幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
湯津がフリースローで先制点を決めたものの、クラウトの反撃打により2点を取られてしまう。クラウトの強さはフィールドの流れを掴んでいると認識させてしまう程に圧倒的なものであったのだった………


第580話 生命線だ

それから7分。試合は4vs12と全ニホン側が不利な展開が続いていた。戦記の活躍で必要最低限の失点に留めると共に、戦記が1度スリーを決めたものの、依然としてクラウトが試合を支配している事は変わらなかった。

 

春香「良太さんのお陰でまだ点差は離れてませんけど、このままじゃ防戦一方ですね………」

 

春香もこの状況がマズイ事はなんとなく察していた。優が表情を変えないまま試合を見守っていると、琴乃が持っていたボールがクラウトに弾かれ、コートに出てしまった。そして………

 

審判「ニホン、メンバーチェンジ!」

 

全ニホン監督の三浦が審判団の方へ向かっていたようで、全ニホン側の交代が会場に告げられた。

 

三浦「十原に変わって、優を投入する!」

 

三浦はここで全ニホンチームの切り札である優の投入を宣言する。それを聞いた優は頷いた様子を見せた後に席を立つと、コートの前へと立った。そして、十原とハイタッチをする形で入れ替わり、PFのポジションに優が入る事となった。

 

クラウト「(………来たか)」

 

クラウトは、いよいよ試合に出てきた優に視線を向ける。それと同時に戦記も優へ視線を向けており………

 

戦記「(ここで優を投入するか………優は今や全ニホンチームの生命線だ。優が敵わない相手がいる場合は俺たちの勝ち目など一気に薄くなるが………ここで出してきたという事は、監督には秘策があるという事だな………)」

 

優の登場を目にし、戦記は三浦に策がある事を察知するのだった………

 

 

 

試合は琴乃のスローインで試合再開。琴乃が戦記にボールを投げ渡すと………

 

戦記「優! 攻撃の起点はお前を中心に立てる! 遠慮なく戦え!」

 

戦記はそう言うと、優にボールを回す。優はスリーポイントラインに入って間もなくダンクを狙いに行った。

 

理子「いきなりダンク………!?」

 

理子は優の行動に驚いていた。

 

クラウト「(試合開始間もなくダンクを狙うとは、相当勇気があるらしいな………しかし………!)………俺を相手に逃げられはせん!!」

 

クラウトもこれには驚いていたが、しかし、優の後ろから大きく跳躍し、ボールを奪おうとしてきた。

 

理子「きゃ、キャプテン!!」

 

これには全ニホンチームの大半が焦っていた。しかし、優はクラウトの手がボールに触れる寸前で、ボールを後ろの上へ放り投げた。

 

クラウト「何っ!?」

 

これにはクラウトも驚いていた。そして、ボールの軌道はスリーポイントラインの外に立っていた琴乃へボールが渡った。

 

ソーセ「撃たせるか!!」

 

ソーセが慌てて琴乃のシュートを止めようと跳躍するが………

 

琴乃「その程度の跳躍で私のシュートが止められるものですか! はあっ!!」

 

琴乃はソーセを上回る高さのシュートを打ち上げる。ソーセの手は届かず、ボールはリングの中へと沈んだ。

 

理子「山吹先輩の{アドバンスハイスリーポイントシュート}………!」

 

全ニホンチームは3点を追加し、スコアを7vs12へと近づけた。それを見たクラウトは………

 

クラウト「………やるな」

 

優の策を素直に認める様子を見せていたのだった………

 

 

 

優の投入と、琴乃のシュートで3点を決めた全ニホンチーム。クラウトを出し抜いたという大きな事実から、果たして全ニホンチームはこの流れを続ける事が出来るのだろうか………!?

To Be Continued………




次回予告
全ニホンチームはこの流れを掴む為に、次なる手に出ようとしていた。しかし、クラウトが優の強さを認めた事で、彼自身の調子を上げてしまうのだった………
次回「ライバルだと認める」
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