衝撃の敗北に責任を感じる理子は、涙を流しながら自らを責めていた。そんな彼女に対して、優とカノンの2人は優しく言葉をかけるのだった………
その日の夜、優は春香と共に合宿場の部屋におり、優は足を氷で冷やしていた。
優「足が動かん………多分ただの筋肉痛だと思いたいが………」
優はこの日、力を発揮し過ぎた影響で足に疲労が溜まりきっていた。
春香「大丈夫ですよ。次の試合は3日後ですし、監督も次の試合までは優さんの練習を免除して下さいましたし」
春香はそう言って優の足を優しく手当てする。
優「それは足の疲労を残させない為だろうね。また何時メイヤやカノンのような100%の実力を発揮出来る相手と当たるか分からない以上、僕を潰したくないのかな………自画自賛的で気持ち悪い考察だけどね」
優はどこか嫌そうにそう呟いた。すると、2人のいる部屋にノックの音が聞こえた。
優「どうぞー」
優は適当そうな返事をする。部屋に入ってきたのは漸く泣き止んだ理子だった。
優「理子………どした?」
優は理子が来たのを目にすると、先程までの態度を一変させ、真剣な表情で理子を見やった。
理子「あの………今日の試合は私のせいで………すみませんでした………!!」
理子はそう言って優に頭を下げた。
優「………」
優は口を開かずに少し考え込む様子を見せた。優はそれから数秒経ってから口を開いた。
優「責任を感じるな、理子」
それは、理子が感じていた責任を真っ向から否定するものだった。
優「はっきり言うけどさ。あの1プレイは仕方無かった。残り時間僅かかつ、3点差の場面でスリーとフリースローを決めたのは完全に奇跡だった。あと1秒遅かったら負けていたって感じていたのはあっちの方………カノンなんだ。それに、責任を取るなら僕の方だ」
優はあの失点は仕方が無いとした上で、責任を取るなら自分であると口にした。
理子「え………?」
理子には優の言葉の意図が掴めなかったのか、思わず首を傾げた。
優「最後の局面でもし僕の体力が持っていたらあの試合は負けなかった………試合が終わった時から僕はずっと頭の中でそう考えていたんだよ」
どうやら優も理子と同じ事を考えていた。もし、自身の体力が持っていたら………それを聞いた理子は意外そうな表情を優に向けた。
優「あの試合、誰も理子の最後のプレイを責めちゃいないよ。監督達がどう思っているかは知らないけど、君はよく頑張ったさ。なあ、春香?」
優は理子に責任は無い事を告げ、春香にも同意を求めた。
春香「勿論です。それなら私だって試合に出られなかった事を呪っちゃったりしますし」
春香はにこやかな表情でそう言葉を返した。
理子「キャプテン………春香先輩………」
2人の言葉で漸く自らを縛っていた責任から解き放たれた理子。それを聞いた理子は目元を服の袖で拭き取ると………
理子「キャプテン。私、もっと上手くなりたいです………!」
理子は自身の更なる向上の意思を優に伝えた。
優「ああ、その意気だ。理子の向上心が続く限りは僕も協力するよ」
優は理子の言葉に優しく呟いた。そして、元気を取り戻した理子は………
理子「じゃあ私、寝る前にシュート練習してきますね」
寝る前にシューティングをして来る事を告げて部屋を出ようとする。
優「待て、理子。僕からも1つ君に相談があったんだった」
しかし、優が突如として理子を引き止めた。
理子「な、何ですか………?」
理子は首を傾げながら優に再び視線を向けた。
優「君のオフェンスやシュート力は充分高い。だけど、それをオールレンジで活かしてみないか?」
優は理子の実力を評価し、そう問いかけた。理子は優の言葉の意図が掴めず首を傾げた。
優「あはは、分かりにくかったかな………まあ要するに、ポジションをSFに変えてみないかって話だよ」
優は理子のポジションをSGからSFに転向してみないかと問いかけた。
理子「えっ!? 私がSFを………!?」
理子はSG以外のポジション経験が無いようで驚く様子を見せていた。
春香「大丈夫よ。優さんは中学の時にSFだったんですもの。本当に転向するとは行かなくても、考える意味はあると思うわ」
春香は優が元SFである事を理子に教えた。それを聞いた理子は………
理子「はい、やります! やらせてください!!」
自身の更なる成長の為にこの提案を受け入れたのだった………
優の言葉で責任を感じる事を止める事が出来た理子。もう負けられない状況の為、優は理子のポジションを変えるという手に打って出た。果たして、この考えがチームのレベルを大きく押し上げるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
優は練習免除の期間を、理子への特別特訓の時間に充てる事になった。そんな彼の元にアメリカ人のバスケ女子が現れる。彼女は優に興味を示していたのだが、その理由は彼女の師匠にあったと呟くのだった………
次回「アンタが例の」