幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
県大会4回戦。ゆうがこの試合で使えない為、代わりに美矢を投入する事になった。チーム内で未だ反対のある中、試合は始まろうとしていた………


第36話 天野美矢だ

両チームのCが、センターサークルに立つと、試合開始の笛と同時に、審判の手にあったボールは大きく浮かび上がる。

 

光一「だあっ!!」

 

しかし、ジャンプボールは軽々と光一が制した。それを美矢が拾うと、素早いドリブルで敵陣へ切り込んでいく。それを観客席から見ていた湯津は………

 

湯津「へぇ………今まで見なかった割に上手いじゃん、あの12番」

 

美矢のプレイに惹き付けられていた。そして、芽衣は………

 

芽衣「うーん、12番の人、やっぱりどこかで見た事あるような気がするんだよなぁ………」

 

美矢に既視感を感じていた。すると修也も………

 

修也「そうなのか? ………でも、俺もなんか似てる人がいるんだよ、親戚に」

 

親戚に美矢そっくりの人物がいるという。

 

芽衣「親戚のお姉さん? でも、修也くん、名前教えてくれなかったじゃない」

 

修也は親戚に美矢そっくりの歳上の女性がいるようだが、名前までは優、アリサ、芽衣の3人には教えていなかったようで、芽衣は首を傾げるしか出来なかった。そうこうしているうちに、巫魔の最初の攻撃が始まった。敵陣はインサイドを主に守りを固め、Gだけをアウトサイドの春香につけていた。

 

アリサ「相手はいつも通り、春香をマークして、インサイド戦法だね。まあ、巫魔はアウトサイドシューターを並べて出す事はしないし、PGに外が無いからなぁ………」

 

アリサは巫魔の弱点をそう呟いた。実際、のぞみと美咲には外のシュートがない為、これまでの定石を考えれば、気をつければいいアウトサイドシューターはSGだけ。後はインサイドを固めればいい楽な配置というのが、田武の考えであった………だが、その考えはあっさり崩れる事になる。美矢は残り5秒を切ろうとする中、突如姿勢を低くし、素早いドリブルで敵をかわした。

 

田武4番「なっ………!?」

 

美矢をマークしていた4番の男は、美矢の不意討ちに近いドリブルに対応できなかった。

 

芽衣「ペネトレイト………!」

 

美矢は田武のインサイドへ侵入。

 

田武4番「か、囲め!!」

 

そこに3人がヘルプで入るが………

 

美矢「ボックスワン(4人でインサイドを固め、1人を外に配置する守り)か………でもな!」

 

美矢は一瞬で春香に目配せをする。春香をマークしていた5番の男は、4番の男が抜かれた事に気を取られ、その隙を春香に突かれて、春香と美矢のパスコースを作らせてしまう。美矢は大きくジャンプし、鋭いパスを春香に投げた。

 

芽衣「………!! 間違いない………! あの人は………!!」

 

それを見た芽衣は席を立ち上がる。そして、ボールを受け取った春香はそのままシュート体勢へ………

 

田武5番「………!! しまった!」

 

5番の男がすぐさまディフェンスに行くが、強引なディフェンスであった為に、春香と接触。春香はそれを受けてもスリーポイントシュートを放ち、ボールはリングの上を激しく回った後、ゴールに吸い込まれた。それと同時に審判の笛が鳴った。

 

審判「バスケットカウント、ワンスロー!!」

 

結果、判定はバスケットカウントワンスロー。そして、芽衣は直後に声を上げた。

 

芽衣「天野美矢だ………!!」

 

そう、芽衣は彼女が天野美矢だと気付いた。

 

戦記「天野美矢………!?」

 

これには戦記も驚いていた。どうやら、彼も中学時代の彼女を知っていたようである。

 

戦記「3年前まで中学バスケ界を震撼させたあの天野美矢か………!」

 

戦記が珍しく驚いている事に、意外そうな様子を見せる湯津。すると、その直後に修也まで席を立った。

 

アリサ「………? どうしたの、シューヤ?」

 

アリサがそう問いかけると………修也は震えた様子を見せ………

 

修也「み、美矢姉!?」

 

なんと、バスケ選手とは異なる理由で美矢の事を知っている様子を見せた。そして、その声を聞いた美矢は………

 

美矢「………おっ、修坊じゃん」

 

修也の顔を見るなり、反応する様子を見せたのだった………

 

 

 

試合で思わぬサプライズが起きながらも、巫魔は先制点を掴む事が出来た。果たして、このままペースを掴み取れるのか………!?

To Be Continued………




次回予告
美矢がPGとしてチームを上手くコントロールする事で、リードを奪う巫魔。だが、美矢と光一の間にはまだ綻びがあり………?
次回「ボールが繋がらない」
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