幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
卒業式の日、優は修也と最後の会話をかわす。修也は優に対し、バスケを続けて欲しい事を願うが、優は答えをはぐらかしたのだった………


第100話 君のやりたいようにやればいい

そして、現在通っている巫魔高校へ進学した優。進学後は見た目と名前から珍しがられたが、春香のフォローもあって、中学よりは話せる相手も出来た。しかし、どうしても心地良くはなかった。そして、その心地が悪い理由はすぐに分かった………未だ残っているバスケへの未練が、優の心地を悪くしていた………

 

 

 

それから1ヶ月。優はバスケ部の練習の日に、こっそり体育館を覗きに行っていた。バスケ部には、男女問わず十数人の部員がおり、その中には今のバスケ部の部員も混じっていた。優にはバスケ部のバスケが楽しそうに見えた………

 

春香「優さん、何してるんですか?」

 

すると、体育館の中から春香が出てきた。春香はバスケの面白さに目覚めた影響で、高校に入ってすぐバスケ部へ入部した。

 

優「ああ、いや………放課後暇だったから応援に来たんだよ………うん」

 

優はそう言って誤魔化したが、春香には優が嘘をついているようにしか見えなかった。

 

あかり「春香ちゃーん!」

 

春香が首を傾げていると、この当時2年生だったあかりが春香へ声をかける。

 

春香「はーい! ………じゃあ、戻りますね」

 

春香は練習の方へと戻った。優は優しく見送ったが、虚しい気持ちになった。優は少し俯いて、帰ろうとしたが………

 

ゆうか「あら、入部希望者かしら?」

 

その時、巫魔の監督であるゆうかと邂逅した。

 

優「ふえっ!?」

 

優は思わず驚きの声を漏らす。するとゆうかは優を見るなり………

 

ゆうか「………君、もしかしてミドレーユ君………だったりする?」

 

優がミドレーユだと速攻で見抜いた。

 

優「ひ、人違いでは………?」

 

優は誤魔化そうとするが………

 

ゆうか「………去年の東京県大会1回戦は面白かったわよ。春香ちゃんといいゲームしたの、直接見たもの」

 

ゆうかには完全に確信されてしまった。春香との試合を挙げられた優は………

 

優「………そうですよ。でも今の僕は白宮優です。ミドレーユという名前は捨てました」

 

今の名前を伝えた上でそれを認めた。

 

ゆうか「おっと、これは失礼………噂のスター選手が東京のどこにもいないって言うんでちょっとガッカリしてたんだけど………まさかこんな辺鄙な学校に入学していたとは………」

 

ゆうかはうんうんと頷きながら、楽しそうにそう呟く。

 

ゆうか「ねぇねぇ、バスケ部入ってくれないかしら? 貴方が入れば間違いなく戦力アップだと思うんだけど………!!」

 

ゆうかは優を勧誘する。しかし優は………

 

優「………無理です。今の僕には中学のプレイは出来ない………いや、正確にはやりたくないんです………」

 

今の自分に中学の時みたいなプレイが出来ないとして断る様子を見せる。優の暗い表情から過去に何かあったのだろうと悟ったゆうかは………

 

ゆうか「………分かった。じゃあこうしよう。優くんは小学生の頃から東京でバスケをやってたという点だけ公表して、ミドレーユくんだって事は内緒にしてあげる。プレイスタイルも君のやりたいようにやればいい………それでどう?」

 

優にいくらか譲歩する形で入部を申し出た。それを聞いた優は少し考え………

 

優「………僕がミドレーユなのは春香も知っています。彼女にだけはこれを共有してもらえますか? それなら入部します」

 

ゆうかの譲歩案に頷き、バスケ部の入部を決めた。

 

ゆうか「………! やった! ありがとう、優くん!」

 

ゆうかは優が加入してくれる事に大きく喜んだ………

 

 

 

それから優はバスケ部に入り、物語が始まる前の1年生時代、高校バスケの公式大会を経験した。条北との試合に敗れこそしたが、ダンクのみで16得点をあげるという華々しいスタートを切った………のは良かったのだが………

 

優「はあっ!? 先輩達と光一達が万引きで捕まっただあ!?」

 

大会からしばらくして、優以外の男子が万引きをやらかしたという情報が入り、優達は緊急で話し合いをする事に………

 

ゆうか「………困ったわね、優くんを除く男子は全員学校側から部活参加禁止を言い渡されたわ。皆、復帰出来るかも未定だし………何人かは部活をやめる事になったわ………」

 

その為、この時に部員は、積牙達1年生が入学する前、まだ美矢が不良をやっていた時の為、現在のスタメン4人を除いたメンバー状況になっていた。

 

ゆうか「色々言いたい事はあるけど………速急にキャプテンを決めなきゃだわ。2年生はあかりちゃんしか残ってないし………あかりちゃん、お願い出来る?」

 

ゆうかはあかりにキャプテンを依頼する。しかし………

 

あかり「………私は優くんの方が相応しいと思います」

 

あかりは自分ではなく、優の方がキャプテンにふさわしいと意見を述べた。

 

優「み、宮野先輩!?」

 

当然、優も困惑の表情を浮かべたが………

 

あかり「優くんのダンクを見ていると元気が出てくるし………2年生の中ではよくチームを見ていると思うから、私は優くんが相応しいと思うけど………皆はどう?」

 

あかりは周りに優がキャプテンに相応しいかを問いかける。

 

伊吹「私は賛成だよ。優は誠実だし、あんなバカ共とは違うしさ」

 

鈴香「確かにね………」

 

優をキャプテンにするという案を否定するものは珍しく誰もいなかった。その為ゆうかは………

 

ゆうか「じゃあ、優くんにお任せするわ」

 

そのまま優をキャプテンに指名。優は思わぬ形でまたキャプテンをやる事になった。またしてもキャプテンをやる事に思わず中学のトラウマが蘇りかけるが………

 

春香「じゃあ、副キャプテンは私がやります! 中学の時にはキャプテンをやってたので、幾らかノウハウもありますし………!」

 

春香が副キャプテンを担ってくる事から、その不安は幾らかマシになったのだった………

 

 

 

そうして、時は守城に敗れ、シュガーが控え室に入ってくる所までに至った。果たして、シュガーの登場は、巫魔にどのような空気を与えてくるのか………?

To Be Continued………




次回予告
優の過去に驚く積牙達。しかし、話題はすぐにシュガーが感じた巫魔の問題点に変わる。シュガーは、春香達のせいで優が活かせていないと指摘し………!?
次回「周りが役立てないなら意味無い」
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