幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
接戦を目にした戦記は、次のゴールを決めた方が勝利する事を予測。そしてコート内で両チーム共に懸命なディフェンスを行い、両チームが勝利を決める1ゴールを狙う展開となるのだった………


第398話 究極のアリウープ

残り時間が次々と削られていく中で、魔帝は鮎川を中心にオフェンスの様子を見ていた。そして、巫魔側は美矢が鮎川につき、他の4人はマンツーマンでマークする事に

 

大牧「莉奈! これが多分ラストプレイだ! お前の好きなようにやれ!!」

 

大牧は最後の魔帝の攻撃を鮎川に託した。鮎川にとってはプレッシャーがかかる状態であったが、それでも隙の無い様子を見せながら様子を見ていた。

 

鮎川「………美幸ちゃん!!」

 

鮎川は夢野へ声をかける。鮎川はボールを夢野にパス………すると見せかけて、一瞬のアイコンタクトで大牧にボールをパスした。

 

光一「何っ!?」

 

大牧をマークしていた光一は驚いていた。

 

大牧「ナイスプレーだ………莉奈!!」

 

大牧はそのままシュートを狙いに来た。

 

光一「うおおっ! {ウォールブロック}だああ!!」

 

光一は体を広げ、シュートコースを塞ぐ………が、大牧はボールを持った右手を大牧の真横に持って行った。

 

光一「ぬあっ!! (だ、ダブルクラッチ………!?)」

 

この土壇場でダブルクラッチを狙ってきた事に光一は絶望していた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優「ぬあああああっ!!」

 

しかし、優はこの土壇場で光一の死角から手を伸ばし、大牧のシュートをブロックした。ボールは積牙が拾い、優は着地姿勢を崩し、地面に倒れ込む。

 

積牙「キャプテン!?」

 

積牙は動揺する様子を見せていたが………

 

優「走れ!! 僕の事はかまわず………!!」

 

優はオフェンスを求めた。この時点で試合時間は14秒。今の巫魔にとっては逆転が出来る最後のチャンスだった。積牙は美矢へボールをパス。巫魔メンバーは優を置き去りに上がって行った。このプレイに大牧達は一瞬フリーズしていたが………

 

大牧「っ! 戻れ!! 絶対点を取らせねぇ!!」

 

大牧達はすぐに我に返ってディフェンスに戻った。

 

美矢「(この1本、絶対取る………!!)」

 

美矢は鮎川、嶋川のダブルチームを前に様子を伺う。しかし、残り時間はもう少なく、9、8、7秒と時間が無くなっていく。

 

美矢「(くそっ………! シュートさせる気ねぇなコイツら………!!)」

 

魔帝選手のディフェンスを前に美矢は内心押されていた。そんな中、春香が自身の後ろの人影に気付くと………

 

春香「美矢ちゃん!!」

 

この場面で美矢からのパスを求めた。美矢は驚いていたが、突如、自身の後ろから人影が見えたのを目にすると………

 

美矢「よし!」

 

美矢は春香へボールをパス。春香は夢野にマークされていたが、春香は自信を見せていた。

 

美矢「春香! 最後にデカイのをぶちかませ!!」

 

美矢は春香の背中を押した。残り時間5秒。春香は姿勢を低くさせる。

 

夢野「撃たせない!!」

 

夢野は反射的にジャンプ。しかし、春香はそこまで沈み込んでおらず、鋭いドライブで夢野をかわした。

 

夢野「(こ、この場面でフェイク!?)」

 

夢野は動揺を隠しきれなかった。今度こそ春香は足を止めてシュート体勢に入る。

 

大牧「させねぇ!!」

 

しかし、そこへ大牧が走り込んできた。残り時間は3秒であり、このタイミングで大牧がジャンプしブロック体勢に入った。

 

積牙「春香先輩っ………!!」

 

春香の危機に慌てる積牙。だが………

 

春香「………そう来て下さって本当に良かった………!!」

 

春香はそう言うと右手を大牧の横へ動かし、ボールを高く上げた。

 

大牧「(ヤケクソの放り投げ………入る訳ない!!)」

 

大牧は春香が苦し紛れの策に出たと思い、ボールに視線を向けた………その時だった。

 

大牧「な、なあっ!? ゆ、優………!?」

 

なんとボールの方角には、いつの間にフリースローラインにまで走り込み、大きくジャンプしていた優の姿が。

 

優「うあああああああああっ!!」

 

優は空中で春香が投げたボールを両手で受け取ると、ブザービートと同時にゴールリングに叩きつけて沈めた。

 

戦記「何っ………!?」

 

これには戦記を始め、観客の誰もが驚いた。そして、コートにボールが転がり落ち、優はリングから手を離して落下。しかし、着地と同時に左足のダメージでその場に倒れ込んだ。目の前の光景が誰も信じられない中、スコアボードは78vs79から80vs79へと動いた。

 

光一「80vs79………って事は………!!」

 

光一は呆然とする様子を見せる。そこに美矢が近付くと………

 

美矢「ああ。私達の勝ちだ………!!」

 

巫魔の勝利を告げる。それを聞いた光一は………

 

光一「………しゃああああ!! 優勝だ!! 優が最後の最後に{究極のダンク(アルティメットダンク)}………いや、{究極のアリウープ(アルティメットアリウープ)}決めたぞー!!」

 

両手を挙げると共に、優のラストプレイへ勝手に必殺技名をつけた。

 

積牙「やりましたね! コウさん! 美矢さん!」

 

積牙は光一と美矢の元へ近づいてそう言った。 3人が喜ぶ姿を、倒れながらも見ていた優は嬉しそうに様子を見ていたが、直後に彼の元へ近づいて来た春香は優の肩に腕を回すと、彼を立たせると共に………

 

春香「全国制覇ですね、優さん!!」

 

笑顔を見せながら、全国制覇を成し遂げた事を優に告げる。優は春香の頭に手を置くと………

 

優「そうだな、春香………!」

 

嬉しそうな様子でそう呟くのだった………

 

 

 

最後の1ゴールを追う勝負にて、両チームがぶつかり、最後の1ゴールがブザービーターのシュートとなった。そしてそれを成し遂げたのは、仲間達の連携を経て、豪快にアリウープを決めた優であったのだった………

To Be Continued………




次回予告
魔帝側は巫魔に敗れた事に涙するが、自分達を倒した巫魔を賞賛した。そしてこの時に、大牧は優の事を心の底から認める様子を見せ………!?
次回「もう1人のライバルだ」
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