幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
新人、優真の育成の過程で、優真の問題点と尋常ではない飲み込みの速さが浮き出た。そして、トーナメント表から今後戦うであろうライバル達を目にする。しかし、巫魔バスケ部の気合いは十分で………?


第三章 巫魔高校の6ピース
第18話 行ってこい!!


そして月日は流れ、県大会当日。優達は会場となる体育館に来ていた。

 

優真「凄い………でも、いいんですか? 私なんてまだ入ったばかりなのに………」

 

優「バスケに歴は関係ない。うちのバスケなんてもっとだ。優真が入ってからまだ2、3週間だけど………それでも出てもらう可能性があるからな。」

 

優真「私が………」

 

優「あかり以外も、高校大会出場経験はないと思う。でも、緊張せずにいつもの気持ちで行くぞ!」

 

春香達「おおー!!」

 

優達は気合いを入れ、会場の中に入る………

 

 

 

優達が会場に入ると、既に多くの学校のバスケ部員がいた。

 

優「やっぱりここに来ると空気が違ってくる………」

 

優がそんな事を呟いていると………

 

??「おーい、優くん!」

 

春香「この声は………滝川さん。」

 

力豪高校のメンバーと遭遇した。

 

滝川「久しぶりだな、あの対決からしばらくか?」

 

優「お久しぶりです。」

 

滝川「君達のブロックは強敵だらけだと思うが、頑張ってくれ。再度戦えるのは決勝リーグ。それまで負けるなよ。」

 

滝川はそう語る。しかし………

 

??「………無駄だよ滝川。そんな奴らがベスト8突破をするのは無理だ。Cブロックは爆速が制覇する。」

 

と、優よりも背が高く、積牙より少し低めの男が話を遮ってきた。

 

結衣「あ、あの人は………?」

 

滝川「速野………」

 

優「ほへぇ………あの人が噂の爆速高校キャプテンか。」

 

優真「あ、あの人は誰ですか………!?」

 

優「速野信太(はやののぶた)。3年生にしてイバラキ最強のPGの1人とも言われる男。まさかこんな所で鉢合わせるとはね。」

 

速野「白い髪に薄めの青目………そうか、君が噂の白宮優。こんな小柄な体型で力豪から大量得点を奪った………実に興味深いな。それに、そこにいる白髪のお嬢さんが白宮春香。巫魔最強のスリーポイントシューター。2人のオフェンス力はイバラキでも随一と言っていいほどだ。しかし、他のメンバーは見た事もないメンバーで、公式戦でレギュラー経験があるのはそこにいる宮野あかりって人だけ。とてもじゃないがレベルが違いすぎる。」

 

明日香「むっ………勝手な事を言わないでよ! 私達だって必死に練習してきたんだから!」

 

速野「………その練習成果が出るといいんだけどね。」

 

速野が高々と語っていた。すると、彼の肩を掴む者が1人。その者は積牙よりも背が高かった。

 

??「やめろ。恥ずかしいと思わないのか、速野。」

 

速野「この声は………戦記じゃないか。」

 

優真「戦記………?」

 

優「守城の戦記良太………こっちもイバラキ最強の最強PG。でも、速野とは違って、守りについては超一流だ。なんなら、イバラキにおいて1on1で抜かれた事は無いっていう。」

 

のぞみ「(あれでPG………なら、Cなんてもっと大きいわね………)」

 

のぞみは推測するように考察する。

 

速野「おいおい、お前も教えてやれよ。イバラキは俺達がまたトップ3を取るってさ!」

 

戦記「………興味は無い。そんな事より勝利を掴むことを考えろ。もしやお前が先に脱落する………などと言わないだろうな?」

 

速野「まさか。俺は負けない。特に、こんな奴らになんかさ。」

 

優「………舐められたものだ。三大王者の一角が絶対に負けないと言いきる程自惚れているんじゃないだろうね?」

 

優は煽るようにそう口にする。それを聞いた速野は………

 

速野「………言ってくれるじゃないか。ダンクしかできない君が僕に喧嘩を売る。それがどんなに愚かな事かわかって言ってるのかい?」

 

優「………勘違いしないでもらいたいな。僕がダンクしか出来ない脳無し人間に思えるかもしれないが………僕はそんな単純じゃない。」

 

速野「よく言うよ。そう言って喧嘩を売ってきた奴等は皆バスケで返り討ちにした。君もそうしてやるよ。」

 

速野はそう口にする。優は一歩も引く様子を見せない。それを見た滝川は………

 

滝川「おいおい、こんな所で言い争っても………」

 

静止しようとしたが………

 

戦記「面白い。」

 

速野「は?」

 

戦記は興味を見せた………

 

速野「君は正気か? こんな1回戦も突破した事の無い学校のプレイヤーの言っている事に興味を持ったというのか?」

 

戦記「その男は本気でお前に喧嘩を売っている。今までの連中はお前を倒す覚悟がなかった。しかし、その男の目は本気だ。間違いなく。俺は実力と覚悟を持つ者には経緯を表する主義だ………名前は?」

 

優「………白宮優だ。」

 

戦記「白宮優………学校は?」

 

優「巫魔だ。」

 

戦記「巫魔………チェックしよう。お前達の実力を見る為にもな。」

 

速野「本気かい? 君程の選手が珍しい事もあるものだ。」

 

戦記「お前の話はどうでもいい。Cブロック。楽しみにさせてもらおう。」

 

戦記はそう言うと立ち去った。

 

速野「………いいだろう。そこまで言うなら証明してくれ。巫魔高校が僕達や守城に対抗しうる存在かどうか。」

 

速野はそう言って立ち去った。

 

滝川「いや、やるなあ、優くん! 速野に喧嘩を売るばかりか、戦記に興味を持たれるなんてさ。」

 

優「いえ………」

 

滝川「戦記に興味を持たれたら大変だぞ〜!」

 

優「あ、あはは………」

 

優は茶化してくる滝川に対して苦笑いを零すのだった………

 

 

 

その後、開会式を経て、優達はCブロック体育館へ。第一試合は優達巫魔高校と浜崎涼太率いる川今高校。

 

浜崎「よろしく。キャプテンの浜崎だ。」

 

優「こちらこそ。白宮優です、よろしくお願いします。」

 

2人は握手をかわす。しかし、その様子を見ていた1人が………

 

??「へぇ………そいつが2年生のキャプテン。」

 

態度の悪そうな選手が1人、優達に近づいてきた。

 

浜崎「止めろ、営夜。」

 

レイ「あの人が営夜隼太………川今のスコアラーって所かしら。」

 

営夜「その通り。俺は最強のスコアラー! 巫魔の点取り屋がお前だと聞いたのでな………特別に俺が勝負してやるよ。」

 

優「あ、僕の出番ないよ。」

 

営夜「何っ!?」

 

浜崎「………!?」

 

営夜は分かりやすく動揺した。勿論、浜崎もだが。

 

営夜「舐めてるのかてめえ!!」

 

営夜は優の胸倉を掴む。しかし、優はまるで動じず………

 

優「いや、まともだけど………というか、早く離した方がいいんじゃないの? 開始早々テクニカルもらう羽目になるぞ?」

 

営夜「ちっ………!」

 

営夜は悔しそうな表情で、優の胸倉を手離す。

 

結衣「大丈夫ですか!?」

 

結衣が大慌てで駆け寄る。

 

優「いやあ、大丈夫大丈夫。ガラの悪い奴は慣れてるさ。」

 

優はそう言うと、ベンチの方へ戻るのだった。

 

結衣「慣れてるって………?」

 

結衣は優の言葉に首を傾げながらも、ベンチの方へと戻るのだった………

 

 

そして試合開始3分前………

 

ゆうか「じゃあ、正式にスタメンを発表します。まずGは、PG、のぞみちゃん、SG、春香ちゃん。」

 

2人「はい!」

 

ゆうか「続いてFよ、PF、伊吹ちゃん、SF、積牙くん。」

 

2人「はい!」

 

明日香「いいなー、積牙が高校初大会でスタメンなんて。」

 

優真「凄い………同じ1年生なのに………」

 

優「SFとしては光るもの持ってるからね、積牙。まあ、それと同時に問題も多いんだけどさ………」

 

優真「問題………ですか?」

 

優「まあ、優真もいつか出番が来るだろうし………試合はよーく見ときなよ?」

 

優真「は、はい!」

 

ゆうか「言うまでもないけど、Cは任せたわよ、光一くん。」

 

光一「おう!」

 

こうして、巫魔のスタメンが決定。そして………

 

審判「1分前!」

 

試合開始1分前に迫った。

 

優「春香、僕がベンチにいる間は、試合中のチームを纏めてくれよ!」

 

春香「はい!」

 

優「よーし………行ってこい!!」

 

5人「おおー!!」

 

春香達はコートへと出てきた………今回の試合、互いのメンバー表はこうなっている。巫魔メンバーは先程ゆうかが言った通りだが、背番号とユニフォームの色確認を含めて、おさらいという形にさせてもらった。

 

巫魔高校(黒)

5番 SG 白宮 春香

9番 PG 時乃 のぞみ

10番 SF 江野 積牙

11番 PF 佐野 伊吹

17番 C 相田 光一

 

川今高校(白)

4番 PG 浜崎 涼太

5番 PF 島崎 透

6番 G 愛和 翼

7番 C 物林 達也

8番 SF 営夜 隼太

 

今回の川今高校選手だが、全員が身長175cm超えの高身長選手達だった。

 

浜崎「本当に彼は出ないのか………」

 

営夜「しっかし、高校バスケも堕ちたもんだな。混合バスケになってから、ミスマッチが多すぎるんだっつの。しかも男子が3人しかいないとか舐めてんだろ………」

 

浜崎「止めろ、営夜!」

 

営夜「まあでも………俺達が大差を見せれば………潰せそうじゃん。」

 

積牙「勝手な事を………!」

 

春香「まあまあ、落ち着いて。」

 

春香はそう言って積牙を宥めさせる。そして、ジャンプボール。光一と物林が対峙する。

 

光一「(コイツ、190cmあるな………セッキーと同じくらいなら、Cに選ばれるのも納得だな………まあ、この間の奴よりかは小さいが………)」

 

光一が分析をしていると、審判は笛を鳴らし、ボールを真上に上げる。2人は大きく飛び上がる。結果、ジャンプボールは軽々と光一が征した。

 

営夜「あーあ、何やってんだか………」

 

営夜は愚痴を吐いていた。その間に、ボールを拾ったのぞみは、ドリブルで攻める。

 

浜崎「行かせるか!」

 

浜崎はのぞみに立ち塞がる。のぞみはドリブルで抜こうとするが、浜崎は彼女の動きに追いつき、抜かせようとしない。

 

のぞみ「(動きが速い………なら………)伊吹!」

 

のぞみは伊吹にボールを渡す。

 

伊吹「早速貰った!!」

 

伊吹はダンクを決めようとするが………

 

島崎「させるか!!」

 

島崎は横からボールを弾き、伊吹からボールを手放させた。零れ玉は浜崎が拾う。

 

伊吹「くっそー!」

 

伊吹は悔しがりながらも、自陣へと走る。浜崎はドリブルで巫魔陣営に入り込む。それに対し、巫魔はマンツーマンディフェンスで対抗する。浜崎はのぞみをかわそうとするが、のぞみは浜崎に劣らないスピードで、彼の突破を防ぐ。

 

浜崎「(振り切れないか………)」

 

浜崎がそう考えていると………

 

営夜「こっちに回せ!」

 

営夜が叫ぶように指示を出す。浜崎は嫌そうな顔をしながら、営夜にパスをする。

 

積牙「抜かせるか!」

 

営夜「………来いよ、ウスノロ。」

 

積牙「何を!!」

 

積牙は挑発に乗り、強引にボールを取ろうとする。営夜はそれを利用し、シュート体制に入る。結果、ボールは営夜の手を離れて放たれたが、積牙はとっさに行動を止める事が出来ず、営夜と接触してしまった。

 

審判「プッシング! 黒10番!」

 

審判がそう叫ぶと同時に、ボールはゴールに入った。

 

審判「バスケットカウント、ワンスロー!!」

 

これにより、フリースロー1本を許す事に。

 

伊吹「開始十数秒で何やってんだか。」

 

優「やっぱり始まった………」

 

優真「どうしたんですか?」

 

優「積牙は確かに光るものを持ってる………けどさ。デメリットがあるのよ。」

 

優はそう言うと、持参した2L保温水筒の中身をコップに入れて飲み始める。中身は熱々のお茶だ。

 

優「ファール率の高さだ。」

 

優真「ファール率の高さ………?」

 

結衣「ファールをしやすいって事ですか?」

 

優「そうそう。鈴香、アレ作って来てくれた?」

 

鈴香「作ったけど………お陰で眠い。」

 

優「あはは………そうか。なら寝てていいぞ。」

 

鈴香「なら寝てる………」

 

鈴香はそう言うと、ジャージを掛け布団代わりに、眠り始めた。

 

優「うん、分かりやすくて助かる。」

 

結衣「なんですか、それ?」

 

優「これまでの積牙のファール表だ。まず、僕達と入部早々に行った勝負では3ファールを貰ってる。次に力豪前のゲームでは5ファール退場。力豪戦でも3ファール。友力では4ファール………」

 

優真「多いですね………」

 

優「まあ、仕方ないファールの貰い方もあったが………って、あ。」

 

優が積牙の弱点を語っているうちに、また笛が鳴る。

 

審判「チャージング! 黒10番!」

 

優「あちゃ………またやったか。」

 

優は頭を抱えていた。

 

営夜「大した事ないな、お前………こんな奴がいるのに、よくあの白髪の奴をベンチに下げられるな。」

 

積牙「なんだと!?」

 

伊吹「やめろバカ!!」

 

伊吹は咄嗟に積牙の腕を掴む。

 

優「メンタルも弱いな………レイ、アップしといた方がいいよ。」

 

レイ「分かった。」

 

レイは準備運動を始める。

 

ゆうか「助かるわ優くん。まだ開始3分も経ってないのに、積牙くんは2ファール。下手したら交代も有り得るし………」

 

優「いえ………それに、監督にもこの資料をお見せしますが、こっちとしてはまだ積牙は不安材料のような状態ですね……」

 

優はそう言うと、資料を見せる。そして、積牙のファール率の高さを見て………

 

ゆうか「やっぱりか………」

 

結衣「やっぱりとは………?」

 

ゆうか「彼のファール率の高さは、練習試合の頃から気になっていたの。まさか公式戦になっても出てきてしまうなんてね………って、あ。」

 

ゆうかが疑問点を語っていると、またしても笛がなる。

 

審判「チャージング、黒10番!!」

 

開始3分。積牙、3つ目のファール。高校バスケではまず見ないファール速度である。

 

結衣「これで3つ………」

 

明日香「開始3分でファール3つって前代未聞なんだけど………」

 

あまりのファール速度で呆れ出すベンチ陣。

 

伊吹「(や、やべぇ………! いきなり積牙を失ったら身長問題に発展するぞ………!?)」

 

逆にフィールドの伊吹は慌てていた。積牙の離脱はチームにおいて確実に痛いからだ。

 

伊吹「なんとかしないと………!」

 

伊吹は焦るようにそう考える………

 

 

 

試合再開後、PGののぞみは冷静なドリブルでボールを運んでいく。

 

のぞみ「(3ファールで積牙が使えない………しかも、伊吹はさっき押し負けた………頼みの綱は春香だけど………)」

 

のぞみは春香の方に視線を向ける。当然のように、春香をGの愛和がマークしている。

 

のぞみ「(………パスすら出せない。なら、私がインサイドに切り込んで………光一に回す………!)」

 

のぞみはインサイドに切り込む。しかし………!?

 

浜崎「させるか!」

 

浜崎がのぞみをマークする。のぞみは振り切ろうとするが、浜崎のスピードはのぞみと互角であり、抜けない。

 

のぞみ「っ………! (抜けない………!)」

 

のぞみが苦戦する様子を見せていると………

 

あずさ「のぞみちゃん! 後5秒!!」

 

24秒のタイムリミットが迫る。

 

のぞみ「(こうなったら………!)」

 

のぞみは仕方無くシュートを放つ。しかし………

 

浜崎「はあっ!」

 

半ば強引に打った為に、浜崎の手によってシュートを撃ち落とされてしまった。

 

のぞみ「っ………!」

 

浜崎「速攻だ!」

 

浜崎がそう言うと、若今の選手達は巫魔のゴールに向かって走り出した。

 

春香「戻って!!」

 

春香が指示を出すが、巫魔の選手達は出遅れ、あっという間にボールは営夜に回り、営夜はシュート体制に………

 

積牙「撃たせるか!!」

 

積牙は懸命にディフェンスを試みる。しかし、営夜は打つと見せかけて、動きを止めた。

 

積牙「………!? (フェイク………だと!?)」

 

そして、営夜は積牙が飛び込んでくるのを目にし、大きくジャンプ。その時に積牙と営夜が接触し、営夜は押されてしまうが、シュートはきちんと放ち、綺麗にゴールへと決めた………

 

伊吹「なっ!?」

 

そして、この接触により、審判の笛が鳴り………

 

審判「プッシング! 黒10番! バスケットカウント、ワンスロー!」

 

………積牙、4つ目のファール。

 

積牙「あ………ああ………!」

 

積牙は言葉を失った。そして、営夜は積牙の後ろに立ち………

 

営夜「………大した事ねぇな、お前。」

 

煽る様にそう言い放つ。それを聞いた積牙はカッとなり………

 

積牙「なんだと!!」

 

営夜に殴りかかろうとする。これには、伊吹と光一が慌てて積牙を押さえる。

 

伊吹「やめろ! バカ!!」

 

光一「退場になるぞ、セッキー!!」

 

営夜「………ふん。」

 

積牙は4ファールに陥り、我慢の限界に陥った。これにはベンチ陣も慌てる様子を見せた。

 

あかり「あわわ………! 」

 

優「あーあ、もう無茶苦茶だよ。」

 

そんな中で呆れる優。すると………

 

審判「巫魔、タイムアウト!!」

 

ゆうかはこのタイミングでタイムアウトをとる。

 

優真「あの………この場面でタイムアウトをとるんですか?」

 

初心者の優真は首を傾げながら優に質問する。

 

優「まあ、仕方ないかな。積牙は4ファールだし、ここまでノーゴールだもん。」

 

優の言う通り、開始4分で現在は0vs13。積牙が4ファールと、あまりにも悪いスタートである………

 

 

 

ゆうか「………取り敢えず積牙くんは交代。レイちゃん、お願い。」

 

レイ「はい。」

 

積牙「待ってください! 俺はまだ………!」

 

ゆうか「………このままじゃ彼によって5ファール退場よ? なら、もう下げた方がいいわ。」

 

このままではどっちしろ積牙は退場になってしまうとゆうかに指摘され、積牙は言葉を失った。

 

ゆうか「それと、のぞみちゃんも交代よ。」

 

のぞみ「………分かりました。」

 

同時にのぞみも交代する事に。

 

伊吹「珍しいな………のぞみを下げるなんて。」

 

ゆうか「ここは美咲の方が相性が良さそうなのよね。という訳で、美咲、出場よ。」

 

美咲「う、うん!!」

 

のぞみの代わりに美咲が投入される事になった。

 

審判「そろそろタイムアウト終了です!」

 

審判の言葉で、春香達はコートに戻る。試合再開はフリースローからであるため、営夜がフリースローを放つ。営夜はシュートをしっかりと決めた。

 

営夜「余裕だな。」

 

営夜はもう勝利を確信していた。しかし、レイが美咲にボールをパスする。

 

美咲「………見くびってもらっちゃ困るよ。」

 

美咲はそう呟くと………

 

美咲「行くよ!!」

 

素早い動きでドリブルを始めた。

 

浜崎「っ!? 行かせるか!」

 

浜崎は慌てて止めようとするが、美咲は浜崎を上回るスピードであっさりと抜いた。

 

浜崎「なっ………!?」

 

浜崎は驚きのあまり動きが止まってしまった。美咲はあっという間にスリーポイントラインの中に。そこに島崎と物林の2人が立ち塞がる。無論、どちらも美咲より背が高い。

 

結衣「た、高い………!!」

 

どう見ても無茶な状況。すると、美咲は愛和にマークされる春香に目配せをする。

 

美咲「春香さん!」

 

美咲は春香に向けてボールをパスする。一見、無謀なパスだが………?

 

営夜「何やってんだ? このまま愛和がボールをキャッチするだ………」

 

春香「いつまでも私が抑えられると………思わないでください!」

 

しかし、春香はマークを振り切り、パスを受け取る。春香はすぐにスリーポイントラインの外に出ると、身構える。

 

営夜「打たすかよ!!」

 

すぐに駆けつけた営夜がブロックを狙うが………

 

春香「………ふふっ。」

 

春香もやや前に飛ぶ。これにより、春香と営夜がぶつかるが、春香は姿勢が崩れながらもシュートを放つ。春香のシュートはリングの上を回るが、少ししてシュートはリングの中に吸い込まれた。更に………

 

審判「………バスケットカウント、ワンスロー!」

 

ファールは営夜のものと判定され、春香は一気に3点を決めた。

 

営夜「何っ!?」

 

優「よしっ!」

 

光一「来たな!」

 

春香のスリーポイントシュートにより、流れが変わり始めた。

 

営夜「ぐっ………この女………!」

 

春香を睨む営夜。しかし、春香は特に気にする様子を見せず………

 

春香「………さあ、反撃行くわよ!」

 

力強くそう言い放つのだった………

 

 

 

遂に開幕。イバラキ大会。序盤、積牙の離脱などアクシデントはありながらも、春香のスリーポイントシュートで、巫魔に勢いが来ようとしていた。果たして、この状況を打開する事は出来るのか………?

To Be Continued………




次回予告
春香のスリーポイントシュートで一気に巫魔に流れが動く。続く第2Q、春香が1度ベンチに下がる事になり、巫魔に襲いかかる壁を乗り越える場面が到来し………?
次回「僕達がいなくても大丈夫さ」
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