幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
優が次の試合へ出られない事に頭を悩ませる明日香と伊吹。すると、彼女達は優真が天野美矢達にいじめを受けている現場を目撃する。美矢にやって明日香は怪我をしてしまい、更に騒ぎを聞きつけた優の介入で、状況は悪化してしまう。そんな中、春香によって冷静さを取り戻したゆうは、天野美矢が元バスケットボール選手だった事に気づいた………


第30話 未練タラタラじゃねーか

美矢「………お前がなんでそれを知っているのかは分からないが………そんなのは過去の栄光だ。今の私はこの学校の頂を奪わんとする者だ。そんな事なんて忘れちまったんだよ!」

 

美矢はそう言って優に近づくと、彼の胸倉を掴む。

 

美矢「もう腹が立った。お前もここでぶっ潰してやる!」

 

美矢はそう言うと、優に殴りかかってきた。優は右手で美矢の拳を止めた。

 

優「………確か僕が中学2年生の時、神奈川でも有数の強豪校であるはずのアンタの学校が1回戦負けしたって言う話を聞いた事があるんだけど………その試合にアンタがいなかったって話を聞いたよ。それ以降は県外に行ったとかで、その消息は不明って聞いたけど………まさか、こんな所で2年も留年して不良やってたなんてな………」

 

そして、優は彼女の事を語った。美矢は中学の時に神奈川の強豪校の選手だったこと。ゆうより1つ歳上であった事、そして、彼女が3年の時に試合に居なかった事を。

 

美矢「………飽きたんだよ、その時にはバスケ………!」

 

美矢はそう言って言い訳をするが………

 

優「嘘だね。テレビでアンタのプレイを見た事あるが、とてもバスケを愛していて、真っ直ぐなプレイだった。嫌いな奴がやるプレイじゃなかった!」

 

優はそう言って、美矢の言葉を嘘と言う。

 

美矢「うるせぇ!! お前に私の何がわかるんだよ!!」

 

美矢は優の胸倉を掴む力を強める。すると優は特に抵抗する様子を見せず………

 

優「………なんだよ、結局アンタ、未練タラタラじゃねーか」

 

逆に美矢がバスケに未練を持っている事を見抜いた。

 

美矢「な、なんだと!?」

 

当然、これには美矢も困惑する。ゆうは冷静に美矢の手を振りほどくと、彼女の手を目にする。すると、手にはマメが出来ていた。

 

ゆう「………僕の胸倉を掴んだ手で分かった。アンタ、今も誰もいないところでボールを触ってるだろう? それも沢山………」

 

どうやら、彼女のバスケの情熱を見抜いたのは、手のマメだった。

 

優「僕を甘く見るなよな。僕だってガキの頃からバスケやってるんだ。そして、東京中学バスケット界で、アンタの名を知る選手は沢山いた!! 僕だって憧れた!」

 

今度は逆に優が美矢の胸倉を掴み………

 

優「どうなんだよ、アンタ………! 結局バスケは好きなのかよ!? 嫌いなのかよ!?」

 

彼女の真意を問いかけた。

 

取り巻き「あ、姉御………?」

 

いつの間にか優と美矢の口論を見物する事しか出来なかった取り巻き達も、美矢の言葉に注目していた。すると、美矢は目から涙を零した。

 

美矢「………好きだよ………好きだけどよ!! 中3の時の事を未だに引き摺って………挙句不良になっちまった私に、今更バスケなんて出来るわけないだろ!! それに………私はお前のバスケ部員を傷つけたんだぞ! 今更出来るか!!」

 

美矢はバスケに対する想いを吐露した。しかし、彼女にはバスケをやる選択が出来なかった。堕ちる所まで堕ちてしまった彼女には………そして、美矢はその場を走って去ってしまった。

 

優「………出来ないか………その気持ち、少しだけわかるな………」

 

そんな彼女の背を見た優は、微かな同情を見せた。まるで、過去に自分も同じ目に遭ったように………

 

 

 

その後、美矢は優真へのイジメと明日香を怪我させた事を自白。結果、彼女は謹慎を受ける事となったのだった………

 

 

 

優との口論で、美矢にバスケに対する想いがあった事が発覚する。だが、美矢はバスケに戻る事は出来なかった。果たして、このまま美矢はバスケに対する想いを捨てたまま、罪の意識の中で生きていくのか………?

To Be Continued………




次回予告
謹慎から3日。美矢は明日香の病室へと招かれ、同時に明日香の病室を訪れていたゆう、優真と会話する事になる。その時に、明日香は美矢の中学自体のプレイを見た事を語り出す………
次回「アンタなら出来る」
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