幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
鈴川の険悪さ、特に天野宮と種馬の口論はチームの崩壊を招きかけていた。だが、美矢はそんなチームの雰囲気を変えるかのように、怒りを顕にして………!?


第275話 喧嘩は後だ

その後、試合は鈴川ボールによる再開。ボールはまた天野宮に渡る。

 

天野宮「(美矢………まさか君から説教を受けるとはね………)」

 

天野宮の中では、目の前にいる美矢の言葉が強く響いていた。その直後に美矢とマッチアップする。

 

美矢「行くぞ、浩二!」

 

美矢はボールをスティールする為に、激しいディフェンスを行う。天野宮は美矢のディフェンスによって攻めあぐねていた。

 

天野宮「(俺は美矢を超えようと努力を積み重ねてきたつもりだった。でも実際は違った………俺は知らず知らずのうちに、ずっと美矢の背を走っていた事を忘れてしまっていたんだ………)」

 

自分の劣等感を見せ、更にライバルとなったはずの美矢の言葉で、天野宮は自らが美矢の背を追いかけ続ける者であった事を思い出した。

 

天野宮「(チームの問題児を率いて、美矢と同等になった気だったんだ………情けないや、俺は………)」

 

天野宮はそう考え、心の中で自らを嘲笑った。

 

天野宮「(………しかし、俺は美矢に劣っていたとしても、自分の持つ手札で戦うしかない。例え美矢を抜く事が出来ずとも………!)」

 

だが、天野宮は現在が試合中である事から、自らの持つ技量全てを手札と見立てると、美矢の一瞬の隙を突き、種馬にボールを渡す。

 

種馬「っ………!?」

 

これに1番驚いていたのは種馬だった。

 

天野宮「決めろ、種馬!!」

 

直後の天野宮の言葉で我に返った種馬は振り向くと共にシュートを放つ。マークしていた伊吹が止めようとするが、身長の差で届かず、種馬が2点を加えた。

 

種馬「………どういうつもりだ、天野宮」

 

種馬は今起きた事象が信じられず、天野宮へ思わず問いかける。

 

天野宮「喧嘩は後だ、種馬。今は俺達で連携して美矢を………巫魔高校を倒すんだ!!」

 

天野宮は種馬に対し、今は試合に集中し、協力する事を持ちかけた。それを聞いた種馬は驚きながらも、満更でもない表情を見せ………

 

種馬「………俺の足を引っ張るなよ、天野宮!!」

 

そう言って、種馬は天野宮の考えに賛同した。その光景を目にした美矢は………

 

美矢「フッ………遅せぇよ馬鹿野郎………!!」

 

毒づきながらも、嬉しそうな様子を隠せずにはいられなかった。そして、ベンチで見ていた優も………

 

優「(互いに不安要素は無くなった………後は、どっちがこの試合を制するかだね………!)」

 

互いのチームに迷いが無くなった事を悟るのだった………

 

 

 

鈴川の雰囲気が回復し、遂に両チームが試合への不安を持つ事は無くなった。果たして、残る時間で勝利を掴むのはどちらのチームなのか………!?

To Be Continued………




次回予告
一方、スリーの開発を続ける春香は、シュートの成功率が安定しない理由を模索していた。メモを続けていた琴乃の言葉と彼女のメモで、春香は成功率を上げる方法に気付き………!?
次回「シュートを成功させるには」
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