幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
優と春香の2人は、トウキョウの友力高校の試合を見に行く事に。その選手のうち、3人は優の旧友であった。彼等との会話中に乱入してきた林川 浩太との対立で、練習試合をする事になってしまった。そして、彼等との会話で出てきたミドレーユとは一体………?


第12話 これが全国クラスだ………!

数日が経ったある日、トウキョウの友力高校は、巫魔高校へとやってきた。

 

ゆうか「奄美監督………わざわざすみませんね、選手達の口約束で試合を約束させてしまいまして………」

 

奄美「いえいえ、うちの学校は練習試合を依頼してくれる学校は中々ないからね、よろしく頼むよ。」

 

監督同士は以外と話し合えるようだった。寧ろ、対立が深いのは、優の方だった。

 

修也「おっ、背番号4。という事は、お前がキャプテンなのか………変わらねぇな。」

 

優「なんでもいいだろ。」

 

修也「それもそうだな。いい試合にしよう。」

 

優と修也の2人は握手をする………

 

 

 

だが、ゆうかは………

 

ゆうか「優くん、今回もベンチスタートよ。」

 

優「………はい。」

 

優を温存する為に、ベンチに下げる。しかし、優はある事を感じていた。

 

春香「優さんを下げるなんて………大丈夫なんでしょうか?」

 

優「はっきり言って、第1Qも持つかどうかって所だな。春香、アップはしとくぞ。いつでも行けるようにな。」

 

春香「は、はい!」

 

優と春香の2人は、ベンチの後ろでアップを始めた………

 

アリサ「ええ………ユー、スタメンじゃないのか………」

 

芽衣「確かに………それだけ自信があるのかな?」

 

修也「大丈夫さ、どうせすぐに出てくるさ。ミドレーユ抜きで、俺達を倒せるわけなんて無いからな。」

 

??「お前ら、話してないで並べ。」

 

修也「はい、キャプテン。」

 

 

この試合、両チームのスタメンは下記の通り。

 

巫魔高校(ユニフォーム黒)

9番 PG 時乃 のぞみ

13番 SG 宮野 あかり

10番 SF 江野 積牙

14番 PF 炎塚 ほのか

17番 C 相田 光一

 

友力高校(ユニフォーム白)

8番 PG 月渡 芽衣

6番 SG アリサ・ストライク

4番 SF 身軽 太一

7番 PF 天野 修也

9番 C 林川 浩太

 

 

優「しかし、驚きだな。相手のスタメンのうち、4人が2年生なんだな。」

 

積牙「確かに………」

 

優「頼むぜ皆………僕が出るまで何とか持ち堪えてくれ………!」

 

優は祈るようにそう呟いた………

 

 

審判は明日香が務めることになり………

 

明日香「じゃあ、始めるわよ!」

 

明日香が増えを鳴らすと同時に、ボールを打ち上げる。ボールが頂点に到達する直前に、光一と浩太が大きく飛び上がり、ボールに触れる。2人の手は大きく押し合うと、ボールを真上に弾いた。

 

光一「ぐうっ!!」

 

光一はもう一度ジャンプするが、ボールはその前に飛んでいた修也がキャッチした。

 

優「修也………!」

 

修也はボールを芽衣に渡すと、芽衣はドリブルで上がる。のぞみが芽衣の前に立ちはだかるが………

 

身軽「修也! 挨拶代わりに1発かませ!」

 

修也「はい!」

 

芽衣「はあっ!」

 

芽衣の的確なパスで、ボールは高く打ち上がり、修也はそのままアリウープを炸裂させた。

 

優「やられた………! 早速アリウープか………!」

 

優は驚く様子を見せた。しかし、優達はこの先、更に驚くことになる………

 

 

開幕から挨拶代わりのアリウープを決められた巫魔は、のぞみを起点に進み、攻撃しようとした時だった。

 

のそみ「積牙!」

 

積牙に向けたボールは、身軽 太一にスティールされてしまった。

 

積牙「何っ!?」

 

身軽「上がれ!!」

 

巫魔は、友力を相手に何とか自陣に戻って守りを固める。

 

身軽「芽衣!」

 

ボールが芽衣に渡ると、芽衣は相手陣を見ながら移動する。

 

のぞみ「そんなによそ見してたら………隙だらけよ!!」

 

のぞみは、芽衣からボールを奪おうとするが、芽衣はまさかのノールックでアリサの方に鋭いパスを出した。

 

のぞみ「(ノールックでパス………!? それにしては恐ろしい正確さね………背中に目でもついているかのような………)」

 

のぞみがそんな事を考えていた時、ボールを受け取ったアリサはそのままシュート体勢に入り、大きく飛ぶ。あかりも飛び上がるのだが、その時、春香は途端に………

 

春香「………! あ、あかりさん、飛んじゃダメです!!」

 

あかり「え………!?」

 

あかりのディフェンスを静止して来た。その理由は、あかりがアリサの飛んでいる方向を目にして分かった。

 

あかり「(ま、前に飛んでる!?)」

 

だが、時すでに遅し。あかりはアリサと接触してしまい、笛が鳴る。そして、アリサはそのままスリーを右手で放ち、リングの上にボールを乗せる。ボールはクルクルと回りながらも、リンクの中に吸い込まれた。しかも、そればかりか………

 

明日香「プッシング! 黒13番! バスケットカウント、ワンスロー!」

 

あかり「(ぱ、パワースリーポイントシュート………!?)」

 

なんと、まさかのファールをもらいながら4点プレイを決める、春香のパワースリーポイントシュートとほぼ同じシュートを決めてきた。

 

優「(すげぇ………)」

 

優は驚きながらも、感心する様子を見せていた………

 

 

 

明日香「ワンショット!」

 

明日香はアリサにボールを渡す。アリサはボールを構えると、綺麗なシュートを放つ。このシュートはリングに掠る事無く決まった。

 

春香「いきなり6点とは………厳しいですね………」

 

優「ああ、しかもアリサは多分………」

 

優が何かを言おうとした時、ボールは身軽に取られてしまった。

 

春香「またスティール………!?」

 

優「(あの4番、スティールが上手い………攻めについては正直、修也やアリサの方が強い。攻めるのが得意な奴が担当する事が多いSFではあまり見ないタイプだ………)」

 

優は身軽の事をそう評価していた。実際、彼のプレイは目立ちにくいが、相手の攻めを崩すのに長けた強さを持っている。つまり、守り専門とも言える強さを持っている。

 

芽衣「はあっ!」

 

芽衣の鋭いパスは、再びアリサに渡る。

 

アリサ「ナイス!」

 

あかり「打たせないわよ!! (距離を離せば、パワースリーポイントシュートは打てない………!)」

 

アリサ「嵌ってるね………スリーの沼に!!」

 

アリサはそう言うと、後ろに飛び、スリーポイントシュートを放つ。まさにこれは………!

 

あかり「ふぇ、フェイダウェイスリーポイントシュート!?」

 

春香の持つフェイダウェイスリーポイントそのままのシュートだった。打つ方の手も、やはり右手。

 

アリサ「私はね、レギュラーを取るまでに、白宮春香が編み出した、この2つのシュートを何度も練習して来たの。破壊力、得点力がとてつもなく強いこの2つのシュートこそ、私が全国を勝ち上がるのに、最も適した最強シュートよ!!」

 

優「春香のシュートを丸パクリ………しているとはいえ、それが出来るとすれば、今のアリサはかなり厄介だな………」

 

春香「そうですね………」

 

優と春香はそう考えていた。だが、それでも巫魔は諦めない。今度は、光一にボールを回し、ゴール下によるシュートを試みる。しかし、林川 浩太が大きく飛び上がり、上のコースを防いできた。

 

光一「(ぐっ………! なら、横から入れるだけだ!!)」

 

光一は浩太の横から決めようとする。しかし、それを瞬時に察知した浩太は、ボールを、シュート体勢中の光一ごと吹き飛ばして止める。だが、ここで笛が鳴り………

 

明日香「チャージング! 白9番! フリースロー!!」

 

光一を吹き飛ばしたのがマズかったのか、浩太はファールを取られてしまった。

 

浩太「ちっ………」

 

浩太はあからさまに舌打ちをした。

 

積牙「コウさん!!」

 

光一「やるぜ、アイツ………力だけなら俺より上だ………!」

 

光一はそう考えていた………

 

その後、第1Qは終始友力が有利であり、終了時の特典は、11vs26だった。

 

結衣「だ、大丈夫ですか………?」

 

ほのか「はあっ、はあっ………まあ何とかね………だとしても、全国出場経験チームは選手も全員強いな………」

 

優「皆が手も足も出ないくらいに強い………つまり………これが全国だ………! って言いたい訳か………」

 

ゆうか「そうね、でも、力豪を相手にギリギリまでくらいつけた貴方達なら絶対に勝てるわ。優くん、春香ちゃん、2人とも出てもらうわ。見せてきなさい、巫魔最強メンバーの恐ろしさを!!」

 

優達「はい!」

 

 

 

一方、友力のベンチでは………

 

浩太「やはり大した事は無いな、あのチーム。俺達を相手に殆どシュートが決められてない………やはり、1回戦止まりの雑魚って訳か。」

 

身軽「そうやってハメを外すなよ? 第1Qにも関わらず、お前は2ファールもらってるんだから。」

 

浩太「分かってますよ!」

 

修也「本当か? 多分、次のQで優が来る。アイツのPFとしての力はハッキリとは分かっていない。気をつけろよ?」

 

浩太「分かってるさ。」

 

浩太はそう言っていたが、心の中ではまだ余裕そうな素振りを見せていた。

 

こうして、両チームのメンバー共にコートに戻る。

 

優「さあ、落ち着いて行こう!」

 

4人「おおー!!」

 

優はのぞみにボールを渡すと、のぞみは前線に上がっていく。相手チームの守りはマンツーマンディフェンスのようだ。その為、修也が優をマークしている。

 

修也「お前がどういう気持ちでPFをやっているかは知らんが………本職を舐めるなよ!!」

 

修也はそう言っていた。しかし、優は落ち着いた様子を見せていた。優は修也の後ろからのぞみの方に向けて、パスをするようジェスチャーする。

 

のぞみ「準備万端ってわけね………優!」

 

修也「正気か!? このまま俺が取って………なっ!?」

 

修也はボールが自分の方に飛んでくるのを目にし、一時油断していた。その為、優はいつの間にか修也の前に立ち、パスを受け取る。

 

優「はあっ!!」

 

優はそのままダンクを狙う。

 

浩太「させるか!!」

 

浩太がすかさず止めにかかる。しかし、修也は何かを察知し………

 

修也「ま、待て! 飛ぶな!!」

 

慌てて浩太を静止するが、時すでに遅し。浩太は優に接触する形でぶつかってしまう。明日香の笛が鳴りながらも、優はダンクでゴールに決めた。その判定は………!?

 

 

 

明日香「………バスケットカウント、ワンスロー!!」

 

このファールは浩太のファールとして取られ、浩太は第2Q開始時点にも関わらず、3ファールをもらってしまった。

 

浩太「何っ!?」

 

優「よしっ!」

 

優は喜ぶ素振りを、浩太は驚く様子を見せていた………

 

 

だが、この時点の巫魔にとってはあまり良くない。優はフリースローを決めた事がなく、逆によくない風がやって来ようとしていた。しかし………

 

優「よーし、ここからまた取るぞ!!」

 

そんなことを気にする暇もなく、フリースローに臨むのだった………

 

 

 

明日香「ワンショット!」

 

優は明日香からボールを受け取る。構えこそ上手ではあるが、フリースローの成功は、高校バスケ入部以降は1度たりとも成功していない。

 

優「(行くぞ………!)」

 

優はシュートを放つ。当然のようにこのシュートは外れてしまうが、全員が気がついた時には、何と優が大きく飛び上がっていた。

 

浩太「なんだと!?」

 

優はそのままダンクでボールを押し込んだ。

 

伊吹「いいぞ、優!!」

 

修也「(力強いダンクだ………まさかたった1年であれだけの強さにまで成長しているとは………)」

 

これには、修也も驚く様子を見せたのだった………

 

 

 

こうして、優の2連続ゴールによって戦いの火蓋が切られた第2Q。果たして、巫魔の逆襲はできるのか………!?

To Be Continued………




次回予告
優の圧倒的なプレイは止まらず、遂に浩太から4つ目のファールを奪う。更に、浩太はまさかの動きに出てしまい………!?
次回「バカヤロー!!」

今作のバスケ用語解説
お久しぶりです、白宮春香です! 今回は、私達が所属する巫魔高校についてお話しましょう。巫魔高校はイバラキにある学校で、部活動なんかは普通、学校偏差値も普通の、至って普通の学校。ただ、神道学に力を入れている学校であり、この学校の生徒の中には、神道を信仰する人も多いんです。バスケ部については、大会で1回戦負けが常の学校ですが、今年はどうなのでしょうか………?
とまあ、今回はこんな感じでお話は終了させて頂きます。次回の方はイバラキの強豪校を解説いたしますので、皆さんお楽しみに!! では、またお会いしましょうー!!
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