スペインチームがカノン中心の戦術にシフトする事により、カノンの集中力は再び戻る事となった。それを見た優は、この試合がまだ一筋縄ではいかない事を呟くのだった………
優「理子、ちょい!」
追い詰められそうになる状況の中、優は試合が止まっているこの瞬間において、理子を近くに呼び寄せた。
理子「な、なんですかキャプテン?」
理子が首を傾げながら優へと近づく。優は理子の耳元に顔を近づけると………
優「相手さんのスローインを何とかうちのチームに回してくれ、頼む………!」
優は彼女に対し、スペインチームのスローインをなんとか自身に回せというやや無茶振りじみた策を求めた。
理子「スローインを取れ………!? もしボールを取りに理子が来たらどうするんですか………!?」
理子は優に対し、慌てふためくようにそう問いかける。
優「僕が押さえる。それにボールを回す相手は僕以外の誰かでいい………皆、嫌でも分かってるんだ。この状況で100%の実力者以外に出来る事なんて殆ど限られてるって事は………それにカノンの集中力が戻って来た以上、手を打たないと負ける………やるしかない………!」
しかし、優はこの場面でやるしかないと強引に説得。
優「………頼むぞ」
そう言って無理矢理話を切り上げてしまった。
理子「(無茶ですよ………とは言いたいけど、キャプテンも相当本気だった………やるしかない………!)」
理子も内心では動揺していたが、優の様子からやるしかないと強引に頷く様子を見せたのだった………
そして、試合はソンブラがスローインする形で試合再開。ソンブラはカノンに向けてボールを投げるが、理子は優の言いつけを守り、ボールが投げられた瞬間に走り出す。そしてカノンにボールが渡るギリギリでボールに触れ、修也の方に軌道を変える。
ソンブラ「な、何っ!?」
これにはスペインチームは勿論、作戦を知らない修也達も驚いていた。理子はボールを投げ飛ばした直後に姿勢を崩し、倒れてしまうが、これにより全ニホンチームがボールを確保した。
修也「………ミドレーユ!!」
修也は迷わず優にボールを回す。優はボールを受け取ると………
優「………賭けに出る………皆、上がれ!!」
優は他の仲間達に上がるよう指示をかける。
光一「ここで上がるのか………!?」
光一達は優の策に驚いていたが、優を信じる以外に方法は無かった。
メイヤ「ここで味方を上げる………!? {100%領域(ハンドレッドリジョン)}に入った選手にパスは出来ないはず………!!」
メイヤは、この土壇場で見せる優の奇策に驚いていた。優はカノンとマッチアップするが、優は初手からパスを選択。前線に向けてボールを投げた。
芽衣「100%状態でパスしても相手の方が取れないはず………一体何を狙っているの、ミドレーユくん………!?」
優の策には誰もが驚いていた。しかし、優はこのパスで1つ工夫を行っていた。それは味方にボールが回る前に地面にボールをバウンドさせる事であった。これによりとてつもない回転を誇るボールの軌道が変わると共に幾らか威力が軽減。ボールが修也に渡った時、修也は多少手に負担を感じただけでボールを受け止められた。
グリィ「な、何っ!? そんなのありか!?」
グリィは目の前の光景に驚き、思わず足を止めてしまった。修也も驚きこそしていたが、その隙にジャンプシュートを放つ。
グリィ「し、しまった………!!」
グリィは完全に不意を突かれてしまった。修也が放ったシュートはリング上で軽く回転すると、そのままリングの中へ沈み、スコアを56vs61へと伸ばした。
光一「す、すげえ………優の新必殺パスだ! {超回転のパス(スーパーローテーションパス)}だ!!」
光一は優のプレイに喜び、いつものように勝手に名前をつけて喜んでいた。しかし、優はこの土壇場で、今まで不可能と言われていた{100%状態}でのパスを成功させてしまった。その光景は会場内の誰もを驚かせ、観客席で見ていたメイヤも思わず思考が一瞬止まってしまっていた。しかし、優の見せた奇跡的な技に喜ぶ様子を見せると………
優「流石ユウ………不可能を可能に変える男だわ!!」
優の事をそのように評価する様子を見せたのだった………
{100%領域}同士の苦しい勝負が繰り広げられる中、優は今まで不可能であると思われていた{100%領域}によるパスを成功させた。果たして、この策を用いる事により、全ニホンチームは逆転を掴む事は出来るのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
優にパスの選択が現れた事で、カノンに対し再び優位に立つ事が出来た全ニホンチーム。しかし、残り時間5分を切ったタイミングにおいて、優のスタミナに異変が訪れてしまうのだった………
次回「スタミナ切れが近い」