点差は有利でありつつも、鬼ヶ島は決して油断ならない相手だった。優が{ロウフェイダウェイシュート}を落としたのも束の間、三影によって点を入れられてしまい、巫魔は油断のできない展開が続くのだった………
両チームの勢いは更に増していく。しかし、鬼ヶ島がガンガン点を入れる展開により、勝負はまだ分からない状況だった。試合時間が20秒を切ったタイミングでスコアは72vs69。3点差という油断の出来ない状況だった。
五十鷹「(残りは20秒………そうなれば、攻撃は確実に2度必要だ………スリーを決めれば延長戦は狙えるが………この場面でスリーを譲ってくれるはずもないか………)」
短い時間で五十鷹は必死に策を練っていた。そんな中、美矢にマークされていた十原がマークをかわし、フリーとなり………
十原「回せ、五十鷹!!」
すかさずパスを要求。五十鷹は十原を信じてボールをパスした。
美矢「しまった!! (ここで点を取られる訳には行かねえ………!!)」
美矢は焦りを見せる。東原にボールが渡り、いよいよ逆転の可能性もあるか………そう思われた局面で優が十原の前へと走ってきた。
十原「やはり君が来るか………優くん!!」
十原はそう言うと優との1on1に挑む事に。しかし、時間は足りない為、呑気に考える暇など無い。
十原「(俺と優くんのレベルは低く見積もっても互角………ここまで来れば最早ジャンケンのような状態だ………!)」
十原にはここで一手待ちなどやる暇はない。仮にここで優も動かなかったら3点差などファールを貰わない限りはまず無理である。
十原「(こうなったらもう一か八か行く。俺に残された道などそれしかないのだから………)」
十原は勝負に出る。2人が動いたのは残り時間が11秒となったタイミングであった。
十原「はああっ!!」
十原が選択したのはドライブだった。そして優が選んだのは………
優「………賭けは僕の勝ちみたいだ」
ドライブに対抗したスティールだった。優は十原が優の真横を抜ける寸前でボールをスティール。ボールは零れ球となった。
積牙「スティール!! ナイスです、キャプテン!!」
積牙は喜びを見せると、零れ球を拾おうと走る。
三影「負ける気がねえのはキャプテンだけじゃねえ!!」
しかし、一足早く三影がボールを拾った。
積牙「ああっ!?」
積牙もこれには油断による反応の遅れを悔やんだ。そして、三影はそのままシュート。積牙も負けずに食らいつくが………
積牙「(ぶ、ぶつかる………!!)」
積牙は勢い余って前に飛んでしまった。それによって積牙からぶつかる形となり、審判の笛が鳴り響く。
光一「ファール………!! せ、せめて落ちてくれ!!」
光一はせめてシュートが落ちる事を願った。しかし、光一の願いは叶わず、三影のシュートはリングへと沈んでしまった。残り時間は8秒。まさかのタイミングでスコアは72vs71。しかもバスケットカウントワンスローである。
三影「おっしゃああああ!!」
三影の喜びの声が響くと共に、巫魔メンバーは強大な危機に押し潰されそうになる。
審判「………タイムアウト、巫魔高校!!」
この絶望の中、監督のゆうかが間一髪タイムアウトを取るのだった………
巫魔が1点有利にも関わらず、タイムアウトの絶望に押されていた。
春香「参りましたね………ここでの1点差は実質ないものですよ………?」
流石の春香もこれには苦言を呈していた。チーム全体の雰囲気も暗くなっていた。
優「………まだ諦めるには早いだろうに」
ところが、優だけはまだ諦めていなかった。
優「まだ時間は8秒。あちらさんの選択肢は2つ。ここで点取って延長戦狙うか………うちを潰すためにフリースローを外して逆転するか………まるで嬉しくない2択だが………うちの可能性は五分五分だ………」
優はそう言って、まだ巫魔に勝ち目がある事を呟く。
美矢「ほ、本気で言ってんのかキャプテン………!?」
美矢は優の言葉に驚いていた。
優「僕は本気だ。乗り越えた上で勝つんだよ」
優はそう言って、押される展開に燃えていた。この局面での発言には優の狂気も現れていたが、今の巫魔に僅かでも希望を与えるには十分な言葉であった………
巫魔vs鬼ヶ島の激闘は、1点差でしかもフリースローを許すという絶望的な状況。果たして、絶望の展開を乗り越える事は出来るのか………!?
To Be Continued………
次回予告
三影がシュートを放ったタイミングで最後の勝負が始まった。長く続いた激闘を征するのは果たして巫魔と鬼ヶ島のどちらなのか………!?
次回「運命の歯車は」