遂に開幕する巫魔vs魔帝の試合。ジャンプボールを制した魔帝に対し、優は咄嗟の判断による頭脳プレイと美矢のアシストで巫魔に先制点を与えたのだった………
それから2分。スコアは8vs6と巫魔が僅かにリードをとり、魔帝の鮎川がボールを持っており………
鮎川「六太郎先輩!」
鮎川は嶋川へボールをパスしようとする。
優「はあっ!」
しかし、優がこれをスティールした。
嶋川「なあっ!?」
嶋川はこれに驚きを隠せずにいた。幸い、鮎川はスリーポイントラインの内側でパスを行っていた為………
鮎川「はああっ!!」
鮎川は慌ててスティールに来た。
優「(動揺で動きが大雑把………軽いステップで行ける)」
しかし、優は前では無く左へ軽く動いた。これにより鮎川は優を通り過ぎてしまう結果に。
夢野「莉奈!」
すかさず夢野がフォローに走ってきたが、優は素早い動きで前線へドリブル。夢野のフォローが間に合わない位置に走り込んだ。
夢野「速い………!?」
夢野は優程のスピードは持ち合わせていないようで、驚きを隠せずにいた。
天川「私が止める!!」
天川は一足早く優の前に走り込む。しかし、優は素早いドライブで天川をかわしてしまった。観客席は大いに驚き、試合を見ていた内の1校、鬼ヶ島の十原は………
十原「参ったな………1人で大牧以外の相手を軽くいなしている………俺ですら自信ないんだけどなぁ………」
大牧以外の魔帝選手を圧倒する優の姿に圧倒されていた。
嶋川「大河!! 頼む!! 4番を止めてくれ!!」
しかし、魔帝にはまだキャプテンにして最強の大牧がいる。それが巫魔にとって大きなプレッシャーを与えた………ただ1人、優を除いて………
大牧「(恐れずに立ち向かってくる姿勢は賞賛に値するが………勇気と無謀は違うぞ、優………!)」
大牧は優が止まらずに来る事を賞賛しつつも、確実に止める気でいた。
優「(ここで欲しいのは流れだ………総合的なプレイレベルで大牧さんに勝てるなんて思っちゃいない………だから………)」
優は心の中でそう考えると、大牧に目を向ける。そうなれば当然大牧の視線も優に移る………優が動いたのはその一瞬の事だった。優はボールを地面に強く打ち付けると、ボールが手元を離れているタイミングで大牧を抜き去った。
大牧「(トップスピード………!? って、あれ? ボールは………!?)」
大牧もこれには驚きを隠せずにいた。
嶋川「大河! 上! 上だ!!」
嶋川は慌てた様子で大牧に声をかける。
大牧「(上? ………まさか!!)」
大牧はこの時になって気づいた。優は仕掛けてきていた。ボールは大牧の頭の上を通り過ぎた後、走っていた優の手元へ戻ってきたのだ。
大牧「(ボールを高く上げてかわしてきたか………! サッカーのヒールリフト見たいなかわし方だな………ん? 確か誰かがこれ使ってなかったっけ………?)」
大牧は優のプレイングに既視感を覚えていた。そしてその仕掛けは会場内の誰もを、そして特に試合を見ていた内の1校、奥泉高校は驚いていた。
朱桜「あれは私の{ハイバウンドリブル}!?」
なんと優は突破に朱桜の技である{ハイバウンドリブル}を模倣。大牧を出し抜く技として利用したのだ。
琴乃「成程ね………幾ら大牧大河とて急に初見の技を打たれたら出し抜かれる。優くんはそれを狙ったって事ね………」
琴乃は優の戦術に感心していた。そして、大牧をかわした優はそのままジャンプシュート。2点を追加して見せた。
観客「うおおっ!! 白宮優が無双してるぞ!!」
観客は優の無双とも取れる動きに歓声を上げていた。そして優の圧倒的な強さとプレイングは巫魔メンバーにも希望を与えていた。
美矢「………キャプテンめ………今日は絶好調だな………!!」
美矢は優の絶好調を悟る。大黒柱として機能する優の絶好調はとてつもなく大きなものだった。しかし、優はどうも浮かない表情を浮かべていた。
優「(………とっさに三玖さんの技を使わせてもらったが………多分2度は通じない。あくまで大牧さんを出し抜く初見殺しにしかなんないだろうな………タネがバレたら意味ないしなこの技………)」
そう、{ハイバウンドリブル}は原理や仕掛けがバレるとその相手には通用しなくなる特大デメリットがあった。その為、優は全くと言っていい程に慢心をする気は無かったのだった………
巫魔vs魔帝の試合において魔帝を驚かせる優。しかし、巫魔はまだ完全に圧倒した訳ではない。果たして、巫魔は魔帝を相手に完全なリードを奪う事は出来るのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
優を主軸にした戦術で7分間を戦い、スコアを稼いでいく。しかし、巫魔の監督ゆうかの采配によって一時的に優を下げる事となり………?
次回「時間配分を気にしないと」