県大会4回戦。ゆうがこの試合で使えない為、代わりに美矢を投入する事になった。チーム内で未だ反対のある中、試合は始まろうとしていた………
両チームのCが、センターサークルに立つと、試合開始の笛と同時に、審判の手にあったボールは大きく浮かび上がる。
光一「だあっ!!」
しかし、ジャンプボールは軽々と光一が制した。それを美矢が拾うと、素早いドリブルで敵陣へ切り込んでいく。それを観客席から見ていた湯津は………
湯津「へぇ………今まで見なかった割に上手いじゃん、あの12番」
美矢のプレイに惹き付けられていた。そして、芽衣は………
芽衣「うーん、12番の人、やっぱりどこかで見た事あるような気がするんだよなぁ………」
美矢に既視感を感じていた。すると修也も………
修也「そうなのか? ………でも、俺もなんか似てる人がいるんだよ、親戚に」
親戚に美矢そっくりの人物がいるという。
芽衣「親戚のお姉さん? でも、修也くん、名前教えてくれなかったじゃない」
修也は親戚に美矢そっくりの歳上の女性がいるようだが、名前までは優、アリサ、芽衣の3人には教えていなかったようで、芽衣は首を傾げるしか出来なかった。そうこうしているうちに、巫魔の最初の攻撃が始まった。敵陣はインサイドを主に守りを固め、Gだけをアウトサイドの春香につけていた。
アリサ「相手はいつも通り、春香をマークして、インサイド戦法だね。まあ、巫魔はアウトサイドシューターを並べて出す事はしないし、PGに外が無いからなぁ………」
アリサは巫魔の弱点をそう呟いた。実際、のぞみと美咲には外のシュートがない為、これまでの定石を考えれば、気をつければいいアウトサイドシューターはSGだけ。後はインサイドを固めればいい楽な配置というのが、田武の考えであった………だが、その考えはあっさり崩れる事になる。美矢は残り5秒を切ろうとする中、突如姿勢を低くし、素早いドリブルで敵をかわした。
田武4番「なっ………!?」
美矢をマークしていた4番の男は、美矢の不意討ちに近いドリブルに対応できなかった。
芽衣「ペネトレイト………!」
美矢は田武のインサイドへ侵入。
田武4番「か、囲め!!」
そこに3人がヘルプで入るが………
美矢「ボックスワン(4人でインサイドを固め、1人を外に配置する守り)か………でもな!」
美矢は一瞬で春香に目配せをする。春香をマークしていた5番の男は、4番の男が抜かれた事に気を取られ、その隙を春香に突かれて、春香と美矢のパスコースを作らせてしまう。美矢は大きくジャンプし、鋭いパスを春香に投げた。
芽衣「………!! 間違いない………! あの人は………!!」
それを見た芽衣は席を立ち上がる。そして、ボールを受け取った春香はそのままシュート体勢へ………
田武5番「………!! しまった!」
5番の男がすぐさまディフェンスに行くが、強引なディフェンスであった為に、春香と接触。春香はそれを受けてもスリーポイントシュートを放ち、ボールはリングの上を激しく回った後、ゴールに吸い込まれた。それと同時に審判の笛が鳴った。
審判「バスケットカウント、ワンスロー!!」
結果、判定はバスケットカウントワンスロー。そして、芽衣は直後に声を上げた。
芽衣「天野美矢だ………!!」
そう、芽衣は彼女が天野美矢だと気付いた。
戦記「天野美矢………!?」
これには戦記も驚いていた。どうやら、彼も中学時代の彼女を知っていたようである。
戦記「3年前まで中学バスケ界を震撼させたあの天野美矢か………!」
戦記が珍しく驚いている事に、意外そうな様子を見せる湯津。すると、その直後に修也まで席を立った。
アリサ「………? どうしたの、シューヤ?」
アリサがそう問いかけると………修也は震えた様子を見せ………
修也「み、美矢姉!?」
なんと、バスケ選手とは異なる理由で美矢の事を知っている様子を見せた。そして、その声を聞いた美矢は………
美矢「………おっ、修坊じゃん」
修也の顔を見るなり、反応する様子を見せたのだった………
試合で思わぬサプライズが起きながらも、巫魔は先制点を掴む事が出来た。果たして、このままペースを掴み取れるのか………!?
To Be Continued………
次回予告
美矢がPGとしてチームを上手くコントロールする事で、リードを奪う巫魔。だが、美矢と光一の間にはまだ綻びがあり………?
次回「ボールが繋がらない」