幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
友力高校4番SF、身軽太一の本来のプレイにより、積牙は罠に嵌る。それにより、一気に4ファールを取られてしまい、無念の戦線離脱。巫魔は危機に陥っていた………


第15話 選手失格だな

試合再会………

 

 

 

身軽は芽衣からパスを受け取ると、マッチアップ相手のレイに視線を向けた。

 

レイ「ぐっ………」

 

身軽「悪いな、俺を止めるには身長が足りねえぜ!」

 

身軽は大きく飛び上がってシュートを放つ。レイは止めようと奮闘するが、高さ故にボールを取れず、ゴールを奪われてしまった。

 

優「ドンマイドンマイ! 次止めるよ!」

 

巫魔は積牙の離脱と、身軽のプレイから流れを失い始めており、優の声で何とか首の皮一枚繋がっているような状態だった。

 

優「光一!」

 

続く巫魔のオフェンス。ボールは光一に渡る。

 

光一「おっしゃ、任せろ!」

 

光一は豪快なツーハンドダンクを叩き込もうとするが、太助のガッツあるディフェンスによって接触してしまう。

 

明日香「チャージング! 黒17番!」

 

光一「くそっ………やられたか………!」

 

修也「ナイスだ、太助!!」

 

このプレイにより、流れは完全に友力に動き、シュートは止められ、ゴールは量産されの負の連鎖が起きていた。

 

優「(マズい、チームの流れが良くない方向に流れ出した………ここで何とか1本止める………)」

 

優はそう考えると、レイの耳元に立ち………

 

レイ「………本気でやるつもり?」

 

優「ああ。もうこうなったら意表を突く!」

 

優はレイに作戦を伝える。しかし、その様子を芽衣は見ていた………

 

 

 

そして、ボールは再び身軽に渡る。

 

身軽「おっと、悪いがこのままもらうぜ………!!」

 

身軽は大きく飛び上がるとジャンプシュートを放つが、優はこの状況で無理矢理身軽のシュートボール目掛けて横に飛んでいた。

 

身軽「………!?」

 

その結果、優の指がボールに触れ、シュートの軌道が狂い、ボールが弾かれた。

 

ほのか「リバウンド!!」

 

すかさず優がジャンプし、ボールを空中でキャッチする。そして、のぞみにボールを渡すために、身体を動かすが、何かにぶつかった感触が………優はぶつかった方を見ると、なんと芽衣と接触し、彼女を腕で押し倒してしまっていた。

 

明日香「プッシング! 黒4番!」

 

優はファールを取られてしまった。しかし、優は芽衣のファールをもらいにいくプレイに感心していた。

 

優「………やられたよ。まさか僕のリバウンド着地点を予測して潜り込んでくるなんて………」

 

芽衣「体格差ゆえ………かな。」

 

これには、ベンチで見ていた奄美もニヤリと表情を綻ばせていた。

 

奄美「(月渡は確かにPG以外では力を発揮出来ない選手だが、それも相まって自分の役割を理解している………自ら死角の爆弾になる事で、相手のチャンスを潰した。せめて、林川もその事を理解し………ん? 林川がベンチに居ない………!?)」

 

突然、友力ベンチから浩太が消えた。そして、彼のいる場所に真っ先に気づいたアリサは途端に叫んだ。

 

アリサ「………! ユー! 避けて!!」

 

優「え………?」

 

優がアリサの声に驚いた次の瞬間、彼は気がついた時には既に殴られていた………林川 浩太に………

 

優「うあっ!?」

 

春香「優さん!!」

 

優は殴られた勢いで地面に頭をぶつけた。そして、審判の明日香はたまらず笛を鳴らし………

 

明日香「ちょっと、自分が何やったか分かってるの!?」

 

と、審判の立場から問い詰めるが………

 

浩太「黙れ! 芽衣が突き飛ばされたんだぞ!! コイツが悪い!!」

 

身軽「あのバカ………問題しか起こさないな………」

 

浩太は身勝手な言い訳をした。そして、まるで自分は間違ってないとばかりに………

 

浩太「芽衣、大丈夫か!?」

 

浩太は手を伸ばした。しかし、この行為に1番怒っていたのは、優ではない。芽衣だった。芽衣は浩太の手を拒絶するように右手で弾くと、

 

芽衣「勝手な事言わないで!! 私が押されたのは作戦による結果! 第一、私が狙ってなかったとしても、ミドレ………いや、優くんを殴る理由にはならない!!」

 

浩太「そんな………どうしてそんな男なんかに………!」

 

芽衣「私、今でも優くんの事は友達だと思ってるから………それに、普段の態度も本当は嫌だった! 優くんをバカにされるのが嫌だった!! 貴方なんて………最低な選手だよ!!」

 

芽衣にハッキリと怒りをぶつけられ、浩太はショックを受けた。それと同時に優は朦朧とする意識の中………

 

優「………芽衣を怒らせるなんて………相当だぞ………本当に………選手失格だな………お前………」

 

浩太「なんだと!?」

 

浩太は逆上して殴りかかろうとするが、光一と修也に羽交い締めにされて押さえられた。

 

浩太「離せ! 離せよ!!」

 

浩太は反省する事無く暴れ回った………優は意識が遠のき、そのまま気絶するのだった………

 

 

優が倒れたばかりか、暴力沙汰を起こしてしまい、ディスクォリファイングファウルという、コートから退場しなければならない最も重いファールを取られてしまった林川 浩太………というか、優の気絶から、試合続行など出来る訳もなく、試合は中止となってしまった………

 

 

 

その後、優は幸いにも怪我や出血などはなかった。しかし、巫魔メンバーの怒りは強く、友力もそれについて申し訳なさそうな様子を見せていた。

 

修也「本当にすまなかった!」

 

優「いや、もういいって………それに、全国のレベルが中々高い事を身をもって教えられたよ。」

 

芽衣「でも、ミドレ………優くんも強かったよ。PFとしてあれだけの強さを持っているし、修也くんに引けを取らない強さだったよ。」

 

優「まあ、まだ1年くらいしかないから、スタミナが持たないのが完全に欠点なんだがな。」

 

優は、かつての仲間と会話をかわしていた。一方、春香はアリサと会話をしていた。

 

アリサ「やっぱり本家本元は強いなぁ………」

 

春香「私もびっくりしたわ。アリサちゃんの強さに………全国には、強力なスリーシューターがいるってことを、頭に入れておくわ。」

 

アリサ「アンタも充分強いけどね。」

 

2人は握手をかわしていた。

 

そして、監督は………

 

奄美「本当に申し訳なかった、雷くん。私の監督不行き届きだ。」

 

ゆうか「………でも、こっちとしては意外な収穫がありました。」

 

奄美「意外な収穫………?」

 

ゆうか「うちのチームに………火がついた事ですね。」

 

奄美「………ある意味負けだな、うちの………」

 

そして、視点は再び優と修也に戻り………

 

修也「………暴力沙汰を起こしちまったチームになっちまったからな。今回は俺達の負けだ。」

 

優「………いや、そんな勝利嬉しくなんかねえよ………今回の試合結果は保留さ………全ての決着は………次回着けるよ………!!」

 

優はそう言うと、手を伸ばす。

 

修也「………おう!」

 

修也も手を伸ばし、2人は握手をかわすのだった………

 

 

 

こうして、試合は衝撃の幕切れに終わってしまった。しかし、この試合では、優を殴られた事も理由だろうが、巫魔メンバーに、火をつけるきっかけとなったのだった………

To Be Continued………




次回予告
全国を目指して特訓を重ねる巫魔高校。そこに、試合を見る小学生くらいの背丈の少女が。ひょんな事から一緒にやる事になったのだが………?
次回「あの子ならセンスあるよ」

今作のバスケ解説
は、はじめまして! マネージャーの朝顔 結衣です! 今回はこの友力戦の総得点をまとめました。得点王は一体誰なのか? 描写外でどんな得点があったのか!? では、下記にまとめましたのでどうぞ!!

総スコア
34vs45

巫魔側
4番 白宮 優 8点
5番 白宮 春香 4点
8番 闇光 レイ 4点
9番 時乃 のぞみ 2点
10番 江野 積牙 4点
13番 宮野 あかり 3点
14番 炎塚 ほのか 2点
17番 相田 光一 7点

友力側
4番 身軽 太一 11点
6番 アリサ・ストライク 9点
7番 天野 修也 10点
8番 月渡 芽衣 7点
9番 林川 浩太 8点
15番 天原 太助 0点

と言った形でした。実は描写外で身軽 太一さんが結構決めていました。思ったよりも春香さんが活躍できていなかったのは意外ですよね。まあ、今回の試合は第3Qの途中で止まってしまったので、仕方ないと言えばそれまでですが………では、今回はここまで。次回は新キャラ登場です! ………え? その人、私より背が低い人なんですか?
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