チームファールのフリースローで2点リードを得た巫魔。しかし、芽衣のパスから修也のアリウープにより、得点は再び同点へ振り出しとなったのだった………
これは今から3年程前のこと。優が友力中学のキャプテンになって間もなくのある日………
修也「はああっ!!」
この日は修也と芽衣が1on1練習をしていた。しかし、芽衣は特別1on1が上手い選手では無い為、あっさり負けてしまった。
芽衣「ううっ………また負けた………」
芽衣は悔しそうな様子を見せる。
修也「やっぱ背が低いとこっちの方が有利だよな〜」
修也はこの1on1の勝因として、身長を理由に挙げた。確かにこの時の修也は身長173cmで、芽衣は身長142cmだった。しかも芽衣はそこから3年の間に3cmしか伸びていない。コンプレックスを持ち始めたのもこの頃のようだ。
芽衣「む〜!!」
背の低さを指摘され頬を膨らませる芽衣。
優「そう油断していると修也の方が負けるぞ」
そこへ優が会話に入ってきた。
芽衣「ミドレーユくん………!」
芽衣は優が会話に絡んで来た際、自然と頬の膨らみが収まった。
優「この間の1on1、僕が勝ったじゃないか。10cmくらいのハンデ背負ってさ」
この時の優は身長164cm。しかし、これ以前の1on1では修也相手に勝利を収めているようである。
修也「………ごめん、芽衣」
優に負けた事実があるからか、修也は半ば掌返しの形で芽衣に謝る様子を見せた。
芽衣「う、ううん。私も意地になっちゃってごめんね………!!」
芽衣も露骨に機嫌を悪くした事を謝罪するのだった………
その後、優と芽衣は片付けの際に2人きりで会話する機会があった。
芽衣「さっきはごめんね。私が背の低さについて機嫌悪くなったりしちゃって………」
芽衣は、先程仲裁に入ってくれた優に改めて謝罪する。
優「いや、別に謝らなくて大丈夫さ。僕はあくまで仲裁しただけだし」
優は特に気にする様子も見せていなかった。
芽衣「………ミドレーユくんはさ、背の低いブレイヤーって活躍できないと思う?」
そんな中、芽衣は素朴な疑問を優に投げかけた。
優「背の低いプレイヤーねぇ………確かにバスケで高さを重視される事はよくあるね。でも、僕はそう思わないかな。背の低い人が活躍する可能性だってあるさ。背の低い人が視野を広く持っているなんて話もあるくらいだし」
優はそう言って背の低いプレイヤーが活躍する可能性を否定せず、寧ろそれらのプレイヤーが持つ利点についても口にした。
優「背が低い人はインパクトが弱いとは言うけど………弱いから奇襲同然の力になる。芽衣の背の低さは君の武器さ。だから、芽衣はそんなプレイヤーになったらいいんじゃないかな。小さいけど相手を驚かせる影のビッグプレイヤーとか………あはは、流石にこれは押し付けみたいになっちゃったかな。ごめんね」
優にとっては励ましになるか分からない妄言のようなアドバイスだが、この言葉が芽衣のバスケット人生を大きく変えたと言う。
芽衣「それ………それだよ、ミドレーユくん!!」
優のアドバイスを聞いた芽衣は大きく喜んだ。優は芽衣の喜びように驚いていたが………
優「………役に立てたのなら何よりだ」
嬉しそうにそう言葉を返すのだった………
芽衣の人生を変えた優とのやり取り。このやり取りが、今の芽衣に繋がったきっかけであったのだった………
To Be Continued………
次回予告
芽衣は背の低さを感じさせないファインプレイで巫魔からボールをスティールする。更に、珍しく彼女を主とした速攻を行い………!?
次回「背の低さは武器だよ」