幻想籠球録~低身長バスケ部の記録~   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
積牙は監督のゆうかに出場を直談判する。それを受け入れたゆうかは、積牙を4ファールの身の中出場させる………!!


第61話 他がどうでも良くなる

速野「(ここで10番………何を考えている?)」

 

速野は首を傾げる。

 

羽端「(私がゆうかの立場なら、幾らか決定力のある8番ちゃんを下げてまで4ファールの10番くんは使わない………まだ巫魔側に勝ち目がある場面で一体何を考えているの………?)」

 

この大事な場面で積牙が出てきた事には羽端も首を傾げる。そして、審判の笛が鳴り、試合再開。ボールをコートに投げ入れるのは優。

 

優「皆! ここは確実に1本取るぞ!」

 

優がチームを鼓舞すると、ボールをコートに投げる。これを受け取ったのはなんと積牙。受け取った直後、ドリブルに転じるが………

 

速野「10番を締め出す!」

 

それを受けて速野は積牙を5ファールにすべく指示を出し、映鳴と野村の2人をつける。

 

芽衣「あの10番くんを退場に追い込む気だね………」

 

積牙のファール率の高さは過去の試合から証明済み。そして、きついマークをし、パスする間も与えなければ、積牙は十中八九ファールする。会場の誰もがそう思っていた。

 

速野「よし! 無理して取りに行かなくていい! そいつからパスをさせなきゃ上出来だ!」

 

速野もそれを理解していた為、映鳴達に無理なプレイをさせず、24秒のバイオレーション、もしくは積牙のファールが成立する事を最優先にさせた。結果、積牙は攻めあぐねてしまい、いつの間にか時間は5秒を切る。爆速のベンチ陣も、24秒ルールが成立するまでの時間をカウントする。

 

爆速選手「5! 4! 3!」

 

時間は残り3秒。

 

羽端「(もらった………!)」

 

羽端が24秒経つのを確信したその瞬間だった。積牙は研ぎ澄まされた目をしながら姿勢を低くし、映鳴達の僅かな隙間を抜ける神業的なドライブでかわした。

 

速野「何っ!?」

 

芽衣「ええっ!?」

 

これには、会場中で驚きの声が漏れた。ダブルチームを抜いた積牙は残り1秒のタイミングでジャンプし、シュートを放つ。シュートは綺麗にゴールへ吸い込まれた。

 

伊吹「よーし! 4点差だ!!」

 

巫魔は喜びの声をあげる。

 

光一「やったぜ、セッキー!!」

 

光一や美矢は積牙に近づく。しかし、積牙は褒め言葉が耳に入っていないのか、表情を変えなかった。

 

優「おーい!! ディフェンス!! すぐ来るぞ!!」

 

優は爆速が試合を再開させようとしているのを見て、すぐにディフェンスを指示。

 

美矢「分かった! ………何はともあれ、良かった」

 

美矢は積牙のプレイを褒めると、ディフェンスに戻る。積牙もディフェンスポジションにつく。

 

積牙「(あの数秒………5秒にも満たない間だったかな………1本決める。その為なら………他がどうでも良くなる………そんな気分だった………俺がバスケを初めてからの数年………こんな事は初めてだ………)」

 

その時、積牙はあの5秒にも満たない時間の中でそんな気分になっていたのだった………

 

 

 

積牙のスーパープレイで4点差に追いつく巫魔。果たして、今の積牙のプレイは追い風となるのか………!?

To Be Continued………




次回予告
4ファールとは思えない積牙の絶好調状態で、残り1分。遂に巫魔は同点に追いつく。その際、積牙は速野相手に今試合1番のドライブを見せる………!
次回「勝つんだ」
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