつかの日のように、瞳をキラキラさせて死んだ()母親に思いを馳せる子供達。その健気な姿にばあやはそっと心の中で涙した。

 ――いつか、この子達とお嬢様が再び一緒に暮らせますように。そう願わずにはいられなかったのだ。

 

「ばあや、お母さんみたい!」

「ぼくも!」

「えぇ、えぇ、いいでしょう! さぁ、レンタルビデオ屋さんに行ってル〇ン三世借りましょうね」

「わーい!」

「たのしみー!」

 

 こうして、父親はマグロ漁師、母親は峰不〇子というトンチキな家族構成な設定が出来たのであった。

 

 

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