幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
優をコートに戻して大牧へと挑む巫魔。しかし、優をコートに戻しても状況は変わる事なく、巫魔はまたしても大牧の3点プレイを許す絶望的な状況へ陥りはじめたのだった………


第378話 僕が何とかしなきゃ

それからも優は懸命に大牧へ挑んだ。しかし、優は大牧に抜かれては得点を許す絶望的な状況に陥ってしまっていた。おまけに第3Qに入ってから巫魔は全く得点する事が出来ず、気がつけば点差はみるみると突き放されていく。そして第3Q残り3分12秒の所でスコアは41vs61の20点差にまで突き放されていた。

 

戦記「巫魔はよく戦っていたが………100%の大河相手では苦しいのか………」

 

戦記は一方的な試合による巫魔の苦しさを感じとっていた。実際、観客の大半は魔帝の勝利を確信し始め、赤薔薇達応援団も言葉を失っていた。

 

修也「皆ー! 諦めるなー!!」

 

修也達は必死に巫魔を応援する。しかし魔帝有利の空気の中では修也達の声援は焼け石に水だった。

 

戦記「(巫魔の中にあるのは絶望の空気だろう。それに………)」

 

戦記は優に視点を向ける。優は息を上げながら大牧の前に立っていた。

 

戦記「(優のパフォーマンスが落ちてきている。しかし、まだスタミナは残っているはずだ………)」

 

戦記は優の動きが悪くなってきている事に着目していた。

 

優「はあっ、はあっ………」

 

何度目かもう分からかくなっていた2人のマッチアップ。

 

優「はあっ、はあっ………(………何とか………僕が何とかしなきゃ………!!)」

 

優は自分が何とかしようと懸命にプレイを続けていた。しかし、それによって内心焦り始めており、思うようなプレイが出来なくなっていた。

 

大牧「また抜かせてもらうぜ!!」

 

そして大牧相手にあっさりと抜かれた。これも最早何度目の光景だろうか。

 

光一「うおおおっ!」

 

光一がフォローに走ってきたが、大牧は軽く光一をかわすとそのままダンクを決めた。これによりスコアは41vs63。巫魔は絶望的な状況に追いやられてしまっていた。

 

ゆうか「(これ以上はまずい………!!)」

 

そしてこの状況下において………

 

審判「巫魔、タイムアウト!!」

 

監督のゆうかは慌ててタイムアウトを取った。これにより、一時的に巫魔を押し込んでいた絶望の空気をせき止めたのだった………

 

 

 

しかし、巫魔のベンチでは依然として絶望的な空気がある事に変わりはなかった。優ですら通用しない。戦記との対決以来の絶望は巫魔の選手達を………特に優を苦しめていた。

 

春香「………優さん」

 

春香は優へ声をかけた。しかし、優は何やらブツブツと呟いているばかりで春香の声へ耳を傾けてはいなかった。

 

春香「(優さん………大牧さんとのマッチアップが続くばかりで、頭の中が対大牧さんに支配されてしまっているのね………)」

 

優と長い付き合いである春香は、優は頭の中で大牧の攻略方を模索するばかりとなってしまっている事に気付いた。

 

春香「………優さん」

 

春香は再び声をかける。やはり優は反応してくれない。

 

春香「(ダメか………こういう時の優さんは周りが見えなくなってしまうわね………)」

 

優は周りが見えなくなっていた。パフォーマンスの低下はこれが原因でもある。二度の声掛けで春香がそれに気づいた直後、春香の右手は震え始めた。そして………

 

優「………っ!?」

 

直後に春香の手は優の左頬を思い切り叩いていた。

 

美矢「春香!?」

 

普段の春香に見られなかった行為にチーム内の誰もが驚いていた。優は何が起きたのか分からず、手に持っていたスポーツドリンクの缶を落とし、その中身は零れだした。

 

大牧「………? なんだ?」

 

大牧は巫魔の穏やかでない空気に首を傾げた。

 

春香「しっかりしてください優さん!! ………キャプテンの貴方が………周りを見えなくなってどうするんですか!!」

 

春香は珍しく声を荒らげていた。優は春香の怒る様子に何も言葉を返せなかったのだった………

 

 

 

大牧を止められずに20点以上の差を付けられる巫魔。更に優が焦りから周りが見えなくなる最悪の事態。そんな中で春香は優に対し怒りを見せていた。果たして、彼女が怒り出した訳とは………?

To Be Continued………




次回予告
ピンチである今だからこそ優がキャプテンとして機能しなければならないと諭す春香。しかし、春香の中では優に頼る自分達の情けなさについても言及しており………?
次回「貴方はキャプテンなんですから」
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