幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
合宿場に戻った際、優達は大牧と再会する。しかし、大牧が無断で抜けていた事を優と三浦は問題視した事で、優と大牧の間に深い溝が生まれてしまうのだった………


第543話 ムカついたんだ

優が合宿場の自室に向かった後、優を心配した春香が追いかける形で、部屋に入ってきた。

 

春香「あの………大丈夫ですか、優さん………?」

 

春香は部屋の鍵をかけると、心配する様子を見せながら優に声をかける。すると優は今にも泣きそうな表情を見せながら春香に抱き着いた。

 

優「………ぶっちゃけしんどい………」

 

どうやら大牧との前では幾らか強がっていた部分があるらしく、かなり辛そうな様子だった。

 

春香「よしよし、辛かったですね………」

 

春香は優を抱きながら、彼の頭を優しく撫でるのだった………

 

 

 

10分程経って優は落ち着きを取り戻した。そして、春香に自身の心情を吐露し始める。

 

優「………今のチームが結成された直後の時にキャプテンを決める事になったの、覚えてるかな………あの時、僕がキャプテンを大河さんに譲ったのにはもう1つ理由がある………僕は、あの人ならキャプテンを任せてもいいと信じてた………信じてたのに、メイヤ達との試合後にあの人は姿を消してしまった………多分あの人の事だ………もっと強くなろうとして特訓しに姿を消してしまったんだろうけど………僕達は今のメンバーで決勝トーナメント出場まで駆け抜けて来た………そんな中であの人が戻って来てもどの面下げて………って感じにしかならない。はっきり言って、ムカついたんだ………」

 

優は落ち込みながらそう呟く。どうやら彼の中で、スターデビル戦後に勝手にチームを抜け、今になって戻ってきた大牧の行動に対する怒りの感情が先程の言葉を吐いた理由だった。

 

優「………キャプテンらしからぬ幼稚な理由だとは自覚してるよ。でも、あの人が今チームに戻っても混乱しか生まれない………チームと大河さん。どちらも本当の意味で事が受け入れられない限りは大河さんの復帰は無理だろうなって………僕は少なくともそう思うかな………はあっ、これでしばらく大河さんの前で怖い顔しないといけなくなった………」

 

優は息苦しそうに春香に抱き着く。優が心の中で苦しんでいるのを察知した春香は、優の頭を撫でる。

 

春香「………今は私の胸の中で泣いてもいいですよ。この部屋は私達が唯一プライベートな関係でいられる部屋ですから………」

 

春香は優が心から自分に甘えられるように、優しく彼を癒し始めるのだった………

 

 

 

大牧のチーム復帰を認めない優の心情は複雑なものであり、彼自身の私怨も幾らか混じったものと、春香以外には吐露できない優の弱い心を揺さぶるものであった。この事から、優がただ大牧の復帰を否定している訳では無い事を、春香はこの時に知る事となったのだった………

To Be Continued………




次回予告
一方、大牧は自身の復帰を認めない優に不満を見せていた。しかし、戦記は自身も優と近い立場に立っている事を告げるのだった………
次回「タダで復帰はさせないぞ」
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