幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
明日香の病室に呼び出された美矢。明日香、優真との話し合いで、2人が美矢をバスケの世界に引き戻す言葉をかけ、美矢自身がバスケの世界に戻る事を望んだ事で、優達は巫魔高校バスケ部に彼女が加わる事が決まったのだった………


第32話 俺は嫌だね

翌日、優は体育館に春香達を集め………

 

優「………という訳で、抜けてしまった明日香の代役として、天野美矢にバスケ部へ入ってもらう事になった」

 

美矢の事を説明する。積牙達は美矢のバスケ選手としての彼女を知らず、逆に不良としての面は知っていた為、少しざわめていていた。

 

のぞみ「………彼女、使えるの?」

 

のぞみがそう問いかけると………

 

優「こう見えて僕が中学にいた時はスタープレイヤーだったんだよ」

 

優はすぐにフォローをする。だが………

 

光一「そういう問題じゃねえだろ………!」

 

光一は怒っていた。

 

光一「そいつのせいで優真ちゃんが傷ついて、明日香が怪我したんだろ………!」

 

彼も美矢が起こした騒動を聞いたのか、かなり怒っていた。

 

優「………僕だって彼女の件を許したわけじゃない。あくまで明日香と優真の希望だよ。それに、監督にも許可は貰ってる。彼女の腕は本物だよ」

 

だが、優も冷静に理由を諭していた。

 

春香「そういえば、天野美矢さんは優さんが憧れてた選手ですものね………そうだ! 折角なら実演してみてはいかがですか?」

 

すると春香が美矢の実力について証明する場を提案した。

 

積牙「ま、まあ実力を見るだけならいいんじゃないですか、コウさん」

 

積牙も美矢の実力について単純に興味あったのか、光一にそう助言する。

 

光一「………まあ、見るだけならな………」

 

光一はそう言って美矢の実力を見る事は受け入れる様子を見せたのだった………

 

 

 

勝負は2vs2のタッグマッチで、優と美矢のコンビがオフェンスとして、積牙と光一のコンビを相手する事に。

 

あずさ「だ、大丈夫かな………? 優くんはまだ足の捻りが落ち着いただけで………それなのに光一くんと積牙くんの2人を相手にするなんて………」

 

あずさは心配そうな様子を見せていた。

 

優「まだ足に不安があるから全力は出せないが………さて、お手並み拝見と行くか………!」

 

優はそう言って何度もボールを地面に打ち付けていると………

 

美矢「キャプテン」

 

美矢が優に声をかけてきた。

 

美矢「キャプテンの腕は何となく知ったが………それを見込んで頼みがある」

 

どうやら美矢は優に頼み事があるようだ。

 

優「何かな?」

 

優は首を傾げる………

 

美矢「このプレイ、キャプテンも全力で頼む。キャプテンの足の事も知っているし、私は3年近くぶりに人とやるからブランクで失敗するかもしれないが………」

 

彼女は3年のブランクがあるにも関わらず、優に全力を求めていた。

 

優「え? ………いいけど、大丈夫なのかい?」

 

優は心配な様子を見せる。

 

美矢「キャプテンなら大丈夫だろう」

 

美矢はそう言うと、スリーポイントラインの外へ立つ。

 

伊吹「よーし、じゃあ始めるぞ〜!」

 

伊吹が審判となり、笛を吹く。笛の音を聞いた優は美矢にボールを渡す。優には外は無いので、嫌でもインサイドに入るしかないのだが、やはりインサイトに長けた実力を持つ積牙と光一は、優を相手に対処出来る位置で陣取る。

 

優「(………やはりインサイドとなると堅いな………さて、どうする………?)」

 

優はフォローに回りたかったが、積牙と光一が絶妙な位置をキープする為、ゆうはフォローに回れない。オマケに優には外が無いため、下手に外にも出られないと言う問題もあった。

 

美咲「やっぱり外が無い上に、まだこの間の怪我があるから優くんはインサイドじゃないと大きく活躍できないね………」

 

美咲は優が苦しそうな様子を見せた。 一方、美矢はボールをバウンドさせながら様子を見る。

 

のぞみ「………その割には彼女、様子を見ているような………?」

 

だが、のぞみは美矢が様子を見ている事に気づく。そして、勝負が始まって17、8秒経った頃、美矢は積牙の動きを理解したのか、鋭い動きで積牙をかわし、中へと入る。

 

積牙「なっ!?」

 

積牙は驚きのあまり反応できなかった。

 

のぞみ「………!! ペネトレイト………!!」

 

のぞみは美矢が見せたプレイに反応した。

 

結衣「ペネトレイト………? なんですか、それ?」

 

バスケのルールを詳しく知らない結衣は首を傾げる。

 

美咲「ペネトレイトは、インサイドに切り込むプレイの事だよ」

 

そこへ、美咲が解説を入れる。

 

美咲「でも、あそこまで綺麗なプレイは始めて見たなぁ………」

 

だが、美咲も美矢のプレイに引き込まれていた。

 

そのまま光一と美矢の対決になるが、美矢は優に一瞬視線を向けると、優に鋭いパスをする。

 

優「おっ、よっと………!」

 

優はボールをがっちりキャッチ。しかも、まだ歩いていないのでそのままダンクへも狙いに行ける。優は右足の負担を考慮し、左足で大きく飛び上がった。

 

光一「(ダンクか………!?)」

 

光一は優の方へジャンプする。だが、それを見た優は地面にボールを投げた。

 

光一「何っ!?」

 

光一は驚く様子を見せた。そしてボールは、ゴール下へ走る美矢の元へ渡ると、美矢はそのままレイアップでゴールを奪った。

 

春香「(す、素早いパスワークです………! 元々優さんも攻めながらパスをするというプレイがお得意でしたが………まさか、もう1人同じタイプの方が加わるだけで、こんな高速プレイが可能になるのですね………)」

 

2人が見せた一瞬のように思える数秒のプレイは今の巫魔には無い新しいコンビプレイだった。

 

のぞみ「成程ね………まあ確かに、戦力としてなら有りね」

 

美矢のプレイには、のぞみも認める様子を見せた。光一もその実力を認めざるを得なかった。だが………

 

光一「確かにそいつの実力は認めるよ………けど、バスケ部員を傷つけるようなこんな奴と一緒にやるなんて………俺は嫌だね………!」

 

光一は美矢がバスケ部の人間となる事を認めず、その場を後にしてしまった。

 

優「………覚悟はしていたが………一筋縄じゃ行かないか………」

 

優は、美矢が受け入れられるまで時間がかかる事を覚悟するのだった………

 

 

 

こうして、美矢は正式にバスケ部に入ったが、先の事件が原因で、バスケ部の人間として受け入れるか、仲間の中でも賛否が割れる程の事態となった。果たして、美矢の立ち位置はどのように変わって行くのか………?

To Be Continued………




次回予告
それから数日程練習の内容を見た優は、美矢を受け入れているのは誰か、逆に受けいれていないのは誰かを知る。先の件もある為、どうすれば良いか頭を悩ませていると………
次回「ゆっくり考えればいいわ」
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