幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
優1人で攻撃するというまさかの作戦を前に翻弄される条北。しかし、それを見ていた戦記は、優の実力を惜しむ様子を見せ………?


第28話 何故あんなに強いんだ

その後、第4Qに入っても優の無双は止まらない。松田、浜野、清和の3人が懸命にインサイドの守りを固めるが、それに対して優がダブルクラッチやファールを貰いながら、バスケットカウントワンスローを奪うという、高校生とは思えないプレイを連発する。

 

松田「はあっ、はあっ………」

 

優の強さを前に圧倒される条北選手は息を上げていた。

 

浜野「クソッ………! こんな馬鹿な事があるかよ………!! アイツ、何故あんなに強いんだ………!!」

 

浜野は地面に拳を打ち付ける。だが、そうしたくなるのも観客の人間は分かっていた。現在は第4Q残り3分で、65vs42と20点差以上にまで広がっていた。

 

伊吹「おいおいおい、マジかよ………結衣、アイツ何点とった?」

 

これには巫魔ベンチの選手達も呆然としていた。伊吹が恐る恐る優の得点を問いかける。

 

結衣「えっと………さっきので50点です………」

 

その得点は巫魔随一のシューターである春香や、インサイドに特化した強さを持った光一を差し押さえて圧倒的だった。

 

あかり「ダンク25本って事よね………もうあれ、高校生の領域じゃないんじゃ………?」

 

明らかに高校生離れした強さに、会場の空気は逆に静かだった。

 

優「はあっ、はあっ………ぐうっ………」

 

同時に優はスタミナ切れをおこし、その場に倒れてしまった。

 

春香「ゆ、優さん!!」

 

春香達が大慌てで駆け寄る。優の顔は熱中症を発症したかのように真っ赤で、痛みを訴えているのか、右足を触っていた。

 

優「ごめん………後頼むわ………」

 

その直後に審判によってレフェリータイムが取られ、優はベンチから走ってきた仲間達がゆうをベンチへと運んだ。その後、伊吹が交代で入ってきだがた、巫魔はほぼ勝ちが決まったと言っても過言では無い。

 

浜野「くそっ………これ以上やる意味があるかよ………!」

 

その為、浜野は戦意を喪失していた。すると………

 

松田「顔を上げろ!!」

 

松田は浜野に発破をかける。

 

松田「去年の白宮優を思い出してみろ。去年のアイツも負けが決まった試合で戦っていた。しかし、諦めずに最後まで戦って見せた………お前も条北のユニフォームを着ているなら、負けが決まっても最後まで戦え!!」

 

松田は諦めていなかった。それには、去年に敗北の経験がある優の姿が影響していた。負けが決まっても戦う彼の姿が、松田の中で焼き付いていた。

 

浜野「キャプテン………」

 

それを聞いた浜野も去年の優の姿を思い出していた。そして、彼は立ち上がった。

 

浜野「おっしゃあ!! だったら20点差なんてひっくり返してやろう!!」

 

松田達「おおー!!」

 

戦意を取り戻した浜野、そして彼の鼓舞からチームは20点開いているとは思えないレベルで勢いを取り戻していた。

 

伊吹「すげぇ勢いだ………去年の優を見ている気分だよ。」

 

伊吹は彼等の勢いに驚いていた。

 

春香「でも、こっちだってもっと点をとるわよ!」

 

明日香「そうだね。優が攻めまくったお陰で、スタミナは有り余ってるし………」

 

だが、春香達も勢いを見せていた。実際、春香達は優1人で攻めまくった影響で、現在スタミナが有り余っていた。

 

春香「よーし、この勢いで30点でも40点でも差を広げるわよ!!」

 

光一達「おおー!!」

 

副キャプテンである春香はチームを鼓舞し、試合へ望むのだった………

 

 

 

その後の3分間は一進一退の攻防が続いた。優が抜けているとは思えない程に両チームのシュートが入り、熱い試合が繰り広げられた。しかし、優による大量得点による差は覆る事は無く、試合は73vs55で終わった。

 

審判「73vs55で、巫魔高校の勝ち!」

 

春香達「ありがとうございました!」

 

春香達は挨拶をする。その際に浜野や秋葉原達は涙を流していた。その後、ベンチで2校の様子を見ていた優の前に松田がやって来て………

 

松田「………良い経験をした。しかし………全国に行きたければ、イバラキ三大王者を………少なくとも2校は倒さねばならんのだからな」

 

そう言って、優に手を伸ばす。

 

優「覚悟しています」

 

優はにこやかな様子でそう言うと手を伸ばし、2人は握手をした。そして、ゆうかと加賀美の2人も会話をしていた。

 

加賀美「………完敗よ。今回の私の敗因は、白宮優の全力を見抜けなかった事ね」

 

加賀美は自らの敗因を分析し、ゆうかに伝えた。

 

ゆうか「うん………まあ、私もあそこまでのプレイは初めてだったけれど………」

 

ゆうかはタジタジだった。だが、加賀美はゆうかの耳元に近づくと………

 

加賀美「けれど………今のままじゃ、貴方達は次の4回戦は制覇出来ても、爆速には勝てないわよ………白宮優が強すぎて、他の選手が埋もれてる」

 

現在の巫魔の弱点も呟いた。確かに、現在の巫魔は優が強すぎて、春香達が埋もれてしまっていた。

 

加賀美「ま、困ったらいつでも手伝ってあげるわ。こう見えて、アンタには現役の時の借りが沢山あるしね」

 

加賀美はそう言うと、この場を去ったのだった………

 

 

 

巫魔と条北の対決は、73vs55の18点差で巫魔は勝利を掴んだ。しかし、巫魔の問題も浮き彫りになった。果たして、この問題を前に巫魔はどうするのか………?

To Be Continued………




次回予告
条北戦で足を捻っていた優は、大事を取って次の試合には出られなくなってしまう。優が抜ける事に頭を抱える明日香と伊吹の2人は、偶然にも虐められている優真と、その不良達を目にする………
次回「ふざけんなよ」
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